リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 新製品開発について
当社グループは、新規カテゴリー商品の投入や市場ニーズに応じた高付加価値製品や価格競争力のある製品の開発を目指しております。しかしながら、市場から支持を獲得できる新製品または新技術を正確に予想できるとは限らず、またこれら製品の販売が成功しない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
そのリスクが顕在化する可能性は、予測困難でありますが、製品の基本性能の向上に常に取り組むことでお客様のご使用時の満足度を高め、次回も象印製品をご使用いただけることを目指して商品開発を進めています。さらには、製品の基本性能に加えて、使用時の不満点や改善点を見つけ、解決する工夫や製品の安全性や使いやすさにもこだわることで、付加価値の高い製品を提供しています。
(2) 製品価格の下落について
当社グループでは、競争力のある新製品の投入等により製品価格の維持、上昇を図っておりますが、市場からの納入価格引き下げの圧力やリベートの要求などは、ますます強まる傾向にあります。価格下落が当社グループの想定を大きく上回り、かつ長期にわたった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(3) 競合他社との競争について
当社グループの主力製品は、家電メーカー等と競合しており、その一部には当社グループより多くの研究、開発、製造、販売資源を有する企業もあります。そうした中で当社グループは安定的なシェアを確保しておりますが、将来において競争が激化し、シェアが低下した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
そのリスク軽減のため、商品ラインアップ拡充、社会や生活の変化に合わせた既存商品の活性化、ニーズに対応する新規商品の開発により、売上やシェアの拡大を図ってまいります。また、商品の基本機能だけではなく、商品の使用によって新たな価値を提供したり、商品の新しい使用方法やライフスタイルを提案する活動を積極的に行っています。
(4) 原材料価格の変動について
当社グループの製品の主要原材料であるステンレス、樹脂、銅等の価格は、国際市況に大きく影響されております。原材料価格や部品価格の上昇は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
そのリスク軽減のため、完成品の販売価格見直しなどのリスク対応に努めております。
(5) 為替変動による影響について
当社グループにおける海外事業の現地通貨建ての資産等は、換算時の為替レートにより円換算後の価額が影響を受ける可能性があります。また、海外から輸入する製品や部材は日本円以外の通貨で決済しております。そのため予測を超えた円安が進行した場合などは、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
そのリスク軽減のため、輸出により受け取る米ドルを支払いに充てており、またリスク管理方針に従って不足分の一部を為替予約によりリスクヘッジしております。
(6) 製造物責任について
当社グループは、高品質の製品の提供を目指し、厳密な品質管理基準にしたがって各種の製品を製造しておりますが、万一、製品の欠陥等が発生した場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任賠償に備え保険に加入しております。しかし、大規模な製品の欠陥やリコールの発生は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(7) 知的財産権の保護について
当社グループは、事業の優位性を確保するため、開発する製品及び技術について知的財産権の保護に努めておりますが、特定の地域では充分な保護が得られない可能性があります。また、当社グループの製品が第三者の知的財産権を侵害しているとの主張を受ける可能性もあります。当社グループの主張が認められなかった場合には、損害賠償やロイヤリティの支払等の損失が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(8) 模倣品の出現について
当社グループはブランドの重要性を認識しており、国内外でのブランド価値向上を目指しております。国内外にて商標の出願及び登録を実施し、模倣品対策を講じておりますが、当社ブランドの模倣品が市場に出現した場合、当社グループのブランド価値を毀損し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(9) 業績の季節変動について
当社グループの業績は、製品の特性や国内外の商戦期等の関係上、取引先への出荷が秋口から春先に集中するため、第1四半期に偏重する傾向にあります。
(10) 情報セキュリティについて
当社グループは事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手し保有しています。しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスの侵入等により、万一これらの情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用低下や業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
そのリスク軽減のため、これらの情報に対するシステムのセキュリティ対策及び監視体制ならびにリスクマネジメント体制の強化を推進しており、ISMS認証の取得や従業員教育の徹底など、システムと運用の両面で機密保持に努めております。
(11) 災害の発生について
当社グループは国内外で生産、販売活動を展開しておりますが、当該地域で地震、洪水、台風、火災、戦争、感染症等が発生し、当社グループや取引先企業が被害を受けた場合、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
そのリスクが顕在化する可能性は、予測困難でありますが、危機管理マニュアルを策定し、全社員に啓蒙しています。本マニュアルでは、象印マホービンの本社が被災し、使用不可能となった場合の本社機能移転など、さまざまなリスクを想定しています。外部環境の変化や想定されるリスクの増減を鑑み、適宜改定を行っています。また、管理業務や、生産場所の一極集中化の回避検討などのリスク対応にも努めております。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元を重要政策の一つであると考えており、企業基盤の強化ならびに将来の事業展開のための内部留保や収益見通しなどを総合的に勘案しながら、連結配当性向50%以上を目安として安定的な配当の維持に努めていく所存です。また、自己株式取得を含め、2023-2025年の3ヵ年累計の総還元性向を100%以上とする方針であります。
当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
当事業年度の期末配当につきましては、基本方針に基づき、1株につき17円といたしました。
既に中間配当として1株につき17円を実施いたしておりますので、年間の配当金は1株につき34円になります。
また、内部留保金は、経営体質の一層の充実、ならびに将来の事業展開に役立てる所存であります。
なお当社は、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款で定めております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。