2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    611名(単体) 1,211名(連結)
  • 平均年齢
    44.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    20.4年(単体)
  • 平均年収
    8,870,326円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

ファインメカトロニクス

690

メカトロニクスシステム

238

流通機器システム

88

不動産賃貸

11

全社(共通)

184

合計

1,211

(注)従業員数は就業人員であります。

(2)提出会社の状況

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

611

44.7

20.4

8,870,326

 

セグメントの名称

従業員数(名)

ファインメカトロニクス

244

メカトロニクスシステム

183

全社(共通)

184

合計

611

(注)1.従業員数は就業人員であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

(3)労働組合の状況

当社グループには芝浦メカトロニクス労働組合が組織(組合員数349名)されており、東芝グループ労働組合連合会に属しております。

なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

   (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

   (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

3.72

66.7

70.0

69.3

61.0

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

4.労働者の男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、同一労働の賃金に差はなく、資格・役職別人数構成の差によるものであります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ全般

当社では、サステナビリティを巡る課題への対応を当社の経営課題及び経営戦略の一つとして捉え、当社グループにおけるサステナビリティ基本方針を策定し、この方針に基づく活動を行っております。

この活動に当たっては、当社グループが取り組むべきマテリアリティ(重点課題)を特定した上、具体的な達成目標や施策を定めております。

 

<基本方針>

芝浦メカトロニクスグループは、事業を通じて、コーポレートスローガン、経営理念の考えを実践していくこと、ESGを重視した事業プロセスで、社会やステークホルダーの信頼に応えていくことが、わたしたちのサステナビリティの取組だと考えます。

わたしたちは、ものづくりを支える存在として、技術革新、社会の発展に貢献します。

そのために、わたしたちは常に考え、進化し続け、お客様に優れた技術・サービスを提供する企業であり続けます。また、わたしたちは、社会・ステークホルダーから信頼される企業であり続けます。

そのために、ESGを重視した事業活動を推進し、誠実で透明性の高い経営を続けます。

芝浦メカトロニクスグループは、このサステナビリティの取組により、人々の豊かな暮らしの実現を目指します。

 

<マテリアリティ>

・最先端技術の開発・提供でデジタル社会に貢献

・研究開発・製造プロセスで産業競争力の維持・向上に貢献

・環境調和型製品の開発・提供でグリーン社会に貢献

・品質・サービスで顧客の安定稼働・生産性に貢献

・気候変動への対応

・環境負荷の低減

・多様な人財が活躍できる環境づくり

・サプライチェーンマネジメントの強化

・ガバナンスの強化

 

①指標及び目標並びに戦略

各マテリアリティに関する指標及び目標並びに戦略は次のとおりであります。

 

(最先端技術の開発・提供でデジタル社会に貢献)

本マテリアリティについては、事業を通じて展開するマテリアリティとして、当社グループにおける2033年に向けた長期的経営ビジョンである「芝浦ビジョン2033」及び中期経営計画と連動した取組により、達成を目指してまいります。

具体的には、長期目標を「社会変化を見据えた最先端技術の開発・提供により、デジタルを活用したより豊かで創造的な社会を創出」とし、戦略として、当社の強みであるコア技術(精密メカトロニクス、洗浄、ボンディング、エッチング、真空、成膜等)を活用したグローバルニッチトップ製品を半導体分野を中心に供給していくことなどに取り組んでおります。

この取組により、当連結会計年度における目標である連結売上高660億円、連結営業利益105億円、ROS15.9%、ROE21.0%に対し、連結売上高676億円、連結営業利益117億円、ROS17.3%、ROE24.5%を達成いたしました。

 

 

(研究開発・製造プロセスで産業競争力の維持・向上に貢献)

本マテリアリティについては、事業を通じて展開するマテリアリティとして、当社グループにおける2033年に向けた長期的経営ビジョンである「芝浦ビジョン2033」及び中期経営計画と連動した取組により、達成を目指してまいります。

