リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。当社グループでは、これらリスクの発生可能性を認識した上で、当該リスクの発生に伴う影響を極力回避するための努力を継続してまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)基幹事業の経営環境に係わるもの
① 事業の運営について
当社グループは、2018年3月31日付でカーブス事業のグローバルフランチャイザーであるCurves International Holdings, Inc.他の株式を取得し、Curves International, Inc. (以下、「CI」という。)を存続会社とする吸収合併を実施したことにより、同事業を世界約60カ国(2023年6月末現在(決算期のずれにより、2カ月遅れでの連結取り込み))で展開しております。また、株式会社カーブスジャパンはCIとの間でマスターフランチャイズ契約を締結し、日本国内においてカーブス事業の運営を行っております。また、2019年7月1日付で、西ヨーロッパのフランチャイズ事業本部であるCFW International Management B.V.(現・Curves Europe B.V.)を買収し、同地区でのカーブス事業の展開を今後強化してまいります。
(ⅰ) 日本国内においてはフランチャイズ加盟事業者に対して経営指導、事業運営において必要なシステムの導入及びノウハウ、機材、商品、印刷物等の提供、販売を行うとともに、当社グループの事業拡大のため、フランチャイズ加盟店の出店を継続的に進めておりますが、これらの実現のために、加盟事業者による協力や資金負担等が必要で、予め理解を得ておく必要があります。従って、加盟事業者とのトラブルの発生、フランチャイズ加盟契約の解約、加盟事業者から本部への訴訟の発生などの場合や出店立地として適切な候補物件が継続的に不足する場合など、出店が計画と乖離する場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、ますます強くなる消費者保護の流れを反映し、行政やマスコミあるいは消費者団体などによる企業批判、更には様々な風評による被害を受けてしまうリスクは大きくなりつつあります。カーブス事業は会員制の事業であり、そのようなリスクを顕在化させてしまう事象が発生した場合には、会員数の維持・拡大に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(ⅱ) 海外においては、CIがグローバルフランチャイザーとして各国のマスターライセンシー(以下、「マスター」という。)に課しているロイヤルティの回収遅延が発生する場合、CIとマスターとの間のトラブルが発生する場合、マスターがマスターフランチャイズ契約を解約する場合、さらにCIを含む当社グループとの間の訴訟の発生などが生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、Curves Europe B.V.は欧州圏(スペイン、イギリス、イタリア、フランス、アイルランド、スウェーデン、スイス、ベルギー)を中心にフランチャイズ本部事業を運営しており、日本国内と同様に加盟事業者との連携が重要であると認識し、定期的にミーティング等でのコミュニケーションを図っております。しかしながら、加盟事業者とのトラブルの発生、フランチャイズ加盟契約の解約、加盟事業者から本部への訴訟の発生などの場合や出店立地として適切な候補物件が継続的に不足する場合など、出店が計画と乖離する場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 単一業態(カーブス事業)であることについて
当社グループは、「女性だけの30分フィットネス カーブス」「男性向け運動施設 メンズ・カーブス」を展開することで、病気と介護の不安と孤独のない生きるエネルギーがあふれる社会を創ることを経営目的としております。しかしながら、景気の悪化や消費環境の大きな変化により健康に対する投資意欲が減退した場合には、単一業態であるがゆえに他業態でカバーすることが困難であるため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 原材料の価格変動等によるリスクについて
当社グループの主要な販売商品であるプロテインは、その原材料を海外から輸入しており、為替が円安に変動した場合や輸入先の天候不順等により供給量が減少するなどの要因により原材料の価格高騰が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 製造委託先の生産拠点の集中について
当社グループの当連結会計年度における会員向け物販売上高は174億88百万円であり、連結売上高の58.3%(2023年8月期)を占めており、当社グループの重要な収益源となっております。
会員向け物販売上高の中でも主要な販売商品であるプロテインは、その大部分を日成共益株式会社との製造委託契約に基づきOEM生産を行っており、その生産を当該委託先に依存しております。新たな製造委託先の開拓によるリスク分散の努力を継続しておりますが、自然災害等の不可抗力及び工場内の事故等の発生により現在の工場での生産が停止した場合には、一時的に安定供給が出来なくなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 製造委託契約の解除等について
④の製造委託契約では、薬事法上問題がある場合等、一定の事由に該当した場合、ただちに当該契約及び個別契約の全部又は一部を解除できることを定めておりますが、現時点において当該事由又は契約更新の支障の発生ならびにその認識はしておりません。しかしながら、上記の解除事由に該当する事象の発生や契約更新ができない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、日成共益株式会社との製造委託契約については、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」をご参照ください。
⑥ 人材の確保・育成について
当社グループは、多店舗展開を行う接客サービス業であり、お客様にご満足のいただける接客と会員数の獲得を継続して実現させていくためには、人材の確保と育成が重要であり、計画的に募集・採用活動を行い人材の確保を行うとともに、事業毎に教育制度を設けて人材の育成に努めております。
しかしながら、採用がますます難しくなる場合あるいは退職者が増加する場合には、店舗の管理を行う店長及びマネージャーにふさわしい優秀な人材を十分に確保できなくなるおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ M&A及び組織形態の変更等について
当社グループは、企業価値向上や新業態の事業展開を目的に他社からの事業の譲り受け、他社との提携、もしくは他社への出資やM&A等、あるいは子会社・関連会社の設立等により組織形態の変更を行う可能性があります。しかしながら、全ての経営施策が計画通りの成果が実現される保証はなく、市場環境等の急激な変動による想定外の損失の発生や取得した事業もしくは子会社等の業績不振等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 気候変動に関するリスクについて
