2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 222,100 100.0 16,429 100.0 7.4

事業内容

3【事業の内容】

  当社グループは、当社、連結子会社30社及び持分法適用関連会社1社により構成されており、「簡易食品容器関連事業」を主たる事業としており、トレー容器・弁当容器等の製造販売を中心として、その販売に付随する包装資材の販売も併せて行っております。

  当社グループの事業における各社の事業及び役割は、次のとおりであります。

 

事業

区分

主 な 事 業 及 び 役 割

主 な 会 社

合成樹脂製簡易食品容器の製造販売

提出会社

 

包装資材及び包装機械等の販売

回収容器等から再生処理原材料へのリサイクル事業

食品容器の販売に付随する包装資材等の仕入、販売

食品容器・包装資材等のインターネット及びカタログによる通信販売並びに情報提供サービス

食品容器・包装資材等販売のフランチャイズチェーンシステムの運営

エフピコ商事㈱

 

合成樹脂製簡易食品容器の製造販売

包装資材等の販売

エフピコチューパ㈱

 

合成樹脂製簡易食品容器の製造

㈱エフピコ茨城

他13社

 

プラスチックフィルムの製造販売

エフピコアルライト㈱

(注)

印刷及び印刷に関連する各種加工

エフピコグラビア㈱

 

障害者総合支援法に基づく障がい者福祉サービス事業

エフピコ愛パック㈱

合成樹脂製簡易食品容器の製造

合成樹脂製簡易食品容器の回収選別事業

エフピコダックス㈱

 

回収ペットボトルから再生処理原材料へのリサイクル事業

西日本ペットボトルリサイクル㈱

(注)

合成樹脂製簡易食品容器の販売

包装資材等の販売

エフピコインターパック㈱

エフピコダイヤフーズ㈱

エフピコイシダ㈱

エフピコ上田㈱

㈱アペックス

合成樹脂製簡易食品容器等の製造販売

Lee Soon Seng Plastic Industries Sdn. Bhd.(以下、「LSSPI」)

提出会社及び一部の子会社が販売する製・商品の保管及びピッキング業務並びに配送業務

エフピコ物流㈱

㈱アイ・ロジック

他2社

 

 そ

事の

業他

 の

ダンボール製造事業

エフピコアルライト㈱

(注)

回収ペットボトルの再生処理製品の製造販売

西日本ペットボトルリサイクル㈱

(注)

 (注) 複数の事業を営んでいる会社については、「その他の事業」にも主な会社として記載しております。

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

 

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況及び分析

① 当期の経営成績の概況

(売上高・利益の状況)

[当連結会計年度の売上高・利益]                                                            (単位:百万円)

 

前期実績

当期実績

前期比 増減額

前期比

売上高

211,285

222,100

+10,814

105.1%

製品売上高

166,060

171,653

+5,593

103.4%

商品売上高

45,225

50,446

+5,221

111.5%

営業利益

16,703

16,429

△274

98.4%

経常利益(※1)

17,328

16,780

△548

96.8%

親会社株主に帰属する

当期純利益

11,529

11,724

+195

101.7%

償却前経常利益

31,509

31,833

+323

101.0%

 

売上高及び製品売上数量

売上高は、前期に比べ108億14百万円の増収となる2,221億円(前期比105.1%)となり、過去最高を更新いたしました。主な要因は、二度にわたる価格改定が完全実施され価格の維持が図られたこと、また、2023年9月29日に連結子会社化した株式会社アペックス(本社:福岡市中央区、以下「アペックス」)を含めて商品売上高が増加したことによるものです。

製品売上数量については、2023年9月に対前年比で増加に転じて以降、回復傾向で推移しております。食品を中心とした幅広い物価上昇が続き、スーパーマーケットにおける買い上げ点数減少の影響が続く中、値上げ活動を優先するために一時休止していた提案営業が実績として現れることで、第3四半期連結会計期間は100.3%、第4四半期連結会計期間は102.6%と前年同期を上回りました。なお、コロナ前である2020年3月期比の製品売上数量は108.3%、2020年3月期からの年平均成長率(CAGR)は2.0%となりました。また、同期間におけるエコ製品(エコトレー、エコAPET、エコOPET)の年平均成長率(CAGR)は3.4%と引き続き好調に推移しております。

