リスク
3 【事業等のリスク】
当社グループは、素材から製品までの繊維事業及び機械、化成品、その他商品の工業製品事業を営んでおり、北米をはじめアジア、ヨーロッパなど広く海外との取引を行っております。
そのため、当社グループは、将来の経営成績、財政状態に影響を及ぼすと考えられる様々なリスクをかかえており、それらのリスクを十分認識しながら、事業運営に携わっております。
有価証券報告書に記載しました事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。経営者は、これらの事項を含めたすべての事象が経営活動におけるリスクと認識し、リスクの発生を未然に防ぐとともに、発生した場合の的確な対応に努めております。
なお、当該事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経済情勢変動によるリスク
当社グループは、上記のとおり、様々な国や地域で事業を展開しております。したがって、日本、北米、アジア、ヨーロッパなどを含む当社グループの主要な市場や調達先において、景気後退及び金融危機など経済情勢の急激な変動が生じ、需要が縮小あるいは当社グループの商品調達力が低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替レート変動によるリスク
当社グループは、様々な通貨で取引を行っております。外貨建金銭債権債務等に係る為替変動リスクを最小限に止めるため、為替予約を行っておりますが、為替レートに急激な変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 金利変動によるリスク
当社グループは、主として金融機関からの借入金によって事業資金を調達しております。営業資産の多くは借入金利の変動リスクを転嫁できるものですが、金利に急激な変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 株価変動によるリスク
当社グループは、取引先を中心に市場性のある株式を保有しております。これらの株式については、価格変動リスクがあり、今後の株価の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 退職給付債務に関するリスク
当社グループの退職給付制度は、一部を除いて確定給付型制度を採用しております。退職給付債務は、退職給付債務の割引率や年金資産の長期期待運用収益率などの数理計算上の前提にもとづいて算出されておりますが、数理計算上の前提を変更する必要が生じた場合や株式市場の低迷などにより、年金資産が毀損した場合には、将来の当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 信用リスク
当社グループは、国内外で多様な取引を行っており、取引先に対して売上債権や保証等の形で信用供与を行っております。信用供与の実施に際しては、一定のルールに基づき、適切な信用限度額を設定するとともに、回収の状況を定期的に確認し必要な貸倒引当金を計上するなど、厳格かつ機敏な与信管理を行っておりますが、これら信用リスクを完全に回避できる保証はなく、特定取引先において不測の倒産などによる債務不履行が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 消費者の嗜好変化及び気候不順によるリスク
当社グループは、流行や消費者の嗜好を追求する衣料品やファッション商品を取り扱っております。シーズン商品を主体に短サイクルでの営業展開を図るとともに、商品企画精度の向上や生産期間の短縮化に取り組んでおりますが、ファッショントレンドや消費者嗜好の短期的変化及び冷夏・暖冬などの気候不順により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 品質に関するリスク
当社グループは、繊維から工業製品まで幅広い分野にわたる事業を営んでおります。衣料品に係る品質基準に加え、衣料品以外の商品についても適切な基準をもって対応しておりますが、今後自社又は仕入先などに原因が存する事由により、商品の製造物責任に係る事故が発生した場合には、企業・ブランドイメージの低下や多額の損害賠償の請求などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 事業投資リスク
当社グループは、業容拡大を目的として、国内外で事業投資を行っております。新規の事業投資を行う場合には、その意義・目的を明確にした上で、一定のルールに基づき、意思決定をしております。また、投資実行後も、事業投資先ごとのモニタリングを定期的に行い、投資価値の評価・見直しを実施しております。
しかしながら、これら事業投資については、期待収益が上がらないというリスクを完全に回避することは難しく、当該案件から撤退する場合や事業パートナーとの関係など個別の事由により、当社グループが意図したとおりの撤退ができない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) カントリ-リスク
当社グループは、広く海外でも事業展開を図っております。予測可能なリスクについては、過去のノウハウや知り得る情報をもとに細心の対応を行っておりますが、テロ又は戦争等による予期不能な政治・経済の混乱あるいは法律等の変更が起こった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 法規制に関するリスク
当社グループは、繊維関連と工業製品関連の様々な商品を取り扱っており、国内外の各種法令・規制の適用を受けております。そのため、コンプライアンス体制の強化により法規制の遵守に努めておりますが、これら法令・規制等に抵触し事業活動に制約・制限を受けた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 情報システム及び情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、業務効率化や情報共有のため、情報システムを構築・運用しております。情報システム運営上の安全確保のため、情報セキュリティに関する管理規定を定め、サイバー攻撃を検知するシステムを導入するなど危機管理対応に取り組んでおりますが、当社グループの想定を超えるウイルス感染やサイバー攻撃等により企業機密・個人情報の漏洩が発生した場合や、自然災害・事故等により情報システムの不稼動が発生した場合には、業務効率性の低下を招くほか、被害の規模によっては、将来の当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 自然災害等によるリスク
当社グループは、地震・風水害等の不測の自然災害や突発的な火災や事故、新型コロナウイルス等の感染症の発生などにより、事務所・設備・システムや従業員などに被害が発生し、営業活動に影響を与える可能性を認識しております。これらの事態に備え、災害対策マニュアルの策定や、対策本部の設置など諸施策を講じておりますが、想定を超える被害が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14)気候変動等によるリスク
当社グループは、気候変動をはじめとする地球規模の環境の変化が、それに伴う政策や規制により、人々の経済活動のみならず企業の事業活動に影響を及ぼす可能性を認識しております。これらの事態に備え、サステナビリティ委員会を設置のうえ気候変動対策を含むサステナビリティ全般の取り組みを進めるとともに、2023年5月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明しており、前記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」でその諸施策を示しておりますが、想定を超える事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主の皆さまへの利益還元を経営の重要政策のひとつに位置付けており、安定的かつ継続的な利益還元の実施を基本方針としております。
当期の配当につきましては、中期経営計画に掲げる配当性向50%および連結業績や当社の資金状況などを総合的に勘案した上で、1株あたり前期比10.0円増となる83.0円の配当を実施させていただきます。これにより、配当性向は50.4%となります。
また、次期の配当につきましても上記の基本方針にもとづき、1株あたり90.0円の配当を予定しております。
内部留保資金につきましては、経営基盤の強化や今後の事業拡大に必要な投資等に充当し、将来の業績向上を通じて株主の皆さまへの利益還元を図ってまいります。なお、当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる旨を定款で定めておりますが、当事業年度の期末配当につきましては、株主総会の決議事項としております。
当連結会計年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。