2023年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,997名(単体) 8,131名(連結)
  • 平均年齢
    42.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    12.9年(単体)
  • 平均年収
    6,156,424円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2023年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

工業部門

3,377

[341]

医療部門

4,504

[48]

全社(共通)

250

[10]

合計

8,131

[398]

(注)1.従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であり、臨時従業員数は[  ]内に年間の平均人員を外書で記載しています。

2.臨時従業員には、パートタイマーを含み、派遣社員を除いています。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門等に所属している人員数です。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2023年12月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(才)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,997

[33]

42.9

12.9

6,156,424

 

セグメントの名称

従業員数(名)

工業部門

574

[17]

医療部門

1,191

[10]

全社(共通)

232

[6]

合計

1,997

[33]

(注)1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であり、臨時従業員数は[  ]内に年間の平均人員を外書で記載しています。

2.臨時従業員には、パートタイマーを含み、派遣社員を除いています。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

 

(3)労働組合の状況

 労働組合は、当社に日機装労働組合があり2023年12月31日現在の組合員総数は750人です。

 労使関係について特に記載すべき事項はありません。また、連結子会社においても、労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

管理職に占める女性

労働者の割合

(注)1

男性労働者の育児休業

取得率

(注)2

労働者の男女賃金の差異 (注)1、3

全ての労働者

正規雇用

労働者

非正規雇用

労働者

4.7%

63.0%

60.4%

59.5%

67.8%

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3.労働者の男女の賃金の差異に関する説明

・当社の賃金制度は、同一の職務・等級であれば同一の賃金を支払うこととして、年齢、性別により賃金の差は設けておりません。

・「正規雇用労働者」における差異は、管理職及び総合職(会社の総合的、管理的、専門的業務に従事する社員)に占める男性の割合が高く、専任職(会社の経験的、定型的業務に従事する社員)及び製造現場で働く地域限定正社員に占める女性の割合が高いことが要因となっています。

「管理職」、「総合職」、「専任職」、「地域限定正社員」ごとの男女賃金の差異は次のとおりです。

 

男女賃金の差異

管理職

91.9%

総合職

81.4%

専任職

91.5%

地域限定正社員

75.4%

・「非正規雇用労働者」における差異は、役割・責任に応じて処遇を決定する定年後再雇用者に占める男性の割合が高く、その役割・責任が大きい傾向があることが要因となっています。

・ 人材活躍の最大化のために、女性管理職比率の引き上げ、総合職への女性の登用を図っていきます。

 

②連結子会社

名称

管理職に占める女性労働者の割合

(注)1

男性労働者の育児休業取得率

(注)2

労働者の男女賃金の差異 (注)3

全ての労働者

正規雇用

労働者

非正規雇用

労働者

宮崎日機装㈱

80.0%

78.9%

78.1%

(注)1.宮崎日機装㈱の女性正規雇用労働者の年齢層が低いことから、女性管理職は存在しません。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3.労働者の男女の賃金の差異に関する説明

・「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

・宮崎日機装㈱の賃金制度は、同一の職務・等級であれば同一の賃金を支払うこととして、年齢、性別により賃金の差は設けておりません。

・非正規雇用労働者においては、女性労働者は存在しません。

 

 

 

 

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティ基本方針と重要なサステナビリティ課題(マテリアリティ)

 当社グループにおけるサステナビリティの取組は、私たちが大切にしてきた「人々の良質な暮らしの実現のために、流体を扱う多様な産業、航空機、透析医療など暮らしの根幹にかかわる分野で創造的な貢献を果たす」、この考えの実践そのものです。私たちは、流体制御の技術力などその専門性とあらゆる経営資本を最大限に生かし、「社会の発展に貢献する新しい価値創造」、「社会基盤を支える製品・サービスの安定供給」、「すべての従業員が力を最大限発揮できる環境づくり」、そしてこれらを実現する「経営基盤の強化」をテーマに重要課題へ取り組み、産業や社会の持続的な発展に貢献していくことを通じて、当社グループの持続的成長と企業価値向上を実現していきます。

 なお、以下において将来に関する事項を記載することがありますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。

テーマ

マテリアリティ

考え方及び取組

■  社会の発展に貢献する新しい価値創造

① イノベーションを通じた顧客の課題解決

② 環境負荷低減の取り組み

①②③の考え方及び取組を後記「(4)気候変動(TCFD提言に基づく開示)」に記述

■  社会基盤を支える製品・サービスの安定供給

③ 安全・安心な製品づくり

④ サプライチェーンマネジメントの強化

■  すべての従業員が力を最大限発揮できる環境づくり

⑤ 人材活躍の最大化

⑤の考え方及び取組を後記「(5)人的資本」に記述

■  経営基盤の強化

⑥ リスクマネジメントの強化

⑦ 財務体質の強化

⑥の考え方及び取組を後記「(3)リスク管理」に記述

 

