人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数4,337名(単体) 50,200名(連結)
-
平均年齢42.4歳(単体)
-
平均勤続年数17.9年(単体)
-
平均年収16,546,676円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2024年3月31日現在 |
|
オペレーティング・セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
ライフスタイル |
6,782 |
[55] |
情報ソリューション |
8,201 |
[2,913] |
食料第一 |
2,667 |
[438] |
食料第二 |
4,411 |
[308] |
アグリ事業 |
7,353 |
[823] |
フォレストプロダクツ |
3,137 |
[354] |
化学品 |
1,570 |
[65] |
金属 |
479 |
[26] |
エネルギー |
926 |
[1,266] |
電力 |
1,878 |
[204] |
インフラプロジェクト |
642 |
[25] |
航空・船舶 |
437 |
[19] |
金融・リース・不動産 |
1,250 |
[136] |
建機・産機・モビリティ |
7,398 |
[230] |
次世代事業開発 |
419 |
[79] |
次世代コーポレートディベロップメント |
71 |
[12] |
その他(本部・管理等) |
2,579 |
[255] |
合計 |
50,200 |
[7,208] |
(注)1. 一部の連結子会社については当連結会計年度末と異なる時点での人員数となっております。
2. 出向者については、出向先の属するセグメントの従業員数に含めております。
3. 臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
4. 「エネルギー」「電力」「インフラプロジェクト」には、独立したオペレーティング・セグメントではない「新エネルギー開発推進部」に属する人員数も含めております。
なお、「新エネルギー開発推進部」の損益等については、オペレーティング・セグメント情報では
「エネルギー」「電力」「インフラプロジェクト」にそれぞれ含めております。
(2)提出会社の状況
|
|
|
2024年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
4,337 |
42.4 |
17.9 |
16,546,676 |
オペレーティング・セグメントの名称 |
従業員数(人) |
ライフスタイル |
157 |
情報ソリューション |
181 |
食料第一 |
220 |
食料第二 |
156 |
アグリ事業 |
50 |
フォレストプロダクツ |
171 |
化学品 |
258 |
金属 |
230 |
エネルギー |
225 |
電力 |
306 |
インフラプロジェクト |
214 |
航空・船舶 |
124 |
金融・リース・不動産 |
247 |
建機・産機・モビリティ |
192 |
次世代事業開発 |
97 |
次世代コーポレートディベロップメント |
18 |
その他(本部・管理等) |
1,491 |
合計 |
4,337 |
(注)1. 従業員数に海外事業所の現地社員338人及び他社からの出向者119人を含め、他社への出向者1,333人を除いた人員数は3,461人であります。
2. 平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3. 「エネルギー」「電力」「インフラプロジェクト」には、独立したオペレーティング・セグメントではない「新エネルギー開発推進部」に属する人員数も含めております。
なお、「新エネルギー開発推進部」の損益等については、オペレーティング・セグメント情報では
「エネルギー」「電力」「インフラプロジェクト」にそれぞれ含めております。
(3)労働組合の状況
当社及び連結子会社において、労働組合との間に特記すべき事項はありません。
(4)多様性に関する指標
提出会社
管理職に占める女性労働者の割合(注)1 |
2023年度 |
2022年度 |
9.0% |
8.2% |
(注)1. 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
当社では「女性活躍推進2.0」という方針を掲げており、採用・成長機会・配置の観点から、女性のタレントパイプライン拡張に注力して取組みを進めています。その結果として、総合職の女性労働者の割合は年々増加しており(2014年10月8.4%→2023年10月14.2%)、管理職の女性労働者の割合も同様に増加傾向となっております(2014年10月3.7%→2023年10月9.0%)。詳細は、「第2 事業の状況」における「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (6)人財戦略 ④ 指標及び目標」に記載のとおりであります。
