人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数2,173名(単体) 5,290名(連結)
-
平均年齢43.0歳(単体)
-
平均勤続年数16.1年(単体)
-
平均年収7,147,603円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2024年3月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
シャッター関連製品事業 |
2,410 |
(569) |
建材関連製品事業 |
1,507 |
(443) |
サービス事業 |
1,027 |
(129) |
リフォーム事業 |
158 |
(48) |
報告セグメント計 |
5,102 |
(1,189) |
その他 |
101 |
(26) |
全社(共通) |
87 |
(11) |
合計 |
5,290 |
(1,226) |
(注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(契約社員、パートタイマー、嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いている。)は、( )内に年間の平均人員を外数で記載している。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものである。
(2)提出会社の状況
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|
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2024年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
|
2,173 |
(712) |
43.0 |
16.1 |
7,147,603 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
シャッター関連製品事業 |
1,477 |
(459) |
建材関連製品事業 |
590 |
(222) |
サービス事業 |
6 |
(2) |
リフォーム事業 |
4 |
(10) |
報告セグメント計 |
2,077 |
(693) |
その他 |
9 |
(8) |
全社(共通) |
87 |
(11) |
合計 |
2,173 |
(712) |
(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(契約社員、パートタイマー、嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いている。)は、( )内に年間の平均人員を外数で記載している。
2.平均年間給与は、基本給に所定内外手当及び賞与を含めている。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものである。
(3)労働組合の状況
① 名称
文化シヤッター労働組合連合会
② 組合員数
65人
③ 所属上部団体名
日本金属製造情報通信労働組合
④ 労使関係
労使相互の立場を尊重し相協力して経営の秩序を確立し、労働条件の改善向上並びに従業員の経済的地位の向上と企業の健全な発展を目指しており、労使関係は円滑である。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
当事業年度 |
補足説明 |
||||
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1 |
|||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
|||
3.6 |
32.7 |
55.4 |
74.6 |
65.6 |
- |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものである。
②連結子会社
当事業年度 |
補足説明 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合 (%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率 (%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1 |