(2)ガバナンス

サステナビリティ課題関連のリスク・機会を識別、評価、管理する組織

 取締役会の監督のもと、サステナビリティ課題関連のリスク・機会を含むリスク全般及び収益機会(以下、特に断りのない場合にはまとめて「サステナビリティ課題等」)に関する識別、評価及び管理並びに監督に関わる主要な組織として、サステナビリティ委員会並びに各種専門委員会及びサステナビリティ推進室を設置しています。各組織の役割と活動の概要は次のとおりです。

・サステナビリティ委員会は、サステナビリティ課題等及びその管理のための具体的行動計画並びに各部門の事業・業務計画が相互に整合するよう、各部門の長で構成し、四半期ごとに年4回開催することを基本とします。本委員会の主要な役割は、取締役会の監督のもとにあって、事業に関連するサステナビリティ課題等を把握し、リスクを適切にコントロールするとともに、サステナビリティ課題の解決への貢献を通じて中長期的に当社グループの企業価値を向上させる成長機会を探索、追求することにあります。本委員会は、サステナビリティ課題等を識別、評価、管理する各種専門委員会等の指揮監督を通じて、その役割を果たします。また、適宜、活動の進捗、成果を取締役会に報告し、その監督を受けます。

・各種専門委員会は、事業に関わる主要なリスク課題、コンプライアンス課題、IT利用や情報セキュリティを巡る課題、温室効果ガス排出削減を含む環境、人的資本、人権、製品の品質保証などサステナビリティ課題等について、専門的に識別、評価、管理します。その進捗、成果は定期的にサステナビリティ委員会に報告します。

・サステナビリティ推進室は、サステナビリティ委員会の事務局機能を果たすことを通じて、サステナビリティ委員会に統合される各種専門委員会や関係各部の活動を支援します。

 

取締役会によるサステナビリティ課題等の管理組織に対する監督

 サステナビリティ推進室と各種専門委員会等は連携して、原則として期初に、サステナビリティ課題等を識別し、評価し、またその管理のための具体的行動計画案を起案のうえ、サステナビリティ委員会に上程します。

 サステナビリティ委員会は、上程されたサステナビリティ課題等とこれらを管理するための具体的な行動計画について、サステナビリティ課題等を巡る社会情勢等及び当社グループの存在意義等を考慮して重要事項を決定します。

 取締役会は、原則として年2回、サステナビリティ委員会からサステナビリティ課題等の取組に関する進捗状況の報告を受けることを通じて、サステナビリティ課題等を管理する組織を監督します。また、取締役会は年度予算、事業計画、投資等の重要な業務執行の決定を行う際は、サステナビリティ委員会において特定されるサステナビリティ課題等とその管理のための具体的行動計画をその他の経営に関する事情とあわせ考慮します。

 

(3)リスク管理

サステナビリティ課題に関連するリスク・機会を識別・評価・管理するプロセスとリスク管理全体への統合

 サステナビリティ課題関連のリスク・機会も当社グループを取り巻くリスク全般及び収益機会のいずれについても、サステナビリティ委員会が網羅的包括的に指揮監督する仕組みとしています。よって、気候関連リスクを含むサステナビリティ課題関連のリスク・機会を識別、評価、管理するプロセスは全体のリスク管理のプロセス中に制度上、運用上統合されることとなります。

・リスク管理・コンプライアンス委員会など各種専門委員会等とサステナビリティ推進室は、相互に連携し、原則として期初に、サステナビリティ課題関連のリスク・機会を巡る社会情勢等に対し、当社グループの存在意義等の観点からサステナビリティ課題関連のリスク・機会を識別し、評価しますが、同時にこれら以外の事業の主要リスク及び機会も網羅的包括的に識別し、評価します。各種専門委員会等は識別、評価されたサステナビリティ課題関連のリスク・機会を含む主要なリスク・機会等を管理するための対策について、その方向性を絞り、具体的な行動計画案に落とし込みます。

・識別・評価されたサステナビリティ課題等、これらを管理する具体的行動計画案及びその進捗状況は、サステナビリティ委員会に上程し、同委員会において審議・決定し、原則として年2回また適宜に取締役会に報告します。

・各種専門委員会及び関係各部は、こうしたプロセスを経たサステナビリティ課題等に対し、具体的行動計画に基づき、専門的な立場から継続的に管理します。

 

