2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状況および投資判断等に影響を及ぼす可能性のあるリスクを記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、記載事項はリスクを全て網羅するものではありませんのでご留意下さい。

 

(1) 事業環境に由来するリスク

① 事業環境の変化(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:長期的)

a.土壌汚染対策事業

 土壌汚染対策事業の需要は、「土壌汚染対策法」及び各地方自治体により施行される条例等の影響を受けます。今後、法令や条例等が新設又は改正され強化される場合、土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事の機会が増加すると考えられ、需要が拡大する可能性があります。反対に規制が緩和される場合は、需要が縮小する可能性があります。2019年に施行された改正土壌汚染対策法には土壌汚染調査の契機が拡大する規制強化と自然由来の汚染土壌の取り扱いに関する規制緩和の内容が含まれております。

 一方、土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事の需要の大半は、不動産取引を契機とした企業の法令対応、工場等の統廃合、M&Aを契機とした環境リスク対策、稼働中の工場等敷地の土壌及び地下水の環境保全を目的とした環境投資によって占められております。そのため、土壌汚染対策事業の需要は、景気動向による不動産取引の増減や企業の環境投資の増減の影響を受けます。新型コロナウイルスの感染拡大等に伴って経済活動が縮小し景気が減速した場合、それに連動して土壌汚染対策事業の需要も減少する可能性があります。

 

b.ブラウンフィールド活用事業

 ブラウンフィールド活用事業の収益は、不動産市況の動向と連動いたします。不動産市況が土地の仕入時期に比べて販売時期の方が好況な場合は、予定販売価格より高額で販売できる可能性があります。反対に、金利上昇等により顧客の購買意欲の減退が起こる場合や、景気後退により不動産取引が減少する場合には、販売価格が予定を下回る可能性があります。

 また、これらの要因を背景として、販売用不動産の引き渡し時期が当初の計画から早まる、もしくは遅くなるといった変動が発生する可能性があります。

 

c.自然エネルギー事業

 自然エネルギー事業については、固定価格買取制度による電力会社への売電収入を主たる収入源としておりますが、買取価格の落札価格は年々低下しており、固定価格買取制度を活用した新規の太陽光発電所は、既設の太陽光発電所と比較して収益性が低下する可能性があります。また近年、太陽光発電所の発電総量が増大したことから、需給バランスを保つために電力会社から出力抑制を求められるケースが増えてきました。出力抑制に応じている期間は、売電収入が得られないので売上高が減少する可能性があります。

 

② 競合の状況(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:長期的)

a.土壌汚染対策事業

 土壌汚染関連業界の国内市場は、土壌汚染対策法の一部改正により土壌汚染調査の契機が拡大し、年間の調査件数は増加傾向が続いておりますが、浄化工事を伴わない措置の増加や競合企業間の競争により工事単価の低下が進行しております。当社グループは、「原位置浄化」という得意技術を強みとした土壌汚染対策事業に加えて、土壌汚染リスクを評価して現状有姿で購入した後に浄化して再販するブラウンフィールド活用事業を行っており、技術力を裏付けに不動産事業を絡めて汚染された土地の活用提案から土壌汚染調査、土壌汚染浄化工事、跡地の流動化までを一貫して手掛ける「ワンストップソリューション」を提供できる企業グループとして、他社との差別化を図っております。しかしながら、競合他社との受注競争が激しくなる中で、厳しい条件で受注する傾向が進んだ場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

b.ブラウンフィールド活用事業

 ブラウンフィールド活用事業は、土地の需要家に代わって当社グループが土壌汚染リスクを取って解決することで成立するビジネスモデルであります。そのため、想定される土壌汚染対策費用が土地の価格に対して一定割合以上のインパクトがある場合に、当社グループの強みが発揮できます。不動産市場が活況化して不動産価格が高騰した場合、不動産価格に対する土壌汚染対策費用のインパクトが相対的に低くなるため、不動産開発業者等の土地の需要家が自ら土壌汚染リスクを取ることが可能になります。その結果、大手不動産開発業者等の土地の需要家と競合するため販売用不動産の仕入れに影響し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

c.自然エネルギー事業

 固定価格買取制度では、新規の太陽光発電所については入札により発電事業者が決定されます。不特定多数の競合企業が入札に参加するため、予定した売電価格で落札できない可能性があります。また、電力の需要家と直接売電契約を締結するPPAについても参入する発電事業者が増加傾向にあり、売電の価格競争が激しくなってきております。これらの結果として売電価格が低下すると、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(2) 事業内容に由来するリスク

