2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

電子システム事業 マイクロエレクトロニクス事業 製品開発事業
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
電子システム事業 3,505 49.4 434 71.8 12.4
マイクロエレクトロニクス事業 2,105 29.7 243 40.3 11.6
製品開発事業 1,482 20.9 -73 -12.1 -4.9

事業内容

3【事業の内容】

 当社は、半導体に関する事業分野について設計・生産・販売・サービス活動を展開しております。魚津工場及び福島事業所では、電子機器製品や半導体検査装置、システム製品、カメラモジュール製品などを生産しており、本社、東京デザインセンター、横浜デザインセンター、大阪デザインセンター、福岡デザインセンター、九州事業所及び熊本事業所の各拠点では営業、設計開発及び保守業務を行っております。また、販売については、一部を除き直販体制をとっております。

 なお、次の3部門は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 以下の(※)表記のある用語・内容につきましては、本項末尾の《用語解説》の項におきまして解説しておりますので、ご参照ください。

 当社の事業セグメント別の主要製品及び技術は、次のとおりです。

事業セグメント

区分

主要製品及び技術

電子システム事業

半導体検査・装置関連

バーンイン装置、バーンイン装置レンタル、バーンインボード(※1)、半導体部品の検査ボード、半導体のテストプログラム、各種電子機器検査用ボード、専用計測器、高速通信機器、電子機器の開発・設計・製造

マイクロエレクトロニクス事業

LSI(※2)設計

(アナログ・デジタル)

電源IC(※3)設計、高速I/F(※4)設計、イメージセンサ設計、画像処理系LSI設計、FPGA(※5)設計、ASIC(※6)設計、技術者派遣

IPコア(※7)

JPEG(※8)、MIPI(※9)、ISP(※10)

製品開発事業

製品開発事業

画像関連機器、CMOS(※11)カメラモジュール、画像処理システム、画像処理モジュール

 

(1)電子システム事業

 電子システム事業では、半導体製造工場で使用される検査関連機器及び装置を扱っております。半導体検査業務は顧客企業の製品に必要な工程であり、特に車載向けの顧客製品では、同工程は重要な検査工程です。

 当社は半導体検査工程のうち、主に車載用半導体部品に検査実施が要求されるバーンイン装置とバーンインボード及び周辺機器や治具の開発・製造を行っております。

 また、半導体周辺機器開発により培われた技術で、産業顧客の製品生産工程における検査ボードや専用計測器、更には各種電子機器の開発・設計・製造を行っております。

 

(2)マイクロエレクトロニクス事業

 マイクロエレクトロニクス事業では、半導体のLSI設計(アナログ・デジタル)及びIPコアの開発などを行っております。

 LSI設計アナログ系では、回路設計、レイアウト設計、特性評価から、テスト部門との連携によるLSIテストプログラム作成までの一貫設計体制を構築しております。また、設計技術者の人材派遣を行っております。特に、高速I/F及び電源ICの設計技術で設計・評価技術を確立しております。また、LSI設計デジタル系では、画像処理及び高速I/Fをメインに設計しております。開発したLSIの主な用途としましては、デジタル情報家電(携帯電話、DVD、デジタルカメラ、液晶テレビなど)及び車載機器関連(カーナビゲーションなど)となっております。

 ASIC開発で培った画像処理技術をベースに、オリジナルIPコアの開発を行っており、豊富な実績を誇るIPコアのライセンスから周辺回路設計やカスタマイズまで対応可能であります。

 

(3)製品開発事業

 画像技術を活用した産業用組込カメラ、画像処理カメラの開発・製造及びシステムの開発を行っております。複雑な画像処理をカメラ単体で実現可能としており、画像検査や計測、各種認識処理等、様々な用途に幅広く活用できます。専用クリーンルームを完備した国内自社工場での一貫生産による、高信頼性と中長期にわたる安定供給を実現しています。

 システム開発事業は、主に画像処理システムを開発しております。カメラを中心としたソフト開発を行っており、組み込みカメラシステム分野での技術力が強みとなっております。

 

《用語解説》

(※1) バーンインボード

 バーンインは、半導体の初期不良を除去する選別方法の一種で、半導体製品を通常の使用状態よりも高温環境下で動作させることで、通常の使用環境であれば2~3年以内で故障するおそれのある半導体を取り除くテスト工程(パッケージバーンインテスト)です。バーンイン装置は、高温環境下をつくる試験装置、バーンインボードは、半導体を動作させる周辺回路を持ち、バーンイン装置内で駆動するボードのことです。

