人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,721名(単体) 3,496名(連結)
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平均年齢42.2歳(単体)
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平均勤続年数13.3年(単体)
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平均年収10,003,000円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年3月31日現在 |
セグメントの名称 |
従業員数(名) |
合計(名) |
エンジニアリング事業 |
3,233(868) |
3,496(912) |
その他の事業 |
263(44) |
(注)1 従業員数は嘱託及びグループ外から当社グループへの出向者を含み、取締役及び当社グループからグループ外への出向者を除く就業人員数です。
2 従業員数欄の( )内は、臨時従業員(当社グループにて就業する派遣社員を含み、当社グループからグループ外への派遣社員を除く人数)の年間平均雇用人員数を、外数で記載しています。
3 従業員数は前連結会計年度末と比べ445名減の3,496名となりました。
また臨時従業員数は前連結会計年度末と比べ180名増の912名となりました。
これは、主に、当連結会計年度末より人員集計の方法を下記の通り一部変更したことによるものです。
従業員:役員の範囲を会社法上の役員と合わせ、前連結会計年度末まで役員相当として従業員の集計から
除外していた対象(執行役員、理事、フェロー、顧問、参与等)を、当連結会計年度末から従業
員に含めました。
また当社グループの建設現場等グループ各社の本社事業所以外で就業する者、及び嘱託も新たに
従業員に含めました。
臨時従業員:これまでは派遣する事自体が事業に資するものと捉えて他社への派遣者を「従業員」に含めてお
りましたが、派遣先の事業に資するものと見直して、グループ内への派遣者は「臨時従業員」に
含め、グループ外への派遣者は集計対象外としました。
この定義変更により、当社グループ内の人材派遣会社からの派遣人員が「従業員」から「グルー
プ内外の派遣先の臨時従業員」に変更となったため、当社グループ内従業員数が減少し、グルー
プ内派遣先の臨時従業員数が増加致しました。
(2) 提出会社の状況
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2024年3月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(名) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
|
エンジニアリング事業 |
1,721 |
(773) |
42.2 |
13.3 |
10,003 |
(注)1 従業員数は、嘱託及び他社から当社への出向者を含み、取締役及び当社から他社への出向者を除く就業人員です。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
3 従業員数欄の( )内は、臨時従業員(当社にて就業する派遣社員の人数)の年間平均雇用人員数を外数で記載しています。
4 提出会社において、その他の事業に従事する従業員はおりません。
5 従業員数は前連結会計年度末と比べ97名増の1,721名となりました。
また臨時従業員数は前連結会計年度末と比べ198名増の773名となりました。
人員集計の方法は上記(1)連結会社の状況の(注)3に記載の通りです。
(3) 労働組合の状況
労使関係については、特に記載すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
当事業年度 |
||||
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1. |
||
全労働者 |
うち 正規雇用労働者 |
うち パート・有期労働者 |
||
3.5 |
85.2 |
65.5 |
65.4 |
73.8 |
補足説明 |
