2023年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    334名(単体) 3,618名(連結)
  • 平均年齢
    43.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.5年(単体)
  • 平均年収
    8,065,442円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2023年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

日本事業

1,111

(637)

中国事業

639

(240)

シンガポール事業

1,486

(-)

ランシノ事業

303

(13)

全社(共通)

79

(10)

合計

3,618

(900)

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.臨時雇用者は、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものです。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2023年12月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

334

(149)

43.2

15.5

8,065,442

 

セグメントの名称

従業員数(人)

日本事業

255

(139)

中国事業

(-)

シンガポール事業

(-)

ランシノ事業

(-)

全社(共通)

79

(10)

合計

334

(149)

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.臨時雇用者は、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

3.上記の従業員には出向社員(34人)は含まれておりません。

4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

5.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものです。

 

(3)労働組合の状況

当社の労働組合は昭和50年3月11日に結成され、「ピジョン従業員組合ひまわり会」と称し、2023年12月31日現在の組合員数は263人で、上部団体には加盟しておりません。

なお、会社と組合との関係は円満に推移しております。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

26.8

100.0

58.4

69.4

50.5

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

② 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に占める女性労働者の割合

(%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

うち

正規雇用労働者

うち

パート・有期労働者

全労働者

うち

正規雇用

労働者

うち

パート・有期労働者

ピジョンハーツ(株)

100.0

50.0

50.0

対象者無

69.1

76.7

60.1

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループでは、「社会価値」と「経済価値」の向上、その総和である「企業価値」の向上を図り、『社会の中でなくてはならない存在として存続し続けること』、これが当社のサステナビリティに関する基本的な考え方です。そして、当社はPigeon Sustainable Actionを掲げ、環境負荷を減らし、社会課題の解決を通じて、企業として持続的な成長を目指し取り組みを進めております。

Pigeon Sustainable Action

 私たちは、赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にするために存在します。私たちは、赤ちゃんにやさしい未来をつくるため、事業活動を行うすべての国・地域において環境負荷を減らし、赤ちゃんとお母さんを取り巻く社会課題の解決をすること、新しいビジネスにも挑戦することで社会になくてはならない存在として持続的な成長を目指します。

 

 当社グループでは、中長期的に取り組むべき課題として、5つの重要課題(マテリアリティ)を設定しております。重要課題のうち、気候変動への対応をはじめとする環境負荷軽減については、長期的に取り組む必要があることから、Pigeon Green Action Planとして中長期の定量目標を定め、第8次中期経営計画に組み込んでおります。

 以下、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ

①ガバナンス

 当社グループでは代表取締役社長の下に、グローバルヘッドオフィス(GHO)責任者である取締役専務執行役員を委員長とし、各事業セグメント(日本事業、中国事業、シンガポール事業、ランシノ事業)の本部長、経営戦略本部長で構成するサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会は、事業活動を通して持続可能な社会の発展に貢献し、企業価値の向上を実現するために当社グループが解決しなければならない重要課題(マテリアリティ)を特定し、重要課題(マテリアリティ)に基づく個別課題の設定、中長期の全社環境目標の設定、取り組み進捗のレビューを行っております。

 サステナビリティ関連リスクのうち、気候変動により頻発化と激甚化が予想される水害のように短期~中期的に顕在化する可能性が高く、かつ事業継続に直結する可能性のあるリスクに対しては、当社グループのリスクマネジメント対応を体系的に定めるリスクマネジメント規程に基づき、代表取締役社長の下に設置した、グローバルヘッドオフィス(GHO)責任者を委員長とするGHOリスクマネジメント委員会が所管しております。GHOリスクマネジメント委員会は、当社グループ各社のリスクの特定・評価(全社リスクアセスメント)を通して当社グループの短期~中期的なリスク情報を網羅的に収集、分析・評価し、対応策を検討・実施・モニタリングしております。

 サステナビリティ委員会(年2回以上開催)及びGHOリスクマネジメント委員会(年2回以上開催)における審議の結果と当社グループ全体の取り組み進捗状況を毎年取締役会に報告しており、取締役会はサステナビリティ委員会及びGHOリスクマネジメント委員会からの報告に基づき、当社グループのサステナビリティに関するリスク・機会を監督しております。

 

②戦略

 当社グループは、赤ちゃんにやさしい未来をつくるため、事業活動を行うすべての国・地域において、環境負荷を減らし、赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題を解決するとともに、事業競争力の弛まぬ強化に努めることで、社会になくてはならない存在として持続的な成長を目指しております。

 

