2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,814名(単体) 2,766名(連結)
  • 平均年齢
    40.8歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.2年(単体)
  • 平均年収
    6,110,070円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

火災報知設備

   1,440

                               (156)

消火設備

510

                                (51)

保守点検等

382

                                (53)

その他

134

                                (21)

全社(共通)

300

                                (26)

合計

2,766

                               (307)

 

(注) 1  従業員数は就業人員数であります。

     2  従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

     3  臨時従業員数には、嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,814

40.8

16.2

6,110,070

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

火災報知設備

902

                               (114)

消火設備

339

                                (29)

保守点検等

288

                                (41)

全社(共通)

285

                                (26)

合計

1,814

                               (210)

 

(注) 1  平均年間給与は、基準賃金に賞与を含んでおります。

     2  従業員数は就業人員数であります。

     3  従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

     4  臨時従業員数には、嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

 

 

(3) 労働組合の状況

当社グループには、グループで組織された労働組合はなく、当社及び一部の子会社単独で組織されております。

なお、主な労働組合は次のとおりであります。

会社名

 

名称

 

組合員数

 

所属上部団体

能美防災株式会社

 

能美防災労働組合

 

1,102

 

能美エンジニアリング
株式会社

 

能美エンジニアリング
株式会社労働組合

 

55

 

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

  ①  提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

      (注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

      (注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用労働者

非正規労働者

2.1

31.8

69.2

69.8

61.4

 

(注) 1  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもの

         であります。

     2  「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の

         規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」

         (平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

  ②  連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

男女の平均勤続年数の差異(年)

日信防災株式会社

1.9

能美エンジニアリング株式会社

3.0

 

(注) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであ

     ります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ基本方針

当社は社是及び経営理念のもとで、以下のサステナビリティ基本方針を策定しております。

 

〇サステナビリティ基本方針

私たち能美防災グループは、永年にわたり社会の安全を追求してきました。その歴史に裏打ちされた技術と信頼で、「火災被害ゼロの社会」を目指しています。そして、あらゆる災害から生命・財産を守ること、サステナブルな未来を創ることに挑戦していきます。

 

(2) ガバナンス

当社では、2022年9月よりサステナビリティ経営推進ワーキングをスタートし、基本方針の策定、重要な社会課題(マテリアリティ)の特定、推進体制の整備等を行い、2023年3月にはサステナビリティ委員会を設置いたしました。

サステナビリティ委員会は取締役社長を委員長とし、環境や人材といったサステナビリティに関連する部門の担当役員等で構成されております。

年2回定例開催するほか、必要に応じて随時開催し、サステナビリティを巡る課題の審議、マテリアリティについての取組みの進捗状況確認等を行い、重要事項については取締役会に報告することで取締役会の監督が適切に図られる体制を整えております。事務局は総務部が担当し、サステナビリティ委員会の活動補佐として情報収集・情報発信・啓蒙活動等を行っております。

 

<2023年度のサステナビリティ委員会の活動状況>

開催実績    2回

主な議題    統合報告書の発行について

            TCFD提言に沿った情報開示、TCFD提言への賛同表明

            マテリアリティの取り組み施策検討および優先順位付け、進捗状況の確認

            サステナビリティ関連のリスク管理

            人権への取組み

 

<サステナビリティ推進体制>

 


 

 

(3) 戦略

当社は、社会課題について「社会的な重要性」、「重視する価値観」、「自社の強み」の3つの軸で評価するなどし、当社が取組むべき重要な社会課題(マテリアリティ)を特定いたしました。今後、以下の4つのマテリアリティについての取組みを推進してまいります。

 

○マテリアリティ

①あらゆる災害から生命・財産を守るためのソリューションの提供

②自律と挑戦を重んじた人財育成と多様性の確保

③カーボンニュートラル実現をはじめとする地球環境保全への取組み

④安全・安心を担う企業にふさわしい経営の実践

 

<マテリアリティの特定プロセスとマテリアリティ候補を絞り込む評価軸>

 


 

 

また、当社の人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

 

○人材育成方針及び社内環境整備方針

当社は、2028年度のありたい姿と、その実現に向けた施策を「中長期ビジョン2028 ~期待の先をカタチに~」として策定しており、その柱の一つとして「飛躍的成長への人事戦略」を掲げております。これは、社員と組織双方の成長サイクルを加速させる各種施策を展開することで中長期ビジョンの実現を支えていくものです。そのためには社員一人ひとりの個性を尊重し、多様な能力・価値観を持つ人財により活躍・成長する機会を提供できる組織風土を確立させていく必要があると考えております。

このための基盤整備として、「女性社員の上級職(管理職相当)への昇格に向けた配置・担当業務の拡大」、「高い専門性を持ったキャリア採用者及び外国人の積極採用」といった取組みを進めております。これらの取組みに継続的に注力するとともに、管理職層をはじめとした社員全体に対して、ダイバーシティの必要性・重要性を学ぶ機会を与える等、さらなる強化を進めてまいります。