<管理職に占める女性労働者の割合> 2021年4月に策定した一般事業主行動計画に基づき、女性労働者の管理職への登用を進めており、2020年度3.7%、2021年度6.3%、2022年度8.3%と順調に割合は増加しています。 2023年度も前連結会計年度までの集計方法では9.2%となり、継続して増加傾向にあります。 ただし当連結会計年度末から将来の経営人財候補たりうる女性管理職の人数をモニタリングできる様、管理職の集計対象を「労働基準法」における管理監督者に合わせたため上記の数値となっております(なお上記集計方法に基づく2022年度の数値は2.8%であり、こちらも増加傾向にあります)。 <男性労働者の育児休業取得率> 労働組合を通じた男性労働者の育児休業取得に向けた啓もう活動等を通して、2021年の取得率44.9%から2022年度は取得率が大きく向上、更に2023年度も85.2%まで向上しています。 なお(注)1の通り当連結会計年度末から役員相当の者、嘱託等を集計対象に加えましたが全員育児世代ではなかったため、本指標の変動はありません。 <労働者の男女の賃金の差異> 「正規雇用労働者」: 前連結会計年度末と比べ0.5%減の65.4%となりました。これは主に(注)1の通り当連結会計年度末から役員相当の者等を集計対象に加えたためです。 一方、同一の社内資格での男女賃金差異は、男性と女性の残業時間の差異によるものが大きく、引き続き男女問わず働きやすい環境を整備していきます。
「パート・有期労働者」: 提出会社では、非正規雇用の女性社員を4名雇用しており、そのうち2名が産業医及び特定分野の高度な専門性を持った者、他2名が国内現場現地採用者です。昨年度は前者の2名だけを集計対象としていましたが、当連結会計年度末の集計方法変更により後者2名も集計対象として加えたため、前連結会計年度末と比べ55.3%減の73.8%となりました。 |
(注)1 5従業員の状況(1) 連結会社の状況の(注)3に記載しました通り、当連結会計年度末から対象となる従業員の集計方法を変更しております。
上記指標の算出に当たり労働者の対象として、5従業員の状況(2) 提出会社の状況に記載の従業員数から、他社から当社への出向者を除き、当社から他社への出向者を含んでいます。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第 76 号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第 25 号)第 71 条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
②連結子会社
当事業年度 |
補足説明 |
||||
名 称 |
管理職に占める女性労働者の割合 (%) (注)1. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1. |
|||
全労働者 |
うち 正規雇用労働者 |
うち パート・有期労働者 |
|||
千代田エクスワンエンジニアリング株式会社 |
5.2 |
71.7 |
72.7 |
53.5 |
|
千代田ユーテック 株式会社 |
0.0 |
74.2 |
80.6 |
67.2 |
|
(注)1 5「従業員の状況」(1) 連結会社の状況の(注)3に記載しました通り、当連結会計年度末から対象となる従業員の集計方法を変更しております。
上記指標の算出に当たり労働者の対象として、5「従業員の状況」(1) 連結会社の状況に記載の従業員数から、他社から当該連結子会社への出向者を除き、当該連結子会社から他社への出向者及び派遣社員を含んでいます。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、男性労働者の育児休業取得率の記載を省略しています。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
■サステナビリティへの取組み方針
当社は、1948年に「技術による社会への奉仕」をスローガンに、社会的課題に対して高度な技術力を用いて解決するエンジニアリング会社の草分けとして創設され、以来、エンジニアリングの力で、国際社会の要請を的確に捉えながら、研鑽された技術を駆使し、社会とともに歩みを続けてきました。
当社グループのミッションである「エネルギーと環境の調和」のもと、全社員が企業活動に従事し、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会など、すべてのステークホルダーから信頼され、共感していただける企業グループ経営を目指し、時代の変化を捉えて着実に歩みを進めてきました。
2015年に国連で採択された「パリ協定」では、気候変動の取り組みとして脱炭素社会を目指すという国際社会のコンセンサスが打ち出され、「持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals(SDGs)」を世界共通のゴールとして、企業も事業を通じたグローバルな課題解決への取り組みが強く求められています。