(a)Pigeon ESG/SDGs基本方針

 当社グループは、「Pigeon DNA・Pigeon Way」を体現し、持続可能な社会の発展に貢献する方針として「Pigeon ESG/SDGs基本方針」を設定しております。当社グループが解決しなければならない重要課題(マテリアリティ)や環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の観点から持続可能なオペレーションを追求するとともに、商品やサービスの提供による新たな価値の創造により、SDGsに代表される社会課題の解決に貢献すべく事業活動を展開します。事業活動を通してステークホルダーとの信頼関係の構築に努め、総じて企業価値を向上させることで、持続可能な社会の発展に貢献していくことを企図しております。

「Pigeon ESG/SDGs基本方針」に基づく持続可能な社会の実現ストーリー

https://www.pigeon.co.jp/sustainability/policy/

 

(b)事業環境と当社グループの重要課題(マテリアリティ)

 ピジョングループにおいて大きな売上を占める日本や中国では出生数の減少が続いており特に新型コロナウイルス感染症の流行によりそのスピードが加速しましたその一方で出生数の増加傾向がみられるアフリカ地域をはじめ当社グループが進出していない市場は依然として多く事業成長の余地があります

 また地球温暖化が進行する中で各国政府が脱炭素社会の実現に向けてカーボンニュートラルを表明し企業も脱炭素に向けた取り組みを進めることが要求されておりますプラスチックの使用に関しても各国で使い捨てに対する規制が強化されサーキュラーエコノミーへの移行に向けた動きが加速しております。

 こうした地球環境課題への対応に加え企業が持続的成長を果たしていくうえでは人的資本に対する取り組みも不可欠な要素となっておりますさらにリスクマネジメントの観点からも自社の社員のみならずサプライチェーン全体に関わるすべての人の人権に配慮した取り組みが期待されております

 このような事業環境の中で持続可能な社会の発展に貢献し企業価値の向上を実現するために当社が解決しなければならない重要課題として、「事業競争力とビジネス強靭化」、「環境負荷軽減」、「社会課題への貢献」、「存在意義実現のための人材・組織風土」、「強固な経営基盤の構築を特定しておりますそしてこれら重要課題ごとに目指すべき姿を明確にするとともにその姿を実現するための課題を個別課題として具体化しておりますそして各事業ユニット及びグローバルヘッドオフィス(GHO)の各部門は個別課題への取り組み計画を第8次中期経営計画(2023年~2025年)に組み込み実行しております

 

(c)環境負荷軽減に向けた長期目標「Pigeon Green Action Plan」

 温室効果ガスの累積、森林減少、土壌劣化、生物多様性の損失、水害・渇水、プラスチック汚染、地球の復元・浄化能力の劣化等、地球環境の悪化は進行しております。地球環境の悪化は社会と経済の不安定さを増大させるリスクがあります。当社グループは、明日生まれる赤ちゃんの未来にも豊かな地球を残すために長期的に環境問題に取り組むべく、「Pigeon Green Action Plan」を2022年に策定しました。

 環境問題は多々ありますが、当社グループの事業活動に相対的に関連性が高い気候変動問題、プラスチック問題、生物多様性毀損にフォーカスし、「脱炭素社会」「循環型社会」そして「自然共生社会」の実現を目指した中長期の環境目標を設定しております。

 

(d)気候変動関連のリスク及び機会

 昨今、気候変動の影響が世界中で顕在化し、様々な自然災害によって人的被害や物理的損害をもたらしており、今後も自然災害の頻発化や激甚化が継続すると予想されております。こうした気候問題に対処するため、将来において、世界各国で政策変更や新規規制の導入、市場シフト・消費者の意識変化などの社会的変化が生じることが予想されます。このような変化の中でもピジョングループが「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」という存在意義を実現し、社会になくてはならない存在として将来にわたって存続するためには、気候変動に関する問題を経営戦略や財務計画に影響を与える可能性があるリスクや機会として捉え、対応していくことが必要であると認識しております。このため、ピジョングループの主力商品である哺乳器・乳首、スキンケアビジネスを対象として気候関連リスク及び機会の財務影響分析を行いました。

Ⅰ 気候シナリオ分析

 当社グループは、様々な商品・サービスを世界90か国以上のお客様にお届けしております。気候シナリオを用いたリスク及び機会の分析を行うにあたり、まずは、中核ビジネスである日本事業及び中国事業における哺乳器・乳首、スキンケアの製造・販売ビジネスを分析対象としました。

 分析に用いたシナリオは、世界平均気温の上昇を工業化前と比べて1.5℃に抑えるため脱炭素化へ向けて進む世界(1.5℃シナリオ)と、炭素排出量が多く世界平均気温が工業化前よりも4℃上昇する世界(4℃シナリオ)の2つとし、2030年時点(物理的影響は2050年)の世界を以下のように想定しました。