男性労働者の育児休業等取得率(注)2 |
2023年度 |
2022年度 |
79.3% |
66.7% |
(注)2. 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
性別役割分担意識を解消し、男性も積極的に育児参画できる職場風土づくりを目指して、社長から全社員へのメッセージ発信、子が生まれた社員及び上長一人ひとりに当社の考えを伝える等の取組みにより、男性の育児休業等取得率は年々上昇しています。育児休業に限らず、コアタイムを柔軟に設定できるフレックスタイム勤務や報酬減額のない時短勤務の整備等を進めることで、個々の事情に合わせた柔軟な働き方を可能としており、男女ともに仕事と育児を両立できる環境を実現しています。詳細は、「第2 事業の状況」における「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (6)人財戦略 ③ リスク管理」に記載のとおりであります。
労働者の男女の 賃金の差異 |
全労働者 |
うち正規雇用労働者 |
うちパート・有期労働者 |
|||
2023年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2022年度 |
|
60.2% |
60.2% |
60.5% |
60.4% |
39.8% |
41.8% |
当社の人事制度では、性別による処遇の差は一切設けておりませんが、男女の賃金の差異が発生する要因は、管理職に占める女性労働者の割合が少ないことが挙げられます。当社では前述のとおり、今後の管理職・管理職候補を着実に増やす仕組みとして女性のタレントパイプラインの拡張に向けた取組みを進めており、この要因による差異は縮小していくものと考えています。
また、当社の人事制度では正規雇用労働者を総合職と一般職という2つの職掌に区分しており、そのうち主に組織の事務・実務を担う、原則転居を伴う転勤のない一般職の女性比率が100%であることも賃金の差異の要因の一つです。一般職のキャリアパスを更に拡大することを目的に、2021年度には、原則全世界転勤必須であった総合職のなかに、原則転勤のないエリア限定コースを設けました。2024年度からは、職掌にとらわれない実力本位の適材適所と、担うミッションに応じた時価的な報酬を更に実現することを目指し、総合職と一般職の職掌区分を廃止し、あわせて、管理職以上に既に適用している、ミッションをベースとした処遇決定の仕組みを非管理職にも導入します。これら施策の実行・定着を進めることで、男女の賃金の差異は縮まっていくものと考えています。
連結子会社
オペレーティング・セグメントの名称 |
会社名 |
管理職に占める女性労働者の割合(注)1 |
男性労働者の育児休業等取得率 |
労働者の男女の賃金の差異 |
||||
全労働者 |
うち正規雇用労働者 |
うちパート・有期労働者 |
(注) |
|||||
|
(注) |
|||||||
ライフスタイル |
丸紅インテックス |
8.3% |
- |
|
- |
- |
- |
|
情報ソリューション |
MXモバイリング |
8.7% |
50.0% |
2 |
71.5% |
72.9% |
71.7% |
5 |
アルテリア・ネットワークス |
12.0% |
50.0% |
3 |
79.3% |
80.3% |
49.5% |
5 |
|
maテレコム |
2.7% |
46.1% |
3 |
83.3% |
84.1% |
82.3% |
5 |
|
丸紅ロジスティクス |
6.1% |
13.0% |
3 |
39.7% |
67.7% |
59.2% |
5 |
|
丸紅ITソリューションズ |
11.5% |
50.0% |
3 |
77.0% |
75.7% |
89.9% |
5 |
|
丸紅情報システムズ |
4.6% |
- |
|
72.6% |
72.5% |
59.7% |
5 |
|
丸紅ネットワークソリューションズ |
9.3% |
14.2% |
4 |
- |
- |
- |
|
|
イーツ |
5.9% |
- |
|
- |
- |
- |
|
|
食料第一 |
山星屋 |
2.4% |
33.3% |
3 |
55.7% |
62.4% |
63.4% |
6 |
アトリオン製菓 |
7.1% |
- |
|
- |
- |
- |
|
|
丸紅食料 |
3.3% |
- |
|
- |
- |
- |
|
|
食料第二 |
ウェルファムフーズ |
4.0% |
57.9% |
