事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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デザインパートナー事業 | 3,606 | 91.8 | 395 | 132.2 | 11.0 |
デザインプラットフォーム事業 | 323 | 8.2 | -96 | -32.2 | -29.8 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」というビジョンのもと、「デザインの力を証明する」というミッションを掲げ、「デザイン」を通じて人々の生活がより便利になり、より暮らしやすくなることを目指し事業活動を行っております。
当社グループが考える「デザイン」とは、問題の本質を掘り下げ、解決のための設計を行い、設計に基づいた外観(ビジュアル表現)を作り上げ、問題解決へと導くことを意味します。これまで「デザイン」は、一般的に、製商品の形や色、模様といった表面的な見え方やパッケージ、広告等に言及されることが多かったものの、「デザイン」の本質は、製商品を使う“人”を中心に据え、その目的、置かれる状況、付随する思考も含めた情報伝達や体験の創造にあります。色や形、技術や機能は「デザイン」によって統合され、本来の目的に沿って適切に活用されるようになるものと考えております。
現在では、ビジネスにおいて、この「デザイン」の考え方が不可欠な要素であることが認識され、ビジネス戦略等においても重要視されています。「デザイン」の目的は、エンゲージメント(活用)やリテンション(継続)、解約率の低下といったユーザーが使い続けていく体験をつくることやそのような体験の積み重ねによる好循環を生み出し、ユーザーの体験価値を向上させることに変化しています。
当社グループは、この「デザイン」の本質的な考え方のもと、ビジョン・ミッションを達成するために、Webサイトやアプリケーション、ブランドのデザイン支援を行うデザインパートナー事業と、自社で構築したデザイン人材プールを活用したデザイナー採用支援サービスや自社開発のSaaSプロダクトを提供するデザインプラットフォーム事業の2つの事業を主要事業として運営しております。
また当社グループは、当社、連結子会社3社(Goodpatch GmbH、Goodpatch,Inc.、株式会社スタジオディテイルズ)、及び持分法適用関連会社2社(株式会社エックスポイントワン、株式会社Muture)の計6社により構成されております。なお、連結子会社Goodpatch GmbHについては、現在清算手続き中であります。
なお、以下に示す区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。
(1) デザインパートナー事業
デザインパートナー事業は、顧客企業の持つ本質的な価値を発見し、その要素を紐解きながら、顧客企業のユーザーが持つ価値観に則して、その価値が適切に伝わるように顧客企業の戦略やブランディング、ビジネスプロセス等も踏まえてデザインを実装していきます。その際に、当社のUXデザイナー及びUIデザイナーが中心となり、顧客企業のプロジェクトチームと一体となって、デザインプロジェクトをリードします。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分について、従来、デザインプラットフォーム事業に含めていた「Goodpatch Anywhere」をデザインパートナー事業に変更しております。
また、デザインパートナー事業では、顧客企業に対し、Web・スマートフォンサービス等のデジタルプロダクト、ブランドに関わる様々なデザインについて、次の3つの領域を跨いでデザイン支援を主に準委任契約にて提供しております
・Experience Design(UI/UX)領域(プロダクト)
主にスマートフォンやSaaSのアプリケーション等のデジタルプロダクトにおけるUI/UXデザイン支援(戦略立案・企画・設計・開発の支援)。ユーザー視点でより使いやすいサービスを実現します。
・Brand Experience 領域(コーポレート・組織)
顧客企業の経営ビジョン・ミッションを起点とした組織デザインやブランドイメージのデザイン。ブランドの発信者側のサービスに込める思いや提供価値をデザインし、強固なブランドの形成を支援します。
・Business Design 領域(戦略・ビジネスモデル)
顧客企業のデジタルにとどまらないプロダクト全般における戦略・ビジネスモデルのデザイン。ユーザーがサービスを受け入れ、プロダクトを成長させていくための要件を定義し、その実現方法をデザインします。
各領域は部分的に相互に重なり合うため、領域を跨いだサービスの提供も特徴の一つとなります。例えば、Business Design領域からExperience Design(UI/UX)領域又はBrand Experience領域へサービスを連続的に提供することによって、顧客企業の戦略の策定からプロダクト開発まで一気通貫で支援することができます。顧客企業にとっては、プロダクト開発だけでなく、その基盤となる組織文化の変革を推進することができるなど、より本質的な課題解決を行うことが可能です。
① デザインプロジェクトのデザインプロセス(デザイン支援の流れ)について
当事業においては、顧客企業にとって本来必要とされるデザインの開発のために、顧客企業のプロダクト・サービスを利用するユーザーとの直接的なやりとりだけでなく、ユーザーを取り巻く生活環境や利用するシチュエーション、さらに利用前後の関係・時間の流れなどの付加的な情報を勘案し、それらを総合的な「経験・体験」としてとらえて体験のデザイン、すなわちUXデザイン(注1)を行います。