 

Ⅱ 哺乳器・乳首、スキンケアビジネスにとってのリスク及び機会

[消費者市場の変化]

 当社の基幹商品である哺乳器・乳首は、これらを必要とする赤ちゃんにとっては気候状況や政策に関わらず必須の育児用品ですが、4℃シナリオでは、気候環境の大きな変化(自然災害の頻発化と激甚化等)が予測されるため、赤ちゃんの未来に対する不安感などが出生数の減少要因の一つとなり、哺乳器・乳首の売上に影響する可能性があると考えております。

 1.5℃シナリオでは、消費者の倫理的選択嗜好が高くなることから、バリューチェーン全体で環境に配慮された商品、消費者への訴求といった商品戦略が重要になると考えております。

 1.5℃シナリオ及び4℃シナリオのいずれにおいても、気候が変化し、自然災害が現状よりも多発化することが予想されます。このため、高温化、多湿化、乾燥化に対応するための商品や、渇水時や水害による断水時に、従来商品よりも節水型であるもしくは水を使用せずに使用できる商品の需要が高まることが予想されます。

 当社グループは、第8次中期経営計画(2023年~2025年)の下、未進出地域の開拓並びに既進出市場における高収益商品の哺乳器(広口哺乳器)・乳首の販売拡大等の戦略を実行することにより、哺乳器・乳首の売上高・利益の伸長を目指していきます。スキンケア商品に関しては、第8次中期経営計画においてスキンケアカテゴリーの更なる成長に注力し、様々な商品機能に対する消費者のニーズを取り込んでいきます。そして、商品の環境配慮については、Pigeon Green Action Planの実行を通じて、ピジョングループの拠点とサプライチェーンを含むバリューチェーン全体での低炭素化、商品パッケージにおける植物由来素材や再生素材の使用率向上に取り組んでおります。これらの取り組みにより、消費者の環境配慮意識の高まりに応えていきます。

[政策・規制の変化]

 1.5℃シナリオでは脱炭素化へ向けた強い政策・規制が導入され、当社にとっては温室効果ガス排出量に炭素税が課されるもしくは排出量取引制度が適用されることにより、炭素税の支払いもしくは排出枠の購入コストが発生するリスクがあります。

 また、脱炭素政策の世界的強化が、購入電力、輸送運賃、パーム由来成分含有原材料、化石燃料由来プラスチック原料のそれぞれの価格の上昇、化石燃料由来プラスチックの使用を制限する規制をもたらすことが予想されます。これらは製造コストや開発コスト・設備投資の増加要因となる可能性があります。

 Pigeon Green Action Planに沿って温室効果ガス排出量を削減することは、カーボンプライシング制度が導入された場合の炭素税の支払額もしくは排出枠の購入費用の軽減につながります。プラスチックの使用に関連するリスクについては、Pigeon Green Action Planの中で掲げている「2030年までにパッケージ材の50%(重量比)を植物由来又は再生素材にする」という目標及び「2030年までにすべてのパッケージをリユース、リサイクルまたはコンポスト可能な設計にする」という目標へ向けた取り組みを進めることによって、化石燃料由来バージンプラスチックへの課税や使用の禁止、プラスチック製パッケージの回収・リサイクル義務による財務影響を軽減していきます。

 他方、移行リスクがもたらす潜在的な財務影響のすべてをPigeon Green Action Planの達成によって回避・軽減できるわけではないため、気候関連に起因した事業コストの増加に備える必要があると認識しております。他のコスト削減や高収益商品の比率拡大によって、増加したコストを事業全体で吸収することが第一であると考えておりますが、一部のコストは商品価格への転嫁によって消費者にも負担していただく可能性もあると考えております。そのためには、消費者とのコミュニケーションの中で、脱炭素の取り組みの意義と価値を消費者に伝え、脱炭素のためのコストを消費者が受容しやすくなる土壌づくりを能動的に行っていくことが必要だと考えております。

[自然災害の多発化]

 1.5℃シナリオ及び4℃シナリオのいずれにおいても、世界平均気温が現在よりもさらに上昇することから、異常気象の発生頻度が高まり、水害、渇水、感染症拡大によるサプライチェーンや物流網の混乱と操業中断が予想されます。また、タイのバンコク近郊にある生産拠点は土地の海抜が低いため、将来的に海面上昇により慢性的に浸水する可能性があります。

 生産を安定的に行えるよう、原材料と生産品の在庫確保のほか、ピジョングループ内での生産拠点の一時的切り替えや主要原材料の2社購買などの対策をとっております。

 なお、気候関連リスク及び機会に関するガバナンス、潜在的な財務影響額、リスクマネジメント並びに指標・目標の詳細を「ピジョングループ TCFD Report 2023」において開示しておりますので、ご参照ください。https://www.pigeon.co.jp/sustainability/files/pdf/PigeonTCFDReport202311.pdf

