リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 自動車業界の需要動向による経営成績への影響
当社グループの主力製品であるプーリ及び当社固有の塑性加工技術等をもとに開発される製品の多くは、自動車用部品として日系自動車メーカー等に販売されております。今後の経済情勢、各国の経済政策や自動車生産台数の推移、自動車のハイブリッド化、電動化の動向、自動車メーカー等各社の経営方針の動向、当社グループが生産・販売拠点をもつ日本市場やアジア市場の動向によっては、当社グループの経営成績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしましては、トランスミッション部品、xEV部品、モーターコア部品等プーリ以外の自動車部品の開発・拡販活動を実施するとともに、自動車部品以外の産業への参入を進めてまいります。
(2) 新商品開発力
当社グループは、塑性加工技術により主力製品であるプーリ及びその技術を応用(活用)した部品の開発に注力し、高品質で低コストの製品を供給しております。また、開発拠点として加西工場敷地内のテクニカルセンター、長崎工場敷地内のリサーチセンター及びタイ子会社内のタイランド・テクニカルセンターを有し、新商品開発に力を注いでおります。しかしながら、新商品の開発は不確実なものであり、市場ニーズに適合した新商品や新技術の開発が遅延した場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしましては、KAVSの積極的な利用による新商品開発力の向上、開発期間短縮を進めております。また自動車のEVシフトに対応すべくxEV部品など新商品への事業拡大と、自動車以外の産業への参入も進めていく計画です。
(3) 価格競争
自動車業界における価格競争は大変厳しいものがあり、従来から当社グループもこの競争に全力で対応してまいりました。しかしながら、各自動車メーカー、自動車部品メーカーからの価格低減要求の傾向がより一段と強まる場合には、当社グループの価格競争力が低下し、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしましては、固有の鋼板立体造形技術を活かした付加価値商品の商品化を進めるとともに、生産性向上、金型寿命向上に努め、既存商品の原価低減を進め、価格競争力向上に努めております。
(4) 海外事業
当社グループの生産、販売及び開発活動の一部は、海外市場で行われております。こうした海外市場での事業には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しており、当社グループの経営成績及び財務状況に少なからず影響を及ぼす可能性があります。
a 予期しない法律又は規制の変更(投資機会の逸失)
b 不利な政治又は経済要因
c 不利な税影響(コスト負担の増加)
d 急激な為替変動
e テロ、戦争、感染症、その他の要因による社会的混乱(材料調達、生産・販売及び輸送の遅延や中止)
(5) 為替変動
当社グループの2024年3月期連結売上高に占める海外売上高の比率は28.3%となりました。こうした海外における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、これらの項目はもとの現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。なお、当社グループは今後も海外での販売を拡大する方針であり、為替変動等により当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 原材料および部品の調達
当社グループは、製品の製造に使用する原材料及び部品等を当社グループ外の複数の供給業者から調達しており、これらの一部については特定の供給業者に依存しております。市況、災害等、当社グループでは制御出来ない要因により、当社グループがこれらの原材料及び部品等を効率的に、且つ安定したコストで調達し続けることが出来なくなった場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に重大な影響を与える可能性があります。
(7)製品の欠陥
当社グループは、長年の経験で蓄積されたノウハウに基づく品質管理基準に従って製品を製造しております。
しかし、すべての製品に欠陥がなく、将来的にリコールが発生しないという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上高が減少し、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)知的財産
当社グループは、自社が保有する技術等については特許権等による保護または秘匿化を図るほか、他社の知的財産権に対する侵害のないよう専門家の協力を得ながらリスク管理に取り組んでおります。しかしながら、当社グループが現在販売している製品あるいは今後販売する製品が第三者の知的財産権に抵触する可能性を適確・適切に判断できない可能性があり、また、当社グループが認識していない特許権が成立することにより、当該第三者より損害賠償の訴えを起こされる可能性があります。そのような場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)自然災害、疫病、パンデミック、戦争、テロ、ストライキ、デモ等
当社グループは、災害等に対しては緊急時の社内体制を整備しておりますが、大規模な地震、火災、風水害等の自然災害が発生した場合、当社グループの営業活動に著しい支障が生じ、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
地域紛争については、経済制裁や各国規制に基づく営業活動への影響はあるものの当社グループの経営成績及び財務状況に与える影響は軽微であると見込んでおりますが、当社グループの従業員の安全確保、原材料や物流費の高騰に関する懸念等、想定される種々のリスクに対して必要な対策を行っております。
(10)情報セキュリティ
顧客等の個人情報や機密情報の漏洩等の防止は、会社の信用維持、円滑な事業運営にとって、必要不可欠の事項といえます。当社グループでは、社内規程の制定、社内教育、情報セキュリティシステムの構築等の措置を講じていますが、万一、情報漏洩等の事態が発生した場合、当社グループの信用低下、顧客等に対する損害賠償責任が発生するおそれがあります。また、当社グループの事業活動において、情報システムへの依存度とその重要性は増大しており、この対応として情報システム全体の可用性の向上を図るとともに、ハード・ソフト両面のセキュリティ対策等を実施していますが、サイバー攻撃やコンピューターウイルスの感染等により情報システム障害が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様への利益還元として、第9次中期経営計画において、安定した配当を継続することを基本方針としております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき、1株当たり29円50銭の配当(うち中間配当14円50銭)を実施することを決定しました。
内部留保資金につきましては、経営環境の変化に呼応した事業運営を図るために有効投資してまいりたいと考えております。
当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年11月9日 |
74 |
14.50 |
取締役会決議 |
||
2024年6月27日 |
76 |
15.00 |
定時株主総会決議 |