また、当社グループでは、プロダクトやサービスの見栄えや外観を整えることだけでは十分に目的を達成するデザインとはならないと考えており、米国のUXデザイナーであるJesse James Garrett氏の提唱する、ユーザー体験を考える上での5つの要素(戦略、要件、構造、骨格、表層)をもとに、互いに関係するそれぞれの要素を考慮しながらデザインプロジェクトを進めております。
デザインプロジェクトでは、必ずしも前段階を完成させてから次段階に着手するわけではなく、完成前の状態で次段階に進み、また前段階に戻り再構築する・改善するという段階の行き来、すなわちプロトタイピング(注2)を繰り返しながら発想を深めていきます。顧客企業側の視点だけでなく、ユーザー側の視点からその思考や行動を柔軟に分析していくため、プロトタイピングを繰り返すことで顧客企業が気付かない潜在的な価値や強みを取り入れる、顧客企業がこれまで採用したことのないマーケットへのアプローチを検討する、顧客企業がターゲットと考えるユーザー像を最適化する、顧客企業が持たない技術を外部から取り入れることを検討する等の結果につながり、イノベーションの実現に近づいていくことが可能となります。
当社グループでは、このようなデザイン支援の流れをデザインプロセスと呼んでおり、デザインプロセスは「1. Setup セットアップ→2. Problem プロブレム→3. Solution ソリューション→4. Development デベロップメント→5. Market マーケット」の5つのフェーズで進行します。各フェーズはブレインストーミングのようなアイデアや議論の“発散”と様々なアイデアの絞り込みや整理等の“収束”を含み、各フェーズの結節点がデザインプロセスのマイルストーンとなります。デザインプロセスの概念図は次のようになります。
1. Setup セットアップ
プロジェクトで達成すべきことを見つけるフェーズです。デザインプロジェクトが始まり、当社グループと顧客企業が一体となりワークショップ形式でチームビルディングを行います。デザインプロジェクトの目的を紐解くことで、顧客企業のビジネスゴールとユーザーのゴールの関係性を明らかにし、未だ明確ではない顧客企業の課題にアプローチします。デザインプロジェクトで解決する課題の認識を合わせ合意形成し、注力する部分を決定します。
2. Problem プロブレム
プロブレムではリサーチ・ユーザーインタビューを基に、本質的な課題を定めるために様々な調査を行います。顧客企業が提供したいと考えているプロダクトやサービスが、どのようなユーザーをターゲットとしているか等により、デザインアウトプット(結果)の内容が変わってきます。顧客企業にとってもユーザーを客観的に分析する機会を持つことで、提供するプロダクトやサービスの価値を明確にしながら、ユーザーのインサイト(気づき)を発見・定義することができます。
3. Solution ソリューション
ここでは、アイディエーション(アイデアを出すこと)を行い、課題に対する解決策を提示し、アウトプットに向けた設計及び骨格を構築します。前工程にて発見・定義したユーザーのインサイトに基づき、潜在ニーズやニーズを充足したときのメリットをチーム内で議論しながらサービスの大枠を定めていきます。その後、デザイナーがプロトタイプとしてプロダクトやサービスのコンセプトを提示し、以降の議論やサービスの初期設計における基盤となるものが出来上がります。
4. Development デベロップメント
ここでは、デザイナーがデザインしたものをユーザーが使えるプロダクトやサービスへと変えていきます。様々な機能が付け加えられ、その体験価値を確認しながら検証作業が繰り返されます。ここでの成果物はMLP(Minimum Lovable Product:ユーザーにとってそのコア機能が本当に心から求めているものなのかを検証するための、初期バージョンのプロダクト)です。最終的なMLPにたどり着くまでにデザイン検証作業の反復を行います。
5. Market マーケット
ここでは、最終プロトタイプをベースに本番環境に組み込むデザインを制作します。マーケット検証から適切なフィードバックを得て、プロダクトやサービスの最終的なデザインを進め、ビジネスとの強い紐付けが行われます。デザインプロジェクトによっては、続いて当社グループのエンジニアがアプリ開発のコーディングを行うこともあります。
② 当社グループのデザイナーについて
当社グループのデザインプロジェクトでは、デザインストラテジスト、UXデザイナー、UIデザイナー、及びエンジニアが顧客企業のニーズに応じて、最適なチームを構成し、デザインプロジェクトに参画しております。デザインプロジェクト全体のスコープ(範囲・広がり)によっては、それぞれが複数名参加する場合もあります。デザインストラテジスト、UXデザイナー、UIデザイナー、及びエンジニアの役割は次のようになります。
・デザインストラテジスト
デザインストラテジストはデザインプロジェクトにおいて、顧客企業のプロダクトやサービス全般における戦略やビジネスモデルを設計し、複雑な要求・要件をコンセプトへとまとめ上げ、実現するための道筋の設計を担います。主に、デザインプロセスの前半部分を担当します。
・UXデザイナー
UXデザイナーはデザインプロジェクトにおいて、顧客企業のサービス体験全体を設計する役割を担い、主に、デザインプロセスの前半から中盤部分を担当します。ユーザー像を絞り込んで定義し、ユーザー像から顧客企業のプロダクトやサービスにおける問題の本質を発見し、解決のための体験設計を行い、UIデザイン(注3)のベースとなる要素を絞り込んでいきます。
・UIデザイナー
UIデザイナーはデザインプロジェクトにおいて、絞り込まれたユーザー像からプロトタイプを設計し、本番に実装するデザインを制作します。主に、デザインプロセスの中盤から後半部分を担当します。ユーザーが使いやすい、わかりやすい、美しいUIを設計することで、ユーザー体験の向上を行います。