4 |
68.1% |
71.7% |
67.6% |
6 |
日清丸紅飼料 |
- |
- |
|
75.4% |
77.8% |
45.7% |
6 |
|
日本チャンキー |
10.0% |
- |
|
- |
- |
- |
|
|
フォレストプロダクツ |
丸紅フォレストリンクス |
6.3% |
- |
|
- |
- |
- |
|
化学品 |
丸紅ケミックス |
5.4% |
- |
|
- |
- |
- |
|
シンコーケミカル・ターミナル |
40.0% |
- |
|
- |
- |
- |
|
|
エネルギー |
丸紅エネルギー |
5.7% |
100.0% |
3 |
- |
- |
- |
|
航空・船舶 |
丸紅エアロスペース |
11.8% |
- |
|
- |
- |
- |
|
金融・リース・不動産 |
丸紅リアルエステートマネジメント |
- |
20.0% |
3 |
60.8% |
58.0% |
68.3% |
5 |
丸紅セーフネット |
7.7% |
- |
|
- |
- |
- |
|
|
建機・産機・モビリティ |
丸紅エレネクスト |
2.4% |
40.0% |
3 |
50.8% |
71.7% |
22.7% |
7 |
丸紅テクノシステム |
24.2% |
50.0% |
3 |
50.0% |
70.6% |
33.3% |
7 |
|
次世代事業開発 |
丸紅フットウェア |
5.9% |
- |
|
- |
- |
- |
|
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
3. 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。雇用管理区分別の育児休業取得率は以下のとおりです。
会社名 |
男性労働者の育児休業取得率 |
アルテリア・ネットワークス |
技術:45.5% 営業:50.0% 管理:66.7% 契約:-(対象者なし) |
maテレコム |
正社員(転勤有り):-(対象者なし) 正社員(一部転勤有り):100.0% 正社員(転勤なし):41.6% 有期雇用社員(1年以内):-(対象者なし) 有期雇用社員(半年以内):-(対象者なし) |
丸紅ロジスティクス |
正社員:13.0% 嘱託:-(対象者なし) パート:-(対象者なし) |
丸紅ITソリューションズ |
エンジニア職:50.0% スタッフ職:-(対象者なし) |
山星屋 |
総合業務コース:33.3% 特定業務コース:-(対象者なし) |
丸紅エネルギー |
総合職:100.0% 事務職:-(対象者なし) |
丸紅リアルエステートマネジメント |
総合職:20.0% 事務職:-(対象者なし) |
丸紅エレネクスト |
正社員:40.0% パート・有期:-(対象者なし) |
丸紅テクノシステム |
総合職:50.0% 一般職:-(対象者なし) |
4. 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
5. 管理職に占める女性労働者の割合が少ないことが主な要因です。
6. 管理職に占める女性労働者の割合が少ないこと、及び中堅世代以上は、過去女性総合職の採用数が少なかったことが主な要因です。パート・有期労働者に関しては、元役職者の継続雇用嘱託社員の多くが男性であることも影響しています。
7. 管理職に占める女性労働者の割合が少ないことが主な要因です。パート・有期労働者に関しては、女性の割合が高いパートタイム労働者の賃金を実額で計算しているため、差異が大きくなっています。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループのサステナビリティ
当社グループにとってのサステナビリティとは、社是「正・新・和」の精神に則り、公正明朗な企業活動を通じて、経済・社会の発展、地球環境の保全に貢献する、誇りある企業グループを目指す経営理念の実践そのものです。環境・社会課題を先取りし、プロアクティブにソリューションを提供します。
サステナビリティを実践するための、最も重要な要素として、人財、経営基盤、ガバナンスの3つを「基盤マテリアリティ」として特定しています。また重点的に取り組むべき環境・社会課題として、気候変動、森林経営、人権、サプライチェーンの4つを「環境・社会マテリアリティ」に特定しました。
社会課題に真摯に向き合い、経済価値のみならず、環境・社会価値を創出し、企業価値最大化を追求していきます。
当社グループのサステナビリティに関する取組みについては、当社ウェブサイト内「サステナビリティサイト」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/
(2)ガバナンス
