2023年10月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 3,941 100.0 387 100.0 9.8

事業内容

3【事業の内容】

 当社は、メディアサービスを展開しております。

 「塾ナビ」「みんなの学校情報」「コドモブースター」をはじめとした、幅広いユーザー基盤及びクライアント基盤のもと、幼児教育、学習塾、予備校、家庭教師派遣、通信教育等の市場にて領域特化型ポータルサイトを横断的に展開しております。具体的には「塾ナビ」「みんなの学校情報」「コドモブースター」等、学習塾予備校領域、学校教育領域及び民間教育領域における領域ごとにポータルサイトの運営を行っております。

 

 当社のメディアサービスの特徴は下記3点です。

 

(ⅰ) 口コミストックモデル

 主要ポータルサイトを中心に、ユーザーからの口コミを継続的に収集し、原則全てに審査を行うことで、ユーザーの求める中立的な優良コンテンツとして掲載をしております。結果として、ユーザーの求める口コミが継続的に蓄積され、ユーザーへ価値ある情報の提供をしていくことを可能とし、他のサイトとの差別化を図り、優位性を構築しております。

 

(ⅱ) 大量の送客ボリューム

 全国のクライアント企業のデータベースや口コミを中心に、ユーザーの求める膨大な情報を提供することで、多くのユーザーを各ポータルサイトへ集客しております。また、企画・サイトデザイン・システム開発・運営までの全ての工程を自社内で完結することでスピーディーな画面変更やコンテンツへの反映を実現しており、利便性の高いポータルサイト運営を実現することで、効果的にクライアント企業に見込み顧客(ユーザー)を送客しております。

 

(ⅲ) 成果報酬型の課金システム

 ユーザーが、当社のポータルサイトを経由してクライアント企業へ問い合わせや資料請求等を行い、その成果に応じて報酬をいただく成果報酬型の課金システムを主要ポータルサイトにおいて採用をしており、クライアント企業にとって、効果が明確で高い費用対効果を実現しております。

 

 こうした特徴を活かし、現事業の深掘りや教育業界内での未参入な領域への横展開を図ると共に、新規事業開発への挑戦を積極的に行うことで、当社全体としての更なる成長を目指します。

 なお、当社は、インターネット・メディア事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。

 

 主なメディアサービスは以下のとおりです。

 

①塾ナビ

 「塾ナビ」は、全国の幼児、小学生、中学生、高校生の本人及び保護者の方々が、目的にあった学習塾や予備校を簡単に検索比較できる国内有数(注1)のポータルサイトです。全国の学習塾や予備校が掲載されており、掲載教室数100,000教室以上(2023年10月31日時点)、年間訪問者数1,878万人以上(2023年10月期)となっております。なお、「塾ナビ」経由で入塾された方へギフトカード等の提供を行うことで利用促進を図っております。

○「塾ナビ」の年間訪問者数(注2)の推移

 

該当期

年間訪問者数(万人)

第3期(2008年10月期)

 13

第4期(2009年10月期)

 43

第5期(2010年10月期)

134

第6期(2011年10月期)

231

第7期(2012年10月期)

360

第8期(2013年10月期)

573

第9期(2014年10月期)

937

第10期(2015年10月期)

1,230

第11期(2016年10月期)

1,624

第12期(2017年10月期)

1,850

第13期(2018年10月期)

2,262

第14期(2019年10月期)

2,524

第15期(2020年10月期)

2,356

第16期(2021年10月期)

2,319

第17期(2022年10月期)

2,113

第18期(2023年10月期)

1,878

(注)1.株式会社セレス「2023年版塾・予備校検索サイトの利用に関する市場実態把握調査」にて

利用者数1位

2.訪問者数:「塾ナビ」を訪問した人数(延べ人数)をいいます。

 

②みんなの学校情報

 「みんなの学校情報」は、全国の保育園、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、専門学校、大学等の学校選びに役立つ情報を総合的に得ることのできるポータルサイトです。実際の生徒等本人や保護者からの口コミも豊富に掲載されており、偏差値ランキングや各学校の学べる内容等の充実したコンテンツが掲載されております。なお、注力している専門学校領域においても堅調に成長しております。

 

③コドモブースター

 「コドモブースター」は、全国の乳幼児~小学生向けの習い事教室を比較検索し、また体験申し込みできる国内最大級のポータルサイトです。全国の英会話、水泳、ピアノ教室、プログラミング教室などの習い事教室が掲載されております。

 

 以上述べた事項をサービス系統図によって示すと以下のとおりであります。

 

サービス系統図

 メディアサービスのモデルは以下のとおりであります。

 

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の概要

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が解除され、景気に持ち直しの動きが見られるものの、東欧情勢などの地政学的リスクや金融資本市場の変動などが国内経済に与える影響については、先行き不透明な状況が続いております。このような経済状況の中、当社では教育業界を主要業界とするメディアサービスを通じて企業価値の向上に取り組んでまいりました。

 当社が事業展開する主要マーケットである教育業界では、企業のグローバル化に合わせた語学学習ニーズの増加に加え、個人向けeラーニングサービスや映像配信講座と個別指導を組み合わせた学習サービス、難関校の進学に特化したサービスを提供する個別指導塾の増加が継続しております。こうした市場環境において、オンライン集客の重要性や効果的且つ効率的なマーケティング手法へのニーズの高まりにあわせ、チラシやイベントにおける広告予算のWEBへの移行が継続し、インターネット広告への出稿比率が増加しております。