・エンジニア
エンジニアはデザインプロジェクトにおいて、デザインが確定した後のアプリケーションの実装を担います。iOS、Android、Web、サーバーなどの様々な専門スキルを持ったメンバーが在籍しております。主に、デザインプロセスの後半の開発部分を担当します。
③ 事業拠点について
当事業においては、次の2つのデザイン組織によって、顧客企業のデザイン支援を行っております。
1.正社員デザイン部門
正社員デザイン部門は、日本を中心としたビジネス展開のために、当社及び株式会社スタジオディテイルズに所属する主に正社員デザイナーにより構成される組織であり、顧客企業へのデザイン支援をプロジェクト方式で提供しております。
顧客企業のデザインプロジェクトは、その特性に応じて最適なチームを構成し、顧客企業側のプロジェクトチームとともに、デザインプロセスをベースに推進します。また、体系化されたデザインノウハウとナレッジを蓄積し、在籍するデザイナーの研修を行い、デザイン品質の向上に取り組んでいます。これにより、デザイナーの属人性を下げ、クオリティの再現性を高める仕組みを整えています。
プロジェクト件数の増加に従い、デザイナーの採用も積極的に行っており、優秀な人材を採用し定着させることで、デザイン人材が集結する組織を目指しています。特に、デジタル領域のUX及びUIに関わるデザイナーの市場価値の向上に取り組んでおり、働きやすい環境の整備、キャリア形成支援等を通じ、デザイナー中心の企業文化を確立しています。
なお、2023年8月末現在、当社グループの正社員デザイン部門には136名の正社員デザイナーが在籍しています。
2.Goodpatch Anywhere
「Goodpatch Anywhere」は、2018年にサービスを開始し、全国各地のフリーランスや副業のデザイナーにてチームを組成し、インターネットを通じてデザインプロジェクトを進行する、フルリモート形態によるWebサイトやアプリケーション等のデザイン支援を提供しております。
世の中のデザイナーの働き方は、時間と場所の制約にとらわれず、また、企業の一社員にとどまらないフリーランスの形態へと広がりをみせ、さらに、ウェブ会議システムやコラボレーション(協働)ツールが広く普及し、非対面での円滑なコミュニケーションが可能となっております。顧客企業においても、柔軟な働き方を提供できるリモートワークが普及しております。
このような状況の下、「Goodpatch Anywhere」では、当社担当社員デザイナーがUXデザイン及びUIデザインを軸とした当社のデザイン支援の知見を活用しプロジェクト品質を担保しながら、全国各地に居住する経験豊富で多種多様なスキルを持つデザイナーを集め、デザインプロジェクトの内容に応じてデザイナーの選定を行い、当社担当社員デザイナー及び選定されたデザイナーが協働し、フルリモートで顧客企業のデザインプロジェクトを進めております。2023年8月末現在では、528名のUXデザイナー及びUIデザイナーを中心としたフリーランスのメンバーが登録されており、そのうち95名が稼働しております。
(2) デザインプラットフォーム事業
デザインプラットフォーム事業は、デザインパートナー事業によって行われるUI/UXデザイン支援を様々な側面からサポートするサービスを提供しております。デザインが有効に活用され、プロダクトとして世の中にリリースされるまでのプロセスを、企業内デザイン人材(デザイナー採用支援サービス-「ReDesigner」)、ソフトウェア(デザインITツール-「Strap」「Prott」)の点からサポートし、デザインパートナー事業をサポートする基盤(プラットフォーム)として機能しております。
当社が顧客に提供している主なサービス・プロダクトは以下のとおりであります。
① ReDesigner及びReDesigner for Student
「ReDesigner」は、2018年にリリースしたデザイナーに特化した人材紹介サービスです。デザイン会社である当社自らが人材紹介を行うことで、デザイナーの就業現場において発生しがちなスキルやマインドセットなどのミスマッチを防ぎ、企業側とデザイナー側両面のニーズを満たしたサービス提供が可能となります。
デザイナーの採用を検討している企業は、企業の求めるデザイナーのスキル等、デザイナーの知りたい情報を網羅した求人票を当社とともに作成します。また、デザインに対する理解度が高い当社のキャリアアドバイザーが、転職を希望するデザイナーの悩みや希望を聞くことで適切な情報を提供していきます。当社がデザイナーと企業の間に入ることで、相互のニーズをより深く理解し、デザイナー及び企業双方にとってのマッチングの最適化を図っております。
2019年6月には「ReDesigner for Student」というデザイナー志望の学生に向けた採用支援Webサービスを正式リリースしております。学生は当サービスに登録し、Web上にポートフォリオ(作品集)の掲載を行い、企業からの採用アクションを待ちます。一方、採用企業は月定額の利用料を支払い、ポートフォリオを掲載している学生に向けて求人を発信しております。
また、2021年7月には副業・フリーランスマッチングサービスをリリースし、ビジネス領域の拡大を図っております。
② Strap及びPrott
「Strap」は、2020年9月にリリースしたオンラインホワイトボードツールです。
複数のユーザーがリアルタイムで図解やテキスト情報を共同編集することができ、作業及びコミュニケーションの効率化を実現することが可能です。様々な企業にてリモートワークが普及し、非対面又は、非対面及び対面でのプロジェクトの推進が必要とされる現在において、対面でホワイトボードを見ながらチーム全員で情報を共有し作業するようなコラボレーション(協働)空間をオンラインで実現します。
