2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,471名(連結)
  • 平均年齢
  • 平均勤続年数
  • 平均年収

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

半導体関連事業

123

〔 28〕

医療・健康機器事業

1,190

〔 94〕

計測・計量機器事業

1,106

〔207〕

全社(共通)

52

〔 12〕

合計

2,471

〔341〕

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門等に所属しているものであります。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(才)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

〔―〕

 

(注) 純粋持株会社である当社の事業は、株式会社エー・アンド・デイに所属する従業員が遂行しており、当社に従業員は存在しておりません。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループでは連結子会社である㈱エー・アンド・デイ及び㈱A&Dマニュファクチャリングに労働組合が存在しております。

㈱エー・アンド・デイの労働組合はエー・アンド・デイ労働組合と称し、2024年3月31日現在における組合員数は582名、上部団体としては電機連合に加盟しており、㈱A&Dマニュファクチャリングの労働組合はオリエンテック労働組合と称し、2024年3月31日現在における組合員数は36名、上部団体には加盟しておりません。

なお、いずれも労使関係は安定しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度の多様性に関する指標は、以下のとおりであります。

名称

管理職に占める女性

労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児

休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

㈱エー・アンド・デイ

0.5

73.7

46.0

66.8

39.0

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)(以下「女性活躍推進法」という。)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.女性活躍推進法に基づき上記指標を公表している会社のみを記載しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、「はかる」技術を通じて豊かで持続的な社会づくりにグローバルに貢献していくことをグループ企業理念としており、気候変動をはじめとするサステナビリティを巡る課題への対応について、収益機会にも繋がる重要な経営課題であるという認識のもと取り組みを進めてまいります。

 

(1) ガバナンス

持続可能な社会・環境の実現に向けた取り組みを通して、社内外のステークホルダーに貢献し、当社グループの存続及び中長期的な企業価値向上を図ることを目的とし、2023年4月に「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。総務部担当取締役を委員長とし、社内取締役と主管部門長等で構成される同委員会はサステナビリティ経営を実践する上での基本方針の決定、並びに課題への対策を審議し、活動の管理・監督を行います。また、サステナビリティ委員会は下部組織として「社会・環境部会」、「リスク管理部会」、「ガバナンス部会」という3つの部会を管轄しており、気候変動関連の対策実行部隊である部会活動の管理・監督も行っております。サステナビリティ委員会において審議された内容は取締役会に都度報告されるほか、委員会がとりまとめたサステナビリティに関する基本方針、活動などの情報を社内外のステークホルダーへ定期的に開示しております。

なお、当社のコーポレート・ガバナンス体制図は「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。

 

〔サステナビリティ方針〕

当社グループは、最先端かつ多種多様な「はかる」技術を通じて、「計測・計量」「医療・健康」「半導体」分野での事業活動により社会課題の解決に貢献するとともに、環境保全や環境負荷低減の取り組みを積極的に推進することで、豊かで持続的な社会の実現と中長期的な企業価値の向上を目指します。

 

〔マテリアリティ(重要課題)〕

サステナビリティ方針の実現に向けて、下記の4つのマテリアリティを特定いたしました。

ESGの観点やSDGsの17ゴールを軸として自社の課題を広範囲に抽出し、社会・環境問題の解決に向け、当社グループの取るべき行動を整理しました。抽出した課題を「社内重要度」および「社外発信優先度」の両軸で評価し、さらに「経営理念との整合性」、「環境」、「社会」、「経済」、「教育/現場改善」への寄与度を点数評価し、高評価のものに絞り込みました。絞り込んだ課題に対し、行動項目も含めたマテリアリティ候補としてグループ化し、サステナビリティ委員会での審議を経て、取締役会での最終承認によりマテリアリティを決定いたしました。

 