具体的には、長期目標を「ものづくり人財の育成強化や知的財産の創出とマネジメントの深化により、グローバル展開する企業として産業競争力の維持・向上を実現」とし、戦略として、2023年度から2025年度までの中期経営計画期間においては、知的財産創出の基となる研究開発体制の整備に向け、主に半導体分野での研究開発や関連設備への投資に取り組んでおります。

研究開発関連投資は、当該中期経営計画において総額200億円を目標としており、当連結会計年度においては、これらの取組により、78億円を実施いたしました。また、これらの取組に加え、2023年7月には、今後ますます需要が高まる半導体製造装置分野における研究開発促進のため、横浜事業所には研究開発新棟を建設し、さがみ野事業所にはクリーンルームを増設することを決定いたしました。研究開発新棟については、2025年8月に竣工予定としており、クリーンルームについては、増設が完了し、2024年4月から稼働しております。

 

(環境調和型製品の開発・提供でグリーン社会に貢献)

本マテリアリティについては、事業を通じて展開するマテリアリティとして、当社グループにおける2033年に向けた長期的経営ビジョンである「芝浦ビジョン2033」及び中期経営計画と連動した取組により、達成を目指してまいります。

具体的には、長期目標を「エネルギー使用量、原材料使用量を削減する技術・プロセスの開発を進め、当社製品ライフサイクルにおいて環境負荷を低減する製品の開発・提供を推進」とし、戦略として、開発・設計段階での環境影響の定量評価や前機種からの改善を進め、当社基準に適合する環境調和型製品「SM-ECP(Shibaura Mechatronics Environmentally Conscious Product)」の創出に取り組んでおります。

この取組により、当連結会計年度においては、半導体ウェーハ研磨後洗浄装置、フリップチップボンディング装置等の特定の機種をSM-ECPに認定し、当連結会計年度における目標である売上高に占める環境調和型製品比率85%以上に対し、97.6%を達成いたしました。

 

(品質・サービスで顧客の安定稼働・生産性に貢献)

本マテリアリティについては、事業を通じて展開するマテリアリティとして、当社グループにおける2033年に向けた長期的経営ビジョンである「芝浦ビジョン2033」及び中期経営計画と連動した取組により、達成を目指してまいります。

具体的には、長期目標を「製造装置について、グローバルでレジリエントな供給・稼働を実現し続け、顧客の継続的発展が維持されている」とし、戦略として、国内外の販売・サービス子会社が、当社製品のユーザの所在国・地域内又はその近隣に拠点を置き、迅速に保守、メンテナンスのサービスを提供しているほか、一部の子会社では当社製品以外の設備についても保守、メンテナンスのサービスを請け負うなどして取り組んでおります。

この取組により、当連結会計年度における目標である連結売上高に占めるサービス事業による売上高比率20%以上を目指したものの、達成に至りませんでしたが、当連結会計年度においては、新たに製品とサービスの一体提案により付加価値をさらに高める検討を開始するなど、本マテリアリティの長期目標及び「芝浦ビジョン2033」の達成を目指して取り組みました。

 

(気候変動への対応)

本マテリアリティについては、価値創出の基盤となるマテリアリティとして、達成を目指してまいります。

具体的には、長期目標を、当社グループにおける二酸化炭素排出量(2019年度Scope1及び2基準)を2030年度までに50%削減することなどとし、戦略として、発電事業者との間で締結したCPPA(Corporate Power Purchase Agreement)に基づく再生可能エネルギー電力の導入、空調設備をはじめとする省エネ設備への更新等に取り組んでおります。

なお、当連結会計年度における二酸化炭素排出量(Scope1及び2)は、前年度に比べ約5.1%減少いたしました。

 

 

(環境負荷の低減)

本マテリアリティについては、価値創出の基盤となるマテリアリティとして、達成を目指してまいります。

具体的には、長期目標を、当社グループにおける廃棄物再資源化率99%以上を継続することなどとし、戦略として、廃棄物の分別、発生抑制、再使用、再生利用等の徹底のほか、地球環境に配慮した部材製品の調達を基本方針とするグリーン調達の推進等に取り組んでおります。

なお、当連結会計年度における廃棄物再資源化率は99.9%となりました。

 

(多様な人財が活躍できる環境づくり)