「Prott」は、2014年にリリースしたプロトタイピングツールです。Web、iOS、Androidの3つのプラットフォームにて展開しております。
デザイナーは「Prott」を用いることで簡易的に画面設計を行うことが可能になります。アプリケーションにおける画面遷移の動作やタッチパターンなどの設定をプログラミング無しで表現することが可能です。また、プロトタイプをメンバー間で共有することで、フィードバックの授受やコーディング時の意思疎通等がスムーズに進み、デザインの制作現場の効率化に貢献します。
(注)1.UXデザインとは、デジタル領域/非デジタル領域に関わらず、ユーザーとの全ての接点における体験の設計を指しています。
2.プロトタイピングとは、最終成果物の試作品を早い段階から作り、改善を繰り返す手法のことを意味します。
3.UIデザインとは、ビジュアルや情報設計、インターフェースのデザインなど、より具体的なアウトプットを意味します。
【事業系統図】
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ及びロシアの情勢による国際情勢の緊迫化や、世界的なインフレの進行リスクに伴う政策金利の引き上げ等、先行き不透明な状況が続いております。日本経済においては、インバウンド需要の増加や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する影響の緩和により社会経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに回復の兆しがみられておりますが、円安による輸入価格の高騰が国内物価を上昇させる懸念等、依然として先行きは不透明な状況が続いております。加えて、日本企業は、グローバル化、戦略実現のスピードアップ、イノベーション創発、企業間連携の促進、生産性の向上、また、それらを実現するためのテクノロジーの活用といったテーマに直面し、激しく変化する市場環境における経営のあり方そのものの見直しを迫られております。
特に大手企業を中心に、デジタルの力で新規事業やビジネスモデルの変革を行うことを余儀なくされており、デジタルトランスフォーメーション(DX)(注1)に強い関心が寄せられ、既存のビジネスモデルや業界構造を大きく変化させる新たなデジタル化の流れに注目が集まっております。企業はユーザーにより高い付加価値を提供するため、クラウド等のプラットフォーム、スマートフォンやIoT等の新たなデバイス、AIやブロックチェーン等の新たなテクノロジーを組み合わせたプロダクトやサービスの開発に取り組んでおります。そして、これらデジタル技術を活用した取り組みは、従来のビジネスモデルや業界構造を大きく変化させる可能性があります。
このような事業環境の中で、当社グループは「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」というビジョンのもと、「デザインの力を証明する」というミッションを掲げて、「デザイン」を通じて人々の生活がより便利になり、より暮らしやすくなることを目指し事業活動を推進してきました。主要事業であるデザインパートナー事業においては、当社の強みである戦略デザインやUI/UXデザイン(注2)と、連結子会社である株式会社スタジオディテイルズの強みである質の高いクリエイティブとブランディングを融合し、顧客企業のさらなる期待に応えられるよう、デザイン支援の提供を行ってまいりました。また、自社サービスである「ReDesigner」、「Strap」、「Prott」などのプロダクトで構成されるデザインプラットフォーム事業においては、デザインパートナー事業で培ったノウハウやブランドを有効活用することに注力しながら推進してまいりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は3,928,524千円(前連結会計年度比5.5%増)、営業利益は298,630千円(前連結会計年度比24.2%減)、経常利益は299,017千円(24.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は216,039千円(前連結会計年度比197.8%増)となりました。
報告セグメント別の業績の状況は以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
a. デザインパートナー事業
デザインパートナー事業は、顧客企業と当社のデザイナーが一体となりプロジェクト形式で包括的なデザインサービスを提供しております。最初に、新たな価値を創出したい顧客企業とともにプロジェクトチームを立ち上げ、プロジェクトで解決する課題を抽出します。プロジェクトが開始されると、本質的な価値の発見が行われ、顧客企業の独自の強みや特徴が明らかにされます。このフェーズでは、プロジェクトチームが顧客企業と緊密に連携し、価値の洗練と特定が行われます。次に、ユーザー中心のデザインが進行します。顧客企業のユーザーの価値観に合致するデザインが開発されます。このフェーズでは、プロジェクトチームはデザインの詳細な要件を抽出し、ユーザーフィードバックを絶えず取り入れて調整を行います。こうして生み出されたデザインは顧客企業の戦略とブランディングに統合され、企業のビジョンと目標に一貫性をもたらします。なお、アプリケーションのUI/UXデザイン開発においては、当社のエンジニアリングチームもプロジェクトに参画し、実際のデジタルプロダクトの構築を行うことがあります。これら一連のプロセスを通じて、顧客企業は既存のビジネスプロセスをデジタル化し、イノベーションを促進でき、効率性の向上や新しい価値の提供が可能となります。