|||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||||
文化シヤッターサービス㈱ |
1.0 |
34.2 |
51.3 |
67.7 |
54.0 |
- |
BXテンパル㈱ |
3.7 |
50.0 |
65.2 |
80.2 |
77.8 |
- |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものである。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
Ⅰ サステナビリティ
当社グループでは、社是・経営理念を実現するため、CSR4憲章に基づき、組織的、体系的に活動を推進している。また、CSR4憲章とSDGsが掲げる17の目標を照合し、人権の尊重をはじめ、環境への取り組みや地域社会との共創など、当社グループが優先的に取り組むべき重要課題を、「ESGマテリアリティ」として設定している。当社グループは「快適環境のソリューショングループ」を具現化する価値の提供により地球環境や社会課題に対応し、持続的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に貢献していく。
(1)ガバナンス
当社では、業務担当役員を委員長、CSR統括部長を副委員長、CSR4憲章委員長を委員とする「サステナビリティ委員会」を設置し、CSR憲章に基づいた活動全般をグループ全体で推進している。サステナビリティ委員会は4つの憲章委員会で構成され、気候変動を含む地球環境をはじめ、地域社会、社会貢献、人権、労働、コンプライアンスなど、サステナビリティ・CSR全体の施策立案、目標設定、活動モニタリング、教育・啓蒙等を担い、またそれらに関する情報や結果などを常務会を通して取締役会に報告している。
常務会は代表取締役が決裁を行うための任意の諮問機関として、取締役会付議議案や報告事項について事前に審議することになっている。
取締役会はサステナビリティ委員長である業務担当役員より、当社の事業や財務に与えるリスクと機会について定期的、かつ適宜報告を受け、その内容について審議・評価を行う。
●サステナビリティ推進体制
(2)戦略
当社グループでは、2007年に社是・経営理念に基づいた「CSR憲章」を掲げ、それを実践するための「CSR行動指針」を定めCSR活動をスタートした。以来「CSR憲章」の4テーマごとに重要なCSR課題について年度目標を定め、定期的に進捗を確認し、PDCAサイクルを運用することで着実に活動を展開してきた。
近年、企業の長期的な成長のためには、ESG(環境・社会・ガバナンス)が示す3つの観点が必要だという考え方が世界的に広まってきている。当社グループでは、CSR4憲章に取り組むことがこれらESG分野の課題に真摯に向き合うことであるという観点から、企業価値そのものを高めていく意味のCSR経営を推進することで、社会的な責任を果たしていきたいと考えている。
●CSR4憲章と行動指針
当社グループでは、社是・経営理念に基づいた「CSR憲章」とそれを実践していくための「CSR行動指針」を定めており、従業員一人ひとりが共感し自ら実践することで、社会から信頼される企業をめざしている。当社グループがめざす「快適環境のソリューショングループ」と、社会と当社グループのサステナビリティの実現に向け、CSR憲章に則り、グループ全体で企業価値の向上に資する活動を推進している。
●ESGマテリアリティ
当社グループは、「快適環境のソリューショングループ」の実現をめざし、現役世代の私たちも将来世代も、健全な地球環境のもとで安心・安全で快適な暮らしを送るための価値提供に取り組んでいる。当社グループがめざす社会は、SDGsの目標である持続可能な社会の実現と共鳴するものであるという認識のもと、社会的重要度と当社グループの成長・発展について影響度を評価し、優先して取り組むべき課題をマテリアリティとして特定、PDCAサイクルを運用し、取り組みを推進している。2024年度からスタートした中期経営計画の達成に向け、サステナビリティ委員会を中心にマテリアリティを見直し、取り組みの進捗を評価するためのKPIを新たに設定した。
各施策の進捗は、「成長と共に委員会」「社会と共に委員会」「地球と共に委員会」「働く仲間と共に委員会」の各委員会でモニタリングされ、サステナビリティ委員会に報告される。
(3)リスク管理
