2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    5,100名(単体) 17,739名(連結)
  • 平均年齢
    41.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    18.5年(単体)
  • 平均年収
    7,659,790円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

懸架ばね事業

3,896

(737)

シート事業

4,374

(817)

精密部品事業

5,678

(925)

産業機器ほか事業

2,929

(288)

全社(共通)

862

(18)

合計

17,739

(2,785)

(注)1 従業員数は就業人員であります。

2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。なお、臨時従業員には、パートタイマー、期間従業員を含み派遣社員を除いております。

3 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定の事業に区分できない管理部門等に所属しているものです。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

5,100

(97)

41.7

18.5

7,659,790

 

セグメントの名称

従業員数(名)

懸架ばね事業

783

(12)

シート事業

1,458

(43)

精密部品事業

1,527

(19)

産業機器ほか事業

795

(23)

全社(共通)

537

(-)

合計

5,100

(97)

(注)1 従業員数は就業人員であります。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。なお、臨時従業員には、パートタイマー、期間従業員を含み派遣社員を除いております。

4 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定の事業に区分できない管理部門等に所属しているものです。

 

 

(3)労働組合の状況

 日本発条労働組合は1973年6月1日に、全日本自動車産業労働組合総連合会に加盟し、下部機構である日本自動車部品産業労働組合連合会に所属しております。

 なお、提出会社を含むグループ各社の労働組合(国内14社、海外8社)について、労使関係は円満に推移し、特筆すべき紛議もなく、労使協調して社業に努力しております。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

2.4

47.2

77.4

77.4

64.8

・男女の賃金格差の理由は、等級別人数構成の差によるものであり、賃金制度において性別による差はありません。

・正規雇用労働者は、直接雇用で期間の定めがないフルタイム従業員及び無期転換した非正規雇用の従業員を含んでおります。

・パート・有期労働者は、パートタイマー、期間従業員、定年後の再雇用者及び嘱託契約の従業員を含み派遣社員を除いております。

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

 

②連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に占める女性労働者の割合

 (%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率

 (%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

日発販売株式会社

1.7

62.5

61.1

60.9

77.1

・男女の賃金格差の理由は、等級別人数構成の差によるものであり、賃金制度において性別による差はありません。

・正規雇用労働者は、直接雇用で期間の定めがないフルタイム従業員及び無期転換した非正規雇用の従業員を含んでおります。

・パート・有期労働者は、パートタイマー、期間従業員、定年後の再雇用者及び嘱託契約の従業員を含み派遣社員を除いております。

日発運輸株式会社

4.3

33.3

66.8

72.5

46.3

株式会社スミハツ

2.4

22.2

79.7

80.0

78.6

ニッパツ水島株式会社

0.0

100.0

89.1

89.2

92.1

株式会社ニッパツパーキングシステムズ

0.0

50.0

71.7

77.2

56.5

株式会社トープラ

0.0

14.3

67.6

73.1

57.9

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」(平成27年厚生労働省令第162号)の規定に基づき、「管理職に占める女性労働者の割合」、「男性労働者の育児休業取得率」、「労働者の男女の賃金の差異」について、いずれか1項目でも情報公表をしている国内連結子会社を記載しております。

 

 

③当社及び国内連結子会社

 

当事業年度

補足説明

管理職に占める

女性労働者の割合

(%)(注)1

男性労働者の

育児休業取得率

(%)(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1

全従業員

正規

雇用労働者

パート・

有期労働者

当社及び国内連結子会社

(注)3.4

2.0

44.4

72.7

75.6

62.3

・男女の賃金格差の理由は、等級別人数構成の差によるものであり、賃金制度において性別による差はありません。

・正規雇用労働者は、直接雇用で期間の定めがないフルタイム従業員及び無期転換した非正規雇用の従業員を含んでおります。

・パート・有期労働者は、パートタイマー、期間従業員、定年後の再雇用者及び嘱託契約の従業員を含み派遣社員を除いております。

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結会社のうち、当社及び住所が本邦となっている連結子会社を対象としております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)基本方針