[製品伸長率]

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期実績

前期比(枚数)

98.4%

99.2%

100.3%

102.6%

100.0%

2020年3月期比

108.8%

108.3%

108.0%

108.0%

108.3%

年平均成長率(CAGR)

2.1%

2.0%

1.9%

2.0%

2.0%

 

経常利益増減の主な要因

経常利益は、前期に対して5億48百万円の減益となりました。増加要因については、第二次製品価格改定(2022年4月28日公表)や各部門における改善効果のほか、エコ製品や新低発泡化容器など付加価値の高い製品の販売が堅調に推移しております。一方、減少要因については、高止まりを続ける原料・電力価格や川上メーカーのユーティリティコストの上昇がありました。そのほか、人材の確保・定着に向けて大幅な賃上げをしたことによる人件費及び労務費の増加、前期に稼働を開始した関西工場・関西ハブセンターによる減価償却費の増加等がありました。これらの経費の増加は、将来にわたる経営基盤の強化、さらなる安定供給体制の整備に向けた投資として行ったものであり、離職者数の減少や物流の「2024年問題」への対応など、成果が現れてきております。

なお、第4四半期連結会計期間については、2億69百万円の増益となりました。原料価格の上昇はあったものの、製品売上数量の伸長やそれに伴い各部門において改善が進みました。

経常利益の計画比

期初計画に対しては12億19百万円の未達となりました。その主な要因は、前連結会計年度までに二度にわたって実施した製品価格改定の効果が維持できた一方で、第3四半期連結会計期間以降におけるナフサやベンゼンの想定以上の値上がりや原料仕入価格において川上メーカーのユーティリティコスト増加を一部受け入れたことによります。

また、人件費及び労務費や減価償却費等の経費が増加しておりますが、第3四半期連結会計期間以降の販売数量の伸長に伴い、各部門において改善が進んでおります。

 

(※1)経常利益 利益増減要因

 

(営業活動の状況)

原料・電力をはじめ、あらゆるモノの価格上昇が続く中、新技術の活用によりプラスチック使用量を削減した容器の提案を進めております。非発泡容器から大幅に軽量化した日本初の低発泡化容器「新低発泡PSP容器」は、積水化成品工業株式会社(本社:大阪市北区)の発泡技術と当社の独自技術である両面真空成形を基軸とした金型設計技術を融合してできたものであり、当社の非発泡容器と同等の強度及びシャープな形状を維持しながら、大型の寿司容器(※2)においては、当社従前の非発泡容器と比較して約60%(本体のみ)の軽量化を実現しております。容器包装リサイクル法に基づく再商品化実施委託料の軽減効果もあり、大型の寿司容器の下期の販売数量は前年同期比146%(非発泡容器含む)と伸長しております。さらにこの技術を活用して、本体重量を40~50%軽量化した寿司、刺身容器を上市し、拡販を進めております。

2024年4月に開催したエフピコフェア2024では、冷凍食品市場に向けた容器として、新たに開発した耐寒PPiP-タルクを出展いたしました。これは、二種類の無機物を配合することで、従来品である耐寒PPと比較してプラスチック使用量を25%削減した容器であり、従来品と同等の耐寒衝撃性、天地圧縮強度、重量を保持しております。また、以前より要望の多かったマルチFPの光沢について40%アップを実現したほか、インキの再研究により金色の発色が良くなるなど、10周年を迎えた総合研究所における研究の成果が様々な形で現れてきております。昨今の人手不足に向けた対策としては、食品の生産及び配送を一括して行うプロセスセンターやスーパーマーケットのバックヤードにおける自動化、機械化に対応した製品をご案内いたしました。加えて、盛付け面になだらかな傾斜をつけた刺身容器については、ツマの削減によるコスト低減に留まらず、作業工程の合理化により人手不足対策につながるなど、販売の拡大が続いております。

(※2)プラスチック使用量を大幅に削減した大型の寿司容器(新低発泡PSP容器)

 

(生産部門の状況)

当社グループは、設備稼働率の上昇、自動化の推進等により生産性の向上に努めるとともに、FSSC22000認証の取得による製品安全性のさらなる向上や、危険体感講習等を通じた安全教育の取り組みを推進しております。

