リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼしうるリスクは主に次のとおりです。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避、顕在化した場合の対応を含むリスク管理体制の強化を図っていきます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(特に重要なリスク)
(1)ヒット商品の影響について
当社グループの主力事業である玩具事業は、特定商品や特定コンテンツの成否によって影響を受ける傾向にあります。当社グループでは、このような影響を緩和すべく、継続的ヒット商品創出のための開発力強化、商品ラインアップの充実、コンテンツ育成等の施策を実施していますが、ヒット商品の有無が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)商品の安全性について
当社グループは、厳格な品質管理基準に基づき、商品の品質向上や安全性確保に取り組んでいますが、取扱商品の安全・品質上の重大問題、製造物責任賠償やリコール等が発生した場合には、当社グループのブランド価値低下を招くとともに、多額の費用負担が発生し、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)災害等のリスクについて
当社グループは、日本をはじめ世界各地で事業展開を行っており、地震、洪水、台風などの自然災害や、サイバー攻撃、戦争、テロ行為、感染症の世界的流行(パンデミック)、電力等のインフラ停止などが発生した場合には、事業活動の一部又は全体に大きな支障をきたす可能性があります。当社グループは、事業継続計画(BCP)の整備等に取り組んでいますが、このような事態での物的・人的被害により多額の費用等が発生し、財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(重要なリスク)
(1)四半期業績の変動について
当社グループの玩具事業は、例年、クリスマス/年末商戦期である第3四半期に売上高が伸びる傾向にあります。当社グループでは、その他のシーズンでの重点商品の投入、玩具周辺事業の拡大等により業績の平準化を図っていますが、業績の季節的変動は今後とも続くと予想しています。
(2)為替相場の変動について
当社グループでは、国内で販売する玩具類の大半を海外から米ドル建てで輸入しています。当社グループでは、グループ為替リスクヘッジ方針に基づき為替予約等による為替リスクヘッジを行っていますが、為替相場の大幅な変動が生じるなどリスク減殺効果が薄れた場合には、海外連結子会社の損益、決算期末における資産及び負債等の円換算金額の増減も含め、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)海外事業展開について
当社グループでは、海外市場での事業拡大を重点戦略の一つとしており、販売拠点のグローバル展開に加え、国内外で販売する商品の大半を海外にて生産しています。海外では為替リスクに加え、不安定な政情、金融不安、文化や商慣習の違い、特有の法制度や予想しがたい投資規制・税制変更、労働力不足や労務費上昇、知的財産権保護制度の未整備等、国際的活動の展開に伴うリスクがあります。当社グループでは、海外拠点網の再構築、中国偏重の生産体制からベトナムなどへの生産シフト、模倣品対策強化等、海外リスクに留意したグローバル事業展開を進めていますが、各国の政治・経済・法制度等の急激な変化は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料価格変動の影響について
当社グループは、プラスチックや亜鉛ダイカスト合金などを材料とする玩具類を扱っており、原油価格や金属素材価格等の影響を受けます。当社グループはその影響を緩和すべく、製造委託先も含めた原材料調達方法の工夫、生産物流体制の効率化等に取り組んでいますが、原材料価格の高騰や供給不足等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)経営上の重要な契約について
当社グループは、第三者との間でいくつかの経営上の重要な契約を締結していますが、今後何らかの理由で契約が継続できない場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(経営上の重要な契約等については、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載しています)
(6)情報の流出について
当社グループは、事業上の重要情報、顧客・取引先等の機密情報や個人情報等を保有しています。当社グループは、情報セキュリティ対策の強化・徹底等により、これらの情報の秘密保持に細心の注意を払っていますが、不測の事態により情報が外部に流出する可能性があります。万一、このような事態が生じた場合には、当社グループの信用低下や財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)無形固定資産の評価及び減損について
当社グループは、TOMY Internationalグループの買収に伴い、のれんを含む無形固定資産を相当額計上しています。これらの無形固定資産につきましては、毎年定額法による償却及び必要な減損処理を行っており、現時点では更なる減損損失計上は必要ないと認識していますが、当該事業の業績が想定どおり進捗しない場合には、将来の減損の可能性は高まり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は株主に対する安定的な利益還元を経営の重要課題の一つとして認識しております。経営基盤の強化と利益率の向上に努めるとともに、安定的な配当の継続を基本に業績及び配当性向などを勘案したうえ配当金額を決定していく方針です。内部留保については、様々な外部環境の変化に備えつつ、グローバル展開など中長期成長分野への事業投資等に活用していく所存です。
毎事業年度における配当の回数は中間配当と期末配当の年2回としており、中間配当については取締役会が、期末配当については株主総会が決定機関であります。
当社は、「当会社は、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる。」旨を定款に定めております。
上記方針に基づき、2024年3月期の1株当たり期末配当金につきましては、2024年5月1日公表のとおり普通配当17円50銭に創業100周年記念配当8円を加え、さらに業績と株主還元方針等を総合的に勘案し7円を加えた合計32円50銭といたしました。これにより、既に実施した第2四半期末配当金(中間配当金)1株当たり17円50銭と合わせて、年間50円となります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 |
1株当たり配当額 |
2023年11月7日 |
1,599百万円 |
17円50銭 |
取締役会決議 |
||
2024年6月26日 |
2,956百万円 |
32円50銭 |
定時株主総会決議 |
(注)1.2023年11月7日取締役会決議にかかる「配当金の総額」には、「役員向け株式交付信託」及び「執行役員等向け株式交付信託」が保有する当社株式434千株に対する配当金7百万円が含まれております。
2.2024年6月26日定時株主総会決議にかかる「配当金の総額」には、「役員向け株式交付信託」及び「執行役員等向け株式交付信託」が保有する当社株式434千株に対する配当金14百万円が含まれております。
(ご参考)
当社は、2024年5月14日開催の取締役会において、株主還元方針の変更について決議しました。
(1)変更の理由
当社は、このたび創業100周年の節目に、当社の価値創造モデルを構築すべく「中長期経営戦略 2030」を策定いたしました。これを機に、株主の皆様に対する安定的な利益還元の実施に加え、株主価値を持続的に向上させること、具体的には、配当と自己株式の取得を合わせた総還元性向を株主還元の指標として採用し、総還元性向を原則50%とすることを株主還元方針といたします。株主還元の更なる充実、資本効率の向上、経営環境に応じた機動的な資本政策を遂行し、一層の企業価値向上に取り組んでまいります。
(2)変更の内容(下線は変更部分)
変更前 |
当社は株主に対する安定的な利益還元を経営の重要課題の一つとして認識しております。経営基盤の強化と利益率の向上に努めるとともに、安定的な配当の継続を基本に業績及び配当性向などを勘案したうえ配当金額を決定していく方針です。内部留保については、様々な外部環境の変化に備えつつ、グローバル展開など中長期成長分野への事業投資等に活用していく所存です。 |
変更後 |
当社は株主価値の持続的な向上および株主に対する安定的な利益還元を実施していくことを経営の重要課題の一つとして認識しております。経営基盤の強化と利益率の向上に努めるとともに、配当と自己株式の取得を合わせた総還元性向を原則50%といたします。内部留保については、様々な外部環境の変化に備えつつ、M&A、アライアンス、グローバル展開などといった中長期成長分野への事業投資等に活用していく所存です。 |
(3)適用の時期
2025年3月期より適用します。