リスク
3 【事業等のリスク】
(1) 製品に関するリスク
経営の最重要課題として製品の品質管理の徹底・品質の向上に取り組んでおります。当社グループの鉄道信号関連事業は、鉄道交通の安全・安心に係る事業であり、列車運行の安全を支える製品(ATC(自動列車制御装置)・運行管理システム等のシステム製品及びATS(自動列車停止装置)・集中監視装置・電子踏切装置・軌道回路・リレー等のフィールド製品)をお客様に提供するために、品質のさらなる向上と過去発生した不具合発生事象の再発防止を徹底しています。しかしながら、当社グループの取り組みの範囲を超える品質問題が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクが考えられます。
(2) 鉄道業界を取り巻く環境リスク
鉄道業界においては、新型コロナウイルスに起因する行動制限の解除により経済活動正常化の流れが継続する中で、リモートワーク等の定着、訪日外国人数の低迷等により落ち込んでいた鉄道利用者が、コロナ前の約9割程度まで回復しました。さらに、個人消費やインバウンド需要増加により、今後も堅調に推移するものと期待されます。これに伴い、これまで継続されてきた設備投資や経費の抑制についても一部緩和が期待されますが、長期的には、コロナ禍を契機に、鉄道事業者各社の構造改革への取り組みが進み、設備や業務のスリム化が進められることも予想され、今後とも、鉄道事業者の設備投資計画如何によっては、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクが考えられます。
(3) 経営成績に重要な影響を与えるリスク
鉄道信号コア技術の堅持と新技術への挑戦に努めていますが、当社グループを取り巻く事業環境は、重電各社の参入等により競争が激化しており、経営成績に重要な影響を与えるリスクがあります。当社グループとしては、永年培ってきたユーザーとの信頼関係をベースに、お客様満足度の向上に注力するとともにきめ細かい営業活動の展開により受注の確保を図ってまいります。
また、当社製品の部材の多くは海外製品に依存しており、為替変動の影響を、調達先を通じたコスト増の形で受けることがあります。特に、原油高をはじめとする原材料費上昇や半導体を中心とする部品・素材不足の長期化等、取り巻く環境の厳しさが増すことも想定されますが、これまで以上に、生産体制の効率化等に取り組んでまいります。
(4) 天変地異等に関するリスク
製造リスクの分散の観点から、当社グループの製造拠点等は、東京・福島・山梨・盛岡に分散しています。しかしながら、地震や洪水、台風、火山噴火等の大規模自然災害やテロ等が発生した際は、生産能力の低下等が懸念され当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクが考えられます。
また、当社の海外事業に関しては、海外輸出先における政治的及び社会的要因、経済の動向等様々な要因により、事業開発に悪影響を受ける可能性があります。
加えて、グループ会社における火災被害の経験を踏まえ、再発防止の実施を進めるとともに、万一火災が発生した場合も被害の最小化に努めてまいりますが、被害規模によっては、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクが考えられます。
(5) 将来に関する事項について
以上に記載している将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月27日)現在において当社グループが判断したものであります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は企業体質の強化を図りながら、継続的な安定配当を基本に、業績等を勘案して利益配分することを基本方針としております。
当社の剰余金の配当は、期末配当の年1回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、株主総会であります。
当事業年度の剰余金の配当につきましては、安定配当の方針に基づき、1株につき10円としております。
内部留保資金の使途につきましては、今後の事業展開への備えと設備更新及び研究開発等に投入していくこととしております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。