人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数111名(単体) 1,951名(連結)
-
平均年齢44.3歳(単体)
-
平均勤続年数18.1年(単体)
-
平均年収8,146,000円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社における従業員数
2024年3月31日現在 |
セグメントの名称 |
銀行業 |
リース業 |
合計 |
従業員数(人) |
1,914 [238] |
37 [3] |
1,951 [241] |
(注)1 従業員数は、嘱託及び臨時従業員200人を除き、執行役員(取締役を兼務する執行役員を除く。)8人及び海外の現地採用者を含んでおります。
2 臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。
(2)当社の従業員数
|
|
|
2024年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
111 |
44.3 |
18.1 |
8,146 |
[5] |
(注)1 従業員数は、嘱託及び臨時従業員2人を除き、執行役員(取締役を兼務する執行役員を除く。)8人を含んでおります。
2 当社の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。
3 従業員数は、株式会社北國銀行との兼務者を含めた人数を表示しております。なお、当事業年度末における株式会社北國銀行との兼務者は97人であります。
4 平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与は株式会社北國銀行との兼務者を含めた数値を記載しております。
5 臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。
6 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
7 当社の従業員組合は、北國FHD社員組合と称し、組合員数は、1,312人であります。労使間においては特記すべき事項はありません。
8 前連結会計年度末に比べ従業員数が115人減少しておりますが、組織変更に伴う持株会社に所属する従業員の範囲変更によるものです。
(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
提出会社
当事業年度 |
補足説明 |
|||||
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注1) |
男性労働者の育児休業取得率(%)(注1) |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注1) |
||||
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||
21.2 |
106.0 |
- |
58.9 |
64.4 |
70.3 |
(注)2,3,4 |
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、提出会社及びその連結子会社において同法の規定による公表を行っている会社は提出会社のみであります。
2 当社グループでは、原則全従業員が提出会社に所属し、各グループ会社に出向することとなっております。従って本項目における労働者の範囲は当社グループの全従業員であり、上記「(1)連結会社における従業員数」における従業員の範囲と一致します。
3 当社では、役割別の賃金差異を縮める取り組みを行っております。男女の賃金の差異について、役割別差異は以下の通りです。
職位/役割 |
法人コンサルティング 本部企画(%) |
個人コンサルティング フロントオペレーション(%) |
管理職 |
85.7 |
77.0 |
チーフ |
81.3 |
68.9 |
一般 |
90.6 |
71.8 |
4 当社における「管理職」および「チーフ」の職位の定義は以下の通りです。
管理職:会社の経営目標に沿って、部署単位・プロジェクト単位で業務の指示を出し、組織マネジメントや部下の指導・育成の役割を担う役割を担う者。
チーフ:チームの部下をマネジメントし、職務単位での能力を最大化できる者。
「管理職」、「チーフ」はそれぞれ、厚生労働省「状況把握、情報公表、認定基準等における解釈事項について」(厚生労働省雇用環境・均等局雇用機会均等課 令和4年9月15日)における「管理職」、「係長級」に相当します。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