 

<ダイバーシティに係る取組み状況>

2021年度    ・女性活躍推進ワーキンググループ活動開始

- 女性社員のキャリア形成・成長支援を目的として、女性活躍のありたい姿と課題創出

- ありたい姿の実現に向けた対応策を経営層へ提言

2022年度    ・アンコンシャスバイアスに関する全社教育(e-learning  受講率82.4%)

            ・女性活躍推進委員会を常設で設置

- 2021年度の女性活躍推進ワーキンググループ活動を継続する形で、女性活躍推進委員会の中に課題ごとに3つの部会をおき、社外役員も含む役員との懇談、外部講師による研修、施策検討等を実施し、取締役会及び経営執行会議で活動報告

2023年度    ・部所長向けアンコンシャスバイアス理解浸透研修(WEB研修  受講率94.6%)

            ・女性活躍推進委員会の3つの部会を2つに統合して前年度からの活動を継続

- 仕事と子育ての両立についての交流イベント実施

- 多様な働き方紹介(シェアオフィスの紹介、社内外のリモートワーク利用と生産性等実態調査)

            ・外国籍新入社員に対する相談会兼交流会の実施

- 外国籍社員の職場や仕事への適応促進等を目的とした、社長・担当役員との懇談、相談会兼交流会を実施

 

さらに、当社の気候変動への取組みは以下のとおりであります。

 

○気候変動への取組み

当社は気候変動への対応を重要な経営課題の一つと認識しており、重要な社会課題(マテリアリティ)として「カーボンニュートラル実現をはじめとする地球環境保全への取組み」を掲げております。こうした中、当社は気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、以下「TCFD」)の提言への賛同を表明いたしました。

TCFD提言は、企業等に対して気候変動に関する「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の開示を推奨しており、当社はTCFD提言に沿って情報開示を進めてまいります。そして、気候変動が事業に与える影響(リスクと機会)についての分析をもとに、リスクの低減及び機会の創出に向けた対策に取組んでまいります。

現状、具体的な取組みとしては、再生可能エネルギー由来の電気の調達を進めてきております。また、事業で使う自動車の電動車(電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車)へのシフトを進めており、温室効果ガス排出量を削減しております。

 

 

<シナリオ分析>

気候変動がもたらすリスク・機会を選別し、シナリオ分析を実施いたしました。シナリオ分析においては、移行面で影響が顕在化する2℃シナリオ(※1)と物理面での影響が顕在化する4℃シナリオ(※2)の2つを選択し、IEA(※3)が発行しているWEO(※4)等のデータをもとに、2050年における財務への影響について定性的に評価しております。

 

リスク・機会評価

大分類

小分類

リスク・機会項目

影響度

時間軸※5

移行リスク
(2℃シナリオ)

政策・法規制

カーボンプライシング導入によるエネルギー及び原材料調達コスト増加

中~長期

技術

脱炭素化に対応する製品・サービスの研究開発コスト増加

中~長期

市場

脱炭素社会への移行に伴う市場変化への対応遅れによる競争力低下

長期

機会
(2℃シナリオ)

エネルギー源

脱炭素化に向けたエネルギーシステム移行に伴う市場拡大

中~長期

製品・サービス

脱炭素化に貢献する製品・サービス開発による需要拡大

長期

資源の効率性・
強靭性

製造プロセス効率化及び省エネ推進による電力コスト削減

中~長期

物理的リスク
(4℃シナリオ)

慢性

ヒートストレスによる施工・保守点検の生産性低下

中~長期

急性

気象災害激甚化による工場操業停止及び工事遅延に伴うコスト増加

中~長期

機会
(4℃シナリオ)

製品・サービス

気候変動に対応する製品・サービス開発による需要拡大

長期

 

※1    2℃シナリオ…脱炭素社会に向けた規制強化や技術革新が進み、社会が変化することで気温上昇が持続可能な範囲で収まるシナリオ

※2    4℃シナリオ…脱炭素社会に向けた有効な対策が打ち出されず、気温上昇が継続し、異常気象や自然災害が激甚化するシナリオ

※3    IEA(International Energy Agency)…国際エネルギー機関

※4    WEO(World Energy Outlook)…世界エネルギー見通し

※5    時間軸は以下のように定義しています。

       中期:2030年頃

       長期:2050年頃

 

各シナリオにおける影響と対策・方針

 

2℃シナリオ

4℃シナリオ

影響

(分析結果考察)

・カーボンプライシング導入や脱炭素化に対応する製品・サービスの研究開発によりコストが増加する可能性がある。

 

・脱炭素社会への移行に伴う市場変化対応が遅れることで競争力が低下する可能性がある。

 

・一方で、脱炭素化に向けたエネルギーシステム移行に伴う市場拡大や脱炭素化に貢献する製品・サービス開発による需要拡大が期待できる。

・気象災害激甚化により、自社工場の操業停止や工事遅延に伴うコストが発生する可能性がある。

 