サステナビリティに関するリスクと機会については、定期的に開催されるサステナビリティ委員会において、リスクと機会のモニタリング、評価及び重要なリスクの特定を行っている。特定されたリスクについては、サステナビリティ委員会による対応策の検討を経て、常務会、取締役会に報告、提言される。
(4)指標及び目標
当社グループでは、CSR憲章に定められている“地球と共に”“社会と共に”“働く仲間と共に”“成長と共に”の各々の精神のもと、持続可能な社会の実現及び地球環境の保全を目指した取り組みを行っている。国際社会における共通の目標であるSDGsと当社グループの社是・経営理念・CSR憲章等との関係性を踏まえ、重要テーマである「気候変動」「人的資本」「人権」に取り組むことで経営リスクの縮小及び資本コストの低減に寄与し、持続可能な成長と中長期的な企業価値向上に繋げていく。
●ESGマテリアリティとKPI
当社グループでは、国際社会の共通目標であるSDGsとCSR4憲章の関係性を整理し、事業と社会の両側面から、当社グループが重点的に取り組むべき課題を抽出したマテリアリティを設定している。
サステナビリティに関する取組み内容の詳細については、当社WEBサイトで開示を行っている。
<CSRサイト>
https://www.bunka-s.co.jp/csrinfo/
Ⅱ 個別項目
1.気候変動
当社は人、社会、環境にやさしい「多彩なものづくり」、「サービス」を通じて社会の発展に貢献し、人々の幸せを実現することが当社グループの使命であり、気候変動を含む環境問題への対応を重要な経営課題の一つとして位置付けている。当社は2021年10月に、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しており、その提言に基づき気候変動が事業活動に与える影響について、積極的な情報開示を推進していく。
(1)ガバナンス
当社では、CSR憲章に基づいた活動全般を当社グループ全体で推進するサステナビリティ委員会を設置している。サステナビリティ委員会は業務担当役員が委員長を務め、気候変動を含む地球環境をはじめ、地域社会、社会貢献、人権、労働、コンプライアンスなど、サステナビリティ・CSR全体の施策立案、目標設定、活動モニタリング、教育・啓蒙等を担い、またそれらに関する情報や結果などを常務会を通して取締役会に報告している。
常務会は代表取締役が決裁を行うための任意の諮問機関として、取締役会付議議案や報告事項について事前に審議することになっている。気候変動が当社の事業活動や財務に与えるリスクと機会などについても、取締役会への報告等を行う場合は、事前に常務会における審議を要することとしている。
取締役会はサステナビリティ委員長である業務担当役員より、気候変動が当社の事業や財務に与えるリスクと機会について定期的、かつ適宜報告を受け、その内容について審議・評価を行う。
(2)戦略
当社では、世界共通の重要課題である地球温暖化防止に貢献するために、2021年5月に「BXグループ2050年脱炭素宣言」を定め、2030年までに事業活動におけるCO₂排出量を46.2%削減(2019年度比)、2050年までに実質ゼロにすることを宣言した。2022年5月にはグループ環境ビジョン「Blue neXpand 2050 未来にひろげよう青空を」を策定、「気候変動」「資源循環」「自然共生」を重点領域として、環境負荷をゼロにするだけでなく、事業活動を通じて環境へのプラスの価値を創造することで「快適環境」を次世代へとつなぐことをめざしている。
2023年度までの中期経営計画では、快適環境を追求した新たな価値の創造をめざし、今後の成長を担う注力事業として「エコ&防災事業」を推進、地球温暖化の緩和に貢献する環境配慮商品と、気候変動リスクに適応するための防災関連商品の拡充に取り組んできた。
また、気候変動に関する事業への影響を把握し、戦略の有効性や気候関連リスクと機会に対するレジリエンス向上を目的として、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が公表した複数のシナリオを参照の上、財務影響及び事業インパクトを評価し、シナリオ分析を実施している。
●シナリオ分析
当社では気候変動の問題を経営上の重要な影響を及ぼすリスクと機会と捉え、自社の事業戦略に大きな影響を及ぼすとの認識のもと、主力事業であるシャッター及びドア事業における気候変動に伴うリスクと機会を2℃未満シナリオと4℃シナリオの2つのシナリオにて分析し、それぞれのシナリオにおける移行リスク、物理リスクそして機会を特定している。特に自社にとってインパクトが大きいと想定される要因については、財務インパクトに関する分析を実施し、財務インパクトの分析では、一定の前提のもと、2050年までの損益計算書(PL)・貸借対照表(BS)・キャッシュ・フロー計算書(CF)のシミュレーションを実施し、特定したドライバーのPL・BS・CFへの影響度とその重要性を評価している。