 

③リスク管理

 サプライチェーンの寸断・混乱や水害による操業中断など、短期~中期的な時間軸での対応を必要とする事業上のサステナビリティリスクに関しては、リスクマネジメント活動の中でリスクの特定・分析評価(全社リスクアセスメント)を行い、重点リスクに対するアクションプランの検討と実施を行っております。各事業セグメント(日本事業、中国事業、シンガポール事業、ランシノ事業)は、リスクアセスメントとして、各事業セグメントにおいて発生する可能性があるリスク事象(事業リスク、財務リスク、ハザードリスク、コンプライアンスリスク)を洗い出し、各リスク事象の発生頻度と発生した場合に想定される損害の大きさに基づいてリスクの大きさを評価しております。事業セグメントの責任者及び各拠点の責任者は評価したリスクへの対応の要否と具体的な対応策、その実行計画を策定し、実行しております。ピジョングループ全体にとって重大なリスクであり、グループ全体として対応する必要があるサステナビリティリスクは、GHOリスクマネジメント委員会を中心としたマネジメントを行っております。

 当社グループのリスク管理体制については、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項」において開示している「リスク管理体制の整備の状況」もご参照ください。

 一方、気候関連のリスクや機会は長期的に発現することから、長期的な時間軸及び事業セグメントを横断した視点からの検討も必要となります。このため、当社では、リスクマネジメント活動とは別に、気候関連の長期的なリスク・機会の特定とシナリオ分析を行うプロセスを設け、社外のコンサルタントを交えて、関係部署と連携しながら、当社ビジネスに関わる長期的な気候関連のリスクと機会の特定及び財務影響の分析を行いました。分析に基づいて特定されたリスク及び機会のうち、短期・中期的にはリスクが顕在化する可能性が低いものの、長期的には顕在化する可能性が高く、かつ、ピジョングループの業績にネガティブな影響を与えうると判断した気候関連リスクについては、サステナビリティ委員会にて対応方針(軽減、移転、受容、コントロール)を審議しております。各事業セグメントは対応方針に基づいた具体的対応策を検討し、実行しております。

 

④指標及び目標

(a)温室効果ガスの削減目標

 当社グループは、重要課題「環境負荷軽減」のうち脱炭素社会の実現に係るパフォーマンス指標として温室効果ガス排出量を設定し、排出量総量(絶対値)を削減する目標を掲げております。

*SBT認定基準に準拠した削減率を目標として設定する予定です。

 

(b)温室効果ガス排出量の実績

 当社グループの温室効果ガス排出量は次のとおりです。再生可能エネルギーの使用によるScope2 CO2排出量削減やサプライヤーとの協働によるScope3 GHG排出量の削減などに今後も取り組んでまいります。

実績値の千t- CO2e未満は切り捨てとし、記載しております。

 

温室効果ガス削減以外の個別課題に対する取り組みの進捗は下記ウェブサイトをご覧ください。

https://www.pigeon.co.jp/sustainability/policy/

Scope3温室効果ガス排出量のカテゴリー別排出量及び算定方法は下記ウェブサイトをご覧ください。2023年度実績値も同ウェブサイトで開示します。

https://www.pigeon.co.jp/sustainability/environment_top/co2/

 

 

(2)人的資本

①人材ガバナンス

 当社グループは、Pigeon DNA、Pigeon Way・存在意義、そしてその先にある赤ちゃんにとってやさしい未来像の実現に向け、各ビジネスユニットが各市場特性に合わせた事業戦略を描き、それを実現するために、各社(各国)の人事担当部門が主体となってそれぞれの人事の課題を把握しそれに対する取り組みを立案、実行することが重要であると考えております。

 また、グループ全体の人材ガバナンスを機能させるために、人権方針、コンプライアンスポリシーに則り、エンゲージメントの向上、DE&Iの推進、多様な人材が自分らしくいられる環境整備を中心に各社で取り組んでおります。そして、各ビジネスユニットが事業戦略を実現する上での人事面の課題や取り組み等の整備状況は、2024年より人事部をグローバルヘッドオフィスに設置することで、グループ各社の情報を集約し、適宜、取締役会に報告することで、取締役会からの指示や要請を各ビジネスユニットに応じた指導を行う体制づくりに着手しております。

 