本マテリアリティについては、価値創出の基盤となるマテリアリティとして、達成を目指してまいります。

具体的には、長期目標を、当社グループにおける女性管理職比率を2033年度までに10%以上とすることなどとし、戦略として、フレックスタイム制、短時間勤務制、在宅勤務制等の多様な働き方を支える制度の導入に取り組んでいるほか、当連結会計年度においては育児休業期間の延長を行いました。

なお、当連結会計年度における人的資本及び多様性に関するその他の取組状況については、「(3)人的資本・多様性に関する取組」に記載のとおりです。

 

(サプライチェーンマネジメントの強化)

本マテリアリティについては、価値創出の基盤となるマテリアリティとして、達成を目指してまいります。

具体的には、長期目標を「信頼関係に根付いたパートナーシップと開かれた機会の提供」とし、戦略として、主要サプライヤーを対象とした法令・社会規範、人権、労働安全衛生等に関する取組状況のアンケート調査、当社と主要サプライヤーとの間の情報共有を目的としたビジネスパートナーズミーティングの開催等に取り組んでおります。

なお、当連結会計年度においては、ビジネスパートナーズミーティングを2回開催し、出席した延べ約160社のサプライヤーに対し、「芝浦ビジョン2033」の方針等を共有いたしました。また、サプライチェーン全体の付加価値向上、共存共栄を目指し、パートナーシップ構築宣言を行いました。

(ガバナンスの強化)

本マテリアリティについては、価値創出の基盤となるマテリアリティとして、達成を目指してまいります。

具体的には、長期目標を「柔軟性と強靭性をもったリスク・コンプライアンス体制の構築」、「取締役会の実効性の向上」、「積極的且つ能動的なサステナビリティ経営の推進」等とし、戦略として、サステナビリティ委員会の下部機関であり、CRO(Chief Risk-Compliance Management Officer)を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会を通じた重要なリスクと機会の把握及び対策の実施、取締役会実効性評価を通じた課題の抽出と改善の推進、サステナビリティ委員会を主体とする活動の具体的目標の策定と目標達成に向けた活動状況の監督等に取り組んでおります。

なお、当連結会計年度においては、リスク・コンプライアンス委員会を3回開催し、半期の活動報告のほか、各マテリアリティに関するリスクと機会について審議いたしました。また、当連結会計年度における取締役会実効性評価の結果は、取締役会における中長期的な経営課題や成長戦略に関する議論の充実、活性化に関して、向上のために継続して取り組む必要性はあるものの、経営上重要な事項の承認と業務執行の監督を適切に行うための実効性が総じて確保されているものと評価いたしました。

加えて、当連結会計年度においては、サステナビリティ委員会を4回開催し、当社グループが取り組むべきマテリアリティ及び具体的な達成目標や施策について審議したほか、下部組織であるリスク・コンプライアンス委員会、社会・ES(従業員満足:Employee Satisfaction)活動委員会及び地球環境会議の半期の活動報告を行いました。

 

 

 

②リスク管理

サステナビリティに関するリスクと機会については、サステナビリティ委員会の下部機関であり、CROを委員長とするリスク・コンプライアンス委員会を通じた管理を行っております。

具体的には、マテリアリティの特定に係る次のプロセスを経ております。

イ.世界共通及び日本特有の社会課題、国際的な規格(ISO26000、GRIスタンダード)及びガイドライン(FTSE、MSCI、SASB)に加え、事業業界特有の課題を加味した上で、マテリアリティの候補を抽出する。

ロ.抽出した候補について、各候補のリスクと機会に着目し、重要度を評価する。

ハ.当社グループ及びステークホルダーのそれぞれの視点で、重要度に応じて各候補をマッピングし、優先順位付けを行って当社グループが取り組むべきマテリアリティを特定する。

ニ.リスク・コンプライアンス委員会は、上記過程で着目したリスクと機会から各マテリアリティに関するリスクと機会を識別、分析及び評価し、特に重要なものに関しては、その対策を立案する。

ホ.リスク・コンプライアンス委員会は、「③ガバナンス」に記載のサステナビリティ委員会及び取締役会によるガバナンスのプロセスを経たリスク管理の対策を推進する。

 