近年DXが注目を集め、企業がデジタル領域において変革を求められる状況の中で、デザインの持つ役割の重要性は益々高まっております。そのような状況の中、デザインパートナー事業では、数多くのデジタルデザイン支援の知見を集約し、経験豊富なデザイナーを集め、育成することで、より多くの企業に対して、高品質なデザイン支援を行うことが可能になります。そのため、デザインパートナー事業はデザイナーの採用活動を積極的に行い、提供リソースであるデザイナー人員を拡大するとともに、より幅広い業種業態の顧客企業に対してデザイン支援を実施してまいりました。加えて、日本国内の正社員デザイン部門及び「Goodpatch Anywhere」における営業リードの共有に加え、プロジェクト獲得やデザイナーリソースの連携を行ってまいりました。なお、当連結会計年度より、従来、デザインプラットフォーム事業に含めていた「Goodpatch Anywhere」をデザインパートナー事業に変更しております。
当連結会計年度においては、株式会社スタジオディテイルズ及びGoodpatch Anywhereを含むプロジェクト提供を行った顧客社数(注3)は52.7社(前年同期は45.4社、前年同期比16.0%増、上半期:46.8社、下半期:58.5社)、月額平均顧客単価(注4)は5,474千円(前年同期は6,011千円、前年同期比8.9%減、上半期:5,681千円、下半期:5,267千円)となりました。また、社内デザイン組織のデザイナー数は、当連結会計年度末において136名(前年同期比13.9%減)「Goodpatch Anywhere」の所属デザイナー数は528名(前年同期比23.7%、うち稼働デザイナー数は95名、前年同期比97.9%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるデザインパートナー事業の外部顧客への売上高は3,605,659千円(前連結会計年度比4.7%増)、営業利益は395,281千円(前連結会計年度比26.8%減)となりました。
(デザインパートナー事業のKPI推移)
※2022年8月期第3四半期連結会計期間より、顧客社数及び月額平均顧客単価は、連結子会社の株式会社スタジオディテイルズの数値を含めております。
※()内は、Goodpatch Anywhereを除いた数値を記載しております。
b. デザインプラットフォーム事業
デザインプラットフォーム事業は、デザインパートナー事業によって行われるUI/UXデザイン支援を様々な側面からサポートするサービスを提供しております。具体的には、自社で構築したデザイン人材プールを活用したデザイナー採用支援サービス「ReDesigner」、SaaS型のオンラインホワイトボードツール「Strap」及びデザインパートナー事業で培ったナレッジの蓄積をもとにしたプロトタイピングツール(注5)「Prott」で構成され、それぞれのシナジーを創出し、デザインに関連したビジネスの拡大を行うものとなります。
当連結会計年度においては、「ReDesigner」は、内定者数が増加し、採用支援実績を積み上げております。「Strap」並びに「Prott」においては、「Prott」のリソースを有効に活用し、「Strap」の機能開発を推進しております。
以上の結果、当連結会計年度におけるデザインプラットフォーム事業の外部顧客への売上高は322,864千円(前連結会計年度比14.6%増)、営業損失は96,284千円(前連結会計年度は146,038千円の営業損失)となりました。
(注)1.デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、Digital Transformationの略語で、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること、を意味します。
2.UI(User Interface/ユーザーインターフェース)とは、「ユーザーがPCやスマートフォン等のデバイスとやり取りをする際の入力や表示方法などの仕組み」を意味します。また、UX(User Experience/ユーザーエクスペリエンス)は「サービスなどによって得られるユーザー体験」のことを指します。
3.顧客社数とは、デザインパートナー事業において、当社グループとデザインプロジェクトを進めるために契約した顧客企業の社数を指しており、1か月にデザイン支援を提供した顧客社数の当該期間の平均値を示しています。
4.月額平均顧客単価とは、四半期ごとの売上高を顧客社数で除した数値の平均値を示しています。
5.プロトタイピングとは、最終成果物の試作品を早い段階から作り、改善を繰り返す手法のことを意味します。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ487,768千円増加し、3,799,840千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加363,325千円、売掛金及び契約資産の増加106,709千円があったこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ13,839千円増加し、871,709千円となりました。主な要因は、のれん償却に伴うのれんの減少63,467千円、減価償却による工具、器具及び備品の減少8,329千円、顧客関連資産の減少8,222千円等があった一方で、デザインパートナー投資の実行等による投資有価証券の増加91,119千円があったこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ501,607千円増加し、4,671,549千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ100,771千円減少し、608,499千円となりました。