2023年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    522名(単体) 1,940名(連結)
  • 平均年齢
    42.8歳(単体)
  • 平均勤続年数
    20.7年(単体)
  • 平均年収
    5,397,752円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2023年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

ファスナー

1,413

(235)

産機

209

(28)

制御

201

(12)

メディカル

11

(1)

全社(共通)

106

(15)

合計

1,940

(291)

(注) 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2023年12月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(才)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

522

(74)

42.8

20.7

5,397,752

 

セグメントの名称

従業員数(人)

ファスナー

209

(33)

産機

133

(16)

制御

63

(9)

メディカル

11

(1)

全社(共通)

106

(15)

合計

522

(74)

(注)1 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2 平均年間給与は、基準外賃金および賞与を含んでおります。

 

(3)労働組合の状況

 会社と組合は、正常な労使関係を維持しており、特記すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率及び従業員の男女の賃金の差異

提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める

女性労働者の

割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1

全労働者

うち正規雇用  労働者

うちパート・有期労働者

6.5

75.0

79.3

77.7

106.2

(注)4、5、6

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 連結子会社は、上記準拠法の規定による公表義務の対象でないため、記載を省略しております。

 

4 管理職に占める女性労働者の割合について

 当社の管理職に占める女性割合が少ない主な理由は、全従業員に占める女性従業員の割合が15.3%と少ないことと分析しています。女性従業員の割合を高めるため、性別に関わらず働きやすい環境を整えていきます。また、当社では女性管理職の育成、女性のキャリアアップのため、キャリアコンサルタントの資格を持つ女性取締役による女性社員へのエンカレッジ面談、女性リーダー育成研修、綾部工業研修所や次世代若手技術者プログラムへの女性技術者派遣などを積極的に進めており、女性管理職割合は2018年の1.8%から2023年には6.5%に、女性従業員に占める管理職割合は2019年の3.8%から2023年には5.0%に増加しました。今後もこのような施策を通じ、女性管理職の育成、女性のキャリアアップに努めます。

 

2019年

実績

2023年

実績

全従業員に占める

女性従業員割合

14.5%

15.3%

女性従業員に占める

管理職割合

3.8%

5.0%

参考)男性従業員に占める

管理職割合

12.7%

13.1%

5 男性労働者の育児休業等取得率について

 育児・介護休業法に基づく「育児休業等+育児目的休暇の取得割合」であり、当社の定める「くるみん休暇」(配偶者の出産時に取得可能な休暇制度)の取得人数を含みます。くるみん休暇を除く「育児休業等の取得割合」の2022年実績は33.3%であり、社内の目標としてはこの算出基準に基づき30%を目標数値に定め、取得率向上を目指しています。

6 男女の賃金差異について

 同一資格等級の比較において、管理職層、一般職層に大きな賃金差異はありませんが、指導職層に賃金差異があります。この主な理由は、指導職層において男性の役職登用率が26.6%に対し女性の役職登用率が16.7%と少ないため役職手当の有無で差異が発生していること、一部の職種で構成が男性に偏っていることであると分析しています。基本給の比較においては、同一の資格等級で大きな賃金差異はありません。今後は女性従業員の職種の幅を広げること、女性管理職の育成などの施策を通じ、正規雇用労働者の賃金格差の解消に努めます。

 

男女差異

(年収)

男女差異

(基本給)

管理職層

92.4%

95.1%

指導職層

86.6%

93.2%

一般職層

95.5%

97.6%

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティ共通

<サステナビリティに関する基本的な考え方>

 当社は地域の雇用創出、産業振興を目的として創立し、社是「我らの信条」のもと創業の地・京都府綾部市よりモノづくりを通じて世界中のお客さまの課題の解決に貢献してきました。2019年には当社にとってのマテリアリティ(重要課題)を特定し、それに基づき2023年に開始した中期経営計画「Mission G-second」の戦略テーマを策定しています。持続的な成長および持続可能な社会の実現のため、サステナビリティ委員会を中心とした体制のもとサステナビリティ経営を推進しています。

 

<サステナビリティ推進体制>

 

① ガバナンス

<ガバナンス体制>

 サステナビリティ委員会は、取締役会による監督のもと、代表取締役社長を委員長とし、社外取締役を含む役員で構成しております。原則年2回開催し、サステナビリティに関わる取り組みの諮問機関として、関連する方針や目標の進捗管理・施策の審議等の機能を担っております。サステナビリティ委員会の事務局にはサステナビリティ推進室を置き、サステナビリティ委員会の監督のもと、6つの委員会が推進活動ごとに取り組み計画の立案・実行などの業務を執行しております。

 

<役員報酬>

 当社は業績連動型株式報酬制度を導入しており、その中で指標の一つとしてESG目標(CO削減率)を定めております。中期経営計画「Mission G-second」の目標達成度に応じポイントを付与し、当社が設定する信託を通じて当社株式が付与される業績連動型株式報酬としております。