北國フィナンシャルホールディングスグループ(以下「当社」といいます。)のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中おける将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)サステナビリティに対する考え方及び当社のマテリアリティ
①サステナビリティに対する考え方
当社は、サステナビリティ方針において「事業活動を通じてESG(環境・社会・ガバナンス)課題の解決に積極的に取組むことで、地域社会をはじめとした全てのステークホルダーの皆さまと共に、持続可能な社会を実現することを目指す。」ことを定めております。
事業活動を通したESG課題解決と、持続的な収益向上の好循環により、企業理念「豊かな明日へ、信頼の架け橋を~ふれあいの輪を拡げ、地域と共に豊かな未来を築きます~」およびブランド理念「北國フィナンシャルホールディングスは、世のため人のために存在し活動する、人々の生活をより良いものにする、より良い社会にするために活動する(ブランドスローガン「Quality Company,Good Company.ともに、未来へ。」)」の実現につながると考えています。
②当社のマテリアリティ
当社は、こうしたサステナビリティ関連の方針にもとづく具体的な取組を推し進めるために、サステナビリティをめぐる諸課題について、外部環境・社会動向の把握及び取引先や機関投資家からの期待を基に課題の抽出を行い、経営理念やブランド理念との整合性等の観点から検証・議論し、取締役会における決議を経て、マテリアリティ(重点項目)として特定しております。
<当社のマテリアリティ特定プロセス>
具体的には、「①気候変動対応、環境保全」、「②地域経済活性化への貢献」、「③地域のクオリティ向上に貢献できる人材の育成」、「④株主・投資家との対話による経営の透明性の向上」の4つのマテリアリティを特定しており、これらのマテリアリティにもとづいたリスクや機会を事業活動に反映して事業を推進することを通して、地域社会をはじめとしたすべてのステークホルダーの皆さまとともに、持続可能な社会の実現を目指します。
<当社のマテリアリティについて、リスク及び機会の認識、具体的な取組>
(2)ガバナンス
①執行体制
サステナビリティへの取組は、グループ戦略会議での議論を踏まえて当社の戦略に反映されております。
当社のサステナビリティの体制について、当社ではサステナビリティに関する専門的な委員会は設置しておりませんが、経営企画部が主体となり、経営管理部や北國銀行マーケティング部、コンサルティング子会社である株式会社CCイノベーション等を含めた部署横断的なプロジェクトにより、サステナビリティに関する課題を抽出・議論する体制を構築しております。
また、当社は、経営方針に基づく各戦略の執行を協議・報告する機関としてグループ戦略会議を設置しております。グループ全体のサステナビリティ実現に向けた施策はグループ戦略会議で協議されております。
当連結会計年度においてグループ戦略会議において協議された主な議題は以下の通りです。
・TCFD提言への対応・シナリオ分析結果について
・サステナビリティ方針の改訂および人権方針の制定について
・CO₂排出量削減目標およびアクションプラン改訂
・ESG・SDGsに関する法人営業の振り返りと今後の取組方針について
②監督体制
当社の取締役会は、法令および定款に定める事項のほか、当社の業務執行に関する重要事項を決定するとともに、取締役の職務の執行を監督しております。
取締役会は、サステナビリティに関する知見・経験を含む取締役で構成されております。取締役会ではサステナビリティ経営の最終的な監督が行われ、サステナビリティに関するリスク及び機会への対応の観点から審議が行われております。
(3)戦略
①気候変動(マテリアリティ「①気候変動対応、環境保全」への対応)
当社では、気候変動への対応を重点項目と捉え、地域・お客さまの持続的な成長を支援するため、2021年5月に北國銀行として、2022年5月に北國フィナンシャルホールディングスとしてTCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しました。
ア.気候変動に伴うリスクおよび機会と影響の認識
当社では、気候変動問題の顕在化に伴う外部環境や業務環境の変化をあらかじめ想定し、様々な波及経路に基づいてリスク事象を洗い出すことで、当社への財務的影響を特定しております。当社が想定するリスク事象の概要と主な影響は以下のとおりであります。