「社会の“かなえたい”を共創(エンジニアリング)する」ことをパーパス(存在意義)として掲げている当社グループでは、新しい社会価値の創出に向け、多岐に亘るステークホルダーに影響を与える重要な課題をマテリアリティとして再定義いたしました。
マテリアリティは、当社グループの中長期に取組むべき重要な社会課題であり、広く事業活動を進めていく上で、リスクまたは機会となる事項であることから、2024年度中に公表を予定している中期経営計画(2024~2026年度)や、事業計画、および当社グループの事業方針・戦略策定の基軸とし、その実現や課題解決を着実に実行してまいります。
また、今般再定義したマテリアリティの実現に向け、それぞれの項目ごとに達成を目指す「目標(KPI)」を設定、事業活動を行う本部単位レベルにまで落とし込んで展開することで、サステナビリティに関する意識の深化や事業との連関を社員個々人にまで浸透させるべく進めてまいります。
<気候変動を含む重要なサステナビリティ関連課題(マテリアリティ)>
*1 既存分野:トランジションエネルギー(LNG、石油/石油化学等)、金属(非鉄金属製錬)、ライフサイエンス(低分子等)
新規分野:脱炭素ソリューション(水素・CCUS、触媒等)、先端素材(半導体等)、エネルギーマネジメント(地域エネルギーマネジメント等)、ライフサイエンス(バイオ等)、O&M-Xソリューション
*2 TRIR(Total Recordable Incident Rate):災害件数発生頻度
■ガバナンス(サステナビリティ推進体制)
我が国が目指す2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けた脱炭素社会への移行が加速する今こそ、ミッションに掲げる「エネルギーと環境の調和」を更に深化させるとともに、事業ポートフォリオを着実に革新し、持続可能な社会の発展に貢献することを通じて、企業価値の向上を図ることこそが私たちのサステナビリティであると考えています。
当社グループにおけるサステナビリティの更なる深化のため、サステナビリティを経営の中枢に据えることで企業価値向上とともに持続可能な成長達成を目指し、社長がCSO(Chief Sustainability Officer)を兼務します。社長がCSOを兼務することで、サステナビリティ課題を当社グループの経営戦略や経営目標に反映させる責任を負うこととなります。2022年4月に設置したサステナビリティ委員会では、主要なサステナビリティ課題である気候変動対応、人権・サプライチェーンマネジメント、人的資本経営(Well being、Diversification、健康経営等)に係る取り組みについて討議しています。当社にとって特に重要な取り組み課題である気候変動についてはサステナビリティ委員会の下部組織であるサステナビリティ協議会内に気候変動WGを設置し、Scope1,2におけるGHG(温室効果ガス)排出量の削減に向けた具体的な取組みの加速や、Scope3におけるGHG排出量算定に向けた検討、CDPやTCFDシナリオ分析の対応について検討した上で、サステナビリティ委員会において、集中的・継続的に議論を行っています。
また、2024年度は同協議会内に人権WGを新たに設置し、各部門が事業活動と人権との関連性を特定・理解した上で、組織横断の対話・協議を通じて、当社グループの事業のリスク・特性・実務を踏まえた実効性のある人権尊重の取組みを進めていきます。サステナビリティ委員会は社長=CSOの諮問機関として、原則年2回開催し、当委員会にて審議した内容を取締役会に報告し、取締役会が都度、上記の報告事項について適切に監督を行うための体制を構築しています。
取締役会は、サステナビリティ委員会から報告を受けたサステナビリティに関するリスクと機会の特定・評価、事業戦略への反映、対応方針の決定を含むすべての意思決定の監督責任を負っています。取締役会は、サステナビリティ課題を当社グループの経営戦略や経営目標に反映させる責任を負っています。
取締役会は、サステナビリティ課題をさまざまな角度から多角的にとらえて経営方針を定めるとともに、その方針に基づく活動の実効性を監督する役割を担っています。取締役会を構成する10名の取締役は、経営、財務会計、法務コンプライアンス、海外、プロジェクト、技術などさまざまな分野で知見、経験および実績を有しています。
再定義したサステナビリティ課題<千代田グループのマテリアリティ>は、本部ごとに目標(KPI)として設定され、本部長自らが進捗管理を行います。目標(KPI)進捗管理、報告、そして評価・改善のPDCAはサステナビリティ委員会にてモニタリングし、取締役会に報告されます。