 当社グループは、「なくてはならないキーパーツ」を提供し続ける事により、持続可能な社会の実現と社会課題の解決に貢献してまいります。

 また、当社グループの果たすべき法的、倫理的、社会的責任について「グローバルCSR基本方針」を2016年に制定し、

 「透明性を維持すること」

 「倫理的に行動すること」

 「地球環境を保全すること」

 「人をはぐくむこと」

 「グループ・グローバルで取り組むこと」

の5つを宣言し、コーポレート・ガバナンスの充実及び法令遵守の徹底に努めております。

 当社は、本業における競争力・経営基盤の強化を図り、企業価値を高め、その成果をステークホルダーに還元することにより、社会から信頼される会社であり続ける事を目指します。

 

(2)マテリアリティ(重要課題)

 当社は、持続可能性に関する経営課題を明確にし、基本方針及びこれまでの取組実績を踏まえ、下表のマテリアリティ(重要課題)に取組んでおります。

区分

マテリアリティ(重要課題)

主な取組

事業活動

「ニッパツグループ環境チャレンジ」

・CO2排出量の削減

・環境負荷物質の削減

・以下の目標達成に向けた取組

-2039年までにカーボンニュートラル達成

-2039年までに産業廃棄物ゼロ達成

・環境貢献型製品の創出

・モーターコアや金属基板など電動車関連製品の開発・生産

・社会課題の解決に寄与する製品開発

・ビッグデータ需要に対応するHDD関連部品や半導体プロセス部品の開発・生産

経営基盤

・人の価値の最大化

・人材の確保と育成

・ダイバーシティ推進

・働き方改革

・人事制度改革

・安全・安心な職場づくり

・人権の尊重

・人権尊重への取組みの強化

・コンプライアンス

・役員、従業員への継続的な教育

・グループ経営

・上記の項目のグループ、グローバルでの取組

 当社は、持続可能性に対し重要な財務的影響を与え、かつ、環境や社会にも重大な影響を与える課題について、 ①地球環境保全への対応「ニッパツグループ環境チャレンジ」、②人の価値を最大限に引き出すことの2つを特定し、各々の分野への対応を通じて、持続的な企業価値向上に努めております。

 

(3)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

 当社は、2024年4月にサステナビリティ推進委員会を立上げました。サステナビリティ経営推進のための重要事項について、内容に応じて、サステナビリティ推進委員会、経営戦略会議、取締役会で協議・審議のうえ、決定しています。

 また、当社では、様々な観点からリスクを想定して未然防止を図り、影響を最小限にとどめるため、リスク管理規程を制定し、代表取締役社長を最高責任者、企画管理本部本部長を推進責任者とするリスク管理体制を構築しております。

 リスク発生が予見される事項は、リスク管理マニュアルを策定するとともに、重要度に応じて経営トップに報告する体制を構築しております。

 

(4)地球環境保全への対応

 当社は、地球環境保全への対応として、CO2排出量削減による脱炭素社会の構築と産業廃棄物ゼロの実現をマテリアリティ(重要課題)に掲げております。

 当社グループでは1993年に環境ボランタリープランを公表以降、グループ全体で地球環境保全活動に取り組んでまいりましたが、持続可能な社会の実現と将来の当社グループのありたい姿をさらに明確にするため、2021年9月に、「ニッパツグループ環境チャレンジ」を宣言いたしました。

 

「ニッパツグループ環境チャレンジ」

①2039年までにカーボンニュートラルを達成する。そのために、2030年までにCO2排出量を2013年度比50%減にする。

②2039年までに産業廃棄物ゼロを目指す。そのために、2030年までに産業廃棄物量を2013年度比95%減にする。

 

 現在、2026年度までの中期経営計画に沿って、生産本部毎にCO2・産業廃棄物(非資源化物)低減に向けた施策を推進し、地球環境対策委員会を通じて達成状況を確認するとともに、同委員会にて更なる低減方策を協議しながら取組んでおり、2023年度まで計画のとおり進捗しています。2024年度では、CO2排出量について海外グループ会社の目標設定完了を目指すとともに、SCOPE3の情報収集や集計に向けて準備を進めてまいります。

 

<CO2・産業廃棄物の排出量及び低減に向けた主な取組>

項目

排出量

低減に向けた主な取組

推進中の主な施策

2022年

2023年

CO2

(千t-CO2)

136

120

省エネ推進

設備の電化、燃料転換、ライン再編

生産工程や製品開発における技術革新

太陽光発電などへの設備投資

再生可能エネルギー電力購入

工場照明器具更新、フォークリフト電化、設備の電化・放熱ロス防止、エアリーク改善、LPGからLNGへの切替、空調設備更新など

非資源化物

(t)