シナリオ分析に基づいた気候関連リスクと機会の評価結果は、影響度、発生可能性等を考慮し、事業戦略に反映している。特に影響が大きいと評価したリスクと機会、及びそれぞれの対応策の進捗状況は次の通りである。
シナリオ名 |
想定する世界観 |
シナリオ名 |
想定する世界観 |
2℃未満シナリオ (SSP1-2.6) |
環境規制が強化され、ZEB・ZEH水準の建物が普及。省エネ性が高い商品、再エネサービスの需要が増加している。 |
4℃シナリオ (SSP5-8.5) |
環境規制は現状のレベルを維持し、ZEB・ZEH普及は大きくは進展しない。一方、自然災害の頻発化から、防災・減災製品の需要が増加している。 |
事業/財務インパクトの影響度評価
大:事業戦略への影響または財務的影響が大きいことが想定される
中:事業戦略への影響または財務的影響が中程度と想定される
小:事業戦略への影響または財務的影響が小さいことが想定される
区分 |
内容 |
対応策 |
財務インパクト |
|||
2℃未満 |
4℃ |
|||||
移 行 リ ス ク |
政 策 ・ 法 規 制 |
①炭素税の負担によるコストの増加 |
・炭素税の導入や上昇は当社運営費の増加や調達先の価格転嫁を引き起こす可能性がある |
再生可能エネルギーへの切り替え |
大 |
中 |
CO₂排出量削減設計や3R化設計の推進 |
||||||
環境への取り組みを重視した調達先の選定 |
||||||
代替資材の開発、製品の長寿命化 |
||||||
②エネルギーミックスの変化によるコストの増加 |
・製造・研究開発(自社)において再エネ導入やエネルギー転換に伴い設備投資額が増加する可能性がある |
エネルギーミックス方針の策定によるエネルギー転換の推進 |
大 |
大 |
||
技 術 |
③低炭素技術への移行化に伴うコストの増加 |
・調達先の低炭素技術への移行(鉄等の製法自体の変更含む)に伴い設備投資が増加し、調達価格のコストが増加する可能性がある |
脱炭素に向けた調達先との協力体制の構築 |
大 |
小 |
|
物 理 リ ス ク |
急 性 |
④自然災害/異常気象の重大化・頻度増加による売り上げの減少及びコストの増加 |
・調達先の被災による納入遅延や物流網の分断等により発注取り消しや売上減少の可能性がある
・調達先や運送会社の被災による復旧コストの増加により調達コスト及び運送コストが増加する可能性がある
・新たな調達先及び物流網確保のための調達及び物流コストが増加する可能性がある |
複数の調達先確保の推進によるリスクの分散化 |
小 |
大 |
調達先及び運送会社への設備投資を含めたBCP策定等に対する助言等の実施 |
||||||
機 会 |
製 品 ・ サ ー ビ ス |
⑤気候変動の緩和に貢献する環境配慮製品に対するニーズの高まり |
・断熱性や遮熱性の高い省エネタイプの環境配慮商品のニーズが高まることが想定される
・製造過程における環境負荷を低減した環境配慮商品について取引先からの引き合いが増加することが想定される |
空調効率を向上させる機能を有した、商品の使用段階における環境配慮商品の拡充により、温暖化を防止し気候変動の緩和に貢献 |
大 |
小 |
材料重量の削減や取付工程の転換等、商品の製造・取付段階における環境負荷を低減する環境配慮商品の拡充により、温暖化を防止し気候変動の緩和に貢献 |
||||||
⑥気候変動による影響に適応する製品に対するニーズの高まり |
・防災・減災性能に優れた当社製品の需要が高まり売り上げの増加が想定される |
防災・減災製品の拡充及び製品の安定供給による社会的損失の低減に貢献 |
大 |
大 |
||
防災・減災性能に優れた商品開発の強化 |
●シナリオ分析結果に基づいた対応状況
<リスクへの対応>
①炭素税の負担によるコストの増加
・再生可能エネルギーへの転換
事業活動におけるCO₂排出量を削減するために、再エネ電力への切り替えや太陽光発電システムの導入を進めている。2023年度は、当社姫路工場において購入電力の一部を再エネ電力へ切り替えると共に、新事務所棟に太陽光発電システムを導入した。また当社秋田工場では、秋田県営水力発電所で発電された電源由来の再生可能エネルギーを活用した「あきたEネ!オプション水力100%」に加入し、CO₂排出量の大幅削減を実現した。その他、大阪BXビル等において一部再エネ電力への切り替えを実施した他、BX紅雲及びBX朝日建材に太陽光発電システムを導入するなど、順次再生可能エネルギーへの切り替えを進めている。
