2024年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありますが、発生の可能性があるリスクのすべてを網羅したものではありません。

 

(市場環境の変化)

当社グループの主たる事業である遊技機及び補給機器等の販売における主な顧客はパーラーです。パーラーの経営環境悪化及びそれに伴う需要の縮小や市場構造の変化は当社グループの販売成績を左右する要因になります。

特に昨今はパーラーの遊技機に対する評価の目は厳しく、ファンを飽きさせないような人気が長続きする商品を厳選導入する機運が強まり、その他大半の商品は十分な注目を集めるに至っておりません。当社グループでは商品競争力の強化を図りシェアの拡大につなげることを目指しておりますが、遊技機の開発には1年から2年前後の期間を要するため、開発着手後の市場ニーズの変化に柔軟に対応できなかった場合や、他社の人気商品などと販売時期が重なった場合、当社グループの販売計画や経営成績等が影響を受ける可能性が考えられます。

 

(法的規制について)

当社グループが主たる事業とする遊技機の開発、製造及び販売に関しては、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」など様々な法規制・基準があり、これに則った厳正な運用が求められております。従って、法規制等に重大な変更が加えられた場合、当社グループの販売、経営成績等に影響を及ぼす可能性があると考えられます。

 

(知的財産権について)

近年では、著名人やアニメ、人気キャラクターなどとタイアップした遊技機が主流となっております。こうした流れにおいて、採用キャラクターなどの肖像権や著作権といった知的財産権の取扱いが増えるに従って、知的財産を巡る係争も増加しております。

当社グループでは、「知的財産本部」を中心にして、キャラクター等の取扱いにあたっては十分な調査を実施し、当該係争を回避するため細心の注意を払っております。ただし、今後当社の認識しない新たな知的財産権が成立した場合には、当該権利保有者による損害賠償の請求などに至る危険性も否定できません。その際、当社側に侵害行為が認められた場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(新機種の開発について)

パチンコ及びパチスロ等遊技機の製造及び販売に当たっては、一般財団法人保安通信協会(保通協)等、国家公安委員会が指定する試験機関が風営法施行規則等に基づいて実施する型式試験に適合する必要があります。昨今のファンニーズの高度化や遊技機の技術構造の進化への対応が必要となる一方で、型式試験の期間が長期間に亘ったり、適合に至らなかった場合、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性も考えられます。当社グループといたしましては、長年培ってきた商品の開発技術力やノウハウを活かして、当初計画に即した順調な新機種投入に努めてまいります。

 

 

感染症拡大について

新型コロナウイルス等の感染症が拡大した場合、当社グループの主要販売先である全国のパーラーにおいては、稼働の低下による厳しい経営環境を余儀なくされる可能性があり、当社グループの主たる事業であるパチンコ機関連事業・パチスロ機関連事業においては遊技機の販売、補給機器関連事業においては内装施工、補給機器等の受注に影響を及ぼす可能性があります。

 一方、感染症拡大によるサプライチェーンの混乱も予想されますが、当社グループでは、複数の調達先の確保や先行発注、代替品の手配に注力することで、遊技機の販売台数や販売スケジュールなどへの影響を最小限に留めてまいります。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社では、株主の皆さまへの利益の還元を経営上の最重要課題のひとつとして位置付けており、配当金につきましては、連結配当性向40%を目安とした業績連動型配当を行うことを基本方針としております。ただし、1株当たりの年間配当金については下限を20円と設定し、安定配当の要素も取り入れることといたします。

なお、中間配当金につきましては、第2四半期累計期間の連結配当性向40%を配当金総額の目安としますが、中間配当額を決定する時点での通期1株当たり配当金予想金額の50%を上限とします。

今後の利益配分及び内部留保の活用方法につきましては、業績連動型配当を基本としつつ、成長のための事業投資、自己株式取得による機動的な株主還元などに適正な配分となるよう有効活用してまいります。

当社の剰余金の配当は、期末配当及び中間配当の年2回の配当実施を基本的な方針としております。当社は、機動的な資本政策及び配当政策の遂行を可能とするため、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会決議によって定めることができる旨を定款で定めております。ただし、剰余金の配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会とする方針です。

当社は、2024年3月1日付で普通株式1株を5株とする株式分割を実施しております。当連結会計年度の期首に株式分割が行われたと仮定した場合、中間配当金は1株につき30円(株式分割前換算150円)となり、当事業年度の年間配当金は1株につき80円(うち中間配当金30円、連結の配当性向は39.3%)となります。

 

なお、第59期の剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2023年11月7日

取締役会決議

8,121

150.00

2024年6月27日

定時株主総会決議

11,034

50.00

 

(注)2024年3月1日を効力発生日として、普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っておりますが、2023年11月7日を取締役会決議日とする配当は、2023年9月30日を基準として実施したため、当該株式分割前の1株当たりの配当額を記載しております。