事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
-
セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
水環境事業 | 81,016 | 62.5 | 5,083 | 75.1 | 6.3 |
産業事業 | 42,594 | 32.9 | 1,377 | 20.3 | 3.2 |
その他 | 5,959 | 4.6 | 308 | 4.6 | 5.2 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、当連結会計年度末現在、当社と子会社41社および関連会社14社で構成され、上下水道および汚泥再生処理・バイオマス利活用設備を主要マーケットとする水環境事業と、化学分野や二次電池製造などに関連する産業インフラ設備および廃液や固形廃棄物処理などの環境関連設備を主要マーケットとする産業事業の2つを主たる事業と位置付けており、それら以外の事業をその他としておりますが、その主要な事業内容は以下のとおりであります。
なお、以下の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
当連結会計年度より、従来、水環境事業に含めていた「一般・産業廃棄物処理事業」を産業事業にセグメント区分の変更を行っております。
<主な関係会社>
(水環境事業)
月島JFEアクアソリューション㈱、月島ジェイテクノメンテサービス㈱、月島ジェイアクアサービス機器㈱、武蔵野環境整備㈱、寒川ウォーターサービス㈱、尾張ウォーター&エナジー㈱、㈱バイオコール京都鳥羽、横浜西谷ウォーターサービス㈱、市原バイオサイクル㈱、㈱bay eggs、㈱横浜Bay Link、箱根水道パートナーズ㈱、㈱豊橋バイオウィル、㈱長岡バイオキューブ、アクアペックスおやま㈱、アクアペックスさかい㈱
(産業事業)
月島機械㈱、月島環境エンジニアリング㈱、三進工業㈱、プライミクス㈱、サンエコサーマル㈱、BOKELA有限会社、テーエスケーエンジニアリング(タイランド) Co., Ltd.、大同ケミカルエンジニアリング㈱、月島機械(北京)有限公司
(その他)
月島ビジネスサポート㈱
当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
各事業における当社および関係会社の位置づけは次のとおりとなります。
事業の系統図
(2024年3月31日現在)
※1 持分法適用会社であります。
※2 持分法非適用会社であります。
※3 重要性が乏しい非連結子会社は記載を省略しております。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当連結会計年度における当社を取り巻く市場環境は、国内外において米中貿易摩擦やロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の緊迫などの地政学的リスクの影響により依然として先行きが不透明な状況が続くなか、中国経済の減速、原材料価格の高騰や為替の変動などが経済活動に与える影響について留意する必要がありました。
このような環境の下で当社グループは、2023年4月より持株会社体制に移行しました。また、持続的な成長を目指すために「サステナビリティ経営の推進」、「事業領域の拡充とグループ収益力の強化」、「資本効率の向上と株主還元の拡充」を基本方針とした中期経営計画(2023年4月~2027年3月)を策定し、推進することで、企業価値の向上に取り組んでまいりました。また、2023年10月1日にJFEエンジニアリング株式会社の国内水エンジニアリング事業を月島アクアソリューション株式会社と統合し、商号を月島JFEアクアソリューション株式会社に変更しております。
セグメント別の取り組みは、次のとおりです。
水環境事業においては、上下水道設備や汚泥再生処理・バイオマス利活用設備などの水インフラの増設•更新需要の取り込みや、設備の維持管理業務、補修工事などの営業活動を展開してまいりました。また、脱炭素社会に貢献する創エネルギー事業、および水インフラを安定的に維持・運営していくために設備の建設と長期の維持管理業務が一体となったPFI(*l)、DBO事業(*2)や、包括O&M業務(*3)、FIT(*4)を活用した発電などの官民連携事業の受注拡大に取り組んでまいりました。
一方、産業事業においては、化学分野向けプラント・単体機器や持続可能な社会の実現に貢献する二次電池製造関連設備などの産業インフラ関連設備および廃液・固形物廃棄物処理などの環境関連設備の営業活動を推進してまいりました。
その結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、以下のとおりとなりました。
受注高は1,652億87百万円(前期比55.9%増)、売上高は1,242億5百万円(前期比27.0%増)となりました。また、損益面につきましては、営業利益は67億65百万円(前期比35.2%増)、経常利益は78億10百万円(前期比38.2%増)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産の減損による特別損失を計上したこと等により26億75百万円(前期比36.5%減)となりました。
*1:PFI(Private Finance Initiative)
施設整備を伴う公共サービスにおいて、民間の有する資金、技術、効率的な運用ノウハウなどを活用する仕組み