2023年度主な活動内容:サステナビリティ委員会 2回開催 サステナビリティ協議会 1回開催
取締役会への報告 サステナビリティ委員会開催後の取締役会へ報告(1回)
*1 統合戦略委員会:
各本部の事業計画・要員計画の見直しを定期的に行い、最新の内部環境、外部環境を踏まえたうえで、全社最適の観点から人的、財務的リソース配分案を策定する。
*2 脱炭素ビジネス推進委員会(現名称:新規分野事業推進委員会)
脱炭素ビジネスの開発・拡張・収益化に向けた戦略の策定、実行を担う。
(1) 気候変動の取り組み
■戦略
当社グループにとって、地球環境や人間・企業活動に重大な影響を及ぼす「気候変動」は、リスクであると同時に、新たな事業機会をもたらすものと考えています。「エネルギーと環境の調和」というミッションに沿って、グローバルな課題解決に取り組んできた歴史の中で、気候変動対応は、当社グループのパーパスである「社会の“かなえたい”を共創(エンジニアリング)する」とも密接に繋がっている重要なサステナビリティ課題の一つです。気候変動により平均気温が上昇することはグローバルに事業を行う当社グループにとっては大きな脅威であると同時に、高度なエンジニアリング力を駆使することで、新たな事業創造の機会にも通じるものと認識しています。当社グループは2019年にTCFDに賛同し、グローバル規模での気候変動リスク・機会のシナリオ分析を実施しました。不確実性の高い気候変動について、2040年社会(当時は20年後社会における主なリスクと機会分析を実施)を当社グループが取組む事業の視点から、2℃、4℃の世界でシナリオ分析し、事業リスク及び機会の獲得に向けての事業の方向性を検討しました。
<気候変動による主なリスクと機会>
2019年に実施したシナリオ分析については、昨今の事業環境の変化のスピードが著しく早いことから、検討範囲や 前提条件などを見直し、2024年度に改めて実施することを検討しており、その結果を有価証券報告書等にて適宜開示する予定としています。
なお、当社グループが2022年4月1日付けにて公表したカーボンニュートラル宣言に基づき、GHG排出量(Scope1及び2)の削減目標達成に向けた取組み、ならびに脱炭素・炭素循環社会に実現にむけ、シナリオ分析の結果を踏まえた事業分野を通じて、以下のステップで取り組んでいきます。
■リスク管理
気候変動や地政学リスクの顕在化、生成AIに代表される技術進化など、私たちを取り巻く環境は劇的に変わっていく中、当社グループが直面するサステナビリティリスクは新たな局面を迎えていると認識しています。
当社グループでは、一段と激しくなる事業環境や経営環境の変化を踏まえ、59ページで記載の通りリスク管理体制を構築しています。サステナビリティ委員会は、全本部と協議の上、気候変動リスク・人権リスク等を含むサステナビリティに関するリスクの洗い出しを行い、事業におけるリスクと機会の分析、並びに課題解決に向けた対応策についての協議等を適宜実施しております。また、そこで特定した重要リスクに関する対応方針については、サステナビリティ委員会や内部統制委員会を通じ、取締役会に報告し、承認を得て、全社的なリスク管理に取り込んでいます。
気候変動と人権に関してはとりわけ重要な事業リスクととらえ、サステナビリティ委員会傘下の協議会にワーキンググループを設けています(人権WGは2024年に設置)。気候変動に関しては、TCFDに基づくシナリオ分析を改めて実施することにしており、事業インパクト評価や対応策について、サステナビリティ委員会を通じてサステナビリティ課題に責任を持つ取締役会に報告し、全社的なリスク管理プロセスに統合します。人権に関しては、プロジェクト遂行における人権デューデリジェンスプロセスの確立を目指します。
■指標と目標
この度再定義した千代田グループのマテリアリティに関する指標及び目標は「サステナビリティへの取り組み方針」で記載しております〈気候変動を含む重要なサステナビリティ関連課題(マテリアリティ)〉の通りです。2024年度中に公表を予定している中期経営計画(2024~2026年度)の期間においてその実現や課題解決を着実に実行してまいります。
環境への取組みに関する過年度のESG定量データについては、CHIYODA Report 2023「データセクション/ESGデータハイライト」(72、73ページ)に掲載のとおりです。
参考:当社ホームページ ESGデータ集|千代田化工建設株式会社 (chiyodacorp.com)
なお、2024年度ESG定量データは2024年11月に発行予定のCHIYODA REPORT2024 にて開示予定です。
(2) 人的資本経営
■戦略