71

38

リサイクル業者の再検証

有償リサイクルの無償化、有価物化の推進

材質判定機による廃プラの有価物化、汚泥リサイクル業者の再検証

(注)上記排出量は当社及び国内連結子会社を集計対象としております。

 

ア)ガバナンス

 「ニッパツグループ環境チャレンジ」の宣言に基づき、地球環境対策委員会では事業ごとの長期の環境活動計画をとりまとめる等、当社グループで持続可能な社会の実現に向けて活動を強化しています。

 地球環境対策委員会は年2回開催され、環境チャレンジに関する中長期目標の設定、実現に向けたシナリオの策定を行い、活動を推進しております。推進の進捗状況は、経営戦略会議へ定期的に報告し、経営戦略へ反映しております。

 

イ)戦略

 当社グループでは、各生産本部、グループ会社にて2026年の目標値を定め、「省エネ推進」「設備の電化」「生産工程や製品開発における技術革新」「太陽光発電などへの設備投資」「再生可能エネルギー電力購入」に分類される具体的施策を立案し、投融資審議会において、十分な審査を行ったうえで実施しております。計画に対する施策の実施状況については、継続的に地球環境対策委員会にて各生産本部、グループ会社からの報告を受け、これに対するフォローを行っております。

 

<物理リスク> 気候変動による災害など物理的影響に関連するリスク

影響する項目

リスク

機会

対応

急性

・異常気象による大規模災害

・河川の氾濫、巨大台風、渇水、津波、高潮、落雷などによる生産支障

・BCP対応の強化による顧客信頼の獲得及び受注拡大

・津波避難場所、海抜高さを各所に明示

・避雷針や避雷器を設置

・BCPのレジリエンス体制の強化

・緊急時電源の確保

(非常用電源確保と自家発電設備の活用)

・建設地、建物耐久性の確認と改善

・耐久、耐水、耐熱性に優れた製品の企画、開発

慢性

・気象情報

・降水、気象パターンの変化

・温暖化の進行に伴う製品耐久性の不足による品質不具合

・製品の耐久性の充実による付加価値及び収益向上

 

<移行リスク> 脱炭素社会への移行に伴い発生するリスク

影響する項目

リスク

機会

対応

政策・規制

・電動化の促進施策(ZEV(注1)、燃費、ガソリン車規制)

・政府のカーボンニュートラル宣言(CP(注2)制度、補助金の拡大)

・顧客のエコカー開発が加速、ガソリン車の部品の売上が減少

・燃料、エネルギーへの課税(炭素税)に伴うエネルギーコストの増加及び収益悪化

・GX(注3)構想及びCPなど気候変動施策への対応に遅れが生じた場合の評価低下(格付機関・投資家・NGO・顧客など)

・ZEV(注1)であるEV/FCEV用の製品開発が進み売上が増加

・国の支援(補助金等)を活用した製品、工法開発が進み収益が向上

・GX構想及びCPなど気候変動施策への対応を迅速に実施できた場合には、マネジメントプロセスが改善

・EV/FCEV用の製品及び部品開発

市場

・CASE、MaaS市場拡大

・省エネ製品、高分子・LEDの技術を活かした新分野の市場拡大

・車の価値、使い方の変化で従来製品の売上が減少

・環境負荷の大きい製品の不買化

・先行的な気候変動対応への取り組みや、省エネ製品開発により市場に提供する製品・サービスにおいて付加価値を創出し、優位性や事業機会を確立

・GHG(注4)低排出製品・サービス開発のためにイノベーションが拡大し、HDD関連市場において低消費電力デバイスの市場が拡大

・半導体デバイスの高性能化と低消費電力化による半導体プロセス部品事業の拡大

・レジリエンス(気候変動への対応力)を構築することで競争優位性を確保し、企業価値が向上

・半導体やエレクトロニクスの未来像を見据え、最先端の研究開発を推進

・革新的な技術を備えた付加価値の高い製品をタイムリーかつ継続的に供給

・製品の軽量化への取り組みなど、排出されるCO2がより少ない製品の開発

技術

・エネルギー転換

・再生可能エネルギー技術の進歩、普及

・省エネ技術の普及

・エネルギー転換に伴い生産技術分野でコストが増加し、財務負担が増加

・技術普及に乗り遅れ、CO2低減が進まず炭素税等で収益が悪化

・製造段階での省エネ、低コスト、製品の開発による事業拡大、収益向上

・GHG低排出製品・サービス開発のためにイノベーションが進み、収益向上

・再エネ、省エネ技術を活用した環境に配慮した生産工程の整備が進み収益向上

・工場エネルギーの最適化を推進

・再生可能エネルギーの積極的な導入

評判

・顧客の評価の変化

・投資家の評判の変化

・環境負荷の小さい(脱炭素など)製品が発注条件となり、対応ができず失注

・脱炭素の製品開発ができ、競合他社に優位性が増し、受注拡大

・環境に優しい材料開発、製品設計

(注)

