リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項における投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業構造について
当社グループの売上高につきましては、主要顧客であります四輪メーカー、二輪メーカー、家電メーカーなどの販売状況の影響を受ける立場にあります。半導体を始めとする材料の調達難など、世界的に不安定な市場環境により当社の販売も影響を受けておりますが、その影響額については現時点において合理的に算定することが困難であります。
(2)当社グループの主要顧客への販売割合について
当社グループの販売先上位2社が占める売上高の割合は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③生産、受注及び販売の実績 (c)販売実績」に記載のとおりであり、主要顧客への販売状況の変化や取引条件等の変更により、当社グループの経営成績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループとしての対応力を強化するために、新規顧客の開拓、自主ブランドにより販売できる製品開発を積極的に行っております。
(3)海外事業展開に伴うリスクについて
当社グループは、インド、ベトナム、中国、フィリピンの各地において事業を展開しており、現地日系企業等からの需要増加に対応するため、工場の増設、生産設備の増強を進めてまいりました。
設備投資に当たっては、将来の需要予測等を基に投資効率を勘案し、投資を決定しておりますが、中国の景気停滞、もしくは半導体を始めとした原材料の入手難等の影響により当初予定していた販売量を確保できない可能性があります。そのような不安定な外部環境下においても採算が取れるよう、生産の合理化、ITを活用した省人化を進め、生産性の向上に努めております。
今後も、工場所在国の政治・経済情勢、法律規制の変更、為替動向、労働問題、感染症の蔓延、戦争、テロ等が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしての対応力を強化するために、本社における海外事業体制を強化して情報収集力を向上させるとともに、当社グループの工場の生産活動に制約が加えられるリスクを分散すべく、フィリピン子会社における生産能力の増強を進めております。
(4)地震等自然災害による影響について
地震等の自然災害が発生した場合、当社グループの生産拠点が損害を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。
特に、当社の国内の生産拠点は静岡県西部地域に集中しておりますので、南海トラフ地震に備えて、被害を最小限にするべく、すでに必要と考えられる対策を講じておりますが、地震による影響が大きい場合には、操業の中断や多額の復旧費用の発生により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループといたしましては、浜松市北部の浸水想定のない地点に建設した浜松工場が稼働を開始しております。自然災害等により本社機能が麻痺した際には本社の代替として機能する体制を整えるとともに、有事の際の海外拠点におけるバックアップ体制の整備も進めてまいります。
(5)品質に関するリスクについて
当社グループは、製品の品質に万全を期しておりますが、予期しない品質トラブルにより多額の回収費用及び補償費用が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループといたしましては、国内事業だけでなく、生産の主体となりつつある海外事業における品質の維持・向上を最優先課題として取り組んでおります。
(6)財務制限条項付融資契約について
当社グループは、一部の借入金に対して金融機関とのコミットメント契約を締結しております。この契約につきましては、各事業年度の中間決算期末及び決算期末の当社の貸借対照表における純資産の部の金額に関しての財務制限条項が付されており、それに抵触した場合には、貸付人の請求により期限の利益を喪失し、借入金金額を直ちに返済する義務を負うことになっており、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループといたしましては、製品受注時の支払い条件の変更による売掛金の削減により借入金の削減を行うべく、不断に交渉を続けております。
(7)その他、経営成績に影響を及ぼす可能性のある事項について
① 繰延税金資産について
当社グループは、将来減算一時差異に対して、当連結会計年度末において784百万円の繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は将来の課税所得に関する見積り及びタックス・プランニング等を基に回収可能性を検証し計上しておりますが、実際の課税所得が見積り等を大幅に下回った場合等には回収可能性の見直しを行い、繰延税金資産を回収可能額まで取崩すことにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、将来の課税所得を見積る際には様々な仮定及び予測を用いており、その仮定及び予測は実際の結果と乖離する可能性があります。また、税制改正等により実効税率等が変更になった場合にも、繰延税金資産の計上額の見直しを実施することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 固定資産の減損について
当社グループは、固定資産の時価が著しく低下した場合又は事業の収益性が悪化した場合には、当該固定資産の減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候がある場合には、将来キャッシュフロー等に基づいた回収可能価額の見積りによる減損テストを実施しております。その結果、固定資産の帳簿価額が回収可能額を上回った場合には、帳簿価額を回収可能額まで減額し減損損失を認識することとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
(1)利益配分に関する基本方針
当社は、株主の皆様に対する利益還元の充実を経営の重要課題のひとつとして位置づけており、業績に応じた適正な配当水準を長期にわたり安定的に維持することを基本方針としつつ、財務体質と経営基盤の強化を図り、積極的な事業展開を進めるべく必要な内部留保に努めることとしております。
(2)配当決定に当たっての考え方
利益配分に関する基本方針に基づき、各期の業績や経営環境等を総合的に勘案の上、決定してまいります。
(3)毎事業年度における配当の回数についての基本方針
年間業務成績に基づき、年1回期末配当を実施いたします。
(4)配当の決定機関
剰余金の配当の決定機関は、期末配当につきましては株主総会、中間配当につきましては取締役会であります。なお、当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。
(5)当事業年度の配当に当たっての考え方
利益配分に関する基本方針に基づき、当期の業績並びに今後の事業展開等を勘案し、当事業年度の配当は普通配当150円(通期150円)といたしました。
(6)内部留保資金の使途
今後予想される厳しい経営環境に対応していくため、財務体質の強化を図りつつ、既存事業の継続的な発展と長期的視野に立った新規事業の開発等、将来に向けた事業拡大のために活用してまいります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (千円) |
1株当たり配当額 (円) |
2024年6月21日 |
468,869 |
150 |
定時株主総会決議 |