<各マテリアリティに関するリスクと機会>

マテリアリティ

リスク

機会

最先端技術の開発・提供でデジタル社会に貢献

・半導体製造装置市場でのシェアの喪失

・経済安全保障上の規制強化

・半導体需要の増加

・技術力の向上

研究開発・製造プロセスで産業競争力の維持・向上に貢献

・育成不足による人財力の低下、人財の流出

・設備・施設の老朽化による研究開発の停滞

・技術、知的財産の陳腐化

・研究開発基盤の強化

・オープンイノベーションの推進

環境調和型製品の開発・提供でグリーン社会に貢献

・気候変動の助長

・顧客離れ、競争力の低下

・炭素税、原材料のカーボンフリー化による負担費用増加

・環境負荷が小さく、効率的な生産プロセスの確立

・競争力、顧客への製品訴求力の向上

品質・サービスで顧客の安定稼働・生産性に貢献

・顧客における半導体開発・製造の停滞、中止

・製品事故の発生

・顧客の信頼獲得、ブランド価値の向上

・リカーリングビジネス(保守・メンテナンスサービス等)の発展

気候変動への対応

(移行リスク)

・各国の炭素排出目標、政策による規制強化

・社会・投資家による関心向上、規制へ対応できないことによる売上高の減少

・信用評価・ブランド価値の低下

(物理リスク)

・異常気象によるサプライチェーンの寸断、操業停止、生産・出荷の遅延等の発生

・酷暑、極寒等によるエネルギー消費量増加

・多様なエネルギー源の普及、半導体需要の増加

・環境負荷低減技術を付加した製品需要の増加

・自然災害に備える事業継続計画(BCP)

環境負荷の低減

・環境負荷低減部材への切替えによる調達価格上昇

・評価・ブランド価値低下

・地域コミュニティへの環境汚染被害の発生

・環境関連法令違反に伴うサンクション

・廃棄物の発生抑制、再使用、再資源化によるコストの削減

・地域コミュニティとの良好な関係の維持・向上

 

 

マテリアリティ

リスク

機会

多様な人財が活躍できる環境づくり

・イノベーションの不活性化、企業及び個人の成長の鈍化

・求人における訴求力の低下

・労働災害の発生

・ハラスメントの発生

・離職者の増加

・関連法令違反によるサンクション

・イノベーションの活性化、企業及び個人の成長の促進

・求人の訴求力の向上

・従業員のパフォーマンスの最大化

サプライチェーンマネジメントの強化

・サプライチェーン上で発生した環境汚染、人権侵害等に対する加担、助長とのネガティブ評価

・サプライチェーン上で発生した大規模災害、パンデミック、戦争・政変等による資材供給網の寸断

・競争法、下請法違反の発生

・自社を含むサプライチェーン全体の経営基盤強化の促進

ガバナンスの強化

・サステナビリティリスクの発生による企業価値喪失

・取締役会の形骸化による経営危機の発生、役員に対する訴訟の提起

・経営人材不足、経営人材採用に当たっての訴求力低下

・サステナビリティ課題解決に向けた実効性ある取組み

・プライム上場企業としての社会的役割の実践

・適時的確な意思決定、経営者による適正なリスクテイク

 

 

③ガバナンス

当社では、当社グループにおけるサステナビリティ経営推進の最高責任者を社長執行役員である代表取締役とし、サステナビリティ経営推進のための主体となる機関として、社長執行役員である代表取締役を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しております。

また、サステナビリティ経営の推進に向けた具体的な活動に取り組むため、サステナビリティ委員会の下部組織として、リスク・コンプライアンス委員会、社会・ES活動委員会及び地球環境会議を、それぞれ設置しております。

サステナビリティに関するガバナンスについては、次のプロセスを原則として半期ごとに1回(年度2回)経ることとしております。

イ.サステナビリティ委員会の下部組織であるリスク・コンプライアンス委員会は、リスクと機会の識別、分析及び評価を行い、特に重要なものに関しては対策を立案した上で、これをサステナビリティ委員会に提案する。