当社グループはサステナビリティ関連の重要事項(対応方針、目標、アクションプラン等)について、経営会議及び取締役会にて審議・決定しており、取締役会の監督が十分に得られる体制を構築しています。2022年6月以降、独立社外取締役比率が60%(過半数)となり、取締役会の機能強化を行っています。
社長直轄の「サステナビリティ推進委員会」においては、サステナビリティに関連する幅広い事項を議論の対象としており、例えば、気候変動対策に関し、TCFD(*)提言に基づく気候関連の「機会」と「リスク」の評価、戦略、リスク管理、指標と目標の設定や見直し、モニタリングを、気候関連のイノベーションの進捗や外部環境の変化を踏まえて議論し、定期的(年1回以上)に取締役会への報告を行っています。2024年3月期はサステナビリティ推進委員会を4回開催し、中期経営戦略(「GC2024」、「グリーン戦略」)の推進や気候変動対策の進捗等について議論しました。
サステナビリティ推進委員会の構成について、委員長をChief Sustainable Development Officerとし、関連する営業本部、コーポレートスタッフグループから委員を任命しています。社外役員もアドバイザーとしてメンバーに加わっており、独立した外部の視点も踏まえながらサステナビリティに関する事項の管理・統括を行っています。
また、営業本部、コーポレートスタッフグループの各部、支社・支店・現地法人ごとに、サステナビリティ推進の責任者としてサステナビリティ・リーダーを、営業部ごとの責任者としてサステナビリティ・マネジャーを任命し、充実した現場体制があるなかでサステナビリティに関する事項の討議・推進を行っています。
なお、当事業年度における提出会社のコーポレート・ガバナンスの取組みについては、「第4 提出会社の状況」における「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。
(*)金融安定理事会(FSB:Financial Stability Board)によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)
(3)リスク管理
当社グループは、気候変動やサプライチェーン・マネジメントをはじめとする、サステナビリティの観点で重要度の高い機会・リスクについて、サステナビリティ推進委員会で管理・モニタリングを行っています。
ビジネスのサステナビリティ面における潜在的なリスク評価として、環境、安全衛生、社会の3カテゴリ、27項目の多角的観点から分析・検討を行う仕組みを構築しています。リスク評価の基準を定めるにあたっては、関連法令、国際基準、類似ビジネスにおける過去の事故事例等も参照し、ビジネスの業種・業態や事業を行っている国・地域に応じて、それぞれの評価項目における潜在リスクの重要度と影響度を判断しています。
事業におけるサステナビリティに係るリスク評価項目(3カテゴリ27項目)
環境 気候変動/環境汚染/生物多様性/資源管理/対策・管理手順(環境)
安全衛生 機械安全/火災・爆発/有害物質との接触/感染/危険性のある作業/対策・管理手順(安全衛生)
社会 強制労働・人身取引/児童労働/労働時間/賃金・雇用契約/差別/ハラスメント・懲罰/多様性の尊重/結社の自由及び団体交渉権/土地の問題/地域コミュニティへの負の社会的影響/先住民・文化遺産/紛争鉱物/プライバシー/アニマルウェルフェア(動物福祉)/責任あるマーケティング/対策・管理手順(社会)
このリスク評価手法を用いて、グループ内やサプライヤーのサステナビリティ調査を実施しています。また、投融資決定プロセスにおいても、このリスク評価手法を用いて、既存事業のモニタリングを含め、グループの事業をサステナビリティの観点より継続的に評価する体制を構築しています。特にリスクの高い事業領域については、必要に応じ、投融資委員会・経営会議・取締役会で審議しています。
リスク評価手法については、国際機関や各国政府・各産業セクターや産業団体を中心とした国内外のサステナビリティ関連動向、投資家、金融機関、非政府組織等ステークホルダーに関連する情報も参考としながら、定期的に見直しを実施しています。また、当社グループの経営に重要な影響を及ぼすリスク管理については、「第4 提出会社の状況」における「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 <コーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況> ② リスク管理体制の整備の状況」に記載のとおりであります。
なお、営業活動その他に係る環境・社会リスクについては、「3 事業等のリスク」の「(2) 個別のリスクについて ⑨ 環境・社会リスクについて」に記載のとおりであります。
(4)戦略
① グリーン戦略
