2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

電力通信部門 建材部門
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
電力通信部門 4,604 58.2 702 82.4 15.2
建材部門 3,307 41.8 150 17.6 4.5

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループは、当社及び㈱ニュー・オータニ(その他の関係会社)から構成されております。

 

 各社の事業内容並びに当社との取引関係は下記のとおりであります。

会社名

 

事業内容

 

当社との取引関係

 

㈱ニュー・オータニ

 

ホテル業

 

当社との取引はありません。

 

 

 当社グループが営んでいる主な事業は架線金物、鉄塔・鉄構の製造・販売及び、建築用スタッド、免震ベースプレートの製造・販売・施工であります。事業に係る位置づけは次のとおりであります。

 

 

(注)1.電力通信部門の取扱品目は、主に架線金物及び鉄塔・鉄構であります。

2.建材部門の取扱品目は、主に建築用スタッド、免震ベースプレートであります。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度における我が国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、穏やかな回復が続くことが期待されています。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動、さらには「令和6年能登半島地震」等の災害が経済に与える影響に十分注意する必要があります。

 当社の主要な取引先である電力業界は、当事業年度よりレベニューキャップ制度(新託送料金制度)が導入されるなど、大きな変革の時期を迎えております。

 建設業界は、首都圏を中心とした再開発や物流倉庫、データセンターなどの計画・需要が高い状態が続いておりますが、一方で、建設コストの見直しや人手不足による工期遅れ、物流の2024年問題といった懸念事項も表面化されてきております。

 

a.財政状態

 総資産は前事業年度末に比べ961百万円増加し7,189百万円となりました。これは主に現金及び預金393百万円、棚卸資産391百万円、有形及び無形固定資産126百万円、投資有価証券47百万円の増加によるものです。

 負債は前事業年度末に比べ618百万円増加し3,462百万円となりました。これは主に未払費用71百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)475百万円、未払消費税等31百万円の増加によるものです。

 純資産は前事業年度末に比べ343百万円増加し3,726百万円となりました。これは主に当期純利益334百万円の計上と、配当金23百万円の支払によるものです。

 

b.経営成績

 当事業年度の経営成績は、売上高は7,911百万円と前期比722百万円(10.0%)の増加となりました。

 利益面では売上総利益は1,547百万円と前期比257百万円(19.9%)の増加、営業利益は420百万円と前期比169百万円(67.8%)の増加、経常利益は426百万円と前期比168百万円(65.5%)の増加となりました。また、当期純利益は334百万円と前期比160百万円(92.4%)の増加となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

(電力通信部門)

 売上高は4,604百万円と前期比618百万円(15.5%)の増加、セグメント利益は701百万円と前期比185百万円(35.9%)の増加となりました。

 

(建材部門)

 売上高は3,307百万円と前期比103百万円(3.2%)の増加、セグメント利益は149百万円と前期比34百万円(29.9%)の増加となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前事業年度末に比べ393百万円増加し1,558百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、183百万円(前年同四半期は112百万円の獲得)となりました。

これは主に償却・税引前の当期利益574百万円を計上したこと、棚卸資産の増加額391百万円、法人税等の支払額126百万円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は241百万円(前年同四半期は150百万円の使用)となりました。

これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出254百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果得られた資金は451百万円(前年同四半期は23百万円の使用)となりました。

これは主に長期借入れによる収入500百万円、長期借入金の返済による支出25百万円、配当金の支払額23百万円によるものです。

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

電力通信部門

3,231,665

5.1

建材部門

1,717,668

10.6

合計

4,949,333

7.0

(注)金額は、標準原価によっております。

 

b.商品仕入実績

 当事業年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

電力通信部門

248,129

14.3

建材部門

1,239,517

△0.7

合計

1,487,647

1.6

(注)金額は、実際仕入価格によっております。

 

c.受注実績

 当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

電力通信部門

4,772,576

18.5

730,682

29.9

建材部門

3,137,034

△0.2

626,863

△21.4

合計

7,909,610

10.3

1,357,546

△0.1

(注)金額は、販売予定価格によっております。

 

d.販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

電力通信部門

4,604,308

15.5

建材部門

3,307,237

3.2

合計

7,911,545

10.0

(注)主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

北陸電力送配電㈱

767,204

10.67

904,905

11.44

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当事業年度の売上高は7,911百万円と前期比722百万円(10.0%)の増加となりました。