 

(※2) LSI(Large Scale Integrated Circuit)

 「LSI」とは、シリコンウェハ(半導体製品の製造に使用される導体と絶縁体の中間の性質を持つ物質)で形成される大規模集積回路を意味しております。「LSI」は、Large Scale Integrationの略称であり、「半導体」とも呼ばれています。

 

(※3) IC(Integrated Circuit)

 半導体集積回路。トランジスタ、抵抗、コンデンサ、ダイオードなどの素子を集めて基板の上に装着し、各種の機能を持たせた電子回路のことです。

 

(※4) I/F回路(アイエフ回路)

 受信機・通信機において周波数変換された信号を処理する電子回路のことです。

 

(※5) FPGA(Field Programmable Gate Array)

 ユーザーが欲しい機能を作る(プログラムする)ことができる論理LSIのことです。マイクロプロセッサやASIC(ある特定用途のために設計されたIC)の設計図を送り込んでシミュレーションすることができます。

 

(※6) ASIC(Application Specific Integrated Circuit)

 ある特定の用途のために設計されたICのことです。注文に応じてゼロから設計するフルカスタムICと、あらかじめ特定の機能を持った回路ブロックを組み合わせた「半完成品」をもとに、配線を変えることで要求に合わせるセミカスタムICの2種類があります。

 

(※7) IPコア(Intellectual Property)

 「IPコア」とは、LSIを構成するための部分的な回路情報のうち、特に単一機能でまとめられた物を指します。「IPコア」は、Intellectual Property Coreの略称です。

 

(※8) JPEG(Joint Photographic Experts Group)

 静止画像データの圧縮方式の一つです。ISOにより設置された専門家組織の名称がそのまま使われています。圧縮の際に若干の画像劣化を許容する(一部のデータを切り捨てる)方式と、まったく劣化のない方式を選ぶことができ、許容する場合はどの程度劣化させるかを指定することが可能です。現在のデジタルカメラのほとんどは、記録画像のファイル形式にJPEGを使用しています。

 

(※9) MIPI(Mobile Industry Processor Interface)

 非営利な企業団体MIPI Alliance(本部米国:ノキア、テキサス・インスツルメンツ等により設立)が策定する、モバイル機器のカメラやディスプレイとのインターフェイス規格です。

 

(※10) ISP(Image Signal Processor)

 「ISP」とは、カメラの中に入っている機能であり、画像の信号を処理する機能です。

 

(※11) CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)

 半導体素子の構造の一つで、金属酸化物でできた一対のP型トランジスタとN型トランジスタを組み合わせたもの。消費電力が少なく高速に動作するため、半導体製品の多くに採用されております。

 

[事業の系統図]

 

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における資産合計は、5,754,517千円となり、前事業年度末に比べ、573,922千円増加いたしました。これは主に、土地が158,749千円、建物(純額)が157,755千円、契約資産が83,642千円、製品が68,855千円、ソフトウエア仮勘定が50,770千円、受取手形が48,533千円増加した一方、建設仮勘定が67,400千円、原材料及び貯蔵品が32,061千円減少した影響によるものであります。

(負債)

 当事業年度末における負債合計は、3,205,988千円となり、前事業年度末に比べ、106,314千円増加いたしました。これは主に、資産除去債務が110,000千円、短期借入金が100,000千円、退職給付引当金が64,214千円、未払費用が62,540千円増加した一方、支払手形が142,924千円、長期借入金が115,071千円減少したことによるものであります。

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は、2,548,528千円となり、前事業年度末に比べ、467,607千円増加いたしました。これは主に、繰越利益剰余金が438,082千円増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は44.3%(前事業年度は40.2%)となりました。

 

② 経営成績の概況

 当事業年度においては、インフレの進行、政策金利の引き上げ、ウクライナやイスラエルでの紛争、原材料やエネルギー価格高騰、中国景気の減速等もあって世界的に消費者の購買意欲が高まらない状態で推移し、先行きの懸念感は収まりませんでした。

 半導体市場は、メモリ分野の低迷、DRAMやNANDフラッシュメモリが大幅に下落、一方でメモリ以外の製品分野ではわずかなマイナスにとどまり、第4四半期から回復し始めた様相となりました。地域別では、アジア・太平洋地域が唯一2年連続のマイナス成長となりました。