a.移行リスク
炭素排出量抑制コストの増加により、投融資先の収益減少や既存資産等の減損が発生
国内外の気候変動関連規制に対応するコストの増加
脱炭素化に向けた技術開発の失敗や遅れによる、投融資先の収益減少や既存資産等の減損が発生
製品・サービスの需給環境の変化により投融資先の収益減少や既存資産等の減損が発生
情報開示の不足による外部評価の低下
気候変動対策が不十分な取引先との取引継続による評判悪化
事業継続性強化のための設備費用やエネルギーコストの増加
b.物理的リスク
営業拠点等、保有不動産被災により事業が継続できないリスクや、対策・復旧によるコスト増加のリスク
自然災害による投融資先の業績悪化や担保毀損に伴う与信関係費用の増加
気候災害による市場や投資環境、投資先企業の信用悪化に伴って保有有価証券等の価値が変動
c.機会
ペーパーレス化等、業務効率化に伴うオペレーションコストの低減
省エネ設備の導入によるエネルギー使用の高効率化
保有設備の効率的な運用
エネルギー源のシフトによる調達コスト低下
再生エネルギー・脱炭素関連の設備投資ニーズ増加に伴うファイナンス機会・リース機会の拡大
脱炭素化に関連するコンサルティング機会の拡大
ペーパーレス化や業務効率化ニーズ増加に伴うコンサルティング機会の拡大
事業変革に向けた経営戦略策定ニーズ増加に伴うコンサルティング機会の拡大
気候関連情報の開示促進による企業イメージの向上
災害対策のためのインフラ投資等によるファイナンス機会の拡大
災害対策のためのBCP対策ニーズ増加に伴うコンサルティング機会の拡大
イ.気候変動に伴うシナリオ分析
シナリオ分析では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表しているシナリオを参照の上、パリ協定や2021年11月の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)における合意内容等をふまえ、2つのシナリオ分析を実施いたしました。
a.分析プロセス
移行リスクのシナリオ分析対象セクターを決定
移行リスク、物理的リスクともに分析対象に応じたシナリオを設定し、影響を分析
b.移行リスク
|
内容等 |
シナリオ |
IPCCの2℃シナリオ |
対象セクター |
金属鉱業、陸運鉄道/航空物流サービス、食品、機械、繊維アパレル・贅沢品、建設土木の6セクターについて、各セクターの与信額上位10社(合計60社) |
対象期間 |
2050年まで |
指標 |
与信関連費用 |
分析結果 |
2050年までの与信関連費用増加額は約40億円と分析 |
c.物理リスク
|
内容等 |
シナリオ |
IPCCの2℃シナリオおよび4℃シナリオ |
対象地域 |
北陸3県(石川県、富山県、福井県) |
対象期間 |
2050年まで |
対象先 |
ⅰ)事業性与信先の建物 ⅱ)当社保有物件 |
指標 |
ⅰ)与信関連費用 ⅱ)建物毀損額 |
分析結果 |
ⅰ)最大55億円程度の与信関連費用増加 ⅱ)最大5億円程度の建物毀損の発生 |
ウ.地域の脱炭素化に向けた取組
a.事業性理解を通じたお客さまへの気候変動意識の啓蒙
当社では、事業性理解を通じて、お客さまの気候変動対応等に対する意識向上の取組を行っています。脱炭素化に向けた融資やリース等の資金需要への対応はもちろん、気候変動対応をはじめとするESG課題を共有することで、コンサルティングやアドバイス等のビジネス機会を創出してまいります。
b.コンサルティング&アドバイザリー
当社の重点取組業務であるコンサルティング&アドバイザリー事業では、お客さまのサステナブル経営に向けたサポートを行うべく「ESG・SDGsコンサルティング」をメニュー化しています。
気候変動への対応は、企業にとって重要かつ喫緊の課題ですが、GX(グリーントランスフォーメーション)はDX等と同様に、お客さまがビジョンを達成するための一つのパーツであると考えております。
当社は事業性理解を通じ、お客さまの課題を共有することで、トランスフォーメーションのサポートを行ってまいります。
②地域経済(マテリアリティ「②地域経済活性化への貢献」への対応)
当社は地域経済活性化への取組を通じて企業理念およびブランド理念の実現を目指しております。
ア.地域経済に関するリスクおよび機会の認識
a.リスク
・地域企業の生産性が向上しないことによる競争力の低下、業績悪化による与信コストの増加
・地域のお客さまの金融リテラシーが高まらず、資産の形成や有効活用が進まない結果、地域経済が低迷