≪サステナビリティ課題関連のリスク・機会を含むリスク全般・機会を統合的に管理する体制≫

 

 

 

(4)気候変動(TCFD提言に基づく開示)

 気候変動にかかわる社会課題の解決に貢献することは、社会の一員として健全な社会倫理・価値観を共有することを経営理念とする当社グループが負う社会的責務であるとともに、当社グループの経営上の重要な課題と位置付けています。インダストリアル事業は、低炭素社会への移行を見据え、低・脱炭素中心の事業ポートフォリオへの転換を進めていますので、低・脱炭素社会への移行スピードや市場規模いかんは当社グループの財務の積極・消極の両面に少なくない影響を及ぼす可能性があります。また、航空宇宙事業は、脱炭素燃料への転換が求められる民間航空会社を顧客としますので、同様に少なくない影響を受ける可能性があります。

 以下において、短期から長期にわたり当社グループの経営方針・経営戦略等に影響を及ぼす可能性のある気候変動関連のリスク及び機会に対処するための当社グループの考え方及び取組を説明します。

 

 結論として、本有価証券報告書提出日現在において、合理的に入手可能な情報に基づきシナリオ分析を実施した結果、当社グループの経営戦略は複数の気候変動シナリオから想定される事業環境のいずれにも適合しうると判断します。

 

① 戦略

イ リスク・機会の特定

短期中期長期(注1)に想定される、当社グループが直面する気候変動関連のリスクと機会は以下の通りです。

 

■ 移行リスク(注2)

リスクの種類

重要度(注3)

●政策・法規制リスク

・炭素税の課税、再エネ価格の上昇、化石燃料の利用減少がエネルギー価格を押し上げることによる、原資材調達コスト、製造コストの上昇

・エネルギーコスト、製造コスト等の割安な地域へ製造拠点を移転することによる収益圧迫

 

●技術リスク

・低・脱炭素社会に向けて構築が進む水素サプライチェーンに対し、当社グループの技術が適合できないリスク

・新規参入者、代替品の出現による競争激化、低炭素技術の開発投資の増大による収益圧迫

 

●市場リスク

・石油化学プラント向け、石炭火力発電所向けの従来型のポンプ・システム製品の収益機会の減少

・LNG需要の減少に伴いLNG関連製品・サービスの収益減少

・水素サプライチェーン構築の遅延によって、水素エネルギー関連資産の価値下落リスク

・EVシフトの進行遅延、インフラ向け電子部品需要が伸びず、電子部品製造装置の収益が限定的

・水素、バイオ燃料のコストが上昇、航空機運賃が割高となり、航空機利用客が減少する結果、民間航空機向け製品の収益機会の減少

・エネルギー価格の上昇などに起因し、顧客医療機関の経営状態が悪化、透析装置購入サイクルの延長・買い控え

 

 

●評判リスク

・脱炭素移行対策にかかる実行度が遅れる場合の評判リスク

 

■ 物理的リスク(注4)

リスクの種類

重要度

●急性リスク

・増加、激甚化する異常気象によるサプライチェーン分断リスクへの対応費用の増加

・サプライヤーの生産拠点移転、各種対応費用の増加に伴う原材料調達コスト上昇

●慢性リスク

・増加、激甚化する異常気象やこれに起因する新たな疾病罹患を要因とする従業員の出勤率悪化、生産性低下、操業停止、工場閉鎖

・常態的な気温上昇による空調コスト増加、労働条件・環境整備等に関する法規制が厳格化し、対応コストの増加

 

 

 

■機会

機会の種類

重要度

●資源の効率性

・民間航空機の機体軽量化に貢献することで収益機会の増大

・eVTOL(注5)など電力駆動の次世代移動手段の需要拡大

・省資源、省エネルギー、エネルギー効率性の向上、廃棄物の減量と再資源化などに関する収益機会の増加

 

●エネルギー源

・合成メタン(注6)の利用拡大によりLNG向け関連機器の収益機会の増加

・水素・アンモニア混焼・専焼(注7)に改修されたLNG・石油・石炭火力発電所向けを含む、アンモニアポンプ、水素ポンプ、アンモニア燃料船舶向けポンプの収益機会の拡大

・CO2回収・貯留(CCS)やそれに利用を加えたCCUS前提の火力発電所や原子力発電所向けの従来型製品サービスの収益機会の維持・増加

 

 

●市場

・省エネルギー型・高性能半導体の需要増により電子部品製造装置の収益機会増加

 

(注1)時間軸;短期(~2030年)、中期(2030年~2040年)、長期(2040年~2050年) 以下本文で同じ。

(注2)移行リスク;低炭素社会への移行に関連したリスク(TCFD最終報告書2017年6月)。

 