当社グループは、産業設備から石油化学、LNGプラントと時代ごとの社会課題にエンジニアリングの力で応えてきました。今後はこれまで強みとしてきた分野に加えて、脱炭素やライフサイエンスをはじめとする新たな社会課題に対しても、エンジニアリングの力を「しなやか」に変容させ、事業の変革に挑戦していきます。
その実現に向けて、キードライバーとなるのが、多様な人財が自由闊達に活躍する「組織風土」と、当社グループの最大の財産である「人財」です。組織と人財のWell-Beingを高めることが、社会とステークホルダーへ提供する価値を増幅させ、またその価値提供が組織と人財のWell-Beingを更に増幅させていくと考えています。この価値の循環を持続し、双方の価値を高めていきます。
■推進体制
当社では、最高人事責任者(CHRO:Chief Human Resources Officer、現在はCDO:Chief Digital Officerが兼任)の下、人財育成責任者(HRO:Human Resources Officers)を職種ごとに任命し、事業と連動した全社一体の「人的資本経営」を推進しています。
2022年4月に、経営諮問会議の下部機関としてCHROを委員長、全本部長を委員とする人財マネジメント委員会を設立し、統合事業戦略に接合する人財開発と人員配置を推進してきました。2023年4月からは、機能を分割し、人財育成や人財登用戦略については人財開発委員会において、事業戦略に応じたリソース配分については統合戦略委員会の下部組織である人財マネジメントワーキンググループにおいて議論する体制とし、実行力を更に高めています。
■重点項目
① 相互に尊重し、挑戦し続ける自由闊達な組織風土
当社の強みは、エンジニアリングを通じて培ってきた多様な個性を活かす自由闊達な組織風土です。この強み
を伸ばし、社会課題に応じてしなやかに変容することで、社会とステークホルダーへ価値を提供し続けます。
a. 組織風土の変革に向けた取り組み
組織風土の変革を着実に推進していくために、組織課題・風土の可視化とその改善を目的とした組織風土調査を導入しました。組織経営者が率先して組織風土の変革に取り組んでおり、調査結果は当社における人的資本経営の重要KPIとして位置付け、進捗状況をモニタリングしていきます。
<組織風土調査の活用>
2023年10月に当社及び主たる国内グループ企業で組織風土調査を実施しました。現状を深掘りするために、各
本部に調査結果をフィードバックし、本部長を中心に解釈する対話につなげています。2024年度より役員を含む
組織経営者の個人評価項目を一部見直し、組織風土変革に関する行動目標を設定させ、PDCAサイクルを確立する
ことを目指します。
<組織経営者の世代交代の実践>
同一ポジションへの滞留年数に上限を設け、異動を含む交代を促進しています。長期滞留の部長・課長相当の役職者はおおむね計画どおり交代が進捗しており(2022年度は19名、2023年度は8名)、2024年度には長期滞留が解消する見込みです。2023年12月からは、部長以上の全ポジションの後継計画を策定し、候補者を特定する取り組みを開始しており、計画的な交代を推進しています。また、課長相当以上への昇格は年齢を問わず、登用は、本部の垣根を越えて、HROを含む広く多面的な視点で検討し、決定しています。結果として、30代の部長や40代のグループ会社社長等、若いリーダーが誕生しています。持続的に新たな組織経営者を輩出し、組織の活性化を図っています。
b. ダイバーシティ&インクルージョン
多様な個性を尊重し、社員一人ひとりが活き活きと能力を発揮できる組織風土を実現し、ダイバーシティ&インクルージョンを浸透させていくことはパーパスの実現に不可欠です。社員一人ひとりが、その属性によらず、多様な意見を発信し、能力を発揮できる環境を整えるための第一歩として、2023年10月にダイバーシティ&インクルージョンポリシーを制定しました。
多様なバックグラウンドを持つ人財の採用活動を積極的に行っています。中でも、女性の活躍支援は重要なテーマの一つであり、女性のキャリア継続のための施策及び採用強化に重点的に取り組んでいます。さらに性別にかかわらず仕事と家庭の両立支援を強化することで、働きやすい環境の整備を推進していきます。
また、婚姻形態や性別にかかわらずパートナーシップを認める制度を導入しました。本人の意思によって申請を
行うことで、法律婚と同等の福利厚生を受けられるよう、環境整備を進めています。
c. 健康経営