②戦略

 当社グループは、Pigeon DNA、Pigeon Way・存在意義、そしてその先にある赤ちゃんにとってやさしい未来像の実現に向け、中長期で取り組む5つの重要課題を設定し、第8次中期経営計画で掲げたテーマと基本戦略に沿ってグループ全社が一丸となって取り組んでおります。社会環境が大きく変化するなかで、新たに求められる商品やサービスとは何かを考え、どうすれば社会課題の解決につながるソリューションを提供できるのか、それらを自律的に考え、生み出す力を持った人材の獲得と育成、そしてそのような社員が活き活きと働くことのできる環境を継続的に整備することで「社員一人ひとりが自分らしく輝く会社にする」ことを目指しております。そしてこれらの実現を支えるのが人材戦略であり、当社らしい社員の輝きと活躍の先に、サステナブルな事業成長と理念・存在意義の実現があるものと確信しております。なお、前述の通り人事部をグローバルヘッドオフィスに設置したことにより、今後ピジョングループ全体での人材活用における課題を把握、精査した上で、現在よりも一歩先に進んだ形でグループ全社共通で解決すべき内容の特定と対応を進めます。

(a)人材長期ビジョン

 当社グループでは、「この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にするために自律性を備えた個を尊重し成長と活躍を促すとともにその実現に必要となる環境の整備に取り組み続けております

 この長期ビジョンのもと社会環境が大きく変化する中でもサステナブルに成長し続ける事業戦略を実行する上で必要不可欠となる人材戦略を今まで以上に重要視しております国籍人種性別年齢障がいの有無性自認や性的指向などを問わず意欲と能力のある人材を仲間として迎えるとともに育児や介護疾病など様な事情を抱えても十分に能力が発揮できるような職場環境を確保しますまた世界各国の事業の成長に資する人材戦略は前述の通り各国の文化や労働慣行等を考慮し当社グループ共通の人材長期ビジョンの基ビジネスユニット単位或いは各国単位の人材戦略を立案・実行することでピジョングループとしての一体感を持ちながらも各ビジネスユニット単位で最大限の人材価値が発揮できる形が理想と考えております

 

(b)人的資本 当社取組方針

 日本国内においては出生数の減少が続いており、特に新型コロナウイルス感染症が流行する中でそのスピードはさらに加速しました。労働市場の雇用の流動化も加速する中、優秀な人材を確保することや、その人材価値をさらに高める為に育成すること、そして能力を十分に発揮できる環境の整備が必要です。また、今後もさらに少子高齢化や労働人口の減少が進むことを見据え、当社は未来に向けて「社員一人ひとりが自分らしく輝く会社にする」ことを目指し、「エンゲージメント向上」「DE&Iの推進」「多様な人材が自分らしく挑戦し活躍できる環境整備」の3つを人材戦略の軸と設定し展開しております。

 

③リスク管理

 当社グループの成長は、自律性を備えた社員一人ひとりの成長や活躍により実現できると考えております。今後、当社グループにとって影響力の強い、日本並びに中国を中心に、優秀な人材の獲得がさらに厳しさを増し、人材獲得競争の激化や既存社員の流出、それにともなう将来の経営人材の不足等が顕在化した場合、事業の発展や継続性に影響を及ぼすリスクがあると考えております。当社グループは、多様性を重視しキャリア採用、新卒採用のバランス、男女のバランス、専門性の高さと広さ等を考慮して人材を確保し、それらの人材が垣根なく活躍できる仕組みと市場競争力のある報酬体系を連動することで、働き甲斐のある環境と仕組みの整備を進めております。そして、社員一人ひとりが自分らしく輝くことのできる組織風土を創り、すべての社員が自ら手を挙げてチャレンジできる風土をベースとした、将来の企業価値の源泉となる人材に対して、その価値の最大化とそれを実現するための育成と環境整備そして仕組みの構築を重視しております。

 

④指標及び目標

 当社は、重要課題の1つである「存在意義の実現のための人材・組織風土」に向けて、以下の項目をKPIとして掲げ、各指標の維持・向上を目指し適宜モニタリングと戦略的な取組を実行してまいります。人材戦略は後述の3つの柱と8つの切り口を元に実行することで人的資本価値向上を実現いたします。なお、目標値について「維持」と標記している項目については、現時点で当社として妥当な水準として認識している項目であり、これを維持するための取り組みを継続実施してまいります。

*エンゲージメントの調査対象拠点は「ピジョン株式会社、ピジョン上海、ピジョンシンガポール」

*上記記載の目標値は、エンゲージメントスコアを除き、全てピジョン株式会社

*男性の育休取得率は、厚生労働省が公表する「①育児休業等の取得割合」の算出方法により算出

*男性育休平均取得日数は、期中に子が1歳6か月を迎える男性社員の平均育児休業取得日数

 