(注3)重要度;大(当社グループの経営成績等の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している)、小(重要な影響を与える可能性は少ないと認識している)、中(大小以外) 以下本文で同じ。

(注4)物理的リスク;気候変動の物理的影響に関連したリスク(TCFD最終報告書2017年6月)。

(注5)eVTOL ;Electric Vertical Take-Off and Landing 「電動の垂直離着陸機」。

(注6)合成メタン;水素(H2)と二酸化炭素(CO2)を反応させ、天然ガスの主な成分であるメタン(CH4)を合成して製造する。メタンは燃焼時にCO2を排出するが、合成メタンの原料として、発電所や工場などから回収したCO2を利用すれば、燃焼時に排出されたCO2は回収したCO2と相殺されるため、大気中のCO2量は増加しないとされる。

(注7)アンモニア混焼・専焼;火力発電の燃料の一部/全部をアンモニアに置き換える手法。アンモニア(NH3)は炭素を含まないため、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないことから、CO2排出削減の有力な技術とされる。

 

ロ 当社グループを取り巻く事業環境における移行リスク・機会の及ぼす影響と対応策

[事業環境に関する認識]

次の2つの事業環境を認識しています。

●低炭素社会へ移行する事業環境

  各国政府によるすべての気候変動関連の公約が完全かつ期限内に達成され、2100年の気温上昇を1.7℃に抑えるシナリオ(IEA World Energy Outlook 2022、同2023のAPS(注8)などを参照)に基づく事業環境を想定。この事業環境においてエネルギー源は、原子力、再エネ、CO2の回収・貯留(CCS)、それに利用を加えたCCUSを前提とする火力発電、再エネ由来のグリーン水素となる。とりわけ水素、アンモニアは脱炭素排出型エネルギーとして重要な選択肢となり、発電(燃料電池、タービン)、輸送(自動車、船舶、航空機、鉄道等)、産業(製鉄、化学、石油精製等)の様々な分野の低・脱炭素化に貢献すると予想される。

●化石燃料に一部依存する社会が発展的に存続する事業環境

  現在の各国の政策以外に新たな政策がない場合には、化石燃料の利用が継続され、低炭素排出型のエネルギー利用へのシフトは十分には進まない結果、2100年の気温上昇が産業革命前と比較し、2.5℃になると予測するシナリオ(IEA World Energy Outlook 2022、同2023のSTEPS(注9)などを参照)に基づく事業環境を想定。この事業環境においても、気候変動対応の観点からではなく、エネルギー安全保障などの観点から、水素・アンモニア関連分野への投資は継続することも予想される。なお、World Energy Outlook 2023は、STEPSにおいても、2030年までに石炭、石油、天然ガスの世界全体の需要がすべてピークに達する見込みとする。

 

(注8)APS;IEA(International Energy Agency 国際エネルギー機関)の3つのシナリオのひとつ。APS(公約シナリオ)はNDC(国が決定する貢献)や長期的なネット・ゼロ目標を含む、各国政府による全ての気候変動関連の公約を考慮し、それらが完全かつ期限内に達成されると仮定するシナリオ。これによれば、年間CO2排出量は2022年以降まもなくピークに達した後、2050年までに120億トンまで急速に減少し、2100年の気温上昇は1.7℃となる。

(注9)STEPS;IEAの3つのシナリオのひとつ。STEPS(既存政策シナリオ)はエネルギー、気候、関連産業政策を含む最新の政策設定に基づく見通しを提供するシナリオ。これによれば、世界全体のエネルギー由来のCO2排出量が2025年に年間370億トンでピークに達し、2050年には320億トンに減少する。その結果、2100年の気温上昇は2.5℃となる。

 

 

[認識する2つの事業環境における事業別の移行リスク・機会の及ぼす影響と対応策]

 以下に当社グループの主要事業について実施した低・脱炭素社会への移行に伴うリスク及び機会に関するシナリオ分析の結果の概要を掲載します。シナリオ分析結果の詳細は、当社ホームページの次のページに掲載しています。https://www.nikkiso.co.jp/company/stakeholders/environment.html

 

インダストリアル事業

<移行リスク>

   低炭素社会へ移行する事業環境においても、化石燃料に一部依存する社会が発展的に存続する事業環境においても、石油化学プラント・火力発電所向けの従来型の製品・サービスやLNG向けの当社製品・サービスの収益は減少もしくは成長が緩和するリスクがあります。この点に関して、2030年までに石炭、石油、天然ガスの世界全体の需要がすべてピークに達するとの予測もあり(IEA World Energy Outlook 2023)、この場合には、クライオジェニックポンプを含むLNG関連機器・サービス事業も中長期的には成長は緩やかになり、やがて鈍化すると予想します。