自動化については、中部第一工場及び関西工場において、無人搬送車による原反・金型・フィルムの搬送やアームロボットによる原反つなぎにより、軽作業化や省人化を実現しております。加えて、2023年4月より現場社員の給与水準の向上や年間休日日数を増加させることで人材の確保・定着を図っており、前期に比べ離職者数が減少するなど一定の効果が現れております。

 

(物流部門の状況)

当社グループは、製商品の安定供給のため、全国9拠点(北海道、東北、関東、八王子、東海、中部、関西、福山、九州)の配送センターから半径100km圏内で全人口の85%をカバーする物流ネットワークを構築しております。

物流コストの低減に向けては、路線便と比較して運賃を抑制できる自社便での配送、パレット輸送の活用、トラック1台あたりの積載効率の向上に努めております。昨今の人手不足への対応については、配送センター内における無人搬送車や無人搬送フォークリフトの活用に加え、現場社員の給与水準の向上や運賃の値上げを行い、人材や車両の安定確保に努めております。

2024年4月1日より「働き方改革関連法」による「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」が適用される中、物流部門だけではなく生産・販売などグループ全体で物流の「2024年問題」への対応に取り組んでおります。関西ハブセンターの稼働により拘束時間13時間超のトラック台数が大幅に減少しているほか、ソーター、専用パレットの活用及び入出荷場所の集約を行うことで荷待ち、積込み時間2時間超のトラック台数が減少するなど効果が現れております。また、長距離輸送を行う車両の確保が困難な状況に対しては、需要に応じた現地生産のさらなる推進や東西でエリアを区切ることで関東・福山間の製品移動の最小化に取り組むなど、さらなる安定供給を図ってまいります。

 

(海外事業の状況)

2022年8月に持分法適用関連会社となったLee Soon Seng Plastic Industries Sdn. Bhd.(本社:マレーシア、以下「LSSPI社」)については、当社遊休設備の活用を含む設備投資や在庫管理システムの導入による生産性の向上を進めております。人口増加や所得水準の向上により、東南アジアにおける食品容器需要の拡大が見込まれる中、LSSPI社の東南アジアにおける競争力向上と利益の最大化を実現させてまいります。

(循環型のサステナブルな社会の実現に向けた取り組み)

当社グループは、気候変動問題及び海洋プラスチックごみ問題を対処すべき重要な課題と考えており、課題解決に向けて以下の取り組みを推進しております。

(a) リサイクルの推進

当社グループは、1990年に6ヶ所のスーパーマーケットにおいて使用済み容器の回収を始めて以来、エフピコ方式のリサイクル「トレーtoトレー」を進めてまいりました。2012年からは使用済みPETボトルをサラダ容器などの透明容器に再生する「ボトルto透明容器」にも取り組み、2024年3月末時点の回収拠点が10,680拠点を超えるなど、拡大を続けております。

近年では、環境意識の高まりを背景に、ユーザー自身が環境目標を設定し主体的に取り組む動きが見られ、“お店で使用・販売した食品トレー・PETボトルはそのお店で資源として回収し、食品トレー・透明容器に再生して、再生した食品トレー・透明容器をまたそのお店で積極的に使用する”というお店を発着点としたリサイクル「ストアtoストア」の輪が広がっております。この「ストアtoストア」の拡大に向けた協働は、2022年11月に株式会社中国シジシー(本社:広島市安佐南区)、2023年10月には株式会社エブリイ(本社:広島県福山市)、同11月には株式会社九州シジシー(本社:福岡市博多区)、2024年3月には株式会社東北シジシー(本社:岩手県紫波郡矢巾町)と相次いで開始しており、環境目標を掲げて取り組んだ結果として、ユーザーにおけるトレー及びPETボトルの回収量が増加するとともに、CO2削減に貢献するエコ製品の販売が拡大しております。

 

(b) 気候変動問題への取り組み

当社グループは、2050年のカーボンニュートラル達成を目指す中長期目標を定めており、目標達成に向けたガバナンス、戦略などについてTCFD提言に基づき公表しております。

当社事業拠点におけるCO2排出削減の施策として、再生可能エネルギーや省エネ設備の導入などに取り組むとともに、サプライチェーン全体におけるCO2排出削減に関しては、再生原料を使用しない石油由来製品と比較して30%のCO2削減効果を持つエコ製品の販売を推進しております。