・CO₂排出量削減設計や3R化設計の推進
製造段階におけるCO₂排出量を抑制するため、大型スチールドアの一部においても溶接工法を大幅に削減した扉の組立方法を採用した。一般的なスチールドアと比較して溶接個所が大幅に削減されたことで一酸化炭素などの発生を抑制し、作業時の電力使用量の削減も実現している。
②エネルギーミックスの変化によるコストの増加
・エネルギーミックス方針の策定によるエネルギー転換の推進
主に生産拠点において、消費エネルギーのポートフォリオ管理により、エネルギー使用の最適化を推進している。また、生産性と効率化を重視した設備の入れ替えを推進し、エネルギー使用の効率化を進めている。
③低炭素技術への移行化に伴うコストの増加
・脱炭素に向けた調達先との協力体制の構築
当社の調達ガイドラインをご理解頂き、環境への取り組みを共に推進して頂くために、年に一度サプライヤーの取り組み状況を調査し結果に応じたフィードバック面談を実施している(2023年度115社に実施)。またこれらの対話を通じ、CO₂排出量の多い調達品に対し、代替資材への転換の検討を進めている。
④自然災害/異常気象の重大化・頻度増加による売り上げの減少及びコストの増加
・複数の調達先確保の推進によるリスクの分散化
安定供給を確保するための調達BCPを構築し、サプライチェーンの二重化や自社での最低限在庫(3ヶ月分の製品在庫)の確保、調達に関するガイドラインの整備、自社在庫状況の見える化等を進めている。
・調達先及び運送会社への設備投資を含めたBCP策定等に対する助言等の実施
物流効率の向上をめざした物流体制の再構築により、配車情報の一元化をはじめ、積載効率の向上、運行距離の最適化を推進している。また、下流物流に対しては「製造部門事業継続活動実施要領」に基づき、自然災害を含む緊急事態発生時の道路等のインフラの状況や納品先の受け入れ態勢等の情報を収集し、対応できる体制を構築している。
<機会への対応>
⑤気候変動の緩和に貢献するソリューションの展開
調達から使用・廃棄に至る一連のバリューチェーンにおいて、環境に配慮した製品・サービスを提供することで温暖化を抑制する緩和ソリューションの推進を図っている。
室内用遮熱シート「はるクール」は、放射熱を97%カットすることで温度上昇を抑え、熱中症予防や冷房効率向上に効果を発揮する。主に工場や物流倉庫などの産業施設の温度管理、環境改善に貢献する。
環境配慮型スチールドア「SGD」は扉の組み立てに接着工法を採用したことで一般的なドアサイズにおいて従来品より25%の軽量化を実現した。これによりドア1枚当たり35kg相当のCO₂を削減した。
外付けブラインド「マドマスターソラル」は、通風・換気ができるブラインド機能を有した住宅用窓シャッターである。夏場の日射を遮る遮熱効果で冷房効率を上げることができ、冬場は日射による熱を取り入れることで暖房効率が上がり、エネルギーの省力化に貢献する商品である。
⑥気候変動による影響に適応するソリューションの展開
温暖化に起因する異常気象や、甚大化する自然災害から人の命と財産を守るための製品・サービスを展開し、適応ソリューションの推進を図っている。
・強風被害対策
「マドマスター・スマートタイプ(気象情報連携自動閉鎖機能)」は、天候の急変に備え、予想外の荒天に見舞われた際に自宅付近の大雨警報や暴風警報などの気象警報を受信し、不在時でも自動で閉鎖させる機能を追加したIoT対応の電動窓シャッターである。
「ウインドブロックシリーズ」では、重量シャッター、オーバースライディングドア及び住宅用窓シャッターで高耐風圧性能を確保した強風被害対策商品をラインアップしている。特に重量シャッターでは、基準風速が国内最大となる沖縄全域を想定した業界最高レベルの性能を実現しており、暴風対策の面から企業のBCPを支援する。
・浸水被害対策
近年の極端な気象状況の変化に伴うハザードマップの見直しにより、想定される浸水リスクが高まったエリアの建物にもご検討いただけるよう、止水マスターシリーズの積極的な提案を進めている。
アルミ製止水板「ラクセットハイタイプ」は、オフィスビルや商業施設など非住宅の開口部における浸水対策として、止水パネルを最大3段積み上げることで、浸水高さ1.5mまで対応。環境や状況に即したフレキシブルな浸水対策を簡単操作で実現し、急な豪雨や増水時にも素早く対応することを可能にしている。