<時間軸・重要度>

   中期から長期/大

<機会>

   他方、低炭素社会へ移行する事業環境においては、回収したCO2と再エネ由来のグリーン水素によって合成される合成メタンはLNGと混合して供給される可能性も踏まえると、クライオジェニックポンプを含むLNG向け関連機器の収益は底堅いと見込みます。また、再生エネルギーのうちでも水素、アンモニアは脱炭素排出型エネルギーとして重要な選択肢とされ、発電、輸送、産業の様々な分野の低・脱炭素化に貢献すると見込まれることから、低炭素社会へ移行する事業環境においては、アンモニアポンプ、水素ポンプ、アンモニア燃料船舶向けポンプの収益機会(注10)は拡大すると予想します。化石燃料に一部依存する社会が発展的に存続する事業環境においても、2030年までの天然ガスの上流開発投資が増加し、2050年までLNG需要が当面継続するとの予測もあり、その場合にはクライオジェニックポンプを含むLNG関連機器・サービス事業の収益は中長期的に引き続き堅調に推移すると予想します。

<時間軸・重要度>

   中期から長期/大

<対応策>

   当社グループは、電力の安定性と機動的調整力、またエネルギー安全保障の観点から、天然ガスを含む化石燃料システムは低炭素社会においても一定の役割を果たすものと見込み、引き続きクライオジェニックポンプなどLNG向け関連事業の収益向上に注力します。あわせて、低炭素社会への移行を見据え、水素・アンモニア分野(注11)、省エネルギー・高性能社会関連分野へ経営資源を適切に配分していきます。

 

(注10)アンモニアポンプの収益機会;『2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略』(経済産業省 2021年)は、2030年までに石炭火力への20%アンモニア混焼の導入・普及、2050年までに混焼率の向上(50%)や専焼化技術の実用化を目指すとします。需要量は、国内では2030年に年間300万トン、2050年に3000万トンと想定される。

(注11)水素・アンモニア分野の当社グループの取組;水素航空機向け液化水素ポンプは2025年度の地上実証向け納入を目指します。液体アンモニア用ポンプは2026年に市場投入を予定します。

 

航空宇宙事業

<移行リスク>

   国際民間航空機関(ICAO)が国際航空分野で2050年までにCO2排出を実質ゼロにする目標を採択するなど、民間航空業界は運航改善、航空機等の技術革新、SAF(注12)の活用等航空燃料の低炭素化などによって、脱炭素社会構築の実現に向かっています。脱炭素社会へ移行する事業環境において、水素、バイオ燃料が化石燃料よりも高くなったり、炭素税が広く導入されたりする場合には、航空運賃の値上がりの可能性も予想され、航空機利用客の減少、民間航空機への投資意欲が減速、後退するときは、当社の民間航空機向け製品の収益機会が減少するリスクがあります。

<時間軸・重要度>

   中期から長期/中

<機会>

   他方、低炭素社会の事業環境においてはもちろんのこと、化石燃料に一部依存する社会が発展的に存続する事業環境においても、CO2排出規制、省エネルギー、省資源に向けた世界的な気運が逆行することは考えにくく、また、民間航空機の需要は中期的には拡大すると予想され、民間航空業界は機材、部品の軽量化、燃費効率の向上を一層強く求めると見込まれます。よって、いずれの事業環境においても、機体の軽量化に貢献する当社グループ製品の収益機会は維持・増加するものと予想します。

<時間軸・重要度>

   中期から長期/大

<対応策>

   当社グループは、CFRP(注13)成型品加工に関して高度な技術とノウハウを保有し、40年以上にわたる実績があることから、民間航空機の機材、部品等の軽量化と燃費効率の向上に貢献することができます。民間航空業界における脱炭素社会移行の世界的基調を見据え、民間航空機部品の製造で蓄積したCFRP加工技術を活用し、衛星事業、eVTOL、水素燃料航空機など、従来の民間航空機部品の製造にとどまらない事業展開を確実に進めていきます。

 

(注12)SAF; Sustainable Aviation Fuel.「持続可能航空燃料」 植物や廃油などから作ったバイオ燃料で、CO2の排出を従来の燃料よりも大幅に削減した航空燃料。

(注13)CFRP; Carbon Fiber Reinforced Plastics. 「炭素繊維強化プラスチック」 CFRPはプラスチックと繊維の特性を併せ持ち、比重1.5〜1.7(鉄の20%、アルミニウムの60%)と非常に軽い素材で、炭素繊維の種類や配向方向などによっては鉄の10倍の比強度(重さに対する強度)を持つのが大きな特徴。航空機部品の素材としては、強度を保ちながら軽量化できることから、燃費の向上によるコスト削減や環境負荷の低減につながるとされる。