現在推進中の中期経営戦略「GC2024」において、グリーン戦略を基本方針の一つとして掲げています。「グリ
ーン事業の強化」と「全事業のグリーン化推進」を両輪として、「グリーン」への貢献を通じた収益力の強化・
企業価値の最大化を図ります。
社員一人ひとりにグリーン戦略が浸透・定着するなかで、当社グループは、ネイチャーポジティブに貢献し、国際社会の目標(*1)「自然と共生する社会」をステークホルダーの皆様とともに実現することを通じて、グリーンのトップランナーを目指します。自然との共生に向けた取組みには、脱炭素化、循環経済への移行が不可欠です。気候変動対策、資源の有効利用、土地利用効率化、環境汚染の抑制・防止等を通じて環境負荷を回避・軽減すること、及び事業を通じた森林保全・土壌改良等により自然生態系の回復・再生に貢献します。
グリーン戦略の推進にあたり、各営業本部で策定した本部別グリーン戦略の進捗状況をサステナビリティ推進委員会においてレビューし、定期的に経営会議及び取締役会に報告しています。TNFD(*2)提言を参考に、当社グループの事業活動と自然の相互作用を総合的に評価するプロセスを通じて、自然関連リスクと機会を当社グループの戦略に組み込む取組みを進めています。
(*1)国際社会の目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」
2022年12月に生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択された2030年に向けたミッション「ネイチャーポジティブ」において、「自然を回復軌道に乗せるために生物多様性の損失を止め、反転させるための緊急の行動をとる」ものとされています。当社グループが目指す「グリーン」は、2030年に向けた国際目標「ネイチャーポジティブ」及び2050年ビジョン「自然と共生する社会」に合致しています。
(*2)自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD: Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)
② 気候変動対策への貢献
(a)気候変動長期ビジョン
自然との共生に向けた取組みのなかでも、脱炭素化に向けた動きは国境を越えた喫緊の課題の一つです。当社グループは、2021年3月に「気候変動長期ビジョン」を公表しました。2050年までにグループの温室効果ガス排出ネットゼロを達成するとともに、事業を通じて社会の低炭素化・脱炭素化に貢献していきます。当社グループは、脱炭素社会に向けてポジティブなインパクトを創出し、成長する企業グループを目指しています。
詳細は、当社ウェブサイト内「『気候変動長期ビジョン』~温室効果ガス排出のネットゼロに向けて~」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/sustainability/pdf/environment/approach/data1.pdf
(b)シナリオ分析
当社グループでは、気候関連の機会・リスクに対して、戦略的な取組みを行うことに努めています。当社グループの事業ポートフォリオは多岐に分散されており、事業により事業リスク/機会が異なるため、気候変動の影響を受ける可能性及び当社グループへの影響度(資産規模、収益規模等)が相対的に高い事業を選定したうえで、基本的に2030年までを時間軸とし、現行シナリオと移行シナリオにおける事業環境を踏まえた、その事業リスク・機会への対応及び2030年までの業績への影響について、TCFD提言に沿ってシナリオ分析を実施しました(対象事業は以下マトリックスの右上部分)。
シナリオ分析の詳細は、当社ウェブサイト内「TCFD提言に基づく情報開示」(2023年9月公表)をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/15/?id=anc_02
(5)気候変動に関連する指標及び目標
当社グループは、気候変動リスクの低減に努めており、2050年までに事業活動に伴う温室効果ガス排出ネットゼロ(*1)の達成を目指すことを基本的方針としています。また、本方針を実効性のあるものとするため、2030年に向けたアクションプラン(行動計画)を策定しております。気候変動に対する機会・リスクへの対応の一環として、主に以下の指標と目標を定めています。
・石炭火力発電事業によるネット発電容量を2019年3月期末の約3GWから2025年までに半減、2030年までに約1.3GW、2050年までにゼロにする
・2050年までに温室効果ガス排出ネットゼロ
2030年までに
① Scope 1・Scope 2のCO2排出量を2020年3月期(約1百万トン)対比50%削減