①社会課題解決と経済の両輪を実現できる経営の高度化

環境負荷低減などに代表される社会課題解決の推進を当社グループの成長・発展の源泉とすることによって、社会性と経済性の両輪企業を目指します。

②地域・ステークホルダーとの連携強化により未来を豊かにするサステナビリティ企業への挑戦

連携の力による新たな価値の創造によって、地球・国・地域・ステークホルダーの未来に貢献するサステナビリティ企業を目指します。

③多様性・持続性のある人的資本経営の強化

当社グループの多様性溢れる社員一人ひとりの自己変革を促進する人的投資を加速化させることによって、社員から選ばれる高エンゲージメント企業を目指します。

④強固な企業基盤構築により顧客・企業価値の最大化

IT技術を当社グループのマネジメントシステムに組み入れることで顧客価値の最適化・最大化を図ると共に、透明性高い企業経営の更なる強化によって、顧客と社会から選ばれるグローバル企業を目指します。

 

(2)戦略

〔気候変動への取組〕

当社グループはTCFDが提唱するフレームワークに基づき、2つのシナリオを用いてシナリオ分析を行いました。国際エネルギー機関(IEA: International Energy Association)が作成した世界エネルギー展望(WEO: World Energy Outlook)および、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が作成した代表的濃度経路(RCP: Representative Concentration Pathways)を参考に、1.5℃/2℃シナリオと4℃シナリオを対象として定性的および定量的にリスク分析を行いました。1.5℃/2℃シナリオとは、脱炭素社会への移行が進んでいく想定、4℃シナリオとは、現状の排出規制などが維持される想定のシナリオを指しております。これらのシナリオ分析を行うことで、気候関連事項が、当社グループの事業、戦略、財務計画にどのように影響するかを分析いたしました。

シナリオ群をもとに、気候変動を起因とする影響のうち、当社グループの事業にとってリスクおよび機会である事象を定性的に分析いたしました。そのうち、大きな影響を及ぼす事象を次頁の表に示しております。分析の結果、1.5℃/2℃シナリオにおける移行リスクとしては炭素税やプラスチック規制などの政策による財務的影響や、顧客や投資家の意識変化による評判への影響が大きいと考えられるのに対し、4℃シナリオにおける物理リスクとしては自然災害への対応や気温上昇への対応による影響が大きいと考えられます。これらに対する当社グループの対応は、「社会・環境部会」と「リスク管理部会」において実施及び検討しております。

 

気候変動に関する主なリスク

種類

 カテゴリー

主なリスク

対応方針

移行リスク

政策・規制

・自社、サプライヤーを課税対象に含む炭素税導入による、製造コスト及び調達コストの増加

・梱包材に用いる使い捨てプラスチック材の使用規制に伴う、代替資材への切り替えコストの発生

・LED化による使用電力量削減

・再生可能エネルギーの導入

・カーボンニュートラルへ向けた目標策定と削減計画の実施

・プラスチック使用量削減へ向けた取り組み促進(梱包材を段ボール製に置き換え等)

技術

・脱炭素や再エネ・省エネニーズの高まりに伴う、顧客要求等への対応遅れによる販売機会の逸失

・電動化の進展に伴う、油圧式試験機や内燃機関向け製品の需要低下

・販売地域において変化する顧客要求の早期情報収集と、それに対応した開発および販売推進

・試験機の電動化や電動車開発向け試験機の開発および販売推進

評判

・気候変動対策、情報開示が不十分とみなされた場合における、ステークホルダーからの評価・企業価値の低下

・2050年のカーボンニュートラルに向けた10年後における中間目標の設定、およびCO₂排出量削減への取り組み

・情報開示の充実

物理リスク

急性

・異常気象の激甚化による自社拠点への被害およびサプライチェーンへの影響

・事業継続計画(BCP)の策定・見直し

・安定的な調達へ向けた態勢整備

 

 

 