*2:DBO(Design Build Operate)事業
事業会社に施設の設計(Design)、建設(Build)、運営(Operate)を一括して委ね、施設の保有と資金の調達は行政が行う方式
*3:包括O&M業務
設備の運転管理業務だけでなく、設備の補修工事や薬品等の供給も含めた包括的な維持管理業務
*4:FIT(Feed-in Tariff)
再生可能エネルギーを用いて発電された電気を、一定価格で電気事業者が買い取ることを義務付けた制度(固定価格買取制度)
当社グループは、当社と子会社41社および関連会社14社で構成され、上下水道および汚泥再生処理・バイオマス利活用設備を主要マーケットとする水環境事業と、化学分野や二次電池製造などに関連する産業インフラ設備および廃液や固形廃棄物処理などの環境関連設備を主要マーケットとする産業事業の2つを主たる事業と位置付けており、それら以外の事業をその他としております。
当連結会計年度におけるセグメント別の業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、従来、水環境事業に含めていた「一般・産業廃棄物処理事業」を産業事業にセグメント区分の変更を行っており、前期の数値は、セグメント変更後の数値で比較しております。
(水環境事業)
水環境事業は、水インフラ(機器・プラントの設計・建設)とライフサイクルビジネス(運転・メンテナンス・補修工事・サービス業務)により構成されております。
事業環境につきましては、国内の水インフラ関連投資は堅調に推移しております。また、複数年および包括O&M業務や設備建設と長期の維持管理業務を一体化したPFI、DBO事業などの発注は増加しております。一方で、原材料価格の高騰や為替の変動などが経済活動に与える影響について留意する必要がありました。
このような状況の下で当社グループは、国内の上下水道および汚泥再生処理設備の増設・更新需要を取り込むために、下水処理場向け汚泥処理設備、浄水場向け排水処理設備、し尿処理設備などの営業活動を推進してまいりました。また、脱炭素社会に貢献する技術開発および民間企業のノウハウを活用した官民連携事業の提案を推進してまいりました。その結果、下水処理場向け次世代型汚泥焼却システム、浄水場向け排水処理設備、汚泥再生処理設備、大型包括O&M事業などの受注を果たしました。また、メンテナンスなどのアフターサービス事業をより一層強化するために、包括O&M業務や補修工事の営業活動を展開し、受注高を確保してまいりました。
その結果、当連結会計年度における水環境事業の受注高は1,239億51百万円(前期比109.6%増)、売上高は809億59百万円(前期比35.7%増)、営業利益は50億83百万円(前期比56.3%増)となりました。
(産業事業)
産業事業は、産業インフラ(機器・プラントの設計・製造・建設)と環境(環境保全設備の設計・製造・建設、廃棄物処理事業)により構成されております。
事業環境につきましては、国内外において米中貿易摩擦やロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の緊迫などの地政学的リスクの影響により依然として先行きが不透明な状況が続くなか、中国経済の減速、原材料価格の高騰や為替の変動などが経済活動に与える影響について留意する必要がありました。
このような状況の下で当社グループは、化学分野などの産業インフラの設備更新需要や脱炭素社会に貢献する二次電池製造関連設備の設備投資需要を取り込むために、国内外における各種プラント設備および晶析装置、乾燥機、分離機、ろ過機、ガスホルダ、攪拌機などの単体機器の営業活動を展開してまいりました。環境分野においては、国内外向けに廃液燃焼システム、固形廃棄物焼却設備、排ガス処理設備や補修工事の営業活動を展開してまいりました。また、微粒子製造技術の競争力強化やアフターセールスの強化に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度における産業事業の受注高は400億2百万円(前期比13.9%減)、売上高は419億12百万円(前期比11.3%増)、営業利益は13億77百万円(前期比32.7%減)となりました。なお、当連結会計年度において、月島機械株式会社について現在の事業環境を踏まえて今後の事業計画を見直し、固定資産の減損による特別損失を16億46百万円計上しました。
(その他)
その他事業は、主に不動産管理、賃貸に関する事業であり、市川工場跡地において三井不動産株式会社と共同で開発した物流施設の事業になります。当該物流施設は前期から操業を開始しており、当連結会計年度よりフリーレントが解消し収益貢献しています。
当連結会計年度における受注高は13億32百万円(前期比199.8%増)、売上高は13億32百万円(前期比199.8%増)、営業利益は3億8百万円(前期は営業損失2億94百万円)となりました。
b.財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は2,080億14百万円となり、前連結会計年度末に比べ615億52百万円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加67億73百万円、売掛金の増加253億28百万円、契約資産の増加137億47百万円や投資有価証券の増加63億82百万円などがあったことによるものです。