② Scope 3 カテゴリ15(投資)のCO2排出量を2020年3月期(想定CO2排出量約36百万トン(*2))対比20%削減
(*1)温室効果ガス排出削減を行ったうえで、削減できない残余排出を、自然を基盤とした手段や技術的手段により除去し、大気中への人為的な温室効果ガス排出をネットゼロとすること。なお、ネットゼロの対象範囲は当社及び連結子会社のScope 1(直接排出)及びScope 2(間接排出)に加え、Scope 3(Scope 1、Scope 2以外の間接排出・サプライチェーン排出)カテゴリ15(投資)に含まれる持分法適用関連投資先の排出としております。
(*2)既存投資先の2020年3月期実績に、2021年3月時点での約定済み案件(電力事業については売電契約締結済みで商業運転開始前の案件)からの想定排出量を加えた排出量
気候変動のための指標と目標の進捗状況は、当社ウェブサイト内「気候変動対策への貢献 データ」及び最新の「統合報告書」をご参照ください。
当社ウェブサイト内「気候変動対策への貢献 データ」
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/15/?id=anc_04
最新の「統合報告書」
https://www.marubeni.com/jp/ir/reports/integrated_report/
(6)人財戦略
人財は当社グループの最大の資本であり、価値創造の原動力です。中期経営戦略「GC2024」では、その強化に向けてこれまで「GC2021」で掲げてきた「丸紅人財エコシステム」を更に進化させています。「丸紅人財エコシステム」は、当社の在り姿である「Global crossvalue platform」を実現していくうえで人財戦略の基本となる概念であり、変革の方向性を示すものです。
多様なバックグラウンドを持つマーケットバリューの高い人財が丸紅グループに集い、活き活きと活動し、会社・組織を越えて行き交い・繋がり、多様な価値観や知を掛け合わせることで、新たな価値創造にチャレンジし続ける、魅力溢れるエコシステムを創っていきます。
なお、当項目内において、「当社グループ/丸紅グループ」と記載していない箇所は、全て提出会社における内容です。
① ガバナンス
経営戦略と整合した人財戦略を推進するために、社長・CHRO・CSO・CAOを主要メンバーとする人財戦略会議「タレントマネジメントコミッティ」を実施しています。人事制度・施策だけでなく、リーダー開発、エンゲージメント、ダイバーシティ&インクルージョン等、人財戦略のなかでも重要度の高いアジェンダの議論を深めています。
また、2024年3月期より、経営戦略に資する人財戦略を策定・推進することを役割としてCHROを新設しました。2024年4月1日からは、グループ人財戦略の推進をより一層強化することを目的に、CHROを社長直轄としました。CHROは、社長を補佐し、人財戦略に関する経営全般に参画します。
② 戦略
丸紅グループの在り姿「Global crossvalue platform」にアラインする人財戦略として、社員一人ひとりが既存の枠組みを超えて新たな価値創造にチャレンジし続けることを目指して、「丸紅人財エコシステム」を掲げています。「丸紅人財エコシステム」は、多様なバックグラウンドを持つマーケットバリューの高い人財が丸紅グループに「集い」「活き」「繋がる」ことで、社会やお客様に必要とされる新たな価値を提供するサイクルを実現する人財戦略です。現中期経営戦略「GC2024」では「丸紅人財エコシステム」の更なる進化を掲げており、その実現に向けて数々の施策を打ち出しています。
「丸紅人財エコシステム」の考え方の起点となるのは、経営戦略と人財戦略の連動です。経営層と人事部が常に一体となり、人財に関わる課題の解決に向けて議論を重ねることで、経営戦略に沿った人財戦略の実現を目指しています。
(a)経営との連動
(i)経営層と社員の対話
当社グループでは、経営層と社員が直接繋がる機会を増やし、経営理念や在り姿、戦略を議論・共有しています。定期的な社長と社員の意見交換会や、Opinion Boxを通じた社員との直接の質疑応答を実施し、2024年3月末時点でその件数は1,300件以上となっています。
(ⅱ)従業員持株会制度
社員の経営参画意識は年々高まっており、当社の従業員持株会加入率は94.5%(2024年3月期)となっています。より多くの社員が持株会に加入し、保有株式が増えることで、社員の資産形成に寄与するとともに、企業価値向上への一体感を高めたいとの考えから、特別奨励金の支給を行っています。
(b)多様な人財が“集う”施策
(i)多様な採用手法
当社では、入社後の初期配属を明示して募集する配属先決め型の新卒採用であるCareer Vision採用や、若手社会人を対象とした若手キャリア採用等、独自の採用手法を取り入れながら新たな価値創造のドライバーとなる多様な人財へアプローチしています。