再生可能エネルギーの導入については、関東地区及び中部地区の自社工場に設置した太陽光発電設備に加えて、2024年3月には関西地区でも稼働を開始いたしました。これにより、使用済みトレーリサイクル工場における再生原料製造工程をすべて再生可能エネルギーでまかなうことが可能となり、2024年7月1日出荷分よりエコトレーのCO2削減効果が30%から37%に上昇いたします。

 

(c) 各種リサイクル手法及び代替素材の研究開発

当社グループは、リサイクルの拡大推進が気候変動問題及び海洋プラスチックごみ問題の有効な対策の一つと考え、単一素材におけるリサイクルの技術と仕組みが確立しているエフピコ方式のリサイクル「トレーtoトレー」「ボトルto透明容器」を着実に実行してまいります。

さらに、発泡ポリスチレン容器の完全循環型リサイクルを目指し、DIC株式会社(本社:東京都中央区、以下「DIC」)と協業し溶解分離リサイクル及びケミカルリサイクルの研究を進めております。これらの研究は従来、日用品雑貨等にリサイクルされていた色柄付き発泡ポリスチレン容器を当社製品へ再生する水平リサイクルを目指すものであり、溶解分離リサイクルについてはDIC四日市工場において2024年11月の稼働を見込んでおります。これにより、新たに年間1万トンの再生原料が確保されることで、エコトレーの販売を約30%増加することが可能となります。

引き続き、技術は進歩するという前提のもと、各種リサイクル手法の調査研究や紙・バイオマスなどの新素材の情報収集を進めるとともに、環境負荷の低い容器の開発を通して、循環型のサステナブルな社会の実現を目指してまいります。

(ESG・SDGsへの取り組み)

当社グループは、資源循環や多様な人材の活躍推進など、SDGsの実現に向けた取り組みを進めるとともに、ESG情報開示の充実を図っております。

当社は2020年3月にエフピコ環境基金を創設し、“環境保全”、“環境教育・研究”、“「食」課題解決・「食」支援に関わる活動”の3分野において活動する団体への助成を実施しております。2025年3月期は17団体へ助成を行うとともに、助成先団体の活動へ当社グループ社員が参加するなど、地域の皆様とともに持続可能な社会の構築を目指しております。

障がいのある人材の活用については、食品容器の製造や回収した使用済み食品容器の選別など基幹業務に従事しており、エフピコグループの障がい者雇用率は、2024年3月時点で12.6%となりました。

女性の活躍推進については、職域拡大、継続就業支援、管理職の増加を目指し「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」を厚生労働省の女性の活躍推進企業データベースに掲載し、2022年以降に採用する総合職の女性比率を30%以上、2026年までに女性管理職を50名、男性社員の育児休暇の取得を義務化し、2025年3月末までに男性の育児休業の取得率を50%以上とする目標を定めるなど、様々な取り組みを実践しております。この結果、2024年4月入社の総合職における女性比率は31%、2024年3月末時点の女性管理職は57名、2024年3月期の男性育児休業取得率は21.7%となりました。

社員の健康推進については、健康のためのあらゆる取り組みや情報発信を行う「職場で健康プロジェクト」を実施するとともに、職場環境の整備に努めることで、社員の活力及び生産性の向上につなげております。

これらの取り組みの結果、当社は、FTSE Russellの「FTSE4Good Index Series」、「FTSE Blossom Japan Index」、「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」、MSCI社の「MSCI 日本株女性活躍指数(WIN)」の構成銘柄へ選定、経済産業省の「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に認定されております。

 

(今後の見通し)

2025年3月期の連結業績予想は以下の通りです。(※3)

[2025年3月期 連結業績予想]                                                          (単位:百万円)

 

前期実績

当期計画

前期比 増減額

前期比

売上高

222,100

236,000

+13,899

106.3%

製品売上高

171,653

179,810

+8,156

104.8%

商品売上高

50,446

56,190

+5,743

111.4%

営業利益

16,429

17,800

+1,370

108.3%

経常利益(※3)

16,780

18,000

+1,219

107.3%

親会社株主に帰属する

当期純利益

11,724

12,122

+397

103.4%

償却前経常利益

31,833

32,800

+966

103.0%

 