(3)リスク管理
当社では、気候変動の問題を経営上の重要な影響を及ぼすリスクと機会と捉え、サステナビリティ委員会の気候変動チームが各種会議体を通した気候変動リスクと機会のモニタリング、評価及び重要なリスクと機会の特定を行っている。気候変動チームはCSR統括部を中心に、経営企画部、製造企画部、人事総務部、経理部のメンバーによって構成されている。
気候変動リスクと機会の特定にあたり、気候変動チームはCSR統括部主導のもと、気候変動に関するシナリオ分析を実施している。シナリオ分析から導出された重要なリスクと機会についてはサステナビリティ委員会での検討を経て、常務会、取締役会に報告、提言される。
なお、シナリオ分析で試算した財務インパクトは、一定の前提条件を元に試算しており、現時点では発生の蓋然性について判断が困難な要素も分析に織り込んでいる。気候変動チームでは、今後の経済情勢や日本及び世界の気候変動に関する取り組みを鑑み、一定程度蓋然性が高くなると考えられる要素について、具体的に事業計画に織り込むようサステナビリティ委員会にて検討を行い、常務会、取締役会に進言する役割を担っている。
(4)指標と目標
当社では、長期ビジョンで掲げる「快適環境ソリューショングループ」を実現するために、快適に過ごせる健全な地球環境を取り戻すことを目的に事業の脱炭素化に取り組み、持続可能な社会の構築に貢献する。その目的を達成するために、2021年5月に「BXグループ2050年脱炭素宣言」を公表した。
シナリオ分析から導出された結果並びに今後必要となる対応策と、脱炭素宣言で想定している取り組みは整合的である旨、確認できた。グループ一丸となり以下に掲げる2050年・2030年目標に向けて取り組みを加速することで、持続可能な社会の構築に貢献していく。
なお、2030年に向けたCO₂の削減目標については、2023年10月にSBT認定を取得している。
●2050年脱炭素化に向けた指標と目標
当社グループでは、事業活動で排出するCO₂(Scope1及びScope2)について2050年までに実質ゼロにすることを宣言し、脱炭素化に向けた取り組みを推進している。また、サプライヤーと協力・連携し、サプライチェーン全体でCO₂削減に取り組む。
●2030年指標と目標(SBT1.5℃目標)
・Scope1及びScope2 46.2%削減(2019年度比)
・Scope3カテゴリ1(購入した製品・サービス)及びカテゴリ4(輸送・配送) 27.5%削減(2019年度比)
これに伴い、2023年度までの中期経営計画中にScope1及び2において2019年度比16.8%削減することを目標としている。
●Scope1+2
|
2021年度 |
2022年度 |
2023年度(※) |
排出量(t-CO₂) |
26,145 |
26,448 |
27,137 |
削減率(2019年度比) |
9.8% |
8.7% |
6.3% |
※2023年度のCO₂排出量及び削減率に関しては現時点での概算で開示している。
確定数値は当社CSRサイト等で開示予定である。
Ⅲ 人的資本
(1)ガバナンス
当社では、CSR憲章にもとづいた活動全般をBXグループ全体で推進するサステナビリティ委員会を設置している。サステナビリティ委員会は業務担当役員が委員長を務め、全体のコンプライアンスをはじめ、マテリアリティの特定などCSR活動全体の教育・啓蒙、人権、気候変動が及ぼす財務への影響の特定や人的資本開示に伴うワーキンググループの活動、またそれらに関する情報や結果などを常務会を通して取締役会へ報告している。
常務会は代表取締役が決裁を行うための任意の諮問機関として、取締役会付議事項案や報告事項について事前に審議することになっている。人的資本に関する指標、目標及び実績などについても、取締役会への定期的な報告等を行う場合は、事前に常務会における審議を要することとしている。
取締役会は定期的にサステナビリティ委員長である業務担当役員より、人的資本に関する指標、目標及び実績についての報告を受け、その内容について審議・評価を行う。
(2)戦略
1.人材の多様性の確保を含む人的資本に関する方針
①経営理念等について
当社グループでは、「人と地球の快適環境」を創造することをめざしており、その実現に向けては、創業の精神である「社是(誠実・努力・奉仕)」をはじめとして、企業活動における行動指針である「経営理念」の考え方を共有した人材が重要な事業基盤の一つであると認識している。