(ⅱ)障がい者雇用の推進
当社では、障がい者雇用の推進を目的に、2008年度に丸紅オフィスサポート(株)を設立し、特例子会社の認定を受けています。同社は2020年度に「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定(もにす認定)」を東京都の第1号として取得したほか、2021年度には東京都から『東京都「心のバリアフリー」好事例企業』として選定されました。
(c)多様な人財が“活きる”施策
(i)ミッションを核とする人事制度
当社では、社員一人ひとりの実力や特性に応じてミッション(役割)を付与し、それぞれの貢献を大きくすることで、組織の戦略実行力の向上を目指しています。更に、社員がより大きなミッションへ果敢にチャレンジし、切磋琢磨することが、更なる成長を促し、マーケットバリューを高めると考えています。
「社員一人ひとりのミッションが組織の戦略実行と人財の成長の根幹」という考えは、人事制度にも取り入れられ、人事評価・処遇に反映しています。制度運用にあたり、社員がストレッチされた役割や目標に挑戦できるよう、上長と本人の能動的なコミュニケーションを重視しています。上長と本人が納得したうえでミッションを設定し、日々の業務遂行においても都度コミュニケーションを取りながら、期末の評価・本人へのフィードバックを踏まえて、次年度のミッションを設定するというサイクルを設けています。
(ⅱ)エンゲージメントサーベイ
当社では、エンゲージメントを「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献し合う関係」であると考え、組織マネジメントや諸制度の改善を促し、社員が活き活きと働く環境をつくるために、エンゲージメントスコア(*)を測定しています。当社の2024年3月期スコアは前回比で上昇しており、(株)リンクアンドモチベーションが発表した「ベストモチベーションカンパニーアワード2024」において、大手企業部門(2,000名以上)で「第2位」を受賞しました。
(*)組織状態を示すエンゲージメントスコア(偏差値)。偏差値50は(株)リンクアンドモチベーションの提供するサービスを利用する企業の平均。
また、サーベイの結果を踏まえ、改善を希望する部署に対して「組織改善プログラム」を提供しています。改善に向けたアクションプランを策定・実行した後、フォーカスサーベイ・エンゲージメントサーベイにより、アクションプランの効果検証・振り返りを実施します。プログラムに参加した多くの部署でスコアが改善する結果が得られています。
(ⅲ)人財開発
当社では、企業価値の源泉となる人財の成長・活躍を促進すべく、On the Job Trainingを中心に、支援機能としてのOff the Job Trainingの両輪で、人財の育成を推進しています。
・タレントアセスメント
多面観察や自己診断を通じて、一人ひとりの行動の特徴や強み、課題等を可視化します。可視化された情報は、各組織が異動・配置、ミッション付与や日々のチームマネジメントへ活用するとともに、各個人が、自身を振り返る気づきの機会、今後の能力開発やキャリアプランの検討へ活用しています。
・自主学習支援
従業員の能力開発や業務では得られない知識・経験の習得を支援することで、意欲ある社員の自律性を更に高めています。
・Marubeni Global Academy
ビジネススキル、リーダーシップ、マネジメント、個のキャリア支援を網羅する研修体系です。階層別・公募型研修のほか、国内外ビジネス・スクールとタイアップするセレクションプログラム等も組み合わせながら、個々のキャリアに合わせた成長機会を提供しています。
2024年3月期データは、当社ウェブサイト内「人財マネジメント」にて更新予定です。https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/26/
(d)多様な人財が“繋がる”施策
(i)イノベーションの土台
当社のイノベーションの土台となる施策として、担当業務に限らない丸紅の価値向上に繋がる活動に、就業時間の15%の時間を充当できる「15%ルール」、組織がパートタイムでの協力を求めて社内に助っ人を公募する「クロスケット」、他組織や地域戦略へ貢献した人財に対してコインを付与する「クロスバリューコイン」(当社グループ会社も一部導入)等があります。各施策が有機的に紐づき、事業を超えた新たな価値創造を促しています。
また、組織が人財を求めて公募する「社内人財公募」や、社員が他組織への異動を求めて登録する「ジョブマッチングシステム」により、社員の自律的なキャリア開発の促進と、組織を超えて人財が行き交うオープンコミュニティが醸成されています。
「クロスバリューコイン」イメージ図 |