 当社においては、半導体商材(特にバーンインボード)の一服感が上期から現れるとの見通しが遅れて現れたため、上期は計画以上の実績となりましたが、下期には一服感が現れたことで計画比マイナスとなりました。

 年間を通じては売上・利益ともに計画を上回り、前年比では増収となりましたが、利益については経常ベースで若干の減益となるも当期純利益では若干の増益の結果となりました。

 2024年度の世界半導体市場は、世界全体で二桁の成長が予測されており、特にメモリ分野の高い成長が見込まれ、日本の半導体市場は過去最大に接近すると予測されています。

 このような環境の中、電子システム事業においては、主要顧客のパワー半導体やセンサー向けカスタムバーンイン装置の開発、用途展開に注力しました。車載機器向け専用計測器は下期から主要顧客の国内外拠点向けで投資が増加し前年同等の受注となりました。また、IoT-PLC高速通信モジュールでは異業種のお客様への実運用導入の実績を作ることができました。2023年12月末に株式会社アウトソーシングテクノロジーから一部事業譲渡を受けたものづくり事業(現:当社の福島製造部)については、2023年度第4四半期において売上貢献がありました。

 マイクロエレクトロニクス事業においては、アナログLSI設計受託売上の安定化に向けて、センサー半導体に注力するとともに、インターフェース、電源、組み込みメモリをターゲットにした新規顧客開拓を続けてきました。また、デジタルLSI設計受託については車載分野での設計に注力しました。その結果、アナログLSI設計受託、デジタルLSI設計受託ともに車載分野でのテーマを獲得でき売上に貢献しました。一方、業界における旺盛な半導体需要のために設計人材の確保が難しい状況が続いています。IP関連事業については、安定したJPEG-IPが売上に貢献しました。また、新しい規格に沿ったJPEG-IPの開発も進めています。

 製品開発事業においては、労働力不足の対策の一つとなるセルフレジなど好調なアプリケーションがある反面、マイナンバーカードの政治的な推進力停滞により医療分野以外へのカードアプリケーション導入が大きく遅れ売上に影響が出ました。一方、新たな商品となります医療・介護向けカメラシステムは、試作品による施設評価を実施し製品開発工程へ移行しました。また、カスタム製品として国内ATM向け小型カメラの量産開始、2024年度量産に向けたコミュニケーションロボット向けカメラの開発を完了しました。

 この結果、当事業年度の業績は、売上高7,091,921千円(前期比9.5%増)となり、営業利益は604,553千円(同8.0%減)となり、経常利益は639,343千円(同4.3%減)となり、当期純利益は509,571千円(同6.8%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

a.電子システム事業

 電子システム事業は、昨年夏頃には車載半導体の市場在庫不足が解消され供給回復になったことで、下期より車載半導体主要顧客の生産増加用設備投資は減少に転じました。一方でパワー半導体やセンサーの新製品向けカスタムバーンイン装置は、新しい仕様開発や新型モデルの受注が増加し、前事業年度を大きく上回りました。車載機器向け専用計測器商材は、主要顧客の国内外拠点への導入が下期に増加し前事業年度同等の受注結果となりました。IoT-PLC高速通信モジュールは新規顧客開拓、取引実績拡大に取り組みました。また、株式会社アウトソーシングテクノロジーから一部事業譲渡を受けたものづくり事業で第4四半期において売上貢献がありました。

 これらの結果、売上高は3,504,829千円(前期比18.9%増)、セグメント営業利益は434,228千円(同21.7%増)となりました。

 

b.マイクロエレクトロニクス事業

 マイクロエレクトロニクス事業は、旺盛な半導体需要に支えられ半導体の設計需要が堅調に推移しました。一方、業界における旺盛な半導体需要のために設計人材の確保が難しく人員計画が未達となり売上に影響が出ました。アナログLSIにおいては、センサー半導体に注力するとともにインターフェースやパワー半導体、組み込みメモリを主体とした車載分野でのアナログ設計受託が順調でした。デジタルLSIにおいては、DSC向け画像処理関連のデジタル設計が収束しました。受託分野をシフトした自動車向けデジタル設計受託や医療機器向けFPGA設計は堅調に推移しました。IP分野においてはJPEG-IPの販売が計画通りに推移しました。