なお、当社グループの企業風土であり従業員としての心構えである「明・元・素(明るく、元気に、素直)」は、求める人材や人材の確保・育成、ひいては当社グループの成長には欠かせない要素であると考えている。
②CSR憲章「働く仲間と共に」
当社グループでは、前述の「社是」や「経営理念」といった企業文化を体現できる人材の育成に注力し、それらの育成を通じて成長した人材を社内の重要なポジションへ登用するなど、従業員一人ひとりの人材力の総和により、事業基盤の強化を図ることが持続的な成長、ひいては企業価値の向上につながると考えている。
さらに、人材に関する基本的な考え方としては、「CSR憲章」の「働く仲間と共に」において、働く仲間の個性と創造性を尊重し、一人ひとりの満足と成長をめざしている。また、「CSR行動指針」では「人権の尊重」、「雇用の創出」、「満足度の向上」を掲げ、従業員が実践することでエンゲージメント(従業員一人ひとりが企業の掲げる「戦略・目標」に共感し、自発的に貢献する意欲)の向上を図っている。
③中期経営計画の概略
当社及び当社グループが持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上を実現するため、「社是」、「経営理念」、「ESG視点」等を踏まえた新しい3か年の中期経営計画を実行中であり『恒久的な企業価値の創出を目指して』を基本テーマとして掲げ、中期経営計画の達成に向けた様々な施策に取り組んでいる。創業当初より成長を支えてきたシャッター、ドア等を製造・販売する基幹事業においては、防火・防犯はもとよりIoT化など、変化する社会のニーズを捉え、生活者の視点に立った商品開発を実行していくことで、規模を維持しつつ、収益力強化につながる投資を実施していく。注力事業においてはエコ&防災事業をはじめ、メンテナンス事業、都市の老朽化や住環境の変化に対応するリノベーション事業及び海外事業等を展開しており、売上規模(シェア)を拡大していくとともに、新たな事業への挑戦と投資を実施していく。基幹事業によって基盤を強化するとともに、注力事業によって当社グループの未来を担う事業を育て、発展させていき、それらのバランスをとることで、経営のレジリエンスを高めていく。
④当社グループの成長並びに中期経営計画の遂行に向けて必要な人材
当社グループの成長並びに中期経営計画の更なる推進のために、属性を問わず、個性や能力など様々な価値観や視点を受け入れる必要があり、事業を問わず以下の「求める人材」が共通要素であると認識している。
「自ら考え行動し、課題を解決できる人」
「何事にも積極的にチャレンジし、常に前向きに考え行動できる人」
「既存の事業領域に限らない専門的な知見・技術や発想等により、新たな事業領域を創出できる人」
これらを体現できる人材を事業基盤に事業施策を実行していくとともに、積極的にダイバーシティ&インクルージョンを推し進め、多様な能力の獲得や能力の発揮機会の提供を図り、多様化する顧客ニーズへ対応していくことで、当社グループが快適環境のソリューショングループへと成長すると考えている。
⑤多様性を考慮した人材の確保
<主な採用ルート>
現在の採用について、「求める人材」を踏まえ、新卒採用は人事総務部で、中途採用は各事業本部等の事業部門において実施している。
新卒採用については、営業や技術(商品開発・設計・生産技術・SE)など、学生が希望する仕事に配属をする職種別採用を行っており、入社前と入社後のギャップを軽減している。
中途採用においては、主に営業、設計、施工管理を中心に経験者や資格保有者等の即戦力人材を積極的に獲得するだけではなく、必要に応じて当社事業領域に限らない専門的な知見・技術を持つ人材や海外人材を採用するなど、多様な価値観、多角的な視点を取り入れることで組織、人材の硬直化を抑制し、新たな事業の創出や企業の成長につなげている。
<人材の融合>
近年では、事業領域の拡大によるM&A、アライアンスを通じて、考え方・価値観の異なる人材との融合が進んでおり、今後より一層の技術革新や新商品の具現化を進めることができると考えている。
<ダイバーシティ&インクルージョンの観点>
