2024年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループが連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

リスクの項目

リスクの説明

リスクの対策

市場環境

当社グループは、グローバルな規模で自動車部品の製造、販売事業を展開しております。当社グループが事業展開しているこれらの国々の市場において経済の低迷や物価等の動向により、消費者の自動車に対する購買意欲が低下し、主要得意先の生産が減少した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、事業展開をしている世界各国の市場の動向を注視し、生産ライン設置、設備投資の判断や適正な要員配置・経費管理等の面で迅速かつ的確な対応が取れるように努めております。

得意先の集中

当社グループの主要得意先である本田技研工業株式会社及び同社関係会社への当事業年度の売上高シェアは61.0%となっており、同社グループの売上が減少する場合は、当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、受注計画が計画どおり進捗せず想定外の失注が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、本田技研工業株式会社及び同社関係会社との取引の維持拡大に努めるとともに、同社以外の得意先との取引拡大に向けた営業活動を積極的に推進しております。

為替相場の変動

当社グループの海外における当事業年度の売上高シェアは90%(北米69%、アジア21%)であるため、外国為替相場の変動の影響を受ける可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、外貨建取引における為替相場の変動リスクに対して先物為替等を用いてリスクを縮小することに努めております。

特定の原材料及び部品の外部事業者への依存

当社グループは、多数の外部の取引先から原材料及び部品を購入しておりますが、製品の製造において使用するいくつかの部品・原材料については、一部の取引先に依存しております。これらの取引先に操業の停止やサプライチェーンの寸断等、予期せぬ事態が生じた場合は、当社グループの生産に影響を与え、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、事業、業績への影響を最小化するため、サプライチェーンの見直し及び強化を継続的に行っています。また、部品の供給状況についてモニタリングを行い、当社グループの生産等の事業活動に悪影響を与える可能性がある事象が発生した場合には、取引先と連携し速やかな対応を実施しています。

有利子負債依存及び金利上昇

当社グループはこれまで事業拡大に必要な資金の多くを金融機関からの借入等により調達しており有利子負債は比較的高い水準(2024年3月期76,063百万円総資産比率39.7%)にあります。当社グループが事業活動を行う国地域の金融市場に変化が生じ金利が大きく上昇した場合は当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、社内各部門及びグループ子会社の事業計画、投資計画及び資金計画を横断的にモニタリングするとともに、当社の借入及び当社グループ子会社の債務保証(当社によるグループ子会社の借入の親会社保証)にあたっては、当社取締役会の承認を得ることを前提条件としています。

 

 

 

リスクの項目

リスクの説明

リスクの対策

設備停止による影響

当社グループは、自然災害、停電又はその他の予期せぬ中断事象が生じ生産能力回復に長期間を要する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、自然災害等の予期せぬ中断事象が生じた場合の製造ラインの中断リスクを最小化できるよう、設備の定期的な検査と予防保全点検を行っております。

製品の品質

当社グループは、予期せぬ事情で品質問題が発生した場合で、問題の重大性により法的責任やそれに起因する補償負担が生じたときは、当社グループの業績や企業イメージに影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、グローバルで厳正な品質管理基準に基づいた品質管理体制を敷いて製品を製造しております。万一品質問題が発生した場合に備え、当社グループが事業を行う国、地域の基準や得意先との協議により決定されたプロセスに基づき、すみやかに対処できる体制を整備しています。

法規制等の影響

当社グループは、グローバルに事業展開をしていることから、労働法、独占禁止法、環境諸法令等、さまざまな法規制等の適用を受けておりますが、これらの法規制等に違反した場合は、法的責任を負う可能性があります。

当社グループは、事業活動を行う国、地域の法令を調査し、それぞれの法制度を遵守して、事業を適正に行っております。

知的財産権

当社グループは、独自開発技術等に関する知的財産権の取得を進める一方、第三者の所有する知的財産権の侵害防止に取り組んでいますが、見解や解釈の相違等により第三者が知的財産権に関する訴訟等を当社グループに提起したり、第三者が当社グループの知的財産権を侵害したりする可能性があります。そのような事態が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう、製品の設計開発及び新技術の研究開発に際しては先行調査を実施する等、十分な注意を払っております。また、継続的な他社製品の分析及び情報収集等によって第三者による模倣品や技術の模倣を監視し、当社グループの知的財産権の侵害抑止を図っております。さらに、営業秘密管理に関する従業員への社内教育や、退職者及び技術援助先と守秘義務にかかる契約を締結すること等により秘密情報管理を強化しております。

自然災害・戦争・テロ・ストライキ等の影響

当社グループは、グローバルな規模で事業を展開しておりますが、予期せぬ自然災害、戦争、テロ、ストライキ、紛争等の事象が発生した場合、原材料や部品の調達、生産、供給、販売等に遅延や停止が生じる可能性があります。同時に、自動車販売市場が縮小し、製品需要が減少に転じる可能性があります。こうした事象が起こり、長引く場合は、当社グループの事業、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、自然災害、戦争、テロ、ストライキ、紛争等の事象が発生した場合に備え、当該事象の把握、対策の実施、当社事業への影響の最小化及び事業の早期復旧に向けた具体的な取り組みを定める「事業継続計画(BCP)」の整備を進めております。

固定資産の減損に係るリスク

当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等により収益性が低下し、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、中期経営計画の当社の長期ビジョンとして「収益力強化」を掲げ、当社及びグループ子会社の業績を向上させるほか、各社の定期的なモニタリングによりリスクの早期把握に努めております。

 

 

 

リスクの項目

リスクの説明

リスクの対策

環境・気候変動に関するリスク

近年、気候変動により発生頻度及び影響度が増大している自然災害は、調達、物流及びエネルギー供給網等を寸断し、当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。現在、日本をはじめ世界各国が2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを表明しており、社会・経済の脱炭素化への流れが加速していますが、当社グループがこれらの脱炭素社会への移行リスクに適切に対応できなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、気候変動リスクへの対応を経営上の重要課題として位置づけており、2050年度カーボンニュートラル実現を目指し、CO2排出量を2030年度までに2017年度基準で39%以上削減するという中間目標を設定し、その達成に向けた取り組みを進めております。具体的には、省エネ活動の徹底、高効率生産設備への更新、生産ラインの再編及び再生可能エネルギーの導入を加速させてまいります。

 

 

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、株主の皆様に対し、業績に基づく利益還元を行うことを経営の重要課題として認識し、経営成績の状況、配当性向、内部留保及び長期的な視野に立った投資計画や企業体質の強化などを総合的に勘案したうえで、安定的かつ継続的な利益還元を行うことを基本方針としており、引き続き持続的な成長及び配当水準の向上に努めてまいります。

配当による利益配分は、中間と期末の年2回行うことを基本とし、配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。

当期の配当金につきましては、期末配当金を1株当たり10円とし、年間配当金は、中間配当金10円とあわせて20円とする予定であり、連結配当性向は22.1%となる予定です。

内部留保資金の使途につきましては、コスト競争力の強化やグローバル開発・生産・販売体制の強化等に充当し、当社の持続的な成長及び配当水準の向上につながるよう努めてまいります。

なお、当社は中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。

 

(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

 

決議年月日

配当金の総額
(百万円)

1株当たりの配当額
(円)

2023年11月7日

取締役会決議

187

10

2024年6月20日

定時株主総会決議

187

10