リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、以下に開示しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、これらのリスクを認識したうえで、事態の発生の回避および発生した場合の対応に努める所存であります。
(1)事業構造改革について
当社は、成長性の高い画像検査事業へ経営リソースをシフトするため、これまでにないM&Aや新会社の設立など外部の経営資源を積極的に活用する施策を推進しております。今後も、当社の成長戦略に有効と判断した場合には、こうした施策を実行することがあり得ます。しかしながら、買収等により確保した優秀な人材が、異なる文化的背景から士気を維持することができない場合や製品ポートフォリオを構築することができない場合、買収後に想定していなかった重大な問題が発見された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)市場ニーズ・価格競争について
一般に生活水準が向上することにより、製品検査ニーズは高まります。パッケージの記載に間違いがないか、成分が正しく表記されているかなどの検査が必要となります。また、医薬品市場などでは、コンプライアンスの観点からサンプリング検査ではなく全品検査が前提となる状況が発生し、その傾向は高まっています。これに対処するためには、目視では限界があり、画像検査装置が必要とされるようになっています。
社会的なニーズの変化として、誤謬に対する寛容性の拡大、意匠性の軽視等が発生する可能性は低いと考えられますが、デジタルサイネージのような通信手段にて修正が可能な技術がパッケージ表面等に採用されるなど、大きな技術的な変化が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。
(3)生産体制について
当社グループは、オリジナルのソフトウエアを開発し販売しています。ユーザの多くは、国内のハイエンド企業であり、要求水準も高いため、ハードウエアなどを限界まで稼働させるソフトウエア品質が要求され、これに応えるエンジニアにも高い開発力が必要です。
労働市場では、慢性的にソフトウエアエンジニアが不足しており、高度な技術を持つエンジニアの不足は顕著です。社内に、こうしたスキルの高いエンジニアが不足すると、外部への委託開発やコストの高いエンジニアの採用を行う必要があります。これは、コストアップ要因であり、予定する開発が困難となったとき、当社グループの業績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
(4)特定の外注先・仕入先への依存について
画像検査装置は、搬送機器と撮像機器(カメラ・照明)とソフトウエアにて構成されますが、当社グループが供給しているのはソフトウエアのみです。半導体等の不足や金属素材や部品価格の高騰により、必要とする搬送機や撮像機器が高騰した場合、画像検査装置の価格が高騰し、市場で受け入れられなくなるリスクが考えられます。
当社グループはこうした状況に対応するため、部材の調達を長期的観点から行っておりますが、搬送機メーカーや撮像機器メーカーからの調達価格の高騰や、調達そのものが困難になった場合は、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす恐れがあります。
(5)製品等の品質確保について
当社グループは、お客様に満足を提供し、安全で快適な社会の維持向上を図るため、品質保証体制においても万全を尽くしておりますが、予期せぬ製品等の不具合が発生することなどにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、画像検査事業ではソフトウエアや通信サービスなどITテクノロジーを駆使してサービスを提供しておりますが、IT分野に著しい技術革新が発生した場合において、当該新技術の利用が制限されるなどした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)為替変動について
当連結会計年度における当社グループの海外売上高は、連結売上高の9.3%を占めており、前連結会計年度と比較して減少しました。
当社グループは、出来る限り円建での取引を行い、為替の変動による業績への影響を最小限にするよう努力しておりますが、為替が大きく変動した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(7)人材の確保と育成について
当社グループでは、優秀な人材を確保・育成することは、今後、当社グループが事業を発展・拡大するうえで重要な項目の一つと認識しており、特に業界特有の専門知識と技術の継承は、当社グループの事業遂行に不可欠であります。従いまして、的確な人材確保や育成ができなかった場合、もしくは重要な人材の流出が発生した場合には、今後の事業展開も含めて業績その他に影響を与える可能性があります。
(8)新型コロナウイルス感染症の影響について
世界的な新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループにおいても、事業を取り巻く環境について先行き不透明な状況が生じております。販売においても、受注および出荷延期による販売高減少の影響を受けております。新型コロナウイルス感染拡大の対策として、従業員やお客様、そして地域の安心・安全を第一に安全衛生の徹底、在宅勤務、時差出勤の推進およびweb会議の活用等により感染予防に取り組んでおります。
なお、今後も動向を注視しながら適宜対策を講じてまいりますが、さらなる感染拡大等、想定を超えるような事態が発生する場合には、当社グループの財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(9)その他
当社グループだけでは回避できない、経済や政治経済の変化、自然災害、戦争、テロ、感染症のパンデミック等の予期せぬ事象が発生した場合、当社グループの業績が影響を被る可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社の配当政策は、将来の事業展開と経営体質の強化のために内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続実施していくことを基本方針としております。
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる旨を定款に定めており、また、当社は中間配当をすることができる旨を定款に定めておりますが、毎事業年度における剰余金の配当は、期末配当の年1回とすることを基本方針としております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき、期末配当金は1株につき10円00銭としております。
内部留保金につきましては、時代の要求や市場のニーズに応える優れた製品開発・研究開発活動及び経営体質の一層の改善・効率化のための投資等に活用し、事業の発展に貢献してまいります。
なお、基準日が当事業年度に係る剰余金の配当は以下の通りであります。
決議年月日 |
配当金総額(千円) |
1株当たり配当額(円) |
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2024年3月26日 |
定時株主総会決議 |
47,976 |
10.0 |