ロ.サステナビリティ委員会は、リスク・コンプライアンス委員会の提案内容を審議又は決定した上、これを取締役会へ提案又は報告する。これに加え、サステナビリティ委員会は、サプライチェーンを含む人権、地域社会とのかかわり、従業員満足その他の社会貢献活動に関する取組方針の策定等を担う下部組織である社会・ES活動委員会、サプライチェーン、気候変動の観点も踏まえて、環境課題に対する活動の方針の策定等を担う下部組織である地球環境会議の提案内容についても審議又は決定した上で、これを取締役会へ提案又は報告する。なお、サステナビリティ委員会は、同委員会での審議又は決定に先立ち、審議事項又は決定事項について社外取締役へ諮問して意見又は助言を求める。

ハ.リスク・コンプライアンス委員会、社会・ES活動委員会及び地球環境会議は、サステナビリティ委員会又は取締役会の決定に従ってそれぞれの活動を推進し、サステナビリティ委員会は、これら活動状況の報告を各委員会等から受け、これによりリスク管理のほか、各マテリアリティに関する目標達成に向けた進捗等を確認する。

ニ.取締役会は、その結果報告をサステナビリティ委員会から受け、これによりリスク管理のほか、各マテリアリティに関する目標達成に向けた進捗等の状況を監督する。

ホ.監査役は、リスク・コンプライアンス委員会(常勤監査役のみ)、サステナビリティ委員会(常勤監査役のみ)及び取締役会に出席し、各組織の活動状況、上部組織への報告を確認し、ガバナンスの状況を監視する。

<サステナビリティ経営の推進及びガバナンスの体制>

 

 

(2)気候変動

気候変動への対応については、マテリアリティの一つとして特定し、取り組んでおります。

指標及び目標並びに戦略については、「(1)サステナビリティ全般 ①指標及び目標並びに戦略」の(気候変動への対応)に記載のとおり、長期目標を、当社グループにおける二酸化炭素排出量(2019年度Scope1及び2基準)を2030年度までに50%削減することなどとし、戦略として様々な取組を行っております。

また、リスク管理については、「(1)サステナビリティ全般 ②リスク管理」に記載のとおり、マテリアリティ(気候変動への対応)に関するリスクと機会を分析、評価しております。具体的には、気候変動による温暖化について、いわゆる1.5℃シナリオと4.0℃シナリオ(注)に基づき、事業活動、収益等に与える影響及びこれらがもたらす財務的影響をリスク及び機会の両面から分析しました。

さらに、ガバナンスについては、「(1)サステナビリティ全般 ③ガバナンス」に記載のとおり、リスク・コンプライアンス委員会を通じたリスク管理の状況に加え、地球環境会議を通じた気候変動への対応を含む環境活動状況を、サステナビリティ委員会及び取締役会が連携して監督し、監査役がこのガバナンスの状況を監視しております。

当社では今後、目標達成に向けた活動状況とともに、これらをTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組に従って公表していけるよう、取り組んでまいります。

(注)1.5℃シナリオ…抜本的なシステム移行が達成された場合、世界平均気温が産業革命時期比で1.5℃未満上昇することが想定されるシナリオ

4.0℃シナリオ…現状を上回る温暖化対策をとらなければ、世界平均気温が産業革命時期比で3.2℃~5.4℃上昇することが想定されるシナリオ

 

 

(3)人的資本・多様性に関する取組

当社グループは、企業行動理念において「人間性の尊重」を掲げており、お客様、株主・投資家、従業員、お取引先、地域社会の方々とのコミュニケーションを通して、幸せな社会を築いていきたいと考えております。この理念を実践するためには、会社の事業活動を推進する基盤であり財産である従業員一人ひとりが自己を高め、責任のある行動を実行することが必要不可欠であることから、「当社が求める人財像」を定めるとともに、「人材育成方針」及び「社内環境整備方針」を掲げ、具体的な取組を行ってまいります。

なお、人的資本に関するガバナンスについては、「多様な人財が活躍できる環境づくり」をマテリアリティの1つとして特定し、経営戦略会議において審議・検討を行っております。

 

