リスク
3 【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
当社グループにおいて発生するリスクを適切に管理するための方針及び管理体制を「危機管理規程」において定め、グループに影響を与えるさまざまなリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止を図っております。
また、当社グループとして必ずしも事業遂行上のリスクと認識していない事項につきましても、投資者の投資判断上あるいは当社グループの事業を理解していただく上で重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する情報開示の観点から開示しております。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 特定業界への依存について
当社グループは、エレクトロニクス関連事業を主力事業としており、2024年3月期連結売上高の96.6%を占めております。エレクトロニクス関連事業では、主に半導体及び液晶関連工場向けに、製造工程において不可欠な特殊ガスを主軸に、超純水、薬液等に関するインフラ事業を行っております。特に、半導体市場は短期的な好不況の振幅が大きく、また、需要拡大及び縮小時において急激な需要と供給のアンバランスが生じ、これにより価格等の大きな市況変動が生じる場合があります。
このため、エレクトロニクス関連事業は、主要顧客の半導体及び液晶関連工場等への設備投資動向等により、需要変動が避けられない可能性があり、その変化への対応が適切でない場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定の取引先への取引依存について
当社グループは連結売上高のうち、主要顧客であるキオクシア株式会社グループ、Japan Advanced Semiconductor Manufacturing株式会社への売上高が、2024年3月期において、それぞれ36.4%、16.5%と大きな割合を占めております。当社グループは、今後もこれら取引先との長期安定取引の継続及び新規顧客の開拓に努めてまいりますが、何らかの事情によりこれらの取引先との取引が縮小された場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
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前連結会計年度 自:2022年4月1日 至:2023年3月31日 |
当連結会計年度 自:2023年4月1日 至:2024年3月31日 |
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売上金額 |
構成比 |
売上金額 |
構成比 |
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|
百万円 |
% |
百万円 |
% |
キオクシア株式会社グループ |
24,204 |
52.0 |
17,704 |
36.4 |
キオクシア株式会社 |
15,591 |
33.5 |
12,688 |
26.1 |
Flash Forward合同会社 |
5,241 |
11.3 |
1,763 |
3.6 |
その他 |
3,372 |
7.2 |
3,251 |
6.7 |
Japan Advanced Semiconductor Manufacturing株式会社 |
― |
― |
8,024 |
16.5 |
連結売上高 |
46,534 |
100.0 |
48,592 |
100.0 |
(注) 割合は、四捨五入しているため合計が一致しないことがあります。
(3) 外注先への依存について
当社グループは、供給配管設計施工については、当社グループの基準をクリアした安定的な施工能力を有する工事業者に施工を外注しております。当社グループが外注する工事は技術面に依存したものではなく、当社グループが工事の進捗管理を行う上で、品質維持及び工事遅延防止のために外注しております。しかしながら、外注先に経営困難等不測の事態が発生した場合、工事の遅延等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 製品及び施工等欠陥について
当社グループは、ISO9001の認証を受け、当該規格下において各種製品の製造及び供給配管等の施工を行っております。提供する製品及び施工等の品質については十分留意しておりますが、全ての製品及び施工等に欠陥が生じないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、最終的に当該保険の補償限度内で負担する補償額を十分にカバーできるという保証はありません。そのため、重大な品質上の問題が発生した場合には、信用力の低下、補償等の発生により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 労働災害事故について
当社グループは、安全品質管理部門を設置し、従業員及び外注先を含めた安全教育、危険予知活動並びに点検パトロールを実施し、事故を防止するために安全管理を徹底しております。併せて、施工着手にあたり施工手順を再確認するなど安全な作業環境を整えた上で施工を行っておりますが、万一、重大な施工事故・労働災害等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 設備投資について
当社グループは、国内外に特殊ガス販売管理及び供給配管設計施工の拠点を有しておりますが、顧客への迅速なサービスの提供、安定供給と強固な収益基盤の確保のため、供給先である顧客の敷地や隣接地に拠点を建設し事業展開しております。しかしながら、顧客生産拠点の統廃合などにより設備の全部または一部が不要になる場合は、設備の除却損等の発生により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 固定資産の減損会計について
当社グループは「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、当社グループの事業所または子会社において営業活動から生ずる損益またはキャッシュ・フロー等を算定し減損の測定等を実施しております。今後、同事業所または子会社から得られる損益またはキャッシュ・フローの状況等によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 原材料費の価格高騰について
石油相場高騰や資源高の影響により、当社グループが購入している原材料には価格が高騰する可能性があるものが含まれております。このような事象が発生し、販売価格に転嫁できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 原材料の供給について
一部の特殊ガス等の原材料においては、供給地域が限られており戦争や紛争、輸出入に関する貿易規制等によっては供給不能や供給遅延の発生が想定されます。場合によっては、客先をはじめ当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 法的規制等について
当社グループが展開する国及び地域における規制または法令の重要な変更は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 知的財産権について
当社グループは、特許権をはじめとする知的財産権の重要性を認識しておりますが、出願する特許権・商標権等の知的財産権の登録査定を得られない場合、または当社グループの認識していない知的財産権が成立し、第三者からの侵害を主張され裁判などの紛争に至った場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 許認可について
当社グループは、エレクトロニクス関連事業において、特定管工事業及び一般機械器具設置工事業等の許可等をはじめ、主に以下の法律による規制を受けております。当社グループは、当該許可及び届出の諸条件や各種法令の遵守に努めており、現状において、取り消しとなる事由は認識しておりません。しかしながら、万一、法令違反等により当該許可及び届出の取り消しがあった場合には、当社グループの受注及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
・建設業法 ・高圧ガス保安法 ・毒物及び劇物取締法 ・倉庫業法 ・貨物利用運送事業法
・労働者派遣事業法
(13) 工事契約に係る収益認識時点について
当社グループに起因しない何らかの事情により、工期延長等が発生し顧客への引渡しが予定していた期間よりも遅延することがあります。当社グループは契約期間にわたる進捗に応じて充足されるため、工事の進捗度に応じて収益を認識、もしくは、契約における取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い場合は、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識しておりますので、結果として収益認識時点に遅延が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 為替相場変動による影響について
当社グループは、海外企業から材料・商品・製品の輸入及び海外への輸出を行っております。当該取引に関連して、為替予約取引等を利用して為替リスクのヘッジに継続的に取り組んでおりますが、急激な為替の変動に対処できない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 自然災害について
地震等の自然災害が発生した場合、当社グループの製造等拠点が重大な損害を受ける可能性があります。特に地震発生の可能性が高い国内では、取引先の製造拠点に被害があった場合、売上減少等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社グループは、株主の皆様への安定配当を継続することを基本としつつ、将来の事業展開と財務体質の強化のために必要な内部留保の充実を勘案して配当を行うことを基本方針としております。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき1株当たり20円の配当を実施する事を決定いたしました。
内部留保金につきましては、企業体質の強化に向けて財務体質の充実を図りながら、当社グループの経営基盤の整備・拡充等に有効活用し、競争力及び収益力の向上を図ってまいります。
なお、当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる旨を定款に定めておりますが、当面は定時株主総会を決定機関とした、原則年1回の期末配当のみを行うことを基本方針としております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当事業年度に係る配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
2024年6月26日 |
2,054 |
20.00 |
定時株主総会決議 |