(a)人材戦略の3つの柱

Ⅰ エンゲージメント向上

 当社グループでは、会社が掲げるPigeon Wayへの高い共感と、社員一人ひとりの仕事が会社の存在意義と繋がっていると実感出来ていることが最も重要と考え、会社と社員を繋ぐ重要な要素としてエンゲージメントスコアをKPIとして位置づけております。

 エンゲージメントスコアは、Gallup社が提供するサーベイに当社の独自設問を追加したもので2023年に実施※1いたしました。サーベイの結果を分析したところ、全体のエンゲージメントスコアとの相関性が極めて強い結果であった3つの追加の設問項目※2の回答平均スコアをKPIとして位置付け、このスコア向上に向けた施策を実施してまいります。2023年においては、8ヵ国16拠点、総勢278名の管理職に対して「Pigeon DNA/Pigeon Wayと赤ちゃんにやさしい未来像の体験型説明会」を実施しております。

※1 エンゲージメントサーベイはビジネスユニット(ランシノ事業本部除く)の核となるピジョン株式会社、PIGEON(SHANGHAI)CO.,LTD.、PIGEON SINGAPORE PTE.LTD.の3社の正社員を対象に実施(ランシノ事業本部除く)

※2 3つの追加の設問項目

 ・私は会社が掲げているPigeon Wayに共感している

 ・私のチームの仕事は、Pigeonの存在意義実現につながっていると感じる

 ・私は、職場で自分らしくいられる

 

Ⅱ DE&Iの推進

 当社グループは、企業倫理指針のひとつに「いかなるときも社員の多様性・個性を尊重し、健康と安全に配慮した働きやすい職場環境を提供します。また、自己実現できる、働き甲斐のある職場を実現します。」を掲げております。国籍、人種、性別、年齢、障がいの有無、性自認や性的指向などを問わず、意欲と能力のある人材を従業員として迎えるとともに、育児や介護、疾病など様々な事情を抱えても十分に能力が発揮できるような職場環境を確保します。また、社員のさまざまなバックグラウンドを基とした違いを尊重して受け容れ、積極的に活かすことにより、変化し続けるビジネス環境や多様化する顧客ニーズに対応しております。表現の自由や結社の自由、さらには信教の自由などの市民的及び政治的権利についても社員との対話を図り、その権利を尊重しております。労働面では、Pigeon DNA・Pigeon Wayのもと、常に高い倫理観をもち、コンプライアンス重視の経営を推進し、国内外における労働者の権利・人権を尊重しております。

 当社は、常にPigeon Wayに寄り添い多様性に対して敬意をもって受容することはもちろん、公平な機会提供と社員一人ひとりが自分らしさを最大限に発揮できる環境をつくることでダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進し、働きがいを実感しつづけられる組織風土を実現します。そして個々の豊かな発想を結び付けて新しい価値を創造することでお客様や社会に対して貢献してまいります。また、「多様性の理解と受容」「知識の習得と活用」「自分らしく働くことができる環境と仕組み」をキーワードに、女性の活躍推進はもとより、Accelerate My Careerプログラム(前述)によるイントラパーソナルダイバーシティ※の推進を含め、様々な角度から取り組みを行ってまいります。

※一人ひとりの中に多様な視点や役割を持つこと

 

Ⅲ 多様な人材が自分らしく挑戦し活躍できる環境整備

 当社は多様な人材が自分らしく挑戦し、活躍できる環境を実現することを社内環境整備方針として掲げ、継続的にあらゆる側面から施策を講じております。

 当社の目指す赤ちゃんにやさしい未来像の実現には、我々、社員一人ひとりが自分らしく輝いている事こそが、必要不可欠な要素と考えております。その為には、多様な人材が心身共に健康でありそれぞれの個性と専門性を発揮し、なりたい自分に向かって挑戦すること、そしてその過程で発生する失敗を迎合し、その失敗から多くのことを学ぶことが許容される風土が必要と考えております。また、社員の人生で起こる様々なライフイベントに対して、柔軟に対応することのできる制度面での整備を行い、それを血の通った活きたものにするための運用管理と、社員への発信をし続けることにより、社員の理解促進も重要なポイントと考えております。

 

(b)8つの切り口

Ⅰ 人材育成

 当社グループは、バリューチェーンの随所に知識と経験を有する高度な専門性を持った社員が存在し、その社員が社会の変化に目を凝らし、未来を考え、自らが能動的にアップデイトし続ける多様な専門家集団を目指すことを人材育成方針として掲げております。「社員一人ひとりが自分らしく輝く会社にする」ために、当社が主催するビジネススキル向上に資する研修はすべて任意参加とし、社員の自主性に加えて個性と専門性を重視した人材育成に取り組んでおります。