① 売上計上時期が計画から遅れるリスク及び一時期に集中するリスク(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:短期的)

a.土壌汚染対策事業

 土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事は多くの場合、施設閉鎖、土壌汚染調査、施設解体、土壌汚染浄化工事、及び新しい建築物(マンション等を含みます)の建設という一連の工程の中で実施されます。したがって、何らかの事情により施設閉鎖時期が遅れる、又は解体工事の着工が遅れる等、当社グループに起因しない事情により事業が遅延し、それに付随して土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事の実施時期が遅れる場合があります。また、汚染の状況によっては、追加調査が必要な場合があります。このような場合は、調査期間が長引く若しくは土壌汚染浄化工事の実施時期が遅れることもあるため、結果として売上計上時期が計画から遅れる可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループが大型の土壌汚染対策に関する案件を受注した場合、若しくは多数の受注工事が一時期に集中した場合、該当する四半期決算の売上高は大幅に増加する可能性がありますが、当該四半期決算の経営成績だけをもって、通期の経営成績を見通すことは困難である点には留意する必要があります。

 

b.ブラウンフィールド活用事業

 土壌汚染対策を完了した後に売却する販売用不動産については、土壌汚染対策の工程や法で定められた地下水の2年間モニタリング等の状況により販売時期が遅れ、売上計上時期が計画から遅れると、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、売上規模の大きな販売用不動産の売却を実行した場合には、該当する四半期決算の売上高は大幅に増加する可能性がありますが、当該四半期決算の経営成績だけをもって、通期の経営成績を見通すことは困難である点には留意する必要があります。

 

② 原価が変動するリスク(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:短期的)

a.土壌汚染対策事業

 土壌汚染浄化工事は、土壌汚染調査の結果を基に設計・積算して、工事価格を決定しますが、土壌汚染調査は必ずしも当社グループが実施するわけではなく、他社が実施した既存の調査結果を基に設計・積算することがあります。したがって、土壌汚染調査の結果と実際の汚染状況が著しく異なる場合は、工事費用が変動する可能性があります。例えば「原位置浄化」か、それ以外の工法かにより利益率が異なるため、利益率の低い工法を選択せざるを得ない場合は、当初予定の利益を確保できない可能性があります。また、近年、不動産開発業者との契約で一般的になりつつある増減なしの確定した金額での責任施工(コストキャップ保証)として土壌浄化工事を請け負った場合、免責部分については負担する必要があるため、当初予定の利益を確保できない可能性があります。

 当社グループは、原価上昇時には工事価格の増額に理解を求め、また、工事費用が変動した場合の上振れ分を補填する保険(業務過誤保険)に加入するなどして、当該リスクの軽減を図っております。

 

b.ブラウンフィールド活用事業

 土壌汚染地を販売用不動産として現状有姿で仕入れる場合、土壌汚染リスクを解消するために要する土壌汚染対策費用等の原価を十分に検討し、販売時期と販売価格を想定したうえで購入価格を決定しております。土壌汚染状況が100%明らかになっていない場合が多く、土壌汚染対策を実施する際に想定を大きく超える汚染が見つかった場合は原価が上振れ、当初予定の利益が確保できない可能性があります。また、反対に当初予見したより汚染状況が軽微であった場合は原価が下振れ、当初予定の利益を上振れて確保できる可能性もあります。

 不動産の仕入時には、土壌汚染対策事業のノウハウを活用しながら調査を綿密に行って、当該リスクの軽減を図っております。

 

c.自然エネルギー事業

 当社グループが運営・管理する太陽光発電所については、想定される補修費用や設備更新費用等を維持管理費用として年度予算に組み入れておりますが、主に豪雨や地震等の自然災害に起因する想定外の設備の損壊が発生する可能性があり、突発的な補修費用が発生する可能性があります。

 当社グループは、これら災害等に対応する損害保険等を付与してリスクヘッジを行い、当該リスクの軽減を図っております。

③ 為替変動に関するリスク(発生可能性:高、影響度:小、発生時期:短期的)