 

メディカル事業

<移行リスク>

   低炭素社会へ移行する事業環境においては、エネルギー価格の上昇が顧客医療機関の経営を圧迫する場合、血液透析装置の購入サイクルの延長、製品価格の値下げ要求による価格競争激化等により、当社血液透析製品の採算性が低下するリスクも予想されます。また、気候変動リスクに関する新たな法規制に対する対応費用が増加する場合には、収益減の要因となりえます。

<時間軸・重要度>

   中期から長期/中

<機会>

   他方、低炭素社会へ移行する事業環境においても、化石燃料に一部依存する社会が発展的に存続する事業環境においても、省資源、省エネルギー、エネルギー効率、廃棄物の減量と再資源化などに関する当社顧客の医療施設の期待に応えることで、収益増の機会となります。

<時間軸・重要度>

   中期から長期/大

<対応策>

   気候変動リスクに高い関心を持つ医療施設、医療関係者、患者さんの期待に応えるため、製品製造過程における原材料や部品の再利用による環境対策にかかる取り組みを強化し、さらに部品点数減少、軽量化、エネルギー使用量低減、3R(Reduce、Reuse、Recycle)等の循環型の製品開発を行ないます。また、2024年、血液透析装置など血液透析関連製品を製造する国内基幹工場 金沢製作所において、消費する電力全量を実質的な再生可能エネルギーに切り替える計画を進めます。(注14)

 

(注14)当社金沢製作所の消費電力全量の実質再エネ切替計画;本有価証券報告書提出日現在、当社金沢製作所では電力の一部をオンサイトPPA(2023年4月から稼働)の方法で調達するほか、エネルギー高効率の生産設備への更新などにより、CO2排出削減、消費電力節減に努めていますが、これらの施策によっても削減しきれないCO2が残ります。これら残存するCO2について、2024年から非化石証書を利用することで、本製作所にて消費する電力全量を、CO2を排出しない実質的な再生可能エネルギー由来電力に切り替える計画です。本計画の達成により、年間約7,400t-CO2の削減を目指します。

 

ハ 当社グループを取り巻く事業環境における物理的リスクの及ぼす影響と対応策

<事業環境に関する認識>

   各国が気候政策を導入しない結果、GHG排出量が非常に多く、2100年の気温上昇が1850~1900年を基準として4℃上昇するとのシナリオに基づく事業環境を想定。この事業環境では、当社グループが事業展開するアジア、北米及び欧州のほとんどの地域において、熱波を含む極端な高温、大雨、台風、洪水等自然災害の強度と頻度が増し、また海面水位が上昇し続けると予測されます(IPCC(注15) 第6次評価報告書など参照)。

<物理的リスク>

   増加、激甚化する異常気象やこれに起因する新たな疾患等を原因とする従業員の出勤率悪化、生産性低下、工場閉鎖、サプライチェーン分断リスクへの対応費用の増加(生産・物流拠点の移転・分散、製品在庫の積み増し等)が財務面に悪影響を及ぼすリスクがあります。常態的な気温上昇が空調コストを押し上げ、労働条件・環境整備等に関する法規制の厳格化がすすめば、その対応コストの増加が予想されます。さらに、サプライヤーによる工場移転、各種対応費用増加に伴う価格転嫁による調達価格上昇のリスクも予想されます。

<時間軸・重要度>

   短期~長期/大

<機会>

   他方、メディカル事業については、顧客病院施設が異常気象への対策として、治療可能ベッド増設など収容能力を拡大する場合、透析装置及び関連製品の需要が増加する可能性があります。また、治療に不可欠なディスポ(消耗品)製品について顧客施設の保有在庫を増加する場合には、当社の物流コストを合理化できます。インダストリアル事業などでは、被災した化学、発電プラントなどから災害復旧需要も予想されます。

<時間軸・重要度>

   短期~長期/中

<対応策>

   在庫の積み増し、サプライヤーの複線化、実効的なBCP対策の継続的改善による災害時における本社・本部機能の確保、漏れのない効果的な損害保険の継続的付保などを維持、実施していきます。これに加え、血液透析事業においては、災害発生時に故障製品の状態をただちに把握できる遠隔監視及び復旧作業を遠隔指示できるシステムの普及拡大とサービスの機能強化を急ぎます。

 

(注15)IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change);気候変動に関する気候変動に関する政府間パネル。世界気象機関(WMO)及び国連環境計画(UNEP)により1988年に設立された政府間組織。