・キャッシュレス、デジタル化進展への対応不足によるサービスの競争力低下
b.機会
・ビジネスモデルと企業文化の変革による地域のクオリティ向上への貢献
・事業性理解を起点とし、課題の共有・解決を目指すコンサルティング&アドバイザリーの展開
・高齢化社会、人生100年時代を見据えた資産形成・運用や資産の有効活用、相続・資産承継に対する意識の高まり
・NISA恒久化などの制度改正
・地域での資金循環、生産性向上を目指したキャッシュレス、デジタル戦略の展開
イ.地域経済活性化に対する当社の取組
・プライベートエクイティを通じた成長支援
・地方公共団体とのコラボレーションによる生産性向上への貢献
・コンサルティング&アドバイザリー機能の発揮
・ライフプラン・資産形成サポート、職域含む金融教育への取組
・デジタル・キャッシュレス社会創出への貢献
・金融機能の安定性の維持
③ステークホルダー(マテリアリティ「④株主・投資家との対話による経営の透明性の向上」への対応)
当社は、株主・投資家のニーズ把握に基づいた積極的な情報開示による経営の透明性の向上や、適切な企業統治やシステムリスク管理、セキュリティ対応の充実による社会的信頼の確保に取り組んでいます。
ア.株主・投資家との対話による経営の透明性の向上に関するリスクおよび機会の認識
a.リスク
・株主・投資家ニーズ把握や積極的な情報開示の欠如による、経営の透明性の悪化
・デジタル対応の不足による、社内生産性の低下
・不適切な企業統治やシステムリスク管理、セキュリティ対応の不足による社会的信用失墜
b.機会
・個別面談重視のIR活動を通じた深い対話による、株主・投資家ニーズの把握、経営戦略や情報開示への反映
・DX、システム戦略を起点とした全体改革による戦略遂行力の強化
イ.株主・投資家との対話による経営の透明性の向上に向けた当社の取組
・DXを活用したコーポレート・トランスフォーメーションによる社内情報および社内議論プロセスの見える化
・業務効率化
④人的資本(マテリアリティ「③地域のクオリティ向上に貢献できる人材の育成」への対応)
当社が目指す「Quality Company,Good Company.」を実現するためには、「人材」が最も重要であると考え、社員の人材育成とキャリア自律に日々取り組んでおります。当社の経営戦略が日々アップデートされるのに伴い、人材要件も高度化・専門化しております。地域のクオリティ向上という理念に共感し貢献することができるプロフェッショナル人材を育成するために当社独自の「キャリア型人事制度」を導入し、「人材エコシステム」を循環させています。
「人材エコシステム」の土台としては、組織風土、ベーススキルとインテグリティ、健康とウエルビーイングを重要な位置づけと認識しております。フラットで心理的安全性が高く、情報が可視化されている当社の組織風土が、組織を支える大きな特長であり、インテグリティの高い社員が、健康でモチベーション高く働きがいをもって組織に貢献していくことを目指しています。その土台をふまえて、採用から育成、活躍、地域への輩出に至るまでの一貫した人材育成フレームを基に各施策を打ち出し、組織のイノベーションに貢献しています。
また、経営戦略と人材戦略は常に連動している存在であると認識し、経営戦略に応じて採用・育成・活躍・輩出をブラッシュアップしています。多様な価値観に富み、組織の経営者目線で取り組めるオーナーシップマインドを保有するプロフェッショナル人材が、地域のクオリティ向上に貢献していけるよう人材エコシステムを通じて取り組んでいきます。
ア.採用
当社の企業理念・ブランド理念・スローガンに共感する、多様なバックグラウンドを持つ人材を採用し、コラボレーションすることで、イノベーション創出につながっています。
当社の求める人材像は、インテグリティを備え、当社の理念に共感し同じ「志」を持つ人材であり、人々の生活や社会をより良いものとするために、ともに歩むことのできる方です。また、地域のクオリティ向上に貢献するために、高い専門性と構想力を持ち、新たな価値創造のために、自分自身のスキルを磨き続けることのできるプロフェッショナルであることも大切であると考えています。
採用は、新卒に偏重せずキャリア採用も積極的に取り組んでおります。特に、重点事業領域を中心に経営戦略・事業戦略沿って随時人員計画を見直し、積極的なキャリア採用を行っています。
また、新たに入社する社員に対してはオンボーディング体制を整え、プロフェッショナル人材が持てる能力を存分に発揮してもらえるよう全社でサポートを行っております。
イ.育成