<求める人財像>

当社は、長期的な経営戦略ビジョン「芝浦ビジョン2033」を達成するため、人的戦略の基盤となる「当社が求める人財像」を定義しました。

当社が求める人財像は『変化を創り、「時代」「お客様」「仲間」と共に成長する人財』としております。

この求める人財像は、4つの要素から成り立っております。

■当事者としての覚悟   :目的を達成することに強い意志を持ち、困難な場面に直面しても逃げず、自分の使命として気概とプライドをもって取り組む。

■技術の未来を描く    :技術No.1の高い理想をもって、自分たちで実現する技術を描いて形にして発信する。

■建設的に議論し共創する :異なる意見、顧客からの批判、嫌なことからも目を背けず受け入れ、真剣な意見のぶつけ合いを通じて、本当にやるべきこと、やりたいことを明らかにする。

■常識(前例)を捨て挑戦する:前例をよしとせず、良くないことは発信し、自らの考えで挑戦するタフさをもつ。

 

当社は、求める人財像と4つの要素を定め、その方向性に沿って具体的な各種人事施策を策定・展開してまいります。

 

 

<人材育成方針>

当社では「芝浦ビジョン2033」において、長期ビジョン達成を担う人財力強化を重点テーマとして掲げ、採用・育成の両面から取組を進めてまいります。具体的には、新卒・キャリア採用による多様性の確保、個々のスキルを高める教育、人財の適正な配置、積極的な評価制度の導入など、さまざまな観点から取組を進めてまいります。

 

<具体的な取組>

①教育による人財育成

当社グループでは、個々人の日常業務習得と同時に組織全体の職場開発につなげるOJTと、社内教育カリキュラムのほか、従業員それぞれが行う自己啓発を並行して行うことを人財育成、人財開発の基本としております。社内教育カリキュラムは新入社員教育、階層別教育、職能教育、及び課題対応教育の4つの柱で構成しております。対象は国内グループ(海外グループは対象外)となります。また、従業員が自身の将来を描き、自律的な成長を会社が支援することを目的とした「年代別キャリア研修」を導入しており、従来の「58歳キャリア研修」のほか、今年度より「30歳キャリア研修」「40歳キャリア研修」「50歳キャリア研修」を新たに実施しました。年代別キャリア研修は当社で開始し、今後、国内グループへの展開検討を進めてまいります。

 

(2023年度教育受講状況)

提出会社及び国内連結子会社

指標

2023年度目標

2023年度実績

2024年度目標

従業員一人当たりの

研修時間

前年実績(9.34時間)を

上回る研修時間

10.45時間

2023年度実績を

上回る研修時間

(注)教育カリキュラム制度は提出会社及び国内連結子会社を対象範囲としているため、海外連結子会社は含んでおりません。

 

(年代別キャリア研修受講状況)

提出会社

指標

2023年度~2026年度累計

目標

2023年度まで

実績

対象者受講率

(30歳以上)

100%

24.6%

(注)1.本研修は、提出会社を対象範囲としているため、国内・海外連結子会社は含んでおりません。

2.本研修は、2023年4月より開始し、2026年度までに受講率100%を目指してまいります。

 

②女性活躍の推進

当社グループは女性の活躍推進に関して、2033年度に管理職に占める女性の割合を国内及び海外グループ全体で10%以上にすることを目指してまいります。近年、女性の管理職登用は増加傾向にあり、2033年度目標達成に向けて優秀な人財を積極的に登用してまいります。また、育児休職期間を最大で子が3歳に到達する年度末まで取得可能とするほか、短時間勤務制度の運用など、仕事と家庭の両立も支援しており、その結果女性の育児休職からの復職率は直近10年間では100%となっております。

 

(管理職の定義について)

■当社グループにおける管理職とは、当社社内規程における管理職及び専任・専門職のうち、主査以上の職位を対象としております。主査は職務内容及び責任範囲を踏まえ、女性活躍推進法における「課長」相当と判断しております。

 

(女性活躍推進法に基づく行動計画)

連結会社

指標

2033年度目標

2023年度実績

管理職に占める

女性の割合

10%

6.05%

 

 