 土壌汚染対策事業では、主に北米メーカー製品の土壌汚染関連機器・資材・浄化用薬剤を輸入しております。また、自然エネルギー事業では中東において売電事業を展開しております。いずれも主に米ドル建てで取引しているため、為替変動により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 仕入先との取引条件について(発生可能性:低、影響度:小、発生時期:時期特定なし)

 土壌汚染対策事業において、主に北米メーカー製品の土壌汚染関連機器・資材・浄化用薬剤を輸入しており、一部のメーカーとの間で日本国内における独占販売契約を締結しております。今後不測の要因により主要な仕入先との取引契約が解消された場合、当社グループの事業展開及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 これら仕入先との取引契約が解消されることは、現状では想定し難いものと認識しておりますが、継続的に良好な関係を継続して、当該リスクの軽減を図っております。

 

⑤ サービス及び商品の欠陥について(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:時期特定なし)

 当社グループは品質管理に細心の注意を払っておりますが、提供するサービス及び商品に欠陥が生じるリスクがあります。その場合、当社グループは、サービス又は商品の欠陥が原因で生じた損失に対する責任を追及される可能性があります。さらに、サービス又は商品に欠陥が生じたことにより社会的評価が低下した場合は、当社グループのサービス及び商品に対する顧客の購買意欲が低減する可能性があります。これらの場合、当社グループの財政状態及び経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 当社グループは、品質管理室が主体となって品質管理体制を構築して、当該リスクの軽減を図っております。

 

⑥ 海外展開について(発生可能性:中、影響度:小、発生時期:中期的)

 当社グループは中国(土壌汚染対策事業)や中東諸国(自然エネルギー事業)を中心とした海外市場において、積極的な事業展開を推進しております。海外展開においては、事業投資に伴う為替リスク、カントリーリスク、市場環境の変化により出資額又は出資額を超える損失が発生するリスク等を伴う可能性があります。また、感染症の蔓延や政変等により当該国の経済活動が停滞する可能性があります。それによって計画どおりに事業展開ができない場合には、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 海外事業展開にあたっては、現地の市場動向、政策動向、競争環境等を調査、把握したうえで実施して、当該リスクの軽減を図っております。

 

(3) その他のリスク

① 法的規制リスク(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:特定時期なし)

 当社グループは、各事業の遂行にあたり、様々な法的規制を受けております。

 各事業に関連する法令やリスクは、各事業部と法務部が連携して動向の注視及び最新情報の取得に努めるとともに、リスク・コンプライアンス委員会やイントラネットサイトなどを通じて社内周知を行うなどして、法令やリスクに対応する体制を構築しております。

 なお、各事業に関連する法令が大きく改正され、当社グループが対応できなくなる事象が発生する場合や、以下に記載する許認可等が取り消しされた場合には、当社グループの事業活動が制限され、社会的信用、財政状態及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループが取得している主要な許認可等の状況は以下のとおりであります。この有価証券報告書提出日現在において、許認可等の継続に支障を来す要因が発生している事実はありません。

 

a.土壌汚染対策事業

取得・登録者名

㈱エンバイオ・エンジニアリング

㈱エンバイオ・エンジニアリング

取得年月

2003年8月8日

2015年2月3日

許認可等の名称

指定調査機関

建設業許可(特定建設業)

所管官庁等

環境省

国土交通省

許認可等の内容、許可番号

土壌汚染対策法第3条第1項、第4条第2項又は、第5条第1項に基づいて土壌汚染状況調査を実施する義務が生じた土地の所有者等からの委託等による調査の実施及び法第16条第1項に基づく土壌の調査を実施する機関。

環2003-2-2031

次の工事業(特定)に関する免許

土木、建築、大工、左官、とび・土工、石、屋根、電気、管、タイル・れんが・ブロック、鋼構造、鉄筋、舗装、しゅんせつ、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、機械器具設置、熱絶縁、造園、建具、水道施設、解体。

国土交通大臣許可(特-1)第25676号

有効期限

2025年3月31日(以降5年毎に更新)

2025年2月2日(以降5年毎に更新)

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

指定取消の要件(土壌汚染対策法第42条)

①法第30条第1号又は第3号(欠格条項)に該当するに至ったとき

②法第33条(技術管理者の選任)、第35条(変更の届出)、第 37条第1項(業務規程の届出・規程変更の届出)又は第 38 条(帳簿の備付け等)の規定に違反したとき