地域のクオリティ向上に貢献できるプロフェッショナル人材の育成のため、「学び」への取組は欠かせません。社員一人ひとりが自身のキャリアプランをふまえ、必要な学びに貪欲に取組、スキル・知識を習得し地域貢献につなげています。学びの内容は、銀行業務に縛られず、VUCA時代に通用することを意識し、社外人材との他流試合を積極的に行っています。
会社側は社員の自律的なリカレント教育を金銭面でも支援し、今では60名の社員が大学や大学院での学び直しに取り組んでいます。また、当社の経営戦略に基づく効果的な人材ポートフォリオを構築するため、社員のキャリアチェンジも支援しております。個人向け営業やオペレーション業務領域のスキルを持つ社員が、全く畑違いの法人向け営業やシステム・デジタル領域の業務に転換することを後押しする“ジョブ・チャレンジ制度”や、社内で副業として本業以外の業務に携わる機会を設ける“コラボレーション制度”などを実施しています。
また、学びを社内で共有することで組織全体のナレッジとして蓄積し、イノベーション創造につなげています。2022年より、スキル可視化の高度化に着手し、「スキルマップ」と自社開発したHRシステム「マイキャリア」を利用し、社内のどこにどのようなスキルを持った人材がいるかを把握し、戦略に沿った人材ポートフォリオの最適化や戦略的な人材育成につなげております。
ウ.活躍
当社では、スキルや能力を兼ね備えた社員が十分にその力を発揮できるよう、働く環境の整備、社員一人ひとりのキャリア自律、キャリアプランに応じた適正な人員配置、ダイバーシティ&インクルージョンを重視しています。
まず家庭や育児・介護等の事情でキャリアを諦めることがないよう、時間や場所に囚われない柔軟な働き方を取り入れ、仕事とプライベートのバランスをとれる「働きやすい」環境づくりに努めています。その結果、男女ともに育児休業取得率は100%以上となり、育児・介護の短時間勤務制度の活用も進んでいます。また、育児・介護以外でも理由を問わず取得できる短時間勤務制度や休職制度、働く時間を業務に応じて選択できるフレックスタイム制の拡大など環境整備にも取り組んでおります。
一方で、働きやすさだけではなく、誰もが「働きがい」を感じることのできる職場づくりも重視しています。2022年に導入した「キャリア型人事制度」のもと、全社員の給与を見直し、従来の年功序列や旧コース別人事制度の要素が残る賃金体系を改め、全社員の給与をゼロベースで見直しました。その結果、男女間の賃金格差や年功序列の要素は少しずつですが解消されつつあります。さらに今後10年間で、従業員向け譲渡制限付株式(RS)付与分を含めて金融機関最高水準の給与水準となることを目指しております。
エ.輩出
当社の人材エコシステムのゴールは、さまざまな経験・知見・スキルを身につけた社員が、当社にとどまることなく、地域企業で経営者や経営幹部として地域のクオリティ向上に貢献することです。当社の社員が、北國FHDでの経験を活かし地域企業で活躍するアプローチは、地域のクオリティ向上に直接貢献できる、重要な価値提供手法の一つです。また社員にとっては、自分自身をブランド化し、経営人材として活躍する越境キャリア構築のチャンスとなります。また、当社からの人材輩出だけでなく、自治体等からの人材交流の受け入れを行うなど、双方向の交流も進めています。北國FHDは地域との知見と人材のシェアリングを通じて謙虚な姿勢で地域をリードする存在でありたいと考えています。
(4)リスク管理
①統合的リスク管理におけるサステナビリティ関連リスク
当社では、リスク管理に関する基本事項を「統合的リスク管理規程」として制定し、各グループ会社の管理部門が適切なリスク管理を実施し、統括部署として当社経営管理部が統合的にリスク全体の管理を行っております。具体的には、サステナビリティ関連リスクを含む各種リスクについて定期的にグループ会社等の直面するものを洗い出し、洗い出したリスクの規模・特性を踏まえ、管理対象とするリスクを特定しています。
具体的なサステナビリティ関連のリスク及び機会を認識・評価および管理するプロセスは以下の通りです。
②サステナビリティ関連リスク及び機会を識別・評価するプロセス
当社では経営企画部、経営管理部を中心とし、北國銀行マーケティング部、コンサルティング子会社である株式会社CCイノベーション等を含めた部署横断的なプロジェクトによりサステナビリティ関連リスクを識別・評価したうえで、リスクに対する機会を識別・評価する体制を取っております。
③サステナビリティ関連リスクおよび機会を管理するプロセス