2020年4月に健康経営宣言を発表後、社員が心身ともに健康的に働ける職場づくりに取り組んでいます。2022年4月よりCWO(Chief Wellness Officer、現在は会長が兼任)を議長とする健康経営推進会議を設置しました。人事部内には健康経営とダイバーシティを推進する専任組織を設け、健康経営を強力に推進しています。健康に関する各種データの分析、ストレスチェックの集団分析結果を組織へフィードバックし、職場改善活動につなげる等、実効性の高い施策を実施しました。また、2023年度の当社の総合健康リスクは81(※100を超える場合は全国平均と比べて休職者が発生する可能性が高い)と全国平均を下回る数値となっています。上記取り組みにより、2023年3月には健康経営優良法人に4年連続(4回目)で選定されました。
d. 健全な労使関係
社会情勢や当社グループの事業の変化に対応する人事制度や採用競争力の強化を労使間での重要課題と位置付けてきました。人財の多様化を受け、離職対策を含む組織風土にかかわる課題についても積極的に協議していきます。
② 誇りと情熱を持って社会課題に挑戦を続ける人財
2020年3月に策定した人財開発基本方針に定める、専門領域における業務遂行力と組織経営力の伸長をベースに、2024年度中に公表を予定している中期経営計画(2024~2026年度)では「しなやかなマインドセット」を打ち出します。多様化・複雑化する社会課題に対し、マインドをしなやかに変容させ、誇りと情熱を持って挑戦を続けることで、エンジニアリングの力を伸ばしていきます。
HROや上司との対話を通じてキャリアを自律的に設計し、グローバルなフィールドで多様な経験を積むことで、しなやかなマインドセットを備えた人財を育成していきます。
<人財開発におけるHROの役割>
当社では4つの職種(Ex:エンジニアリングプロフェッショナル職、Bx:ビジネスインキュベーション職、Px:プロジェクトマネジメント職、Cx:コーポレートプロフェッショナル職)と専任職(多岐に渡る当社組織の円滑なオペレーションを主体的に支える)を定義しており、職種ごとにHROを任命しています。
HROは社員本人との対話を通じてキャリア志向に伴走し、並行して上司、本部長とも対話をします。個人のキャリア志向と事業戦略を結びつけた異動、アサイン、評価・昇格、登用を主導する当社の人財開発の要です。
a. HROによる事業のキー人財を育てるためのキャリアパス、教育異動の強力な推進
HRO体制の下、従来、暗黙知であった代表的なキャリアパスを体系化し、教育異動計画(定期異動)に反映する取り組みを進めています。タレントマネジメントシステムを導入し、社員一人ひとりのキャリア設計とその進捗が本人、上司、HROに共有される基盤を整備しました。このデジタル基盤を駆使しながら、社員本人がキャリア設計を明確にし、進捗を実感しながら経験を重ねることを支援し、事業のキーとなる人財を育成していきます。
b. 業務遂行力伸長のための取り組み
当社がこれまで培ってきた人財の強みを更に発展させ、「卓越した専門能力」と「自ら社会課題を特定し、その解決、社会への実装まで完遂する力(課題設定・完遂力)」の強化に注力しています。
<卓越した専門能力>
2022年4月に卓越した専門能力を持つ人財をフェローとして登用する制度を設け、現在は3名を登用しています。フェローは、当社の事業戦略をリードするだけではなく、ロールモデルとしての役割を果たしています。今後
のフェロー人財の育成と拡充を目指し、候補となる人財群を21名選抜しています。
また、各本部の育成戦略を体系化し、全社の育成戦略とすることで、より多くの社員に必要な教育機会を提供していきます。専門教育を含む教育基盤についても定期異動等で得る職務経験との接合を確認しながら再整備し、人財開発を一層高い次元で進捗させていきます。
<課題設定・完遂力>
2021年度から組織の中核となる30代前半の社員を中心に課題設定・完遂力強化研修を展開しています。研修受講人数は順調に拡大(2021年度は32名、2022年度は50名、2023年度は100名)しています。
c.組織経営力伸長のための取り組み
組織経営力を強化するためには、早期に組織運営を実践することが重要です。部下を持つ係長相当から、経営戦略や事業戦略に沿った組織目標の立案・遂行や、対話を軸とした部下の育成を通じ、組織の力を高めていきます。これらをテーマとした研修等を通じて、実践を重点的に進めています。
<組織運営の実践>
当社では、上司・部下間で本人のキャリア志向を踏まえた目標を設定しており、期中には、本部全体で部下一人ひとりの状況について対話する機会を設けています。2021年4月に現人事制度となって以降、組織全体で人財を育てる体制の整備に注力してきました。一人ひとりのキャリアを多面的に確認することで、適切な育成につなげ、部下や上司同士の対話は組織経営者自身の組織経営力を高める実践の機会としています。
2023年8月に実施した社員アンケートでは、「成長につながる目標が設定されている」と90%が回答し、評価結果に対する社員の納得度は85%となっています。これらの結果から組織経営力が一定の水準で発揮されていると考えています。