利益面では売上総利益は1,547百万円と前期比257百万円(19.9%)の増加、営業利益は420百万円と前期比169百万円(67.8%)の増加、経常利益は426百万円と前期比168百万円(65.5%)の増加となりました。また、当期純利益は334百万円と前期比160百万円(92.4%)の増加となりました。

セグメントごとの財政状態及び経営成績は次のとおりであります。

(電力通信部門)

電力関連では、劣化電柱の建替え、変圧器の取り換え等の支持物の更改工事が多くありました。また、通信関連では、光建設工事への投資は全体としては低調であり、支障移転工事や保守が中心となっております。

鉄塔・鉄構では、送電鉄塔の経年による建替え需要は依然としてあり、前年より受注重量は増加したものの、計画していたよりも売上は伸びませんでした。

この結果、売上高は4,604百万円と前期比618百万円(15.5%)の増加、セグメント利益は701百万円と前期比185百万円(35.9%)の増加となりました。

セグメント資産は、主に売掛金及び契約資産855百万円と前期比93百万円の減少、棚卸資産1,167百万円と前期比96百万円の増加、有形及び無形固定資産960百万円と前期比95百万円の増加により、前期比124百万円増加の3,260百万円となりました。

 

(建材部門)

スタッド関連においては、首都圏を中心に大型物件の稼働も増加し、中小の物件もコンスタントに動いている状況のため、売上は好調を維持しております。

免震関連では、大型物流施設、病院、集合住宅への需要もあり売上は堅調に推移いたしました。

この結果、売上高は3,307百万円と前期比103百万円(3.2%)の増加、セグメント利益は149百万円と前期比34百万円(29.9%)の増加となりました。

セグメント資産は主に売掛金及び契約資産588百万円と前期比153百万円の減少、受取手形262百万円と前期比196百万円の増加、電子記録債権386百万円と前期比17百万円の増加、棚卸資産552百万円と前期比294百万円の増加により、375百万円増加の1,937百万円となりました。

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の主力製品である架線金物、鉄塔・鉄構、スタッドは、鉄鋼等の原材料比率が高く、「3 事業等のリスク」に記載してありますように、その価格変動による収益への影響は甚大であり、販売価格への速やかな価格転嫁が必要となります。しかしながら、受注競争が激しさを増している状況であり、上昇したコスト分すべてを販売価格に転嫁することは、厳しくなっております。

この状況に対し、これまで培ったノウハウを集約し原価低減を進め、販売価格への原材料の価格変動の影響を抑えると共に、市場環境や多様化する顧客のニーズに応えるため、新製品開発など提案型営業を進める事で取引先にとって有為なメーカーであることを追求してまいります。

 

③ 経営上の目標の達成状況について

当社は毎期安定的な利益を継続的に確保するとともに、株主利益重視と経営効率化の観点から「総資本利益率(ROA)」、「自己資本比率」及び「配当性向」を重要な指標として位置づけております。

当事業年度における「総資本利益率(ROA)」は4.7%(前年同期比1.9ポイント増加)、「自己資本比率」は51.8%(前年同期比2.5ポイント減少)、「配当性向」は7.0%(前年同期比6.4ポイント減少)でした。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。

 

④ キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関わる情報について

当社の当事業年度のキャッシュ・フローは、現金及び現金同等物の期末残高が前年同期に比べ393百万円増加しております。これは主に償却・税引前の当期利益574百万円を計上したこと、棚卸資産の増加額391百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出254百万円、長期借入れによる収入500百万円が主な要因であります。

資本の財源及び資金の流動性については、当社の資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。

運転資金需要のうち主なものは製品を製造するための材料仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、また設備資金需要としましては、主に製造設備等の固定資産購入によるものであります。

現在、運転資金、設備資金につきましては内部資金より充当し、不足が生じた場合短期及び長期借入金で調達を行っております。

 

⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の財務諸表の注記事項「重要な会計方針」に記載しているとおりであります。