②で識別・評価されたリスク及び機会については、上記プロジェクトの枠組みにおいて管理し、随時対応について議論・協議を行っております。また、「(2)ガバナンス」記載の通り定期的にグループ戦略会議で協議されるとともに、取締役会に報告されております。
サステナビリティ関連リスクおよび機会を管理するための主な手法は以下の通りです。
ア.シナリオ分析
フォワードルッキングな業務戦略の策定・遂行のため、ストレステストにより、危機発生時のグループの影響等をあらかじめ分析・把握するように努めています。
サステナビリティ関連リスクにおいては、物理的リスクや移行リスクに関して、ストレステストの手法を活用したシナリオ分析を実施し、当社への財務的影響をあらかじめ把握しています。シナリオ分析の詳細は「(3)戦略 ①気候変動への対応」をご参照ください。
イ.セクター別のリスクコントロール
当社は、サステナビリティ方針とマテリアリティに基づき、投融資方針およびセクターポリシーを設定し、環境・社会に悪影響を及ぼす可能性の高い投融資を低減・回避するよう努めております。
<投融資方針>
積極的に支援する事業 |
お客さまの環境・社会・ガバナンスにかかる取組及びその事業 |
投融資を禁止する事業 |
反社会的勢力および事業 児童労働・強制労働を行っている事業 核兵器・化学兵器等の大量破壊兵器やクラスター弾等の非人道的な兵器を開発・製造する事業 |
特定セクター (セクターポリシーに基づき判断) |
石炭火力発電セクター・クラスター弾製造セクター・森林セクター・パーム油農園開発セクター |
<セクターポリシー>
石炭火力発電事業 |
気候変動リスクへの対応や環境保護、持続可能なエネルギーへの取組 を踏まえ、石炭火力発電事業に対する投融資については、個別案件ごとに慎重に対応を検討します。 |
クラスター弾製造関連事業 |
クラスター弾の非人道性を踏まえ、クラスター弾を製造している企業向け投融資については禁止します。 |
森林伐採事業 |
大規模な森林伐採事業に対する投融資については、お客さまの環境・社会への配慮の状況や地域の環境・社会への影響を踏まえて、慎重に対応を検討します。 |
パーム油農園開発事業 |
森林資源や生物多様性の保全、人権保護の観点から、パーム油農園開発向け投融資について禁止します。 |
(5)指標と目標
①気候変動に関する指標と目標(マテリアリティ「①気候変動対応、環境保全」に関する指標と目標)
当社は、気候変動に係るリスク並びに機会を測定・管理するため、また地域の気候変動に対する意識の啓蒙のため、GHG排出量や取引先のESG・SDGsの考え方についてのヒアリング状況などの指標を活用しております。
ア.当社におけるGHG排出量
当社は、自社GHG排出量(Scope1,2)における2030年度に2013年度比100%削減を実現する目標を掲げており、当社及び当社連結子会社の国内外拠点を対象に、GHGプロトコルに沿った精緻な排出量把握と削減に向けた取組を進めております。
イ.Scope1,2について
2023年度の当社によるCO₂排出量削減実績は5,052t-CO₂であり、2013年度比50.4%削減となりました。
2030年度の目標である2013年度比100%削減に向けて以下の取組を進めております。
・店舗新築時のZEB対応の実施(2022年から累計で6店舗)
・店舗屋上での太陽光発電設備設置(2022年から累計で3店舗)
・営業車両の削減(2013年度比51台削減(501台⇒460台))
・EV(HV)車への入替(2013年度比50台増加(2台⇒52台)
ウ.Scope3について
Scope3のうち特にカテゴリー15の投融資によるCO₂排出量は、金融機関において重要なCO₂排出量削減の対象であり、今年度より北國銀行事業性貸出先を対象に試算を行いました。試算結果は以下の通りです。
CO₂排出量2,734,150t-CO₂(対象となる事業性貸出先数9,395先)
また、Scope3カテゴリー15(投融資分)上位3業種の排出量は以下の通りです。
業種 |
事業性貸出先数(先) |
排出量(単位:t-CO₂) |
一般機械 |
279 |
308,222 |
金属製品 |
285 |
302,124 |
建築工事業 |
1,116 |
264,747 |
エ.地域の気候変動に対する意識の啓蒙のための取組
当社では、地域での気候変動に対する意識の啓蒙のため以下の指標と目標を設定しております。
|
2023年度実績 |
2024年度 |
2025年度 |
2026年度 |
事業性理解を通じたESG・SDGsへの考え方についての肯定先数 |
2,439 |
4,000 |
7,000 |
10,000 |
事業性理解を通じた温暖化ガス排出量の計測、記録状況 記録先数のヒアリング件数 |