 

② 温室効果ガス排出量削減に関する指標及び目標

<指標> 当社単体及び国内主要連結子会社のScope1及び同2におけるCO2排出量(総排出量基準・基準年2019年)

<目標> 2019年(23,286t-CO2)を基準年とし、当社単体及び国内主要連結子会社を対象として、Scope1及び同2のCO2総排出量(t-CO2)について、2025年15%減、2030年30%減とすることを目標とします。

<実績> 2023年(1月~12月) 24,534t-CO2(基準年比 5.35%増)(注16)

 

基準年 2019年

実績 2023年(基準年比)

削減目標(基準年比)

23,286t-CO2

24,534t-CO2(5.35%増)

2025年

19,793t-CO2(15%減)

2030年

16,300t-CO2(30%減)

<取組済>

ⅰ)太陽光発電システム(オンサイトPPA)の導入;金沢製作所は2023年稼働、宮崎日機装は2024年稼働予定

ⅱ)ボイラー燃料のA重油からLNGへの転換;金沢製作所において2023年稼働

<計画中>

ⅰ)国内の生産拠点において、LED照明敷設、遮熱塗装、生産設備の更新などを実施することを計画しています。

ⅱ)2024年、血液透析装置など血液透析関連製品を製造する国内基幹工場 金沢製作所において消費する電力全量を実質的な再生可能エネルギーに切り替える計画を進めます。

 

(注16)2023年CO2排出量増加の実質的要因;2023年のCO2排出量は基準年2019年の排出量比5.35%増加しました。増加の実質的要因は、国内基幹工場 宮崎日機装㈱が調達する系統電力の排出係数の上昇、基準年後に取り組んでいる生産拠点再編に伴う拠点の増加などです。

 

 

 

(5)人的資本

 当社グループの経営理念 「人々の良質な暮らしの実現のために、技術の提供を通じて、暮らしの根幹分野で創造的な貢献を果たす」のもと、世界でも数少ない専門的な分野の技術メーカーとして、「持続可能な社会を見据え、ものづくりで、社会の進化を支え続ける存在であること」を目指しています。

 持続可能な社会への移行を見据え、インダストリアル事業においては水素・アンモニア利用など脱炭素・クリーンエネルギーのソリューション提供、航空宇宙事業においては次世代移動手段 eVTOLや小型人工衛星などを含む新市場創出、メディカル事業においては循環型の製品開発、中国や米国など海外市場への展開など、いずれの事業においても、既存事業の推進だけでなく、新しい取り組みに注力しています。なお、以下の人材戦略は、本有価証券報告書提出日現在、当社単体への適用を想定しています。

 

 これらの経営戦略の実現に不可欠となる、次の人材の育成を強化します。

■ チームメンバーや協力企業などを巻き込み組織やプロジェクトを牽引する『中核人材』

■ 事業の最前線において高度な技能・知識・経験をもって「技術の日機装」の根幹を支える『専門人材』

 

 また、人材活躍の最大化を目指し、チャレンジを促進する自由闊達な組織環境作りに努めます。

■ 性別・年齢・国籍などを問わず、すべての従業員が自分らしさを発揮し、活き活きと働きがいを感じて働くことができるよう、安心して柔軟な働き方のできる安全かつ健康的な労働環境を整備するとともに、上司と部下のコミュニケーションを通じた相互理解を図り、チャレンジを促進する自由闊達な組織風土を育むことにより、従業員の活躍の最大化に取り組みます。

 

 

① 戦略

  当社グループの経営戦略の実現に必要な人材を育成・強化、維持する人材戦略(「人材活躍の最大化」)は以下のとおりです。

 

イ 人材育成方針

<『中核人材』及び『専門人材』の育成・強化、維持>

■『中核人材』の育成等

・事業単位、職種単位、職場単位で『中核人材』の候補者を定期的に選定し、事業横断的次世代リーダーの育成プログラムを企画・遂行します。あわせて、付加価値の高い事業の創出、技術や製品の開発などのプロジェクトを牽引する役割を経験させ、実践的な育成に取り組みます。

・また、部下の自律的な成長を促す社内風土の醸成のため、管理職及び管理職候補の組織マネジメント力向上に向けた教育を継続的に行ない、上司が部下のチャレンジを後押しし、積極的に仕事を任せることを促します。

■『専門人材』の育成等

・創業以来、当社が大切にする価値観や技術・技能の伝承を含め、計画的に技術・技能そして現場力の向上を目指し、各事業における中長期の経営戦略の実現に必要な組織の機能と目指す人材像を事業単位、職種単位、職場単位で明確にします。そのうえで、各単位できめ細やかな人材育成体系とプログラムを策定するとともに、従業員が有する経験・スキル情報の可視化を行ないます。