主な要因は、未払消費税等の減少44,942千円、未払法人税等の減少34,958千円及び未払金の減少15,110千円があった一方で、買掛金の増加24,036千円があったこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ131,896千円減少し、119,423千円となりました。主な要因は、借入金の返済による長期借入金の減少106,488千円及び連結子会社Goodpatch GmbHにおけるリース債務の減少22,686千円であります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ232,668千円減少し、727,923千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ734,276千円増加し、3,943,626千円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益計上に伴う利益剰余金の増加216,039千円、第三者割当による新株式の発行等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ256,480千円増加したこと等であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ363,325千円増加し、3,273,786千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは78,666千円の収入(前連結会計年度は410,646千円の収入)となりました。これは、法人税等の支払額176,361千円、売上高増加に伴う売上債権及び契約資産の増加107,608千円、連結子会社Goodpatch GmbHの清算手続きに伴う事業整理益の計上46,481千円等の減少要因があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上345,498千円、のれん償却額63,467千円、業務用PC及び事務所内装費用等にかかる減価償却費22,913千円等の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは97,200千円の支出(前連結会計年度は673,685千円の支出)となりました。これは、連結子会社Goodpatch GmbHの清算手続きに伴う敷金及び保証金の回収による収入2,546千円等の増加要因があったものの、投資有価証券の取得による支出84,000千円等の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは373,913千円の収入(前連結会計年度は389,549千円の収入)となりました。これは、長期借入金の返済による支出125,816千円や連結子会社Goodpatch GmbHにおけるリース債務の返済による支出4,989千円の減少要因があった一方で、第三者割当による新株式の発行による収入491,879千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入12,839千円の増加要因があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 受注実績
当社では受注販売を行っておりますが、受注から売上高計上までの期間が短期であるため、また、当社グループのうち一部の連結子会社においても受注販売を行っておりますが、グループ事業全体における重要性が低いため、「受注実績」は記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の報告額並びに開示に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。経営者は、これらの見積り及び仮定について過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用しております重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、既存のデザインプロジェクトにおける高品質な役務提供の継続とともに、新規案件の受注にも積極的に取り組むなど、デザインパートナー事業の拡大に努めてまいりました。また、デザインプラットフォーム事業は、「ReDesigner」及び「Strap」の売上獲得に努めてまいりました。
当連結会計年度の経営成績等の分析・検討内容は以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は3,928,524千円(前連結会計年度比5.5%増)となり、前連結会計年度に比べて204,011千円増加いたしました。これは主に、デザインパートナー事業において、マーケティング及びセールスの体制強化により、新規デザインプロジェクト獲得が伸長し、また、既存のデザインプロジェクトの継続を強化したこと、デザインプラットフォーム事業において、「ReDesigner」の、契約企業数や内定者数が増加し、採用支援実績を積み上げたことによるものであります。
セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は1,656,414千円(前連結会計年度比14.4%増)となり、前連結会計年度に比べ207,996千円増加いたしました。これは主に、デザインパートナー事業において、株式会社スタジオディテイルズの売上高の増加に伴い人件費、業務委託費が増加したこと、並びに「Goodpatch Anywhere」における業務委託契約者が増加したことによるものであります。