56 |
500 |
10,000 |
30,000 |
ESG・サプライチェーンコンサルアプローチ件数 |
7 |
35 |
70 |
100 |
サステナブルコンサル取扱件数(マッチングを含む) |
26 |
30 |
2,000 |
4,000 |
サステナブルファイナンス取扱件数(リース、融資) |
119 |
200 |
1,100 |
2,000 |
②地域経済(マテリアリティ「②地域経済活性化への貢献」に関する指標と目標)
地域経済活性化への取組についての戦略を進めるにあたり、当社では次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。
戦略 |
項目 |
目標(2024年度) |
2023年度実績 |
ⅰ)プライベートエクイティを通じた成長支援 |
QRインベストメントが運営するファンドについて ・投資件数 ・投資金額 |
・23件 ・73億円 |
・42件 ・202億円 |
ⅱ)地方公共団体とのコラボレーションによる生産性向上への貢献 |
・トチカユーザー数(※) ・トチツーカ加盟店(※) ・トチポ取扱自治体数(※) |
・100,000人 ・5,000先 ・3件 |
・0人(リリース前) ・120先 ・1件 |
ⅲ)コンサルティング&アドバイザリー機能の発揮 |
・コンサルティング契約件数 |
・970件 |
・580件 |
ⅳ)ライフプラン・資産形成サポート、職域含む金融教育への取組 |
・投資信託・北國おまかせNavi、401K口座数 ・遺言信託・遺産整理・投資助言契約件数 |
・45,000件
・115件
|
・41,470件
・102件
|
ⅴ)デジタル・キャッシュレス社会創出への貢献 |
・北國Visaデビットカード会員数 ・北國Visaデビットカード利用率 ・カード加盟店数 |
・342,500人 ・40% ・7,200件 |
・315,610人 ・37.4% ・6,678先 |
※トチツーカとは「自治体が発行するポイント(トチポ)、「北國銀行が発行するステーブルコイン(トチカ)の総称をいいます。
③ステークホルダー(マテリアリティ「④株主・投資家との対話による経営の透明性の向上」に関する指標と目標)
ステークホルダーに関するガバナンス向上についての戦略を進めるにあたり、当社では次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。
戦略 |
項目 |
目標 |
2023年度実績 |
コーポレート・ガバナンス体制 |
・社外取締役比率 ・取締役会開催回数 ・指名報酬委員会開催回数 ・グループ戦略会議開催回数 ・CEOによる1on1MT実績 |
目標は定めておりませんが、各項目についてPDCAを回す体制となっております。 |
・55% ・11回 ・6回 ・49回 ・61回 |
④人的資本に関する指標と目標
人材育成戦略を進めるにあたり、当社では次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。
なお、採用戦略に記載の「新卒採用者の3年離職率」「キャリア採用比率」については、2023年度実績にて目標値に到達しておりますが、サステナビリティの観点から継続的に目標水準を達成することが必要不可欠と認識し記載しております。
戦略 |
項目 |
目標(達成時期) |
2023年度実績 |
採用 |
新卒採用者の3年離職率 |
10%未満 |
8.8% |
キャリア採用比率 |
50%以上 |
75.0% |
|
育成 |
人材育成投資額(※1) |
20,000万円(2034年3月期) |
9,670万円 |
人材ポートフォリオ(※2) |
重点領域人員50.0%(2034年3月期) |
重点領域人員39.2% |
|
活躍 |
一人当たり人件費(※3) |
1,000万円(2034年3月期) |
691万円 |
正社員比率 |
100%(2034年3月期) |
90.4% |
|
女性管理職比率 |
当面目標 25%(2026年3月期) 長期目標 50%(2034年3月期) |
21.2% |
|
輩出 |
出向者数 |
130名(2034年3月期) |
51名 |
(※1)人材育成投資額の内訳は研修費、研修にかかる旅費、受講費用補助、難関資格取得費用補助等です。
(※2)人材ポートフォリオの重点領域人員とは、当社の重点ビジネス(事業性融資・リース、キャッシュレス、コンサルティング&アドバイザリー、投資助言、投資ファンド、市場運用)を担う社員です。
(※3)一人当たり人件費には従業員向け譲渡制限付株式制度(RS)付与分を含みます。