 

② リスク管理

 サステナビリティ委員会が監督する各推進活動においては、リスクマネジメント委員会と連携しています。リスクマネジメント委員会が各部門でリスクを抽出し、その発生頻度、影響度を評価したリスクカタログを作成し、サステナビリティ委員会と共有しています。

 

③ 戦略

<マテリアリティ>

 持続的な成長および持続可能な社会の実現のため、当社が存在する価値を改めて明確にするべく重要課題を抽出し、4つのマテリアリティ「お客さまとの共有」「環境共生」「地方創生」「人財育成」を特定し、重点的に取り組んでおります。

 

<マテリアリティの特定プロセス>

 

 

<理念体系図>

 

 

④ 指標と目標

中期経営計画「Mission G-second」の戦略テーマは当社の4つのマテリアリティに基づいており、2025年までのサステナビリティ目標は中期経営計画の経営目標に組み込んでいます。

成長戦略

指標

範囲

2023年実績

2025年目標

Growth#1

事業拡大戦略

売上高

連結

447億円

600億円

営業利益

連結

26.1億円

51.6億円

Growth #2

環境戦略

CO排出量削減率(2019年比)

連結

17.1%

12%

廃棄量削減率(2019年比)

連結

0.2%

5%

Growth #3

人財戦略

労働生産性増加率(2022年比)

連結

0.3%

24%

エンゲージメント

連結

3.6p

3.8p以上

Growth #4

財務戦略

ROIC

連結

5.3%

8%以上

ROE

連結

5.5%

9%以上

 

(2)気候変動

<気候変動対応に関する基本的な考え方>

 当社は、社是「我らの信条」およびそれに宿る精神を示した「行動規範」に基づき行動し、持続可能な社会の実現に向けて地域や地球環境の課題に対して積極的に取り組みます。

 あらゆる業界のモノづくりに欠かせない「産業の塩」たる締結部品、締結技術を扱う企業として、環境に対する責任は大きいですが、それは同時に良い影響も大きく与えるチャンスがあると捉えています。当社の活動すべてが、社会やお客さまの環境課題と当社のモノづくりの環境課題の双方の解決につながる企業づくりに取り組んでいます。

 

<環境マネジメント体制>

 

① ガバナンス

 当社はサステナビリティ委員会の下部に環境管理担当者会議を置き、気候変動を含む環境全般に関する業務執行をしています。環境管理担当者会議は年2回開催し、方針・目標の立案や具体的施策の検討、ISO14001の管理体制に基づく内部監査の報告等を行っています。環境管理担当者会議での協議内容は最終的には常勤役員会で決定し、決定した内容はサステナビリティ委員会および取締役会で報告しています。

 

② リスク管理

 当社はISO14001認証を取得しており、その環境マネジメント体制のもと、環境管理担当者会議を中心に気候変動関連を含む環境リスクを特定し、各部署が目標に沿った取り組みを進めています。各部署の進捗管理は社内指標NPIを活用することで進捗状況を可視化し、事業における環境への取り組みの推進と管理体制の強化を図っています。サステナビリティ委員会で検証した気候関連リスクはリスクマネジメント委員会と連携し評価、管理しています。

 

③ 戦略

 気候変動に関する戦略については、年1回各部署で低炭素経済への移行リスク、気候変動による物理的リスク及び気候変動緩和策・適応策による経営改革の機会を抽出し、環境管理担当者会議がそれらをステークホルダーにとっての重要度、会社にとっての影響度の両面で評価しています。その上で、中期経営計画「Mission G-second」の「環境戦略」に気候変動に関する目標「CO削減」「廃棄量の削減」「お客さまへのESG支援」を設定し、施策を展開しています。

 

<気候変動関連のリスクと機会>

 

④ 指標と目標

 2050年のカーボンニュートラルを見据え、Scope1、2におけるCOの排出量を2030年には30%削減(2019年比)することを目指します。中期経営計画「Mission G-second」では同排出量を2025年に12%削減(2019年比)することを目標に掲げ、施策を実行していきます。

■主な実施予定施策

 中期経営計画期間においては主に「再生可能エネルギーの導入」(太陽光発電設置、再生可能エネルギー由来の電力の購入)によって、CO削減を図ります。また、特にCO排出量の大きいファスナー事業においては、新工場建設による工程の見直しや自社の生産技術を活用した生産工程の見える化、改善を図り、段階的に生産エネルギーの削減を行います。

(3)人的資本・多様性

<人的資本に関する考え方>

 日東精工は人を「財」と考え、誰もがいきいきと働ける環境をつくることがマテリアリティ(重要課題)の一つであると考えています。社是「我らの信条」に描かれる理想の従業員像「健康・品性・誠実・知識と技術・品質・改善・明るい職場・貢献」を常に体現しながら、長期ビジョン、中期経営計画目標の達成に向けて取り組んでいきます。

 