負債合計は1,024億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ387億2百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加72億39百万円、短期借入金の増加140億円や長期借入金の増加45億5百万円などがあったことによるものです。
純資産合計は1,055億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ228億49百万円増加しました。これは主に、その他有価証券評価差額金の増加47億96百万円や非支配株主持分の増加166億80百万円などがあったことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は276億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ、46億2百万円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、56億32百万円となりました(前連結会計年度は82億32百万円の獲得)。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上73億76百万円および減価償却費の計上34億25百万円などの増加要因があった一方、売上債権及び契約資産の増加232億15百万円などの減少要因があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、27億68百万円となりました(前連結会計年度は28億17百万円の支出)。これは主に、有形固定資産の取得による支出23億31百万円などの減少要因があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、74億43百万円となりました(前連結会計年度は115億64百万円の支出)。これは主に、長期借入金の返済による支出37億96百万円や配当金支払による支出20億27百万円などの減少要因があった一方、短期借入金の増加額140億円などの増加要因があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結グループは、生産実績の表示は困難であります。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当連結会計年度より、従来、水環境事業に含めていた「一般・産業廃棄物処理事業」を産業事業へセグメント区分を変更しており、前期比の数値は、セグメント変更後の数値で比較しております。
3 当連結会計年度の水環境事業の受注残高には、2023年10月1日付でJFEエンジニアリング株式会社の国内水エンジニアリング事業を統合したことに伴い受け入れた金額を含めて記載しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当連結会計年度より、従来、水環境事業に含めていた「一般・産業廃棄物処理事業」を産業事業へセグメント区分を変更しており、前期比の数値は、セグメント変更後の数値で比較しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年3月31日)現在において当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用関連会社)が判断したものであります。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
(受注高)
当連結会計年度の受注高は、前連結会計年度に比べ55.9%増加の1,652億87百万円となりました。
水環境事業では、2023年10月にJFEエンジニアリング株式会社の国内水エンジニアリング事業を統合した効果に加え、設備の更新需要を積極的に取り込み下水処理場向け次世代型汚泥焼却システム、浄水場向け排水処理設備、汚泥再生処理設備、大型包括O&M事業などの案件を獲得したことにより受注高が648億22百万円増加したことによるものです。一方、産業事業では、中国経済の減速などによる市況低迷の影響から一部の顧客が設備投資を延期または凍結したことが影響して受注高が64億69百万円減少いたしました。なお、セグメント別の受注状況につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ27.0%増収の1,242億5百万円となりました。これは、水環境事業は、2023年10月にJFEエンジニアリング株式会社の国内水エンジニアリング事業を統合した効果に加え、水環境事業、産業事業ともに受注済みの案件が順調に進捗し増収となったことによるものです。なお、セグメント別の売上高につきましては「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業利益)
当連結会年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ35.2%増益の67億65百万円となりました。これは、主に水環境事業において、2023年10月にJFEエンジニアリング株式会社の国内水エンジニアリング事業を統合した効果によるものです。なお、セグメント別の営業利益につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度においては、支払利息などの営業外費用を2億44百万円計上した一方で、受取配当金などの営業外収益を12億89百万円計上し、経常利益は前連結会計年度に比べ38.2%増益の78億10百万円となりました。また、投資有価証券売却益7億39百万円などの特別利益を13億22百万円計上した一方で、当社の連結子会社である月島機械株式会社について固定資産の減損による減損損失を16億46百万円計上するなど特別損失を17億57百万円計上しました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ36.5%減益の26億75百万円となりました。