③採用

「求める人財像」にふさわしい資質を備えた、新卒・キャリア採用を強化してまいります。さらに人財の多様性と包括性を確保するため、女性の採用と障がい者採用についても積極的に取り組みます。

 

(採用者数における女性の割合)

連結会社

指標

2023年度目標

2023年度実績

2024年度目標

採用に占める

女性の割合

10%

19.1%

10%

 

(障がい者雇用率)

提出会社及び国内連結子会社

指標

2023年度目標

2023年度実績

2024年度目標

障がい者雇用率

法定雇用率(2.3%)

を上回る雇用確保

2.51%

法定雇用率(2.5%)

を上回る雇用確保

(注)本取組は国内法を基本としたものであり、提出会社及び国内連結子会社が国内法対象範囲のため、海外連結子会社は含んでおりません。

 

<社内環境整備方針>

当社は「人財」こそが競争力の源泉であり、価値創造の基盤であると考えております。多様な価値観とバックグラウンドを持つ従業員一人ひとりがその能力を最大限発揮し、生き生きと働くことのできる職場環境や人事制度の整備を進めてまいります。

 

<具体的な取組>

①多様な働き方の推進

従業員が生き生きと働ける「働きがい」のある職場を目指し、従業員のワークライフバランスを推進するための取組を多面的に行っております。具体的にはフレックスタイム制度や在宅勤務制度などの柔軟な勤務制度を整備しております。また、定年後のセカンドキャリア選択の拡充を図るために、定年再雇用制度について選択できる業務レベル別の処遇コースを拡大し、当社で培った知識・経験を長く当社で発揮できる制度のほか、社外への転職希望者に対する再就職支援プログラムを導入するなど、個々人のキャリアプランにも寄り添うようにしております。

 

(「定年再雇用制度」又は「再就職支援プログラム」利用者)

提出会社

指標

2023年度目標

2023年度実績

2024年度目標

定年退職者における

制度利用割合

100%

84%

100%

(注)本制度は提出会社を対象範囲としているため、連結子会社は含んでおりません。

 

②男性の育児休業取得促進

男性が育児休業を取得することは、家庭内の責任を共有し、父親の関与を促進するだけでなく、男性が育児休業を取得することで、働く親が仕事と家庭の両立をより円滑に行える環境を構築し離職防止することができます。また、女性のキャリアや職場での活躍にも好影響を与えます。そのため、男性従業員に育児休業を取得することの重要性を周知することで、より持続可能な職場風土の醸成を促進してまいります。

 

(男性の育児休業取得状況)

提出会社及び国内連結子会社

指標

2023年度目標

2023年度実績

2024年度目標

配偶者が出産した

男性従業員における

育児休業制度利用割合

50%

71%

50%

(注)本取組は国内法を基本としたものであり、提出会社及び国内連結子会社が国内法対象範囲のため、海外連結子会社は含んでおりません。

 

 

③育児休業者の復職支援

育児休業からの復職において職場環境の整備や、従業員へのサポート体制を充実することにより、従業員のワークライフバランスが向上し、人財の定着と離職リスクの低減を図ってまいります。

 

(育児休業者の復職率)

提出会社及び国内連結子会社

指標

2023年度目標

2023年度実績

2024年度目標

育児休業者の

復職率

100%

100%

100%

(注)本取組は国内法を基本としたものであり、提出会社及び国内連結子会社が国内法対象範囲のため、海外連結子会社は含んでおりません。

 

④健康経営

従業員・家族の健康経営・健康促進により、全従業員が生き生きと働ける会社風土を構築し、職場の環境整備や制度改革を通じて、従業員の健康基盤づくり、生活習慣病の予防、健康保持増進を進め、従業員の活力と生産性の向上につなげてまいります。

 

(健康診断受診率)

提出会社及び国内連結子会社

指標

2023年度目標

2023年度実績

2024年度目標

定期健康診断

受診率

100%

100%

100%

海外赴任者

健康診断受診率

100%

100%

100%

有所見者

受診勧奨実施率

100%

100%

100%

(注)本取組は国内法を基本としたものであり、提出会社及び国内連結子会社が国内法対象範囲のため、海外連結子会社は含んでおりません。