① 戦略

 中期経営計画「Mission G-second」の「人財戦略」に「労働生産性:従業員の付加価値創造・生産性向上・企業価値向上につながる能力」、「エンゲージメント:従業員の自発性、仕事へのやりがい」を掲げ、それぞれ2025年までの目標数値を設定しています。ベクトルとなる指標を明確にすることで、一つひとつ施策の方向性を揃えるとともに、評価を定量化しPDCAを実行しています。具体的な施策は、4つの側面(a人財育成、b多様性、c健康安全、d労働慣行)から進めています。それぞれの側面でも今後指標を設定し、効果的な施策実施につなげていきます。

 

a.人財育成

<人財育成方針>

基本方針

「我らの信条」と中期経営計画「Mission G -second」を遂行、達成できる人財を計画的に育成する。一人ひとりの能力を最大化し、エンゲージメントを向上することで強い組織を作り出す。事業戦略や組織目標の達成に貢献する知識とスキルを身に付けることで個々人の成長を促進する。

重点施策

施策1.自ら学び、教えあう風土を醸成する

施策2.次世代経営者を育成する

施策3.イノベーションリーダーを育成する

施策4.業務効率性、労働生産性を向上する

施策5.キャリアオーナーシップを推進する

 

<教育体系>

 

b.多様性

 一人ひとりが尊重され、働きやすい環境が確保されることは、当たり前のことです。その当たり前のことが当たり前にできてはじめて、労働生産性やエンゲージメントを向上できると考えています。多様で個性豊かな人材が集まることで生まれる創造性を、日東精工の武器にできるよう取り組んでいきます。

 女性活躍推進においては、女性管理職の育成、女性のキャリアアップのため、キャリアコンサルタントの資格を持つ女性取締役による女性社員へのエンカレッジ面談、女性リーダー育成研修、綾部工業研修所や次世代若手技術者プログラムへの女性技術者派遣などに取り組み、女性のキャリア向上を目指します。

 

c.健康安全

 当社は社是に「健康を増進し、よい人づくりをすること」を掲げており、中期経営計画「Mission G-second」の「人財戦略」にも「健康経営」を盛り込み、従業員が活き活きと働くことを支援し生産性の向上・企業価値の向上を目指しています。

 具体的な取り組みとして、3つの領域「①生活習慣病などの疾病発生予防・重篤化予防」「②メンタルヘルス不調等のストレス関連疾患の予防」「③労働時間の適正化、ワークライフバランスの確保」を重点課題に設定し、7つの重点目標を掲げた「Nicotto7(にこっとセブン)」に取り組んでいます。7つの重点目標の指標を設定し毎年計測するとともに、従業員に目標カードを配布し意識の向上に努めています。

<Nicotto7(にこっとセブン)>

<健康経営推進体制>

 

d.労働慣行

 労使協調を目的とし、定期的に協議会を開催しています。各事業(本)部の労使代表で協議する事業部会、役員と労働組合の代表が集まる事務局会をそれぞれ月に1回実施。売上、利益の進捗や人の問題まで話し合いを行います。また労働組合の中央執行委員以上と、会社の各事業本部の代表、役員以上が出席する経営協議会を四半期に1回行い、四半期ごとの経営数字を労使で共有し、目標達成に向けて協議をしています。このように頻繁に情報共有、問題点の協議を行う場を持ち、労使のベクトルを合わせています。

 また、有給休暇の計画付与の中で連続5日間の取得が可能な制度を設けており、仕事以外の時間を充実させ心理的な充足感を高めることによるエンゲージメント向上を目指しています。

 

 

② 指標と目標

戦略

指標

範囲

実績

目標

2023年

2023年

2024年

2025年

人財育成

労働生産性向上

単体

18,552円UP(月/人)

7,000円UP(月/人)

多様性

女性管理職比率

(課長級以上)

単体

6.5%

6%

6%

障がい者雇用比率

(注1)

単体

2.7%

2.7%

①育児休業等の取得割合

(②①+育児目的休暇の取得割合)(注2)

単体

33.3%

(75.0%)

30%

健康安全

プレゼンティーズム損失日数

単体

39日

38日

以下

ワークエンゲージメント

単体

2.55

2.58

労働慣行

有給休暇の

平均取得日数

単体

17日

(2022年)

12日

(2023年)

12日

(2024年)

※人的資本全体の指標と目標は「(1)サステナビリティ共通 ④指標と目標」に記載しております。

※男女の賃金差異は「従業員の状況」に記載しております。

(注)1 特例子会社の日東精工SWIMMY株式会社を含む雇用率です。

(注)2 ①は育児・介護休業法に基づく「育児休業等の取得割合」、②は同法に基づく「育児休業等+育児目的休暇の取得割合」であり、②は当社の定める「くるみん休暇」(配偶者の出産時に取得可能な休暇制度)の取得人数を含みます。社内の目標としては①の30%を目標数値に定め、取得率向上を目指しています。