当社グループは、環境にやさしく気候変動リスクが低いビジネスモデルづくりと店舗運営を重要課題ととらえ、環境にやさしいビジネスモデルづくりや店舗運営に取り組んでおります。また、特定の地域に偏らず全国各地に展開することで気候変動などによる自然災害リスクの影響を低くすることができております。しかしながら、気候変動により近年発生が増加傾向にある異常気象や自然災害により、当社グループが運営する施設や器具等が大規模に毀損し事業運営が困難になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、気候変動に関する対応を重要な経営課題と捉え、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに沿った開示への取り組みを検討しており、サプライチェーンにおけるCO2削減への貢献に努めてまいります。
(2)財政状態及び経営成績に係るもの
① 敷金・保証金の回収について
当社グループは、直営店の出店に当たっては賃貸借契約に基づく店舗出店を基本としており、店舗の賃借に際しては家主へ敷金・保証金を差し入れております。
当社グループは、賃貸借契約の締結に際しては、物件所有者の信用状況を確認する等、回収可能性について十分に検討を行い決定しております。しかしながら、物件所有者の財政状況が悪化した場合には、敷金・保証金の回収が困難となる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 減損会計の影響について
当社グループが所有する商標権、その他の固定資産並びに当社が有する子会社株式や金銭債権等につきましては、減損処理に関する会計基準及び減損処理に関する社内規程に基づいて、毎期減損の判定を行っております。これにより営業活動から生じる損益が継続的にマイナスとなる店舗に対する減損が認識された場合や店舗を閉鎖することとなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末における商標権は201億26百万円となりました。また、各子会社の業績に基づく株式価値等の評価結果による減損損失の計上により、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制について
① 消防法について
当社グループが運営する店舗は「消防法」による規制を受けており、不慮の火災等により会員の方々に被害が及ばぬように、防火対策についてはマニュアルを整備し社員教育を施し、年に2回の消防訓練を行い、法令遵守に努めております。「消防法」における問題が生じぬように、法律改正への対応及び行政上の指導については、全ての事項について必要な改善及び届出を済ませており、その後も継続運用しております。
しかしながら、不測の事態によって、当社店舗において火災による死傷事故が発生した場合には、当社グループの信用低下や損害賠償請求等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 医薬品医療機器等法等、関連法令について
当社グループが運営するカーブス事業は、その品質管理・製造、表示・広告、販売において各関係法令によって規制を受けております。
品質管理・製造においては、食品・添加物・器具容器の規格等を定める「食品衛生法」の規制を受け、表示・広告においては、主に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」「食品表示法」「健康増進法」「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」の規制を受けており、虚偽または誇大な表示・広告が禁止されております。また、消費者との取引全般において「消費者契約法」の規制を受けております。
当社グループでは、各関係法令のチェック及び改正への対応等、体制を整備し法令遵守を図っておりますが、予期せぬ法律規制強化があった場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 個人情報保護法について
当社グループが運営するカーブス事業は、国内外において会員制度を採用しているため、お客様の個人情報を取得しており、日本国内だけではなく海外も含めて個人情報の保護に関連する法律を遵守する必要があります。そのため各国ガイドラインに従い、社内教育や顧客情報の保管管理等を徹底し、個人情報の流失防止を図っております。
しかしながら、不測の事態によって、個人情報の外部流出が発生した場合には、当社グループの信用低下や損害賠償請求等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 下請法について
当社グループが運営するカーブス事業は、加盟店および会員への商品・サービスの提供にあたり、外部の業者に対し製造委託、情報成果物作成委託等の業務委託をおこなっており、「下請代金支払遅延等防止法(下請法)」を遵守する必要があります。
当社グループでは、定期的な従業員教育と適切な業務フローの運用により法令遵守に努めておりますが、この徹底不足により意図せず不適切な取引をおこなった場合は、当社グループの信用低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)感染症に対するリスクについて
当社グループでは、日頃よりお客様が安心・安全に運動できる環境の整備、社員教育を施しております。此度の新型コロナウイルス感染症流行下においても、専門の医師の方々や行政機関等より情報を収集し、2020年1月より店舗(直営店、FC店)内外での感染予防のための様々な取り組みを徹底してまいりました。
また、資金につきましては、長期化することを前提としたキャッシュポジション向上策を打っており、当面の間の運転資金が十分に賄える状況であり、資金繰りの懸念はありません。
しかしながら、今後新たな感染症の流行等が発生した場合は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして認識しており、将来の事業展開と財務体質の健全化のために必要な内部留保を確保しつつ、継続的かつ安定した配当を継続して実施し、連結配当性向50%を目指す方針をとっております。
当社の剰余金の配当は中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる旨を定款に定めております。また、剰余金の配当基準日は、期末配当は8月31日、中間配当は2月末日の年2回のほか、基準日を定めて剰余金の配当をすることができる旨を定款に定めております。
当事業年度の剰余金の配当につきましては、上記方針に基づき1株当たり10円の配当(内、中間配当5円)を実施することを決定しました。この結果、当連結会計年度の配当性向は36.1%となりました。
内部留保資金につきましては、今後の事業展開に必要な設備投資等の事業拡大を中心とした資金需要に備えることといたします。
(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。