③法第36条第3項の規定による命令(改善命令)又は法第39条の規定による命令(適合命令)に違反したとき

④不正の手段により法第3条第1項の指定を受けたとき

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)

 

b.ブラウンフィールド活用事業

取得・登録者名

㈱エンバイオ・リアルエステート

㈱土地再生投資

取得年月

2012年2月10日

2018年5月18日

許認可等の名称

宅地建物取引業(免許)

宅地建物取引業(免許)

所管官庁等

東京都

東京都

許認可等の内容、許可番号

宅地・建物の売買

東京都知事(3)第93862号

宅地・建物の売買

東京都知事(2)第102018号

有効期限

2027年2月10日(以降5年毎に更新)

2028年5月18日(以降5年毎に更新)

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

指示処分・業務停止処分(宅地建物取引業法第65条)

業務に関し関係者に損害を与えた(または与えるおそれがある)とき、取引の構成を害した(または害するおそれがある)とき、他の法令に違反したとき

免許取消の要件(同法第66条)

1.代表者や法人役員等が欠格事由に該当する場合

①成年被後見人、被保佐人又は破産者宣告を受けた場合

②禁固以上の刑に処せられた場合

③暴力団による不当な行為の防止に違反した場合

2.業務違反

①不正な手段により宅建業免許を取得した事が発覚した場合

②免許を受けてから1年以上事業を休止した場合

3.許可要件の喪失

①許可取得要件を満たせなくなった場合

②免許の更新をしなかった場合

指示処分・業務停止処分(宅地建物取引業法第65条)

業務に関し関係者に損害を与えた(または与えるおそれがある)とき、取引の構成を害した(または害するおそれがある)とき、他の法令に違反したとき

免許取消の要件(同第66条)

1.代表者や法人役員等が欠格事由に該当する場合

①成年被後見人、被保佐人又は破産者宣告を受けた場合

②禁固以上の刑に処せられた場合

③暴力団による不当な行為の防止に違反した場合

2.業務違反

①不正な手段により宅建業免許を取得した事が発覚した場合

②免許を受けてから1年以上事業を休止した場合

3.許可要件の喪失

①許可取得要件を満たせなくなった場合

②免許の更新をしなかった場合

 

② 情報管理に関するリスク(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:短期的)

 顧客や取引先の個人情報や機密情報を保護することは、企業としての信頼の根幹をなすものであります。情報の漏洩が起きた場合、当社グループの信用は低下し、顧客等に対する賠償責任が発生する等、当社グループの財政状態及び経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 当社グループでは、情報セキュリティポリシーや社内管理体制を整備し、従業員に対する情報管理やセキュリティ教育等、情報の保護について種々の対策を推進して、当該リスクの軽減を図っております。

 

③ 自然災害・火災・事故等への対応について(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:特定時期なし)

 地震、風水害等の自然災害により当社グループが運営する太陽光発電所・事務所・設備・社員とその家族等に被害が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。また、重大な労働災害、事故等が発生した場合には、操業に支障が生じ、経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループは、安全第一を目的として、労使間における安全衛生委員会を設け、安全パトロールや安全教育を実施する等事故の防止に努めております。また、損害保険等を付与するなどリスクヘッジを行って、当該リスクの軽減を図っております。

 

④ 小規模組織であることについて(発生可能性:中、影響度:大、発生時期:特定時期なし)

 当社グループは小規模な組織であり、内部管理体制や業務執行体制も当該組織規模に応じたものとなっております。従って、当社グループの役員や従業員が病気や怪我等により業務を遂行する上で支障が生じた場合や転職等により人材が社外に流出した場合には、当社の業務に支障が生じる可能性があります。

 当社グループは、事業の拡大に伴う対応と管理体制のさらなる充実を目的として、人材育成、人材補強を行って、当該リスクの軽減を図っております。

 

⑤ 配当政策について(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:特定時期なし)

 当社は、企業価値の向上を目的として財務体質強化及び更なる事業拡大に対する投資の必要性を勘案した上で株主に対する適切な利益還元を行うことを基本方針としておりますが、配当政策が自然エネルギー事業の既設設備から得られる収益に連動しているため、業績が悪化した場合、これにともなって配当を減少もしくは実施しない可能性があります。