<マネジメント研修>
組織経営力の基礎教育の拡充はキャリア意識や考え方の変化、法制の動向に応じて内容をアップデートするべき重要テーマです。目標設定・評価、キャリア志向に伴走するための対話手法にかかわる教育に注力しているほか、2023年度は労働法等の専門家を招いての実践講習を課長相当以上の必須項目として実施しました。今後も順次、教育体系を整備、充実させていきます。
d. シニア層の更なる活躍の推進
国内の労働人口の減少や、建設業の人手不足は重要な課題であり、高度な専門知見を持つシニア層の活躍は当社の最重要テーマの一つです。定年後も事業の最前線で重責を担うシニア層のモチベーションを維持・向上できるよう、会社業績の還元を含む処遇の改善を行っていきます。また、シニア層向けに環境変化を捉え、自発的にキャリア形成に取り組むマインドを醸成するためのキャリア研修を重点的に実施しており、2022年からのべ356名が受講しました。
e. デジタル人財の育成
デジタルトランスフォーメーション(DX)の原動力としてデジタル人財の育成やDX意識・文化の醸成を進めています。当社では、CDO(現在はCHROが兼任)、各本部から選出されたDO(Digital Officer)、デジタル変革エバンジェリストで組織するCDO室を2021年7月に開設し、2022年4月からは組織体制を変更し、人事・DX本部として人財変革とデジタル変革を組み合わせ、社内の業務変革を加速しています。
デジタル人財の育成においては、対象層を経営層、DXコア人財、全社員に分け、施策を展開しています。2023年度よりDXコア人財育成プログラムを開始し、DXコア人財の早期育成・拡充により全社DXの浸透・拡大を目指しています。また、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が創設・運営するAI人財の育成を目的とした資格であるE資格の取得を奨励しており、2023年度は2名(累計19名)が取得しています。
■指標及び目標(単体)
<KPI指標>
2024年度中に公表を予定している中期経営計画(2024~2026年度)では、組織風土調査結果を当社における人的資本経営の重要KPIとして位置付けます。同調査では肯定的回答率65%以上が強みとして認識されています。
<実績>
昨年度の実績は以下のとおりです。目標値の設定は2024年度中に公表を予定している中期経営計画(2024~2026年度)の進捗に合わせ、個別指標から上記組織風土調査結果の指標に変更します。
① 相互に尊重し、挑戦し続ける自由闊達な組織風土
② 誇りと情熱を持って社会課題に挑戦を続ける人財
(注1)継続雇用制度に基づき当社に勤務するシニア社員等を含む
(注2)国内グループ会社社員を含む
(3)人権尊重の取組み
■人権尊重への対応に関する考え方及び取組み
当社グループは、人権の尊重は全ての事業活動の基盤となる重要な要素であると位置付けています。今般再定義したマテリアリティの取組みの1つに「すべての人々の人権を尊重」を掲げ、また「当社グループ行動規範」において人権の尊重とその侵害行為の防止、国際的な人権規範の尊重を定めています。
当社グループは、国際連合「ビジネスと人権に関する指導原則」をはじめとする人権に関する国際規範や法令の遵守、人権デュー・ディリジェンスの継続的な実施、当社グループにおける人権に関する重点課題などを記載した「人権基本方針」を制定し、公表しています。
https://www.chiyodacorp.com/jp/about/policy/
「人権基本方針」は、当社グループの事業活動および取引関係を通じて影響を受ける可能性のあるあらゆる個人・グループを対象としています。また、当社グループ全ての役員と従業員に適用するとともに、当社グループの事業活動に関係する全ての取引関係者・ビジネスパートナーやその他関係者にも、「人権基本方針」を理解・支持し、人権の尊重に努めて頂くよう継続して働きかけていきます。
■ガバナンス
前述2「サステナビリティに関する考え方及び取組」の「ガバナンス(サステナビリティ推進体制)」に記載のとおりです。
■戦略
当社グループは、「人権基本方針」等に基づき、ステークホルダーとの対話や外部専門家との連携を行いながら、人権デュー・ディリジェンスの取り組みを行っています。人権デュー・ディリジェンスの取り組みは、国際連合「ビジネスと人権に関する指導原則」に則って進めています。
2023年度までの主な取組み
従前より、当社グループ役職員へのハラスメント防止教育、労働者の安全・労働環境の整備などの取組みは実施していましたが、「ビジネスと人権」への取組みとしては以下のとおり2018年度から開始しました。
