2024年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を与える可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、以下に記載しました将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応についてリスク管理体制を構築しておりますが、以下の記載は当社グループの事業に関連するリスクのすべてを網羅するものではありません。

 

1.当社グループの事業について

① グローバルデータインテリジェンス事業

・最近の動向と当社グループの対応について

当事業は、持分法適用関連会社であるCellebrite社において開発・製造されるデジタルインテリジェンス・ソリューション及び、海外他社のセキュリティ商材の国内販売を行っております。戦争やパンデミック等による大幅な物流遅延や為替変動により当事業の経営成績が影響を受ける可能性があります。

② エンターテインメント関連事業

・法令規則の影響等について

エンターテインメント関連事業の販売に係る製品の顧客は、パチンコ業界の遊技機メーカーであります。パチンコ業界は、「風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律」等の法令規則の規制を受けております。また、遊技機メーカーまたはパチンコホールの業界団体は、行政の指導により自主的な規制を行うことがあります。このため、法令規則の改正及び自主規制により遊技機メーカー及びパチンコホールの経営環境が急激に変化した場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

また、エンターテインメント関連事業は、需要変動が比較的大きな傾向を有しております。当社グループでは、市場動向への適切な対応に努めるべく各種の施策を講じておりますが、これらの施策にもかかわらず当社グループの経営成績が大きく変動する可能性があります。

・遊技機制御基板

ⅰ) 最近の動向と当社グループの対応について

最近の市場動向としましては、遊技人口の減少やパチンコホールの減少等により、遊技機メーカーの販売台数は、減少傾向に推移することが推測されます。このような状況の中、パチンコホールの新機種導入は、ゲーム性が高く集客が見込める機種に集中する傾向が高まっております。

当社グループでは、このような市場環境に対応すべく、遊技機の開発及び生産面において、取引先に対する協力体制の構築に努めており、従来の取引関係、開発・販売実績等から、安定的な取引関係を有しているものと考えております。しかしながら、競合状況等によっては、現在の取引関係が今後も維持し得るかは明らかではありません。

また、遊技機の需要動向等により業績が大幅に変動する場合があります。

ⅱ) 法的規制について

当事業が製造・販売する制御基板が組込まれる遊技機は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づき、国家公安委員会規則第四号(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)で定められた「技術上の規格」に適合することが必要であります。そのため、機種毎に国家公安委員会の指定試験機関による型式試験及び各都道府県の公安委員会による型式検定を受けており、指定試験機関の型式試験に合格した機種が販売を許可され、その後、各都道府県公安委員会による検定に適合した機種だけがパチンコホールに導入されます。

今後、これらの法律・規制等に重大な変更が加えられた場合、遊技機の開発・製造・販売のため新たな対応を余儀なくされる可能性があります。当事業はこれらの要因に対し、適切な対応を図るよう努めておりますが、これらの対応にもかかわらず、当事業の販売計画・経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

ⅲ) 特定の取引先との取引関係について

当社グループが開発・製造する遊技機制御基板の販売は、少数かつ特定の遊技機メーカーに限定されております。なかでも、株式会社藤商事に対する販売実績比率が高くなっております。

当事業では、これら少数かつ特定の遊技機メーカーとは、安定的な取引関係にあり、企画提案力の向上を図る等、より一層の関係強化に努めておりますが、これら販売先の販売状況・仕入方針・他の遊技機制御基板メーカーとの競合の状況によっては、当事業の経営成績が影響を受ける可能性があります。

ⅳ) 需要の大幅な変動について

遊技機は、新機種の発売当初に急激に需要が増加し、ヒット機種以外ではその後の需要は急速に減少する傾向を有しております。また機種毎の需要動向は、遊技者の嗜好の変化、遊技機メーカーの競合の状況、遊技機の規制の変更等により、大幅に変動する傾向を有しております。このため、当社グループが開発・製造・販売を行っている遊技機制御基板の需要動向も、大幅に変動する傾向を有しております。

当事業では、このような需要動向の変化に対応できる生産体制をとっておりますが、昨今の半導体の調達難も相まって、想定していない需要が生じた場合、又は製品への需要が想定を大幅に下回った場合等には、新たな対応を余儀なくされ、そのような場合には、当事業の経営成績が影響を受ける可能性があります。