・一方で、気候変動に対応する製品・サービス開発による需要拡大が期待できる。

対策・方針

・カーボンニュートラル達成に向けて再生可能エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの電力調達を促進。

 

・脱炭素社会に向けた製品・サービスの開発を促進。

・不測の事態に備え、製造・施工・保守点検などの包括的なBCP対策強化を促進。

 

・ドライミストのような気温上昇対策に有効な製品や気象災害激甚化に対応する製品・サービスの開発を促進。

 

 

(4) リスク管理

<リスク・機会の管理体制>

サステナビリティ委員会は年2回の定例開催加え、必要に応じて随時開催する委員会において、重要な社会課題(マテリアリティ)に関連したリスク及び機会の識別、評価、各種施策の決定及び進捗確認等を行います。
  重要事項については取締役会に報告し、取締役会は報告された内容の審議、監督を行います。

また、当社はリスク統制機関としてリスクマネジメント委員会を設置しており、サステナビリティ委員会とリスクマネジメント委員会が連携しながら、全社的なリスクマネジメント体制を構築するものとしております。

 

<リスク・機会の評価プロセス>

STEP1    重要な社会課題(マテリアリティ)に関連したリスクと、リスクだけではなく機会もあわせて抽出。

STEP2    社会からの要請やステークホルダーの期待を踏まえたリスク及び機会の特定。

STEP3    重要度に応じた対応策の策定及び進捗確認。

STEP4    取締役会による審議、監督。

 

(5) 指標及び目標

○人材育成方針及び社内環境整備方針

上記「(3) 戦略」において記載した人材育成方針及び社内環境整備方針に係る指標に関しては、目標及び実績は次のとおりであります。
  ただし、この指標に関する目標及び実績は提出会社のものを記載しております。理由といたしましては、当社においては関連する指標のデータ管理とともに具体的な取組みが行われているものの、必ずしも連結グループに属する全ての会社では行われておりません。また、会社規模として連結グループにおいては主要な事業を営む当社単体が占める割合が大きいことから、当社の目標及び実績のみを記載しております。今後は連結グループに属する全ての会社におけるデータ管理と具体的な取組みについても検討いたします。

さらに、上級職(管理職相当)について、当社では人事制度として職能資格制度を採用しており、本人の能力に応じて昇格を実施しております。その中で、課レベルの組織のマネジメントができる者を上級職として昇格させており、上級職に昇格した者は人事異動や組織の改編などにより課レベル以上の組織のマネジメント職に就く可能性があることから、管理職相当と判断しております。

 

<女性社員の上級職(管理職相当)への登用>

2024年3月31日現在:13名
[今後の目標]2025年4月:15名  2030年4月:40名

 

<キャリア採用者の上級職(管理職相当)への登用>

現在、当社ではキャリア採用にも注力しており、直近3年平均では年間56名を採用、年間採用者数のおよそ45%をキャリア採用者が占めております。今後も少子高齢化が進展する中、新卒採用の競争が激化することが予想されます。そのため、即戦力の確保を目的として、年間50名程度(約40%程度)のキャリア採用を継続的に行う予定であります。

一方、全社におけるキャリア採用者の比率は25%であり、上級職(管理職相当)においては17%がキャリア採用者となっております。当社では資質や能力のある社員の中から新卒採用、キャリア採用の分け隔てなく、上級職(管理職相当)に登用しており、今後もその方針を継続する予定であることから、管理職におけるキャリア採用者の比率は現在の17%を最低水準として維持、向上させる予定であります。

 

 

<外国人の上級職(管理職相当)への登用>

近年、当社では外国籍社員の採用を積極的に推進しております。直近3年の年間平均採用数は3名で、今後も毎年3名程度の採用を継続する予定であります。また、入社後の定着率を向上させるため、外国籍社員の相談会兼交流会を開催しております。ただし、全社に占める外国籍社員の割合は1%にとどまり、2024年3月31日現在の上級職(管理職相当)の外国籍社員は1名であります。外国籍社員の大多数が若手社員であることから、現時点において上級職(管理職相当)への登用に関する目標値の設定は困難であると考えております。

 

○気候変動への取組み

当社は、カーボンニュートラルの実現を目指し、温室効果ガス排出量について中長期の削減目標を設定しております。

 

<カーボンニュートラル目標>

[長期削減目標] 2045年までに温室効果ガス排出ゼロを目指す(スコープ1、2※)

[中期削減目標] 2030年度までに温室効果ガス排出量を2018年度比で45%削減する(スコープ1、2※)
    ※スコープ1・・・直接排出量(ガソリン、軽油、灯油など)

    スコープ2・・・間接排出量(電力、冷温水など)

 

温室効果ガス排出量の実績値は算定中のため、取組み事例と合わせて2024年度発行の統合報告書にて開示予定であります。さらに、スコープ3についてはサプライチェーン全体での排出量可視化に向けた検討段階であり、現時点で実績算定及び目標設定はしておりません。今後取組みが進み次第、有価証券報告書及び統合報告書にて情報を開示いたします。