当社は総合エンジニアリング会社として「人権に配慮した事業運営」を、当社が中長期的に取組むべき重要な課題である「マテリアリティ」の目標のひとつに定めており、2024年度中に公表を予定している中期経営計画(2024年~2026年度)や、事業計画および当社の事業方針・戦略策定の基軸としております。国内・海外で事業を展開している限り、サプライチェーン全体において人権侵害を可能な限り排除することを目指し、2024年度は、現在海外の主要プロジェクトで実施している取り組みの対象拡大、プロセスの見直し・改善及び当社グループにおける実施体制の構築に取り組みます。また、国際連合「ビジネスと人権に関する指導原則」が求める要件に照らし、被害者が効果的な救済を受けるための実効性なプロセスの構築や相談・通報制度の改善に努めていきます。
■リスク管理
前述2「サステナビリティに関する考え方及び取組」の「リスク管理」に記載のとおりです。
当社グループは、自社の役職員のみならず、取引先の役職員、事業活動が行われる地域の住民など、当社グループの事業に関わる全ての人権を尊重します。外部専門家の評価も得て、「人権基本方針」において以下の7項目を「当社グループが優先的に対応すべき人権に関する重点課題」と定めております。なお、当社グループの事業に関連する人権リスクへの取り組みを継続しておりますが、現時点においてこれらの重点課題に変更はありません。
・ 差別・ハラスメントの排除
・ 強制労働・児童労働の禁止
・ 多様性の尊重・ワークライフバランス重視
・ 労働安全衛生支援
・ 労働時間・賃金
・ 労働基本権の尊重
・ 社会との調和
人権に関するリスクに適切に対応せず、委託先や調達先等のサプライチェーンを含む当社グループの事業活動のすべての過程において人権を侵害する行為や人権に関する法令の違反が発生した場合、当社グループにおいても行政罰、顧客との取引停止、社会的信頼の喪失・企業価値の毀損などにつながり、ひいては経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの事業に関わる人権リスクへ確実に対応するため、人権デュー・ディリジェンスの実施によってリスクを把握・特定し、予防・軽減を図ってまいります。特に、国際的な調達の際、そのサプライチェーンで働く労働者の人権リスクが高いとの認識から、サプライヤーとの取引前に、質問状や書面調査により、人権尊重の取り組みの状況を確認・評価し、懸念事項が確認された場合には、サプライヤーとコミュニケーションを取り、防止・軽減に努めるよう促しています。サプライヤーと締結する契約には、人権尊重の取り組みを担保するための条項を規定しています。二次以降のサプライヤーにも人権尊重の取り組みを担保するための条項を遵守させることを誓約する条項も規定しています。
また、サステナビリティ委員会の枠組みのもと、関連組織が連携して人権デュー・ディリジェンスの実施や救済メカニズムの整備などの人権尊重の取り組みを推進するとともに、継続的な研修機会の実施や情報の開示等を通じ、当社グループの社員一人ひとりの人権尊重へ向けた意識向上を図って参ります。
■指標及び目標
2023年度は、人権尊重への対応に関する以下のデータの把握・管理を行いました。また、以下のデータに加えて、人権尊重へのコミットメントを達成するための具体的な「指標」及び「目標」を設定し、当社グループの事業に関連する人権リスク及び機会の実績を評価・管理するべく、2023年度は外部専門家のサポートを得て、当社グループの事業に関連する人権リスクや重点課題を踏まえた「指標」及び「目標」の候補の選定を行いました。2024年度にサステナビリティ委員会・協議会での議論を経て、2025年度以降の 「指標」及び「目標」を設定する予定です。
(注) 1.人権に対する負の影響の重大性・負の影響の及ぶ範囲・救済困難度の観点から、深刻度が高いと判断され
るものの当社グループ及び当社グループの取引先(当社事業に関連するものに限定)における件数です。
2.グループ共通・相談窓口及びグループ各社が設置している相談・通報窓口で受領した相談・苦情件数
3.人権侵害(ハラスメントを含む)と認定した3件については、是正措置を実施し、行為者の処分を行いまし
た。
4.当社グループ全従業員向けに、ハラスメント・ビジネスと人権・贈収賄禁止などを含むコンプライアンス
eラーニングを毎年実施し、人権の尊重を定めている「当社グループ行動規範」遵守の宣誓を取得していま
す。2023年9月1日時点の、当社グループの国内外グループ会社の全役職員(派遣社員を含む)の人数で計
算しています。
5.「人権監査」として会社が計画的に実施したもののみを対象としています(個別のプロジェクト等が独自
で実施したものは除いています)。