リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
事業活動を進めていく上では、様々なリスクが存在しております。当社グループは、代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、当社グループを取り巻くさまざまなリスク情報を収集・分析して具体的な予防策を策定することで、リスク管理やリスク対応力の向上に努めています。
(1) 日本国内における建設投資(公共投資・民間設備投資)への依存
当社グループの売上高の相当部分を占めている日本国内の建設投資は、大幅な成長が見込めない状況が継続しており、建設業界における景気の低迷及びこれに伴う需要の減少により、売上高や利益が減少する等、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、新規販売先の開拓、新商材の提供、海外市場への展開、M&A戦略等の成長戦略を推進し、今後成長が見込まれる分野での事業展開を進めております。
(2) 輸入商材への依存と為替変動
当社グループは、競争力のある商品の販売活動を目的として、中国等の海外から輸入商材の調達拡大を進めてまいりましたが、現状、調達元の約85%が中国となっております。そのため、米中貿易摩擦や中国の法規制の変化等により、調達元の事業の遂行が大きく左右され、商材の確保が困難になる可能性があります。また、仕入価格は為替相場の変動の影響を受けます。そのため、米中貿易摩擦の激化による商材の調達難や為替相場の大幅な変動により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、新規仕入先の開拓や為替予約の締結に取り組んでおります。
(3) 価格競争
当社グループが属している各製商品市場と地域市場では、大幅な成長が見込めない中で競合他社との競争が激化しておりますが、競合他社との価格競争の激化が続き、適正価格の維持が困難になった場合、売上高や利益が減少する等、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、生産性向上による価格競争力の向上やユーザーニーズを的確にとらえた付加価値の高い製商品の開発・提供に取り組んでおります。
(4) 原材料等の市況変動の影響
当社グループの製商品の主要原材料である鋼材、銅、アルミは、世界的な需給動向によって市況が変動する傾向があります。そのため、市況が大幅に変動した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、販売価格への転嫁を速やかに実現できるように努めている他、複数の仕入先を持つとともに、生産技術に関するコストダウンを通じて収益性の向上に取り組んでおります。
(5) 災害等によるサプライチェーンへの影響
当社は主力製品の製造拠点として全国4ヶ所に工場を有しておりますが、災害、停電、感染症の蔓延等、操業を中断する事象が発生した場合、工場相互間での補完や協力工場への生産委託を行ったとしても生産能力が低下する可能性があります。また、当社グループは、国内外の多数の仕入先から商材を調達するほか、一部工程を外注しておりますが、災害、事故、感染症の蔓延等により、仕入先・外注先の操業停止や物流ルートの寸断・停滞等が発生する可能性があります。これらの影響により、製商品の供給やサービスの提供が長期間にわたって滞った場合、売上高や利益が減少する等、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、以下の取組を行っております。
・全国4ヶ所に設置した当社工場全てにおいて主力製品を生産するとともに、製造ラインの中断による潜在的なマイナス影響を最小化するために生産設備の定期整備点検を行っております。
・全国の営業店で製商品を在庫するとともに、複数仕入先の確保に努めております。
(6) 感染症による事業活動への影響
当社グループは、全国に拠点を構え事業活動を行っておりますが、新型コロナウイルス感染症等の治療法が確立されていない感染症が流行し、世界的なサプライチェーンの混乱、物件の進捗遅れや民間設備投資の抑制などの影響が長期化した場合や、従業員の感染や事業所でのクラスターの発生など事業活動の継続に影響が出るような事象が発生した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクの発生に備えたマニュアルを策定し、必要とされる安全対策や事業継続のための対策を講じております。
(7) 取引先の信用リスク
当社グループは、小口分散販売を進めており、多数の得意先を有しております。為替相場の急変動、人件費の上昇、資材価格及びエネルギー価格の高止まり等の影響を受け景気の先行きが不透明な状況となっており、取引先の倒産等により貸倒損失が発生した場合、利益が減少する等、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、取引先の信用度合いに応じて与信限度枠を設定し、不良債権の発生防止に努めております。
(8) 固定資産の減損リスク
当社グループは、持続的な成長と長期的な企業価値向上を実現するため、M&Aを随時実施しております。近年は複数のM&Aを実施していることに伴い、相応ののれん及び顧客関連資産等を計上しております。
当社グループは、企業の買収や資本・業務提携を持続的な成長と長期的な企業価値向上を実現するための重要な戦略の一つと位置づけており、今後もM&Aに積極的に取り組む方針としております。そのため、今後も、経営環境や事業の状況の著しい変化等により、当初期待したキャッシュ・フローが創出できないと判断される場合、のれん及び顧客関連資産等の固定資産の減損損失が発生する等、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、M&Aの実施時には、対象企業の財務内容や事業計画等について十分な検討を行っております。
配当政策
3【配当政策】
当社は、配当につきましては、連結業績、連結配当性向について十分留意しながら、連結純資産配当率(DOE)4.0%以上を念頭に、株主の皆様へ継続的に増配を行うことを基本方針としております。
DOEは、純資産の中から配当金として還元する割合を示しており、一時的な利益の増減に左右されず安定的な配当の実現を可能とする指標となります。なお、当社は、資本効率を示す自己資本当期純利益率(ROE)10.0%以上(連結ベース)も目標としております。これは、毎期一定以上の利益を計上することにより、配当額決定の基礎となる連結純資産が増加する結果、継続的な増配が可能となることを意味しております。
なお、当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。これらの剰余金の配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
内部留保資金につきましては、主にM&A等による戦略投資、成長に向けた積極的な事業投資の資金として活用したいと考えております。
この方針のもと、当事業年度の期末配当は20円00銭とし、これにより年間配当は40円00銭といたしました。
また、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、次のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
2023年11月10日 |
510 |
20.0 |
取締役会決議 |
||
2024年6月25日 |
510 |
20.0 |
定時株主総会決議 |