 このような中、学習塾ポータルサイト領域における競合他社がユーザー獲得のために広告出稿を強化したことで、同領域においてリスティング広告の単価が高騰したこともあり、広告単価は依然見通しにくい状況ではあるものの、広告単価の高騰が一定落ち着いたことにより、営業利益を中心に計画からさらに上振れて進捗いたしました。

 以上の結果、当事業年度の財政状態における当事業年度末の資産は、前事業年度末に比べ584,586千円増加し、9,614,503千円となりました。当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べ279,036千円増加し、706,557千円となりました。当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ305,550千円増加し、8,907,945千円となりました。

 当事業年度の経営成績は、売上高は3,941,458千円(前事業年度比0.4%減)、営業利益は387,363千円(前年同期は197,490千円の営業損失)、経常利益は391,974千円(前年同期は202,547千円の経常損失)、当期純利益は285,772千円(前年同期は337,107千円の当期純損失)となりました。

 

 なお、当社はインターネット・メディア事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末より214,239千円増加し、4,061,192千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における営業活動による資金の増加は1,092,299千円(前事業年度は716,752千円の支出)となりました。主な資金増加要因としては、税引前当期純利益の計上520,608千円、法人税等の還付額248,096千円、株式報酬費用の計上157,987千円によるものであります。これに対して主な資金減少要因としては、新株予約権消却益の計上128,633千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における投資活動による資金の減少は876,694千円(前事業年度は1,615,189千円の支出)となりました。主な資金増加要因としては、定期預金の払戻による収入3,801,719千円によるものであります。これに対して主な資金減少要因としては、定期預金の預入による支出4,301,719千円、投資有価証券の取得による支出416,526千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における財務活動による資金の減少は1,364千円(前事業年度は302,026千円の支出)となりました。資金増加要因としては、新株予約権の発行による収入1,482千円によるものであります。これに対して資金減少要因としては、リース債務の返済による支出2,847千円によるものであります。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(2)受注実績

 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(3)販売実績

 当事業年度における販売実績は次のとおりであります。

サービスの名称

当事業年度

(自 2022年11月1日

至 2023年10月31日)

販売高

(千円)

前年同期比(%)

メディアサービス

3,941,458

99.6

合計

3,941,458

99.6

 (注)1.当社は、インターネット・メディア事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2021年11月1日

至 2022年10月31日)

当事業年度

(自 2022年11月1日

至 2023年10月31日)

販売高

(千円)

割合

(%)

販売高

(千円)

割合

(%)

株式会社トライグループ

444,716

11.2

418,259

10.6

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 なお、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当事業年度末における総資産は9,614,503千円となり、前事業年度末に比べ584,586千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が714,239千円増加、投資有価証券が405,846千円増加した一方、流動資産のその他に含まれる未収還付法人税等が248,096千円、未収消費税等が97,225千円、未収入金が55,834千円減少、繰延税金資産が51,292千円減少したことによるものであります。

 

(負債)

 当事業年度末における負債は706,557千円となり、前事業年度末に比べ279,036千円増加いたしました。主に未払法人税等が180,954千円増加、流動負債のその他に含まれる未払消費税等が73,583千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産は8,907,945千円となり、前事業年度末に比べ305,550千円増加いたしました。これは主に当期純利益の計上により利益剰余金が285,772千円増加したことによるものであります。

 

(3)経営成績の分析

(売上高)

 当事業年度の売上高は3,941,458千円となり、前事業年度に比べ14,537千円減少いたしました。これは「塾ナビ」において、競合他社の広告出稿強化の影響を受けたものの、状況に応じて広告出稿強化を継続したことや成長事業である「みんなの専門学校情報」「コドモブースター」が通期を通して大きく成長したことによるものであります。

 

(売上総利益)

 当事業年度の売上総利益は3,455,739千円となり、前事業年度に比べ35,640千円減少いたしました。これは「塾ナビ」において、競合他社の広告出稿強化の影響を受けたものの、状況に応じて広告出稿強化を継続したことや成長事業である「みんなの専門学校情報」「コドモブースター」が通期を通して大きく成長したことによるものであります。

 

(営業利益)

 当事業年度の営業利益は387,363千円となり、前事業年度に比べ584,854千円増加いたしました。これは主に売上総利益が35,640千円減少、広告宣伝費の減少等により販売費及び一般管理費が620,495千円減少したことによるものであります。

 

(経常利益)

 当事業年度の経常利益は391,974千円となり、前事業年度に比べ594,521千円増加いたしました。

 

(当期純利益)

 当事業年度の当期純利益は285,772千円となり、前事業年度に比べ622,880千円増加いたしました。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、組織体制、法的規制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性について

 当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社は、事業運転上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金及び設備資金は手元資金で補うことを基本とし、必要に応じて借入等の資金調達を実施しております。

 

(6)経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について

 当社の経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、中長期的な事業拡大と企業価値の増大を図っていくために、重要な経営指標としてサイトの訪問者数、営業利益及びそれらの成長率を重視しており、当事業年度における営業利益は387,363千円(前年同期は197,490千円の営業損失)となりました。引き続き、これらの改善に向け取り組んでまいります。

 

(7)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社は、インターネット・メディア事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。