以上の結果、売上総利益は2,272,109千円(前連結会計年度比0.2%減)となり、前連結会計年度に比べて3,985千円減少いたしました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,973,479千円(前連結会計年度比4.9%増)となり、前連結会計年度に比べ91,538千円増加いたしました。これは主に、デザインパートナー事業において、マーケティング及びセールスの体制を強化したことに伴い人件費及び広告宣伝費が増加したこと、当社における採用活動の積極的な実施により採用費が増加したことによるものであります。
以上の結果、営業利益は298,630千円(前連結会計年度比24.2%減)となりました。
(営業外収益・営業外費用、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は11,954千円(前連結会計年度比2.1%減)となり、前連結会計年度に比べ256千円減少いたしました。また、営業外費用は11,568千円(前連結会計年度比5.7%増)となり、前連結会計年度に比べ627千円増加いたしました。
以上の結果、経常利益は299,017千円(前連結会計年度比24.4%減)となりました。
(特別利益・特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は46,481千円となりました。これは、連結子会社Goodpatch GmbHの清算手続きに伴う利益であり、主に、オフィスビル等に係るリース契約の中途解約によるものであります。
特別損失の発生はありません。また、法人税等(法人税等調整額を含む)は129,459千円(前連結会計年度は76,639千円)となり、前連結会計年度に比べ、52,819千円増加いたしました。これは、法人税等調整額が増加したことによるものであります。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は216,039千円(前連結会計年度比197.8%増)となりました。
③ 経営戦略の現状と見通し
当社グループをとりまく事業環境については、ユーザーエクスペリエンス(UX)を意識したデジタル化を軸に事業変革を図ろうとする企業ニーズが顕在化しつつあり、ビジネスモデルの変革や新しいビジネスの創出などの実現を目指す投資、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)への投資が拡大しております。
日本の市場調査会社の株式会社富士キメラ総研による調査結果では、デジタルトランスフォーメーション(DX)は企業価値向上を実現する重要な経営課題の一つと位置付けられるとともに、全社戦略として各部門や現場に合わせた具体的なDX施策に向けた投資が本格化し、2030年度のDXの国内市場規模は年平均成長率10.2%、市場規模では2兆7,277億円(2022年)から6兆5,195億円(2025年)に拡大すると予測されております。
日本企業を中心に、GAFAを始めとするグローバルIT企業やUI/UXデザインを初期から意識してきたベンチャー企業との競争に立ち向かうためには、新たな概念でデジタルへのシフトを加速させ、企業の体質そのものから変革をすすめる必要性が認識されています。日本企業は、グローバル化、戦略実現のスピードアップ、イノベーション創発、企業間連携の促進、生産性の向上、また、それらを実現するためのテクノロジーの活用といったテーマに直面し、激しく変化する市場環境における経営のあり方そのものまでをデジタルの力で見直しを図っております。
そのような状況の中、当社グループでは、顧客企業の変革を促進するために、UI/UX領域を中心に強みを持つ当社の事業領域を拡大し、事業ポートフォリオの拡張や提供ソリューションの拡充を目指してまいります。加えて、企業の変革やイノベーションの支援に向けて、顧客企業とより深いパートナーシップを構築してまいります。
デザインパートナー事業においては、マーケティング活動への投資を拡大させ、アライアンスによる新規案件の創出、事例発信の強化、ナーチャリングの強化等を通してプロジェクト提案機会の増加に取り組んでまいります。また獲得した顧客との長期的な関係を築き、顧客企業との継続強化やLTV(顧客生涯価値)の拡大を目指してまいります。加えて、顧客とより長期的に関係性を継続するために、デザインパートナー事業とシナジーがある企業との業務提携やM&Aを通して、バリューチェーンの拡大を目指してまいります。
デザインプラットフォーム事業においては、コア事業であるデザインパートナー事業周辺の人材・ソフトウェア領域を深耕し、事業の拡大を図ってまいります。具体的には、人材紹介サービス「ReDesigner」において、全てのデザイナーのためのキャリア支援プラットフォームを目指しビジネス領域を広げ、デザイン人材のダイレクトリクルーティングのプラットフォームへと拡大させていきます。そして、オンラインホワイトボードツール「Strap」は中長期的な事業の柱として、着実にユーザーを積み上げ、機能充実を図ってまいります。
なお、上記した各事業は、サービス単独での収益拡大のみならず、人材やノウハウの相互共有によるシナジー等の効果を取り込むことによりグループ全体としての収益拡大を目指します。
④ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営者は、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処していくことが必要であると認識しており、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、事業運営に努めてまいります。
