リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月28日)現在において当社が判断したものであります。
(1) 経済状況・消費動向に関するリスク
当社グループは主に日本国内において事業を展開しておりますが、国内景気や個人消費の動向などの経済状態が、当社グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 天候に関するリスク
当社グループのアパレル事業の販売高はそれぞれの季節における天候不順に少なからず影響されます。著しい天候不順が生じた場合、消費マインドの低下を招き、業績と財政状況に悪影響を与える可能性があります。
(3) 安全性に関するリスク
当社グループは、製品の品質、安全性の確保を経営の最重要課題のひとつであると考えており、製品の製造過程において発生する可能性のある針等の危険異物等の混入などの欠陥を防ぐため、品質管理部署を設け、最新の検針器の導入や、専門機関による全品検査など安全性の向上に努めております。しかしながら、予測できない事故により製品に欠陥が生じた場合、消費者や販売先に不信感を与えるとともにブランドイメージを損ね、業績と財政状況に悪影響を与える可能性があります。
(4) 市場競争力に関するリスク
当社グループが営むアパレル事業は、品質や価格面での競争力に加え、商品の感性やファッション性、店舗演出力といった変化の激しい消費者ニーズへの対応力も競争優位性を確保する上で重要な要素となります。
当社グループではこのような市場環境におきまして、明確な商品戦略、販売戦略をもって、魅力的な製品を提供できると考えておりますが、当社グループが市場の変化を十分に予測できず、他社との競争力が後退した場合、将来における売上の低迷と収益性を低下させ、業績と財政状況に影響を与える可能性があります。
(5) 製品の仕入に関するリスク
当社グループは多くの製品を中国から仕入れております。当該国においては、急激な経済成長を背景に、政策による後押しもあって、労働者賃金の上昇など情勢の変化が顕著になっています。今後、賃金がさらに大幅に上昇した場合、製品仕入コストの上昇を招く恐れがあります。
また、賃金上昇は内陸部にも広がりをみせていることに伴い、沿岸部における労働力不足が一層深刻になる恐れもあり、その場合、著しい生産力の低下を招き、当社グループ製品の生産が困難になる可能性があります。
さらに、中国メーカーとの取引は、主として米ドル建で行っておりますが、今後、為替相場がさらに円安となった場合、製品仕入コストの上昇を招く可能性があります。
これら仕入コストの上昇や生産力の低下が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 不動産賃貸に関するリスク
当社は、2022年4月より、事業の第2の柱として不動産事業を拡大を図っております。これにより、全国に賃貸不動産を多数保有しておりますが、不動産市況の動向によっては、賃貸物件の入居率やテナントの利用率の低下等により、業績と財政状況に影響を与える可能性があります。
(7) 災害等に関するリスク
当社グループの本社および店舗等の事業拠点は日本に展開しております。地震、台風、洪水、津波等の自然災害、火災、停電、原子力発電所事故、戦争、テロ行為等により、事業活動の停止や施設の修繕に係る多額の費用が発生し当社グループの事業運営に重大な支障が生じた場合、当社グループの業績や財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 新型感染症拡大に関するリスク
新型コロナウイルスは一旦収束に向かっておりますが、今後再び新たな感染症の発生や感染拡大により、再度、緊急事態宣言が発出された場合、店舗の休業や外出自粛による客数の大幅な減少、所得減少による消費マインドの落ち込み等により、当社グループの業績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(9) 継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、前連結会計年度において実行した「事業ポートフォリオの転換」により、当連結会計年度において37百万円の営業利益及び40百万円の親会社株主に帰属する当期純利益を計上、営業キャッシュ・フローの黒字化を果たすことが出来ましたが、安定的な利益構造の確立には至っていないとの判断から、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。
当社グループは、以下の対応策を着実に実行することで、当該状況を早期に解消し、業績及び財務体質の改善を目指してまいります。
不動産事業については、2024年3月期において、前年同期を上回るセグメント利益を計上し、また、株式会社キムラタンプロパティの収益増により、次期においても安定した利益確保を見込んでおりますが、物件状況の把握をさらに詳細に行い修繕費等のコスト最小化にも取り組み、収益力のさらなる向上を図ってまいります。
さらに成長戦略として新たなM&Aを含む不動産投資についても、引き続き積極的に案件の探索と検討を推し進めてまいります。
アパレル事業につきましては、売上規模よりもブランド力の回復と向上を重視、独自価値の提供をさらに追及し、価格競争ではなく差別化による事業再構築に注力し、結果として粗利益率の改善、在庫消化率の向上に取り組んでまいります。
また、2024年3月期において固定費の削減に努めてまいりましたが、次期においてはその効果により利益改善が見込まれることに加え、今後も引き続き合理化を進め、収益構造のさらなる改善を図ってまいります。
ウェアラブル事業につきましては、2024年3月期において導入園数及び利用園児数が倍増し、黒字転換を果たすことができました。
保育の現場における事故防止に対する関心が高まる中、今後も導入園・利用園児数の増加が見込まれます。次期においてはバックオフィス体制の整備、導入園の利便性の向上に取り組むとともに、導入園のさらなる拡大にも注力し、安心・安全、保育の質の向上に貢献することを通じて社会的に意義のある事業として育成し、安定的な収益確保につなげてまいります。
以上のとおり、当社グループは、さらなる収益力の向上と安定的な財務基盤の構築に向けた対応策を着実に実行することで、当該状況の早期解消は実現可能であり、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主の皆様のご支援にお応えするために適切な配分を行い、また、経営基盤を確保し収益向上を図るための投資を行うことが利益配分の基本であると考えております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。剰余金の配当の決定機関は、中間配当については取締役会、期末配当については株主総会であります。中間配当については、「当会社は、取締役会の決議により、毎年9月30日の最終株主名簿に記載若しくは記録された株主または登録株式質権者に対して、中間配当をすることができる。」旨を定款に定めております。
しかしながら、過去の継続的な損失計上により永きに亘り無配とさせていただいております。
当事業年度におきましては当期利益を計上したものの、安定的な収益の獲得には至っていないことから、誠に遺憾ながら配当を見送りさせていただきたく存じます。