ZEV:

Zero Emission Vehicleの略。走行時にCO2等の排出ガスを出さないEV/FCEV等。

 

CP:

Carbon Pricingの略。炭素税や排出量取引により炭素に価格付けを行うこと。

 

GX:

Green Transformationの略。温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取組を成長の機会と捉え、排出削減と競争力の向上の実現に向けた変革のこと。

 

GHG:

Greenhouse Gasの略。CO2等の温室効果ガスのこと。

 

 

ウ)リスク管理

 当社では、代表取締役社長を最高責任者、企画管理本部本部長を推進責任者とするリスク管理体制を構築し、気候関連のリスク(物理リスク及び移行リスク)を含め管理しております。リスク管理においてはリスクの未然防止を図り、被害を最小限にとどめるとともに、再発を防止するための対策を決定し、進捗管理をしております。

 一方で、リスク管理において取締役会が明確に関与するガバナンスプロセスの構築は、これから実現すべき課題であると認識し、今後取り組んでまいります。

 

エ)指標・目標

 当社グループは、エネルギー使用量から算出するCO2排出量について削減目標を掲げ、地球環境保全活動に取り組んでおります。2020年度までは売上高原単位で管理しておりましたが、2021年度からは、カーボンニュートラル達成を目指し、CO2総排出量で管理しております。

 

<中長期目標>

項目

目標年

目標値

CO2排出量

2030年

SCOPE1+SCOPE2におけるCO2排出量2013年度比50%減

2039年

SCOPE1+SCOPE2におけるCO2排出量ゼロ化

産業廃棄物量

2030年

2013年度比95%減

2039年

産業廃棄物ゼロ化

(注)1 SCOPE1:事業者自らによる燃料の使用によるCO2排出量

2 SCOPE2:他社から供給された電力等の使用によるCO2排出量

 

(5)人の価値を最大限に引き出すこと

 当社を取り巻く社内外の環境は大きく変化してきており、将来にわたり社会に必要とされる会社であり続けるために人と組織のあるべき姿も変わりつつあります。当社のものづくりがこれからもお客様や社会の課題解決に貢献し続けるためには、人の価値を最大に引き出す継続的な取り組みが一層重要になると考えています。

 

ア)ガバナンス

 人事に関する重点施策は、経営戦略会議又はその下部機関である人事政策委員会で議論・審議を行い決定し、事業の目指す方向性と人事戦略との整合を図り推進する体制を整えています。各本部長はそれぞれの部門の活動状況を確認し、重要事項について経営戦略会議や取締役会で報告をする事で、適宜施策の見直しや組織運営・職場環境改善に繋げる体制を取っています。

 

イ)戦略

<方針>

 2026中計グループ基本方針では、「人を大切にし、社会へ貢献する」をスローガンに、「ステークホルダーとの信頼関係の一層の強化」「安全・安心な会社、働きがいのある働きやすい職場づくり」「多様な人材の成長支援と活躍推進」を方針に掲げ、人づくり、組織づくり、制度・風土づくりの取り組みを進めます。

 経営戦略と人事戦略を連動させ、取り組みの成果が経営方針の実現に結びつくよう2024年度に「求める人材像」と「目指す組織像」を制定しました。一人一人の「個の力」と個を活かす「組織の力」を融合させ、多様な人材が成長とやりがいを感じ、誰もが持てる力を発揮できる組織風土を醸成していく事で人の価値の最大化に繋げます。社訓・企業理念、外部環境の変化や将来の事業の方向性を踏まえ、当社で活躍する人の価値のさらなる進化を図るための様々な取り組みへ果敢に挑戦していきます。

 

 

 

 