<成長機会>

・次世代経営選抜研修

 当社が2004年から6年ごとに実施している「次世代経営人材育成選抜研修」では、ピジョングループの永続的発展に向け、将来の経営層を担う「Pigeon Wayの価値観のもと、人間力を磨き、企業価値を高め続けられる人材」の育成を継続的に行っております。本研修は発掘、育成、活用、登用のプログラムから構成され、各々のプログラム過程で受講生を育成選抜するカリキュラムとなり過去の受講生の多くは、次期経営層プール人材として位置づけられ、中核人材や経営人材として活躍しております。

・選抜!リーダー塾

 2023年より開始した本研修は、将来の管理職候補として、自律・変革型リーダーの早期発掘と育成を目的として、3年に1度、40歳以下を中心とした若手、中堅社員を対象に、上司からの推薦と自薦により応募があった社員の中から16名を選抜して実施しております。今後のピジョンの未来を背負う人材候補として、ビジネストレンドテーマと掛け合わせたプロジェクト活動を通じて、検討~アウトプット(成果物)を作る経験を付与しております。

 

Ⅱ 仕組み

・役割をベースとした『人事制度』

 中長期的に「熾烈な競争環境において海外企業と渡り合っていくためにはどのような人材が求められるか」を検討し、実力のある人材を年齢や勤続年数にかかわらず登用することを可能とする現制度への刷新をいたしました。

 「一人ひとりが個性を活かしながらPigeon Wayを体現し、卓越した手腕を発揮するプロフェッショナル集団」を人事制度の理念として掲げ、社会環境の変化や不確実性が高まる未来にも対応すべく、「専門性の広さと深さ」に重点をおき、さらにそれをアップデイトすることも評価軸に含めて設計しております。また、優秀な人材の確保、獲得を実現する為に役割に応じた賃金制度を構築、運用し、年齢や勤続年数ではなく、社員が実際に担う役割と行動に連動した報酬体系とすることで市場競争力を担保しております。

 

Ⅲ キャリア

・AMC(Accelerate My Career)プログラム

 社員の自発的なキャリア開発を社内と社外で支援することを目的に、2020年からAccelerate My Careerプログラムの運用を開始しております。社内のキャリア開発の機会としては、社内公募、社内プロボノ、社内インターンがあり、手上げ式で応募し社内選考を経て部署異動となるものから、単発的な他部署の業務支援、他部署の業務を短期間経験できるといった制度があります。また、社外におけるキャリア開発の機会としては、社外留職、ボランティア・プロボノ休暇があり、2023年からは社外副業(制度としては導入済みでしたが、AMCプログラムとして明文化)を加えております。これら6つの制度を通して、日頃の業務遂行だけでは得ることのできない知識や体験を付与し、社員一人ひとりが自発的にキャリアを考え推進していくことを支援しております。

AMC制度利用状況

 

Ⅳ 健康

 当社は、優良な健康経営を実践している企業として、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する健康経営優良法人認定制度において、「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」の内定通知を受けております。正式に認定されれば3年連続となります。

 当社では、「健康でいきいきと働くことができる会社」を目指し、社員の健康維持・増進をサポートし、活力に満ちた職場環境の実現に努めてきました。社長直下の健康経営推進体制を整え、産業医や健康保険組合とも連携の上、禁煙、健診受診管理の整備、メンタルヘルス対策などに積極的に取り組んでいるほか、年2回のウォーキング大会や産業医による社内講演会の開催など、社員の運動習慣定着・健康リテラシー向上の取り組みも進めております。また、認定法人として当社実践内容についてのお取引先企業への情報提供や、健康推進に向けた施策の共同実施等にも積極的に取り組んでまいります。

・健康経営宣言

 当社は社員が健康でいきいきと働くことができる会社を目指します。

 社員一人ひとりが心身共に健康で、公私ともに充実した生活を送ることができるよう社員の健康維持・増進をサポートし、活力に満ちた職場環境の実現に努めます。

・健康経営推進体制

 代表取締役社長の監督の下、経営戦略本部副本部長を健康推進担当責任者とし、人事労務グループ内に健康推進担当者、衛生管理者、休職管理者を任命し、産業医や健康保険組合とも連携します。

 外部には、専門機関のアドバイザーを設け、相談・助言ができる体制を整えた上で、健康経営を推進しております。

 

 

Ⅴ 風土・環境

・Pigeon Frontier Awards

 当社が2021年から始動しているPigeon Frontier Awards(PFA)は、「働いていて楽しい時間を増やし、社員が未来にむけて、失敗を恐れず挑戦していくことを応援・表彰する」をコンセプトとし、社員が自ら提案する取り組みを応援し、将来には事業化まで発展させることを想定した取り組みです。