(財政状態)
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 b.財政状態の状況」をご参照ください。
当連結会計年度末における自己資本比率は42.0%(前期比13.4ポイント減)となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主力製品は個別受注生産であり、様々な外部要因によって、売上高および利益が計画どおりに計上されない可能性があります。
なお、詳細は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報について
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
当社グループは、持続的な成長を目指すために「サステナビリティ経営の推進」、「事業領域の拡充とグループ収益力の強化」、「資本効率の向上と株主還元の拡充」を基本方針とした中期経営計画(2023年4月~2027年3月)を推進することで、企業価値の向上に取り組んでまいりました。この基本方針を実現するため、中期経営計画期間においては、研究開発投資、M&A投資、基幹システム更新などの戦略投資を実行してまいります。
また、当連結会計年度は、当社でのIT関連等のほか、連結子会社であるサンエコサーマル株式会社の一般廃棄物、産業廃棄物中間処理設備等で、総額32億81百万円の設備投資を実施いたしました。
当社グループは、中期経営計画に基づく持続的成長を支えるために、以下の「財務戦略」を掲げております。
① 調達方針
当社グループは運転資金および定常的な設備投資・研究開発につきましては、原則、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金にて賄っておりますが、キャッシュフローを超える大型の設備投資やM&Aについては外部調達にて対応します。当社グループは、資本コストを意識し外部調達を有効活用して「最適資本構成」(注1)を確立してまいります。
② 財務規律
財務基盤の安定を企図して以下の財務規律を定めております。
a.自己資本比率 40%~50%程度
b.D/Eレシオ(注2) 0.8倍以内
c.手許現預金を月商の2か月分確保
③ キャピタルアロケーション
当社グループは、ROEとROICを新たに経営指標に設定し、資本効率の向上と資本コストを意識した企業価値経営を推進してまいります。また、キャピタルアロケーションを策定し、創出した営業キャッシュ・フローに加え政策保有株式の売却を実施し、通常の設備投資に加えデジタルトランスフォーメーション(DX)や人的資本などの戦略投資、株主還元に配分してまいります。M&Aなどの大規模投資には必要に応じて負債等による調達を活用し最適資本構成を目指します。なお、政策保有株式については継続的な縮減に取り組み、本中期経営計画の期間内で連結純資産の20%以内、金額として30~50億円の売却を目指しておりましたが、縮減をより一層加速させるべく目標を本中期経営計画期間中に70億円以上の売却に変更いたしました。売却により生じた資金については、中長期的な企業価値向上に向け、成長投資や株主還元に最適配分してまいります。
④ 株主還元方針
当社は、財務体質と経営基盤の強化を図りつつ、毎期の業績、新規投資、連結配当性向等を総合的に勘案しながら安定配当に努めることを利益配分の基本方針としております。株主還元につきましては、総還元性向50%以上、配当性向40%以上を目標としておりましたが、政策保有株式の売却と検討中の設備投資の時期を見直したことにより、2025年3月期の配当性向の目標を50%以上に拡充いたしました。安定的な配当と継続的な増配に努めるとともに、機動的な自己株式の取得にも取り組んでまいります。
(注1)最適資本構成とは、株式会社の資本構成要素である他人資本(借入)と自己資本の比率や内容・内訳などがその企業によって最適なバランスをとり、資本コストが最適になる構成のこと。資本コストが最小に抑えられる。
(注2)D/Eレシオとは、負債が自己資本の何倍にあたるかを示す指標。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について
今後の景況感につきましては、米中貿易摩擦やロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の緊迫などの地政学的リスクの影響、および中国経済の減速、原材料価格の高騰や為替の変動などが経済活動に与える影響について留意する必要があります。国内の上下水道分野は、水インフラ関連の投資は引き続き堅調に推移していくものと推測されますが、中長期的には人口減による市場規模の縮小、および競争の激化等により事業環境が厳しくなることが予想されております。2023年10月に当社グループの水環境事業とJFEエンジニアリング株式会社の国内水エンジニアリング事業を統合しました。シナジーを創出し、さらなる事業基盤の安定化に取り組んでまいります。民間の設備投資については、注力しているリチウムイオン二次電池向けの機器・プラントの市況は、欧米等における電気自動車に対する補助金の見直しの影響などもあり踊り場を迎えている状況ですが、中長期的には内燃機関から電気自動車へのシフトが進む方向性は変わらないと思われることから、引き続き競争力の強化に取り組み脱炭素社会の構築に貢献してまいります。