上記の見通しについては、当社グループが現時点で入手可能な情報に基づき判断したものであり、今後、様々な要因によって業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、開示すべき事項が生じた場合には、速やかにお知らせいたします。

(※3)経常利益 利益増減計画

 

原材料価格の高騰に対しては、2021年10月、2022年4月に相次いで「価格改定のお願い」を発表し、当社製造製品について価格改定を実施いたしましたが、その後、電力料金が急騰し、過去に例のない水準で高止まっております。また、国産ナフサ及びベンゼンも高値圏で推移し、川上メーカーによるユーティリティコストの転嫁も含めて、当社グループ製品主要原料であるポリスチレンをはじめとする原料全般の値上がりが続いております。さらに、労務費や物流の2024年問題を背景とした物流費等も増加しております。このような状況下、自助努力で吸収することが極めて困難であることから、2024年7月1日出荷分より当社製造製品全般において15%以上の価格改定を発表いたしました。

販売面については、環境意識の高まりやあらゆるモノの価格上昇が続いていることを背景に、エコ製品及びプラスチック使用量を削減した製品を中心に数量の増加を見込んでおります。特にエコ製品は数量の伸長が続いているほか、軽量化(プラスチック使用量削減)した「新低発泡PSP容器」の引き合いが増しており、品揃えの充実と非発泡容器からの切り替え提案を進めております。さらに、マルチFPの高光沢化や耐寒PPiP-タルクなど新技術の製品化を推進してまいります。また、今後の拡大を目指す冷凍食品市場及び病院介護食市場などに向け、積極的な販売拡大への取り組みを進めております。

2023年9月29日には持分法適用関連会社であった株式会社アペックス(本社:福岡市中央区、以下「アペックス」)の株式を追加取得し連結子会社化いたしました。当社グループのインフラを活用することで、コスト削減や経営効率の改善を図るとともに、既存のお客様へのサービスを向上させてまいります。また、アペックスの競争力を強化することでこれまで深掘りできていなかったマーケットへの参入を目指し、食品容器のみならず包装資材・消耗品の販売拡大に取り組んでまいります。

これらの価値創造提案や新マーケット創出に加え、リサイクル技術の研究開発、M&Aなどを通じて、持続的な成長を目指してまいります。

(用語説明)

エコトレー

:スーパーマーケットの店頭などから回収されたポリスチレン容器と工場内端材を原料とする

 リサイクル発泡ポリスチレン容器(1992年販売開始)

エコAPET

:スーパーマーケットの店頭などから回収されたPET(ポリエチレンテレフタレート)透明容器、PETボトル及び工場内端材を原料とするリサイクルPET透明容器

耐熱温度+60℃(2012年販売開始)

エコOPET

:エコAPETと同じ原料を使用する二軸延伸PETシートから成形したリサイクルOPET透明容器

耐油性に優れ、透明度も高くOPS容器(従来からの二軸延伸ポリスチレンシートから成形した透明容器)と同等の耐熱性を実現

耐熱温度+80℃(2016年販売開始)

マルチFP

:-40℃~+110℃の耐寒・耐熱性、耐油性及び断熱性に優れた発泡PS容器(2010年販売開始)

耐寒PPiP-タルク

:二種類の無機物を配合することで、従来品である耐寒PPと比較してプラスチック使用量を25%削減した耐寒PPフィラー容器

 従来品と同等の耐寒衝撃性、天地圧縮強度、重量を保持

FSSC22000

:消費者に安全な食品を提供することを目的とした、食品安全マネジメントシステムに関する国際規格

溶解分離リサイクル

:マテリアルリサイクルにより生産された黒色PSペレットを溶解、脱色したうえで、食品容器向けの再生PS原料を生産する手法

DIC㈱が開発した世界初の技術

 

(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(3) 財政状態の状況及び分析

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて43百万円減少し、2,985億80百万円となりました。主な増減は、当連結会計年度末日が金融機関の休日であったことによる受取手形及び売掛金の増加53億11百万円、減価償却などによる有形固定資産の減少65億58百万円であります。