⑤ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資金需要は、事業拡大・機能拡充のための人材確保に係る採用及び人件費、将来の買収及び戦略的投資のための資金、新たな自社製開発の新規事業への投資資金が中心となります。
当連結会計年度においては、第三者割当増資により資金調達を行っております。
当該資金調達により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は3,273,786千円(前連結会計年度末は2,910,461千円)となりました。また、流動比率(流動資産 / 流動負債)は624.5%と十分な流動性を確保しております。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1. 報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社グループの報告セグメントは、分離された財務情報が入手可能であり、取締役会等が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために定期的に検討を行う対象になっているものであります。
当社グループは、「デザインパートナー事業」と「デザインプラットフォーム事業」の2つを報告セグメントとしております。
(2) 各報告セグメントに属するサービスの種類
「デザインパートナー事業」は、Webサイトやアプリケーション等のデジタルプロダクトをはじめとしたUI/UXデザイン支援、アプリケーション開発、新規事業の検証やアイデアを創出するための支援を行っております。
「デザインプラットフォーム事業」は、デザインパートナー事業によって行われるUI/UXデザイン支援を様々な側面からサポートするサービスを提供しております。自社で構築したデザイン人材プールを活用したデザイナー採用支援サービス「ReDesigner」、SaaS型のオンラインホワイトボードツール「Strap」及びデザインパートナー事業で培ったナレッジの蓄積をもとにしたプロトタイピングツール「Prott」等を提供しております。
(3) 報告セグメントの変更等に関する事項
当連結会計年度より、「Goodpatch Anywhere」の経営資源を、事業戦略の類似性、関連性に基づき「デザインパートナー事業」に配分する組織体制に移行したことに伴い、従来「デザインプラットフォーム事業」に含めていた「Goodpatch Anywhere」を「デザインパートナー事業」に変更いたしました。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分により作成したものを記載しております。
2. 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であります。
報告セグメントの利益又は損失は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部売上高及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
3. 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2021年9月1日 至 2022年8月31日)
(注)1.セグメント利益又は損失の合計額は連結損益計算書の営業利益と一致しております。
2.セグメント資産及び負債の金額については、事業セグメントに資産及び負債を配分していないため記載しておりません。ただし、配分されていない資産の減価償却費等は、合理的な配賦基準で各事業セグメントへ配賦しております。
当連結会計年度(自 2022年9月1日 至 2023年8月31日)
(注)1.セグメント利益又は損失の合計額は連結損益計算書の営業利益と一致しております。
2.セグメント資産及び負債の金額については、事業セグメントに資産及び負債を配分していないため記載しておりません。ただし、配分されていない資産の減価償却費等は、合理的な配賦基準で各事業セグメントへ配賦しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2021年9月1日 至 2022年8月31日)
1. 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2. 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3. 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%に満たないため、主要な顧客ごとの情報の記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2022年9月1日 至 2023年8月31日)
1. 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2. 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3. 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%に満たないため、主要な顧客ごとの情報の記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年9月1日 至 2022年8月31日)
(注) のれん償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2022年9月1日 至 2023年8月31日)
(注) のれん償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。