<実行施策と取り組み状況>

 当社が求める人材の確保と育成に向けた取り組みを強化し、目指す組織像を実現するための雇用環境整備を進めています。具体的な取り組みとして、「人材の確保と育成」「ダイバーシティ推進」「働き方改革」「人事制度改革」「安全・安心な職場づくり」に関する各種施策を実行しています。

 

 

<人材の確保と育成>

 2023年度は、求める人材像と目指す組織像の策定を行いました。策定した求める人材像を礎とし、人事制度と人材育成の連動を高めるために、教育体系の整備や研修内容の見直しを実施していきます。また、従業員意識調査の結果ではキャリアに関するスコアに課題があり、自律的なキャリア形成に繋がる施策として、40代総合職を対象としたキャリア研修を実施しました。キャリア採用活動では、2024年度にクラウドを活用したリファレル採用を開始しました。

 

<ダイバーシティ推進>

 2021年度に発足したダイバーシティ推進プロジェクトを中心に、2023年度は、女性リーダー研修、管理職向けダイバーシティ研修、仕事と育児の両立支援セミナーの開催、労使共催イベントとして親子クッキング教室等を実施いたしました。2026中計では、ダイバーシティ推進の取り組みをグループ会社にも展開していきます。なお、ダイバーシティ推進プロジェクトは、サステナビリティ推進委員会に統合して分科会活動での推進体制に変更をいたしました。

 

<働き方改革>

 2018年度よりスタートしたSmart Work Projectでは、これまで在宅勤務制度やコア無しフレックス制度の導入など、多様で柔軟な働き方を促進する取り組みや、総労働時間の削減や年休取得促進など、ワークライフバランス向上の取り組みを労使で一体となって取り組んできました。これまでの取り組みにより一定の成果を得る事が出来たため、Smart Work Projectは2023年度で発展的解消をし、今後の働き方改革の取り組みは、DX推進とエンゲージメント向上に向けた取り組みを加速していきます。

 

<人事制度改革>

 2023年度は、年功要素を減らし貢献に応じたメリハリのある仕組みとなるよう管理職の人事制度改定を実施しました。これに引き続き、組合員の人事制度についても、策定した求める人材像・目指す組織像の実現に向け、等級制度・評価制度・賃金制度の見直しなど、人事制度改革の取り組みを進めていきます。

 また、ベースアップや諸手当、福利厚生の拡充を通じた人への投資も強化しています。2023年度は公的資格等を保有する人材に支給するライセンス手当制度を大幅に拡充しました。また、2024年4月には大幅なベースアップも実施しております。

 

<安全・安心な職場づくり>

 女性や高年齢者を含めた従業員が安全・安心に働ける職場作りと多様性の推進を目指して、各工場における重筋作業の軽減を目指した取り組みを強化しています。健康推進の取り組みでは、2023年度はメンタルヘルス教育や健康イベントの開催、食育活動等を実施しています。また、ハラスメント撲滅に向けて、コンプライアンス通信の発行等による情報発信やハラスメントに関するテーマ別研修、コンプライアンス意識調査を毎年実施しており、法令及び企業倫理を順守するための啓発を行っています。

 

ウ)リスク管理

 人の価値を最大限に高めるための方針や戦略の策定、指標と目標の決定、進捗管理等がさらに効果的に実施されるために、取締役会が監督やモニタリングをより適切に実施できるリスク管理体制の強化をすべく体制整備を検討していきます。

 

エ)指標及び目標

 目指すべき姿(目標)とモニタリングすべき指標については、従来から管理している指標の集計方法や集計項目を見直し、更なる開示を今後検討してまいります。

 

分類

指標

実績

2030年度目標

女性活躍推進

女性管理職比率

2.8%

5%

 

総合職新卒採用における女性採用比率

11.1%

20%

 

男性の育児休業取得率

47.2%

60%

従業員エンゲージメント

エンゲージメント診断結果

67.1pt

75.0pt

(注)1 実績と目標は提出会社の状況のみとなります。

2 女性管理職比率、総合職新卒採用における女性採用比率は2024年4月1日における実績となります。男性の育児休業取得率、エンゲージメント診断結果は2023年度の実績となります。

3 当社で実施するエンゲージメント診断は、従業員体験(Employee Experience)に着目した調査で満点を100とします。業務遂行、人事評価、人材育成、人材配置、仕事環境、企業文化等の多岐にわたる項目によるエンゲージメント診断を毎年定期的に行い、状況を把握し、従業員エンゲージメント向上のための施策を継続的に行っています。