 

⑥ ストック・オプション等株式報酬の提供による株式価値の希薄化について(発生可能性:低、影響度:小、発生時期:特定時期なし)

 当社は、役員及び従業員へのインセンティブを目的として、譲渡制限付株式報酬制度及びストック・オプション制度を採用しております。今後も同様のインセンティブ・プランを継続する可能性があり、その場合は、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

 

⑦ 財務制限条項について(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:特定時期なし)

 当社が複数の金融機関との間で締結している借入に係る契約の一部には、財務制限条項が定められております。今後、当社の経営成績が著しく悪化するなどして財務制限条項に抵触した場合、借入先金融機関の請求により当該借入について期限の利益を喪失し、一括返済を求められるなどして、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、金融機関と緊密に情報共有するなどして良好な関係を継続し、当該リスクの軽減を図っております。

 

⑧ 株式会社シーアールイーとの関係について(発生可能性:低、影響度:中、発生時期:特定時期なし)

 株式会社シーアールイーは、この有価証券報告書提出日現在において当社株式の34.2%を保有しており、当社のその他の関係会社に該当します。当社は、株式会社シーアールイーとの間で資本業務提携契約を締結しており、同契約に基づき以下の関係を有しております。当社は株式会社シーアールイーと良好な関係を維持しておりますが、株式会社シーアールイーの事業戦略等の方針が転換された場合など、株式会社シーアールイーとの協業が減少し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、物流施設の賃貸など当社と株式会社シーアールイーとの間で発生する取引にあたっては、当社の関連当事者等管理規程に則り、適切に実施しております。

a.協業および取引の状況

 当社と株式会社シーアールイーは、両社が保有する土壌汚染地活用および土壌汚染対策に関するノウハウを融合させながら不動産の活用を行っております。また、大規模な不動産取引を実施する場合には、当社と株式会社シーアールイーが合弁で設立した株式会社土地再生投資を通じて取引しており、株式会社土地再生投資が金融機関から不動産購入資金を借入れる際には、当社と株式会社シーアールイーが出資割合に応じた債務保証を行うことを前提としております。また、株式会社シーアールイーが開発する物流倉庫の脱炭素化の推進を目的として、当社の自然エネルギー事業に関するノウハウを活用する協業を行っております。

 

b.役員の派遣

 株式会社シーアールイーから社外取締役1名が派遣されております。当該取締役からは不動産ビジネスを行う企業経営者としての豊富な経験と幅広い知識に基づく助言を得ております。

 なお、当社の取締役会は11名(取締役5名、社外取締役6名)で構成されており、当社における経営上の意思決定は、当社取締役ないし取締役会において独自に判断されていることからも同社からの独立性は確保されております。

 

c.承認等

 当社グループの経営、事業、財政状態、経営成績、キャッシュ・フロー又はそれらの将来の見込みに重大な悪影響を及ぼすおそれがある事項、及び当社による株式、新株予約権の発行、組織再編等を検討する場合には、両社間で速やかに協議を行うこととされておりますが、株式会社シーアールイーの事前承認等を必要とする事項は存在しません。また、同社は当社の事前の書面による同意を得ない限り、方法の如何を問わず、当社株式を追加取得できません。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、「将来の事業展開のための内部留保の充実」と「成長に応じた利益還元」を両立させることを重要な経営課題として位置付け、継続的かつ安定的に配当することを基本方針としております。具体的には、ストックビジネスである自然エネルギー事業の既設設備から得られる収益の約30%を当面の配当原資とすることで配当の安定的な増加の実現を目指します。内部留保金の使途につきましては、企業の体質強化及び今後の積極的な事業展開等に適切に活用してまいります。また、配当の回数については、年1回の期末配当を基本的な方針としております。

 剰余金の配当の決定機関は、法令の別段に定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず、取締役会の決議によっております。なお、当社は会社法第459条第1項に基づく剰余金の配当等を取締役会の決議により行う旨を定款に定めております。

 上記の方針に基づき、2024年3月期の期末配当につきましては、1株当たり8円とすることにいたしました。

 当事業年度に係る剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

基準日

配当金の総額

(千円)

1株当たり配当額

(円)

2024年5月27日

取締役会決議

2024年3月31日

65,098

8.00