負債合計は、前連結会計年度末に比べて57億16百万円減少し、1,527億35百万円となりました。主な増減は、返済などによる借入金(短期借入金及び長期借入金)の減少88億82百万円、未払消費税等の増加32億12百万円であります。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて56億73百万円増加し、1,458億44百万円となりました。主な増減は、親会社株主に帰属する当期純利益117億24百万円及び剰余金の配当38億47百万円、自己株式取得などによる自己株式の増加29億51百万円であります。

(4) キャッシュ・フローの状況及び分析

① キャッシュ・フローの状況及び分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より14億51百万円増加し、237億7百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により獲得した資金は、291億76百万円(前期に比べ91億4百万円の増加)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益169億84百万円、減価償却費150億52百万円、棚卸資産の減少13億69百万円、未払消費税等の増加53億18百万円などによる資金の増加、他方、売上債権の増加51億21百万円、法人税等の支払額57億66百万円などによる資金の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により支出した資金は、107億11百万円(前期に比べ235億94百万円の支出減少)となりました。

これは主に、生産設備等の有形固定資産の取得による支出113億52百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により支出した資金は、170億13百万円(前期は167億45百万円の獲得)となりました。

これは主に、長期借入れによる収入60億円、長期借入金の返済による支出148億95百万円、自己株式の取得による支出30億50百万円、リース債務の返済による支出11億88百万円及び配当金の支払額38億46百万円などによるものであります。

 

② 資本の財源及び資金の流動性

1)経営資源の配分に関する考え方

 当社グループは財務健全性と資本効率のバランスを考慮し経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。

 営業活動により獲得した資金の配分のうち設備投資に関しては、中長期的な成長に向けた高付加価値製品の供給体制を維持、構築するために毎期180~250億円の設備投資を継続してまいります。

 株主還元については、継続的かつ安定的な配当を実施していくことが経営の最重要課題の一つと考えており、連結ベースでの配当性向は40%を目途にしております。

2)資金需要の主な内容

 当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では製品原材料の購入費用及び電力料、修繕費、消耗品費など製造経費のほか、仕入販売する商品の購入費用、運搬及び保管費、人件費などの販売費及び一般管理費であります。

 また、投資活動に係る資金支出は、環境に配慮した高付加価値製品の供給体制構築に必要な成長投資のほか、既存の生産設備や物流施設の維持更新及び自動化による効率改善を目的としたものであります。

3)資金調達

 当社グループの主たる財源は、営業キャッシュ・フロー、金融機関からの借入れ及びコマーシャル・ペーパーの発行によるものであります。

 子会社の資金調達については、原則として親会社からのグループファイナンスに一元化する運用を行っております。その結果、連結ベースでの資金コストを低減するとともに、効率的な資金運用を実現しております。

 また、資金の流動性については、現金及び預金に加え、機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため総額100億円のコミットメントライン契約を有しております。

(5) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

    製品別生産実績

品目

生産高(百万円)

前年同期比(%)

製品

 

 

 トレー容器

24,541

97.8%

 弁当・惣菜容器

65,740

99.3%

 その他製品

2,333

124.2%

合計

92,615

99.4%

 (注)1 生産高は、主として生産数量に見積り製造原価(単価)を乗じて算定しておりますが、その他製品の一部については、販売価格によっております。

2 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。

製品・商品仕入実績

品目

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

製品

 

 

 トレー容器

2,125

101.3%

 弁当・惣菜容器

17,204

94.6%

 その他製品

1,436

93.4%

小計

20,766

95.1%

商品

 

 

 包装資材

37,997

111.4%

 その他商品

2,072

99.4%

小計

40,070

110.7%

合計

60,836

104.9%

 (注) 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。

 

② 受注実績

 当社グループは、主として需要見込による生産方式のため、受注状況については特記すべき事項はありません。

 

③ 販売実績

品目

販売高(百万円)

前年同期比(%)

製品

 

 

 トレー容器

41,943

101.8%

 弁当・惣菜容器

125,915

103.9%

 その他製品

3,794

103.4%

小計

171,653

103.4%

商品

 

 

 包装資材

48,035

111,4%

 その他商品

2,411

114.2%

小計

50,446

111.5%

合計

222,100

105.1%

 (注)1 総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。

2 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日)及び当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

連結損益計算書の売上高の10%以上を占める特定顧客が存在しないため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

該当事項はありません。

 

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日)

当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

該当事項はありません。