気候変動に関する事業上の機会

業界・産業

関連製品群

主な機会

対応方針

自動車

計量機器

DSP機器

・EV化進展に伴う二次電池の増産や航続距離伸長を目指した素材の需要が増加

・EVやFCVなどの環境対応車の開発加速による試験装置等の需要が増加

・電動化車両の重量増加に伴う新たな車両・タイヤ試験機需要の高まり

・二次電池生産時に使用される、生産ライン組込み用高精度計量センサーの提供を拡充

・アプリケーションの拡充を図り、電動車向け試験システムへの対応を推進

・高容量の力(ちから)センサを活用したタイヤ試験機の提供を推進

マテリアル

計測機器

計量機器

・CO₂の回収・有効利用・貯留(CCUS)に関わる開発の活発化に伴う需要が増加

・企業や個人の気候変動抑制に向けた意識の高まりにより、再生可能な天然素材への置換やリサイクル素材の開発が促進

・CCUS関連の研究開発向け評価装置(材料試験機・物性試験機)や分析機器(ガス分析計・分析天びん)の販売促進

・循環型素材を利用した容器や包材の評価装置(材料試験機・物性試験機)の販売促進

エネルギー

計測機器

DSP機器

・電力需給の効率化追求に伴う開発促進により、関連するソリューションの需要が増加

・水素やアンモニア等の代替燃料への置換促進により、関連する試験機等の需要が拡大

・電力システム等の運用効率向上に向けた取り組みに寄与する製品の開発・提供を推進(既存のiTestやHILS機器の活用)

・代替燃料対応のガス分析計や触媒を評価するシステム等のソリューションを提供

食品

計量機器

・食品の生産や加工過程での異物混入によるフードロスを防ぐため、チェック機能としての検査機器の需要が増加

・ウエイトチェッカ、金属検出機、X線検査機などライン検査装置の提供強化および、検査精度向上に向けたAI技術の活用

医療

医療機器

・遠隔医療の規制緩和進展に伴う新規市場の需要が増加

・低炭素素材の開発による環境負荷低減型製品が求められることで新たな需要が創出

・ヘルスケアデータのクラウド化に対応した新製品の開発推進

・軽量化・高強度化されたメディカル計量機器の開発推進

 

 

業界・産業

関連製品群

主な機会

対応方針

健康

健康機器

・気候変動抑制に向けた意識が高まり、環境配慮型製品の需要が増加

 

・二次電池などの再生エネルギー対応製品の開発推進

・部材削減に結びつく製品の開発推進(ホースレス血圧計など)

半導体

半導体関連

・DXの進展による半導体デバイスの高機能化や処理高速化ニーズの高まり

・EVや産業機器市場などを中心に高効率(省エネ・省電力)化の要求が高まり、パワー半導体の需要が増加

・半導体デバイスの微細化に対応するフォトマスク用寸法測定装置の開発推進 

・電子銃や電源、A/D・D/A変換器などの半導体関連機器の提供を拡充

 

 

 

〔人材の育成及び社内環境整備に関する方針〕

<人材に対する基本的な考え方>

当社グループは、「はかる」を通じて社会に貢献していくことを経営の基本方針としており、日々変わり続ける社会から必要とされ、お客様より選ばれる「はかる」ツールを提供していくため、人材こそが競争力の源泉であり、最も重要な財産であると考えております。

 

<人材育成方針>

当社グループは、人材の多様化とそれら人材の育成が中長期的な企業価値向上に繋がるものと考え、女性・外国人・中途社員の採用について積極的に取り組み、体系的かつ効果的な教育訓練を実施します。また企業の持続的な成長には、環境変化に素早く柔軟に対応していくことが求められることから「変化に柔軟に対応できる人材」「自ら考え行動できる人材」の育成を目指しております。

 

<社内環境整備方針>

当社グループは、人権の尊重を基本理念とする企業文化の下、安全衛生および健康増進活動を推進し、安心して働くことができる職場環境を整備するとともに、高い意欲で仕事に取り組むための施策を講じ、一人ひとりが自らの能力を最大限に発揮し、働きがいを実感できる職場環境づくりを行います。

 

上記方針の実現に向けて、主要子会社にて下記の施策に取り組んでおります。

 