「社内人財公募」「ジョブマッチングシステム」イメージ図 |
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(ⅱ)イノベーションの創出
当社グループでは、これからの丸紅グループを牽引するグローバル・イノベーション・リーダーを養成することを目的とし、グローバルで活躍する多様な人財を選抜し、1年をかけて様々なテーマで議論を深めるプログラム「丸紅アカデミア」や、丸紅グループグローバルの公募型ビジネス提案プロジェクトで、事業として評価され発展する案件も出ている「ビジネスプランコンテスト」が、イノベーション風土の醸成という重要な役割を果たしています。
③ リスク管理
当社では、価値創造の源泉である人財が、仕事と家庭の両立に悩み退職してしまうことや、キャリアアップの機会を諦めざるを得ないこと等の「リスク」に対して、制度・風土の両面からアプローチすることが重要であると考えています。労働人口の減少や働くことへの価値観の多様化といった環境変化に対応しながら、社員がライフステージにかかわらず、「持続的なキャリア形成」と「高いパフォーマンス発揮」を実現できるよう、様々なワークライフマネジメント施策を実施しています。
ワークライフマネジメントの施策の詳細は、当社ウェブサイト内「ダイバーシティ・マネジメント」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/27/
(a)仕事と育児・介護の両立をサポートする制度
当社では、制度利用者本人のセルフマネジメントに加え、上司、周囲が制度を理解し、互いの立場を尊重しながら、性別にかかわらず制度を効果的に利用できるよう、協力し合える体制作りを進めています。妊娠中・介護中に利用可能な妊娠休暇・介護休暇、家族のサポートを目的としたファミリーサポート休暇等の特別休暇等を、法定を上回る形で整備していることに加え、育児・介護時間(時短勤務制度)を活用したキャリア継続を支援するため、短縮時間分の報酬減額を廃止する等、仕事と育児・介護の両立を支援しています。
また、男性社員の育児休業取得支援を目的に、育児休業を一部有給扱いとする制度を設けているほか、フレックスタイム制度・テレワーク制度も整備しており、自律的で柔軟な働き方を実現しています。
(b)配偶者の転勤時もキャリアを継続できる制度
当社では、配偶者の転勤という本人にはコントロールできない一時的な事情があっても、これまで丸紅で培った業務経験・スキルを活かし続けられるよう、各種制度を設けています。従来より導入している配偶者転勤休業・配偶者転勤再雇用制度においては、今般、期間の延長(3年→5年)や適用対象の拡大(海外転勤帯同のみ→国内転勤帯同も対象)、キャリアアップを目的とした休業中の副業の解禁を行いました。
また、家庭の事情で日本国内の遠隔地に転居せざるを得ない社員のキャリア継続を支援するため、完全リモートワークを可能にする「ファミサポリモートプログラム」も新たに導入しました。
④ 指標及び目標
当社の人財が、経営戦略実行に向けて力を発揮できるよう、重点課題と捉えている人事施策・制度については、指標と目標を設定して具体的な取組みを進めています。なお、当社グループに属する全ての会社において指標及び目標を設定しているものではないことから、提出会社における指標及び目標を記載しています。
(a)女性活躍推進
当社では、人財の多様性こそが成長戦略の土台であり、なかでも男性偏重の組織は、向き合う社会(男:女=1:1)との乖離から、社会課題を捉えきれず、在り姿の実現を制約すると考えています。女性活躍推進は人財の多様性実現の一丁目一番地であり、未来の丸紅をよりサステイナブルにするための長期経営課題と捉え、2022年8月より「女性活躍推進2.0」を方針として打ち出しました。女性のタレントパイプラインの拡張に一層注力するため、明確な数値目標を定めて各種施策に取り組んでいます。
女性活躍推進の取組みの詳細は、当社ウェブサイト内「ダイバーシティ・マネジメント」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/27/
(b)健康経営
当社グループでは、社員一人ひとりの健康維持・増進を重要な経営課題と位置付けています。会社の成長の源泉である社員の活躍を支えるため、当社ではCAOを最高責任者として、健康リテラシーの向上、がん・生活習慣病対策、メンタルヘルス対応、女性の健康維持・増進への取組みの強化等の施策を推進しています。
特に定期健康診断の受診、ストレスチェックの受検は、疾病の早期発見・早期対応を図るうえで極めて大きな意義を果たすことから、「丸紅健康力向上指標」を定めて取り組むことにより、社員の健康意識の向上及び健康課題の解決を目指しています。
丸紅健康力向上指標
健康経営の取組みの詳細は、当社ウェブサイト内「健康経営」をご参照ください。