このような状況のもとで当社グループは、グループ戦略および経営基盤の強化を図り、事業子会社の業務執行に関する権限移譲により意思決定の迅速化を進めるために、2023年4月より持株会社体制に移行いたしました。当社グループの持続的な成長を目指すために、「サステナビリティ経営の推進」、「事業領域の拡充とグループ収益力の強化」、「資本効率の向上と株主還元の拡充」を基本方針とした中期経営計画(2023年4月~ 2027年3月)を策定し、推進することで、企業価値の向上に取り組んでまいりました。
2025年3月期の数値目標については、連結売上高1,300億円、連結営業利益70億円、連結経常利益78億円、親会社株主に帰属する当期純利益44億円を目指してまいります。
*上記の業績予想は、現時点で入手可能な情報に基づき当社が判断したものです。実際の業績は、今後様々な要因によりこれらの業績予想とは異なる結果になる可能性があります。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており、経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積りや判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。財政状態および経営成績に関する主要な点は以下のとおりであります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、上下水道設備を主要マーケットとする水環境事業と、化学、鉄鋼、食品等の産業用設備および廃液や固形廃棄物処理、二次電池製造関連設備等の環境・エネルギー関連設備を主要マーケットとする産業事業を中心に事業活動を展開していることから、「水環境事業」、「産業事業」の2つを報告セグメントとしております。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
各報告セグメント別の主要な事業内容は、以下のとおりであります。
(3) 報告セグメントの変更等に関する事項
当連結会計年度より、従来、水環境事業に含めていた「一般・産業廃棄物処理事業」を産業事業へセグメント区分を変更しております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを「3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報」の前連結会計年度に記載しております。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部売上高および振替高は市場実勢価格に基づいております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、不動産賃貸事業、印刷・製本などを含んでおります。
2 セグメント売上高の調整額△249百万円は、セグメント間取引の消去によるものであります。
3 セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と一致しております。
4 セグメント資産は、事業セグメントに資産を配分していないため、記載しておりません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、不動産賃貸事業、印刷・製本などを含んでおります。
2 セグメント売上高の調整額△5,365百万円は、セグメント間取引の消去によるものであります。
3 セグメント利益の調整額△3百万円は、セグメント間取引に係る未実現利益の調整であります。
4 セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
5 セグメント資産は、事業セグメントに資産を配分していないため、記載しておりません。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報として同様の情報が開示されているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:百万円)
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める顧客がないため、該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報として同様の情報が開示されているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:百万円)
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める顧客がないため、該当事項はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
減損損失の詳細については、第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(連結損益計算書関係)の※7 減損損失をご参照ください。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。