①ダイバーシティ&インクルージョン

女性・外国人・シニア社員等の活躍を推進するため、多様な人材が能力を最大限発揮できる職場環境づくりに取り組んでおります。

・シニア社員の活躍推進(マイスター制度)

 60歳定年以降は嘱託再雇用制度を採用しております。技術分野における会社への貢献が著しい者を「マイスター」、マネジメント分野における貢献が著しい者を「エグゼクティブ」に認定し、貢献度を処遇に反映しております。

・女性社員の活躍推進

 新規学卒者および中途採用における女性採用を強化し、女性社員の比率を高めることで将来的な女性管理職比率の増加につなげていきます。

 

②人事・教育制度

・公正な評価と人材育成

 社員の行動と成果を適切に評価・処遇するため、目標管理制度を主体とした成績およびプロセスについて評価を行っております。プロセス評価では、社員の成長を段階的に促すため、評価要素として職務遂行能力を基準とした等級毎にコンピテンシー(安定して発揮される成果に結びつく行動)を設定しております。目標設定・成果評価に際しては、その理解を深めるため、上司・部下がその内容を相互に確認しております。また、管理職向けに評価制度の理解と評価エラー防止についての評価者研修も定期的に実施しております。

・自主性の尊重

 社内公募制度の導入や自己申告制度の実施により、適材適所の観点から自主性を尊重し、社員の能力発揮を実現する人事制度の整備・運用を行っております。

・教育訓練体系の整備

 社員の能力向上を図るため、階層別教育、職務別教育、自己啓発教育等、教育訓練の体系を整備し、効果的な運用を行っております。

 

③働き方改革

社員が能力を最大限発揮するために働きやすい職場環境の整備と安全・健康に向けた取り組みを推進しております。

・育児休業の取得率向上

女性活躍推進法に基づく行動計画の目標に男性社員の育児休業取得率向上を設定し、対象者への制度説明・取得環境の整備を実施しております。

・時間外労働時間の短縮

水曜・金曜日をノー残業デーとし、定時退社を促しております。また、一定時間を超過した社員の上長に注意喚起し面談を実施しております。

・年次有給休暇の取得推進

  年次有給休暇の一斉・計画的付与や半日単位での取得を可能とすることにより、取得を促進しております。

 

④健康経営

主要連結子会社である㈱エー・アンド・デイは、経営理念実現のため、「こころ」「からだ」「職場環境づくり」に重点を置いた健康経営宣言を制定し、「健康経営優良法人2024」に認定されました。

 

(3)リスク管理

当社グループではサステナビリティ委員会が「リスク管理規程」に基づき全社的なリスクの総括管理を行っております。その下部組織として「リスク管理部会」を設置し、リスク管理に係る課題・対応策の協議を実施しております。気候変動関連リスクについては「社会・環境部会」が主体となって洗い出しを行い、リスク管理部会を経てサステナビリティ委員会に共有されます。サステナビリティ委員会において審議された内容は取締役会に都度報告され、取締役会の審議を踏まえ、当社グループの戦略に反映されております。

 

(4)指標及び目標

〔気候変動への取組〕

当社グループは経営戦略に気候変動関連リスクを考慮するため、気候変動をもたらす原因とされる温室効果ガス(GHG)、特に二酸化炭素(CO₂)の排出量を指標として、気候変動関連リスクを特定・評価・管理しております。当社グループでは、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目標としながらも、定量的目標として、2032年度までに36%削減(2022年度比)という目標を新たに設定いたしました。具体的には、再生可能エネルギーの活用を進めながらも省エネに取り組むことで、排出量を差し引き0にすることを想定しております。なお、Scope3の排出量に関しては、今後算定を進めてまいります。

※TCFDに基づく情報開示に関する詳細は、当社ホームページの「サステナビリティの取り組み」をご参照ください。

 https://andholon.com/ir/library/sustainability/

 

〔人材の育成及び社内環境整備に関する指標〕

人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針にかかる指標及び目標については、サスティナビリティ委員会にて検討を行ってまいります。

(注)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、「第1企業の概況 5従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。