累計19件が社長直下のプロジェクトとして活動し、既に社員から出たアイデアがこの数年の間に形になっております。また、失敗を恐れず、挑戦する風土を醸成するだけでなく、このプロジェクトの経験を通して、プロジェクトメンバーは普段の仕事では決して体験する事の出来ない、他部門との連携や開発の現場を見ること、リーダーシップを発揮してメンバーを統率すること等、社員にとって貴重な成長機会にもなっております。

参考:PFAから生まれたアイデア

 初乳採取サポートデバイス『Precious Drop』

 https://www.pigeon.co.jp/news/files/pdf/20220712.pdf

 書籍『ピジョンの子育て』

 https://www.pigeon.co.jp/news/files/pdf/20221129.pdf

 

Ⅵ 安全・衛生

 当社の職場における安全衛生の目的は、社員を守るために、労働災害を防止し、従業員の心身の安全と健康を維持することだと言えます。当社は、「健康の保持増進のための措置」として健康経営による施策を中心に取り組み、「快適な職場環境の形成のための措置」として安全で快適な職場環境を実現する為に、安全衛生委員会及び中央安全衛生委員会での議論を通じて施策を決定・実行し、社員(職場)の安全・衛生の確保に努めてまいります。

 

Ⅶ 働き方

・Smart & Smile!Work

 当社は、働き方改革スローガンとして「Smart & Smile!Work ~決まった時間の中でSmartに働き、プライベートをSmileでいっぱいにする~」を掲げ、社員の人生は仕事がすべてではなく、仕事もプライベートも重要と考え、仕事を効率的に進めて自分自身の時間を十分に取ることができる環境整備を進めております。

 a.17時15分以降の会議・打合せは行わない

 b.19時~翌7時30分の間・休日にメールは送らない

 c.フレックスタイム制度の積極活用  等

 これらの活動を通して、業務の効率化と共に社員の心のリフレッシュも推進しております。

・有給取得率

 仕事の効率を上げるための施策として有給取得率の向上も推進しております。全社員に対して、有給取得計画を事前に提出してもらい、計画的かつ自主的に有給休暇を取得することの啓蒙活動を数年間に亘って実施してまいりました。直近では、取得率が安定的に80%超の取得実績があり、休暇が取りやすい風土が醸成されております。

 

Ⅷ 両立支援

 当社は、性別を問わず社員が仕事をしながら本人が望めば妊娠・出産・育児をすることが当たり前の職場環境の実現を目指しております。男性の育児参加はもとより、様々な取り組みを実施しております。

a.不妊治療や里親等のための休暇、休職制度(ライフデザイン休暇・休職制度)

 我が国では不妊治療と仕事との両立ができず16%(女性の場合は23%)の方が離職(厚生労働省:不妊治療と仕事との両立ハンドブック)。ライフ・デザイン休職の取得単位は、1ヶ月単位で取得するものとし、1人の社員につき在籍中に通算24ヶ月を限度として利用可能。

b.出産予定の社員に対して行う育児関連制度の説明と制度利用のコンサルティング

c.男女共に育児休業取得率100%(男性の場合は配偶者が出産した場合)

 2016年以降、社員(男性の場合は配偶者)が出産した際の育児休業取得率100%、取得日数:男性社員30日超を継続中。

d.育児レポート

 出産(男性の場合は配偶者)後、1年6ヵ月以内に対象者は全員必ず作成。「育児をすること」は、対象者の評価制度における目標にも組み込まれ、その成果物として育児レポートを作成。人事担当役員が評価し、賃金制度に結びつける。

e.復職前の人事面談・制度説明と復職先部門長面談

 復職後の働き方のイメージの共有と利用可能な制度を復職先の部門長と一緒に聞く事でよりリアリティのある復職後の想定を共有。

f.復職ママ会の実施

 子の月齢が近い社員同士のつながりを創ると共に、先輩ママ社員からのアドバイスを共有することで産後の復職に対する育児と仕事の両立に対する心理的不安を取り除く。

 上記の取り組みのみならず、社員のライフイベントに応じて、様々な取り組みを継続して実施し続けることで、社員の妊娠、出産、育児を含めたプライベートと仕事の両立に対する負のバイアスを排除し、社員にとってライフイベントがキャリアロスではなくキャリアアップの機会として、少しでもポジティブに生きることのできる環境となるよう、今後も継続して整備してまいります。そして、自社の育児と仕事を両立させることのできる労働環境を整備することこそが、我が国の少子化に歯止めをかける重要な1つのポイントでもあると考え、当社独自の両立支援制度を我が国全体に広げるべく社会に対して発信し続けております。