・また、管理職向け人事制度に、マネジメントコースに加え、技術・技能・営業・サービスなどの「専門性」を職務等級基準としたプロフェッショナルコースを新設し、「専門性」による能力発揮と業績への貢献を評価する、『専門人材』の活躍を促進する制度を導入しています。

 

<適正な評価・昇降格・処遇と従業員の希望を尊重する配置転換>

・従業員の自発的なチャレンジと成長を促すために、評価段階数の細分化による評価手法を高度化することで、目標に対する成果を上げた従業員を適切に評価します。これらの仕組と運用によって、入社年次にかかわらず、昇格可能となる環境を整え、個人の能力のみならず組織全体のパフォーマンス向上、活性化、多様性確保を図っています。他方、目標達成が難しい従業員に対しても継続してフォローを行い、パフォーマンスの底上げを図ります。

・その他、キャリアアップを目指す従業員が他部門の業務にチャレンジする機会を提供する社内公募制度や従業員が異動希望を申告できる自己申告制度を拡充し、従業員のキャリアや仕事に関する希望を尊重し、自主性を最大限発揮できる環境を整備しています。

 

<女性の活躍推進>

・新型コロナウイルス感染症拡大を契機に、従業員のワークライフバランスを充実し、より働きやすい環境を創出するために導入した在宅勤務やスーパーフレックス・タイム勤務(注17)は、『中核人材』及び『専門人材』として、また管理職として活躍する、女性従業員をサポートしています。

・また育児しながら働く女性従業員のため、子どもが小学校4年生に進級するまで利用できる時間短縮勤務制度、子どもが体調を崩しやすい、小学校就学時まで利用できる看護休暇制度(注18)といったサポート制度も設けています。現在、将来の管理職候補となる女性総合職の採用活動には、多くの女性従業員がリクルーターとして活躍しています。

 

(注17)スーパーフレックス・タイム勤務;始業時刻、終業時刻を朝5時から夜10時までの時間帯に従業員が自主的に決定でき、1ヶ月単位で労働時間を精算する当社単体に適用する制度。

(注18)看護休暇制度;子ども1人当たり、年5日間の看護休暇を取得可能とする当社単体に適用する制度。

 

ロ 社内環境整備方針

<柔軟な働き方>

・新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、より働きやすい環境を創出するために、在宅勤務、スーパーフレックス・タイム勤務制、「時間単位の年次有給休暇」制度を導入しました。「時間単位の年次有給休暇」制度は、在宅勤務、スーパーフレックス・タイム勤務制の導入が困難な工場等の従業員にとっても、ワークライフバランスを充実することに役立っています。

・その他、柔軟な働き方や組織運営に関する社内優良事例を水平展開・共有することにより、各制度の運用の幅を広げ、会社全体で多様かつ柔軟な働き方を促進します。

 

<労働安全衛生>

・「労働安全衛生マネジメントシステムに関する国際規格(ISO45001)」と同水準のシステム構築を推進し、労働環境改善を図ります。

・また労働災害発生の未然防止など、健康と安全に関わるリスクを管理するために安全衛生委員会を毎月開催するほか、2か月に一度の全社単位の中央安全衛生連絡会で管理面の強化を図ります。これにより、労働安全に関する事例を共有し、組織としての確実な法令対応や類似の労働災害発生防止に努めます。

 

<従業員の健康管理>

・従業員が活き活きと働き、能力を最大限に発揮できるよう、健康管理の強化を図ります。その方策として定期健康診断の受診率100%はもちろんのこと、二次検診対象者の再受診率100%を目指し、フォローアップ体制を確立します。

・また従業員の健康増進について、現在、社内外に相談窓口を設けていますが、試験的な運用として、一部事業所で専門知識を持った産業保健師・カウンセラーによる従業員の健康管理促進に取り組みます。さらにメンタル疾患による休務を予防するため、上司に対するラインケア教育なども行ないます。

 

<働きやすい職場づくりの実現>

・すべての従業員がハラスメントに関する正しい知識を保有し、ハラスメントの早期発見や予防を目的とした研修を実施します。特に人間関係における相互の意識のズレや周囲を委縮・不快にさせる言動に焦点を当て、ハラスメント一歩手前の問題要因の芽を摘み取ることで、心理的安全性が確保された組織の土台づくりを行ないます。

 

 

② 指標及び目標

  人的資本に関する方針について、当社単体に適用する指標の内容、当該指標を用いた定量的な目標及び実績は次のとおりです。