また、パチンコ業界に対する行政指導等、予想し得ない変化が発生した場合、当事業の経営成績が影響を受ける可能性があります。

・樹脂成形品及び金型

当事業は、イードリーム株式会社において射出成形による樹脂成形品及び金型の製造・販売を行っております。射出成形・金型加工技術は、当社グループの遊技機関連事業・情報通信関連事業の製品製造に不可欠であり、同社の射出成形・金型加工技術の維持向上を図り、パチンコ業界への企画提案営業を推進しております。しかしながら、主要な販売先は遊技機メーカーであるため、遊技機の需要動向等によっては、当事業の経営成績が影響を受ける可能性があります。

③ 新規IT関連事業

・IoT向け通信機器

ⅰ) 最近の動向と当事業の対応について

IoT通信機器市場は、モバイル通信インフラの急速な高速・大容量化と通信料金の固定化・低価格化、またクラウド環境のインフラを利用し、あらゆる機器がインターネットへつながるIoT(Internet of Things)への関心の高まりと相まって、その規模は急速に拡大しておりますが、他業種からの新規参入も相次ぎ、IoT通信機器関連製品及び関連サービスの競争は激しさを増しております。

当事業では、特に産業用IoT(IioT)市場に焦点をあて、そのニーズを的確に捉えた新製品の開発をいち早く行うことで、価格競争に巻き込まれない事業展開を図りますが、対応が遅れたり、予想し得ない新技術が普及し新たな対応を余儀なくされた場合、更には、他社との競合状況等によっては、当事業の経営成績が影響を受ける可能性があります。

ⅱ) 法的規制について

当社グループが開発・製造・販売を行っているIoT向け通信機器は、電気通信事業法に基づき、総務省が定める技術基準に適合することが必要であり、このため機種毎に指定試験機関(一般財団法人電気通信端末機器審査協会(JATE)及び一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター(TELEC))による審査・認定を適宜受けております。

今後、これらの法律・規格等の改廃が行われた場合、当事業において新たな対応を余儀なくされる可能性があり、経営成績に影響を与える可能性があります。

 

2.当社グループの財政状態及び経営成績の変動について

当社グループは、連結財務諸表作成時において、在外連結子会社及び持分法適用関連会社の財務諸表は円換算されるため、米ドル、イスラエル・シェケル、マレーシア・リンギット等の為替の変動は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

3.その他事業遂行上のリスクについて

① 事業投資等について

当社グループは、今までに蓄積してきました最新の技術を積極的に自社事業展開に応用し、これらの技術を軸とした、自社事業とのシナジー効果が見込まれるビジネスパートナーとの資本・業務提携等を積極的に行ってまいります。

しかしながら、当初想定していた相乗効果が得られない場合、また、投資金額の回収が困難である場合等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

② 情報セキュリティについて

当社及び国内連結子会社は、経営に関する情報・取引先に関する情報・個人に関する情報の保護の観点から、情報システムセキュリティに関する社内規程を整備し、個人情報保護方針の策定、ITセキュリティの強化、従業員教育等を実施しております。

しかしながら、過失や外部からの攻撃等により情報漏洩・改ざん等の問題が発生した場合には、損害賠償金等の費用発生、信用低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

③ 知的財産権について

当社グループでは、製品・サービスの企画・開発過程で創造される発明案件につきましては、法務・知的財産部が管理を行い、顧問弁護士・弁理士と連携の上、速やかに特許申請等を行える体制を構築しております。また、特許申請を行わない方が競争優位に立てると判断した発明案件につきましては、意図的に特許申請を行わない場合もあります。しかしながら、他社による類似製品及びサービス等の製造・販売を効果的に防止できない可能性があります。

一方、他社の知的財産権の侵害を回避するため、法務・知的財産部において事前調査を実施しておりますが、当社グループが他社の知的財産権を侵害していると司法判断され、知的財産権の使用料・損害賠償金等を請求された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

④ 海外事業展開について

当社グループは海外への事業展開を積極的に進めており、当社グループが事業展開する国・地域における政治、社会、経済状況、関連法規制等につきましては、現地の動向を随時把握し、適切に対応していくよう努めております。

しかしながら、当該国・地域における紛争・自然災害・疾病流行等の発生、社会環境の変化、関連法規制の変更等、不測の事態が発生し、計画通りの事業展開が見込めない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、配当につきまして、中長期的な企業価値向上のため、将来に向けての事業展開と経営基盤を強化するため、中長期のフリー・キャッシュ・フローの推移を考慮しつつ、その水準については収益動向等の経営成績や将来の見通しの観点によるほか、安全性や内部留保とのバランスにも留意した利益還元を行なうことを基本方針としております。

 

当事業年度に係る剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額
(千円)

1株当たり配当額
(円)

2024年6月25日

定時株主総会決議

889,538

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