 これらの結果、売上高は2,105,484千円(前期比1.8%増)、セグメント営業利益は243,468千円(同6.1%減)となりました。

 

c.製品開発事業

 製品開発事業は、小売店に導入が加速しているセルフレジ向け製品の出荷が増えました。また、アミューズメント機器向けカメラの量産も開始する事ができました。一方、マイナンバーカード読み取りカメラの量産計画遅れやFA検査装置向けカメラの出荷が減った事により売上は計画未達となりました。

 これらの結果、売上高は1,481,608千円(前期比1.4%増)、セグメント営業損失は73,143千円(前事業年度はセグメント営業利益41,264千円)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、508,549千円となりました。前事業年度末に比べて21,149千円減少いたしました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、獲得した資金は495,213千円(前期比721.3%増)となりました。これは主に、税引前当期純利益639,343千円、減価償却費100,923千円、売上債権及び契約資産の増加額162,145千円、仕入債務の減少額

181,406千円、法人税等の支払額150,980千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は357,407千円(前期比55.2%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出172,976千円、無形固定資産の取得による支出132,662千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は158,955千円(前事業年度は170,916千円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の増加額100,000千円、長期借入金の返済による支出158,294千円、配当金の支払額66,203千円等によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

電子システム事業(千円)

3,612,432

118.3

マイクロエレクトロニクス事業(千円)

2,105,231

102.0

製品開発事業(千円)

1,491,910

96.2

合計(千円)

7,209,574

108.1

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去項目はありません。

2.金額は販売価格によっております。

 

b.受注実績

 当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

電子システム事業

2,821,799

83.5

617,237

49.0

マイクロエレクトロニクス事業

2,032,232

90.8

567,518

89.7

製品開発事業

1,448,474

93.8

949,920

101.2

合計

6,302,505

88.0

2,134,676

75.4

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去項目はありません。

2.金額は販売価格によっております。

 

c.販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

電子システム事業(千円)

3,504,829

118.9

マイクロエレクトロニクス事業(千円)

2,105,484

101.8

製品開発事業(千円)

1,481,608

101.4

合計(千円)

7,091,921

109.5

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去項目はありません。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当事業年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社

809,540

12.5

1,121,847

15.8

ルネサスエレクトロニクス株式会社

770,143

11.9

768,326

10.8

株式会社デンソー

920,074

14.2

674,850

9.5

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当事業年度の業績は、売上高7,091,921千円(前期比9.5%増)、営業利益は604,553千円(同8.0%減)、経常利益は639,343千円(同4.3%減)、当期純利益は509,571千円(同6.8%増)となりました。

 当事業年度における総資産は5,754,517千円となり、前事業年度末に比べ573,922千円増加いたしました。当事業年度における負債合計は3,205,988千円となり、前事業年度末に比べ106,314千円増加いたしました。当事業年度における純資産合計は2,548,528千円となり、前事業年度末に比べ467,607千円増加いたしました。

 なお、財政状況の詳細においては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載しております。

 当社の経営成績に重要な影響を与える主要因として、主要顧客の受注状況、販売状況が挙げられます。その対応の詳細については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境と経営戦略」に記載しております。

 セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、前述の「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の概況」に記載のとおりです。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

b.資金需要

 当社の運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料仕入、外注費の支払及び製造費用並びに販売費及び一般管理費等によるものであります。また設備資金需要のうち主なものは、生産並びに生産技術効率の向上のための設備投資であります。

 

c.財務政策

 当社の主たる市場である半導体に関連する事業分野は特有の急激な需要変動が生じやすいため、このような経営環境に対応すべく自己資本比率の向上により強固な財務体質の強化・維持に努めております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

a.棚卸資産

 当社は、棚卸資産の評価において原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しており、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。また、一定期間を超えて滞留する棚卸資産については、規則的に帳簿価額を切下げる方法を採用しております。将来、市況の変動や需要動向により、追加の評価減が必要になる場合があります。

 

b.受注損失引当金

 第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

c.繰延税金資産

 当社は、繰延税金資産については、将来の課税所得の見積りにより回収可能性の評価を行っております。繰延税金資産の回収可能性に影響を与える要因の発生が予測される場合には、繰延税金資産の計上金額に影響を及ぼします。

 

d.固定資産の減損会計

 当社は、資産を用途により事業用資産、賃貸用資産に分類しております。また、管理会計上の区分を基準に、事業用資産は事業本部別、賃貸用資産は個別資産ごとにグルーピングしております。

 減損の対象となった固定資産は、資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った差額を減損損失としております。将来、この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生する可能性があります。