ダイバーシティ&インクルージョンの観点、及び多様な人材の確保に向けて、当社における社員男女比率はおよそ9:1であり、かつ、女性管理職比率が3.6%(単体)であることは経営課題として認識している。今後、働き方改革の推進、新商品や新事業の探索など、当社の成長には女性の視点をはじめとする多様な視点が必須である。そのため、新卒採用における女性採用比率30%を目標として、積極的な採用による社員男女比率のバランスの改善や女性従業員向けのキャリアデザイン研修に取り組み、現状打破を進めている。また、障害者の採用においては、「当社に限らず、どの企業においても戦力となる人材に成長する」を目標に、全国各部門・職種での採用を推進している。あわせて、2022年度より希望するすべての障害者を社員へ身分変更し処遇を改善することで活躍の機会を拡げ、満足度の向上を図るとともに、採用市場における競争力強化を図っている。
⑥人材の育成
<基本的な人材育成方針>
現在の事業施策並びに中長期目標の実現に向けて、事業基盤の強化を図るためには、人材育成への注力が重要と考えている。「求める人材」は前述のとおりであり、様々な採用ルートやダイバーシティ&インクルージョンの観点から獲得を進め、その人材をしっかりと育成していくことが未来に向けて当社グループが成長する礎となると考えている。
<従業員全体の育成>
人材育成の取り組みとして、従業員全体の底上げ、成長を図る研修を実施している。入社時教育をはじめ職位・職能資格に応じた様々な階層別研修(昇格者研修、新任管理者研修など)、スキルアップにつながる教育として、製品知識修得を目的とした研修や「恒久的な企業価値の創出を目指して」の実現に向け、目に見えない問題を見つけ、見つけた問題の因果関係を解明する問題解決研修、そして、働き方改革につながる生産性の向上に向けたITリテラシーに関する通信教育等を実施している。
<職種に応じた柔軟な育成>
従来の建築・施工管理などの専門技術のスキルや資格の取得を進めるため、外部講習等を利用した研修を実施し、資格試験の合格者には、新たな資格手当の新設や従来の祝金を増額するなど合格へのインセンティブも付与している。
製造現場等における当社固有の技術や高度な技能を伝承し後継者を育成するため、2007年にマイスター制度を導入している。熟練したスキルを保有する従業員が数多く輩出されることで、メーカーとして製品の安心・安全の提供、多様化する顧客ニーズへの対応や顧客満足度の向上が可能と考えている。
営業のエリアマーケティング研修では、地域特性を考慮した商品・顧客戦略を現場の社員が調査・立案し、部門長にプレゼンテーションをすることで、自身の事業戦略への理解を深めるとともに経営目標との連動や経営に参画する意識の醸成につなげている。
<ダイバーシティ&インクルージョンを踏まえた育成>
ダイバーシティ&インクルージョンの促進に向けては、2021年より、女性の活躍を促進するため、意識改革やマネジメント力向上を目的とした女性従業員向けのキャリアデザイン研修を実施している。さらに、前述のマイスター制度では、現在のマイスター34名(グループ全体)のうち、4名(グループ全体)が定年後再雇用者であることから、シニア層のモチベーション向上とともに、その活躍が当社の成長に寄与している。
<経営陣の考えの浸透>
各研修の冒頭に経営陣が受講者に対し、従業員の成長への期待や会社の姿勢・方向性を説明することで、会社全体でベクトルを合わせ、経営陣の考えを浸透させている。
⑦人事評価、重要ポジションへの登用
当社では、従業員の仕事の取り組み方や成果等を公正・公平に評価することで、従業員の重要ポジションへの登用や従業員のモチベーション向上、ひいては個々の成長につなげていくことが重要だと考えている。
<人事評価>
人事評価においては、多様な人材が持つ能力の十分な発揮や適材適所の配置を進めるため、当社人事制度の根幹である職能資格に応じた保有能力の把握・評価、仕事の達成度・成果を評価する業績評価、そして仕事への取り組み姿勢を評価する情意評価など、多面的に評価することで、従業員の能力の伸長や成果、職務範囲の拡大、上司部下・他部門との協働等、従業員の成長を上司が適切に把握することとしている。また、人事評価の結果は前述の観点に加え、今後の成長へのアドバイスを含め、定期的なフィードバック面談を行うこととしており、評価や課題について十分に話し合うことで目標を明確にし、モチベーションの向上につなげている。これら人事評価を公正・公平に行うには、評価者の評価制度への理解と評価スキルの均一化が必要であることから考課者研修を継続的に実施している。
<重要ポジションへの登用>
支店長、工場長以上の経営幹部レベルの人事異動等については、経営陣自らが現場を訪問した上での情報収集や経験・実績を踏まえ、事業戦略や年度方針に基づく事業施策の実行に最適な人員配置等を実施している。各事業本部における幹部人事異動等についても、これまでの経験や実績、現状分析に基づく最適な人員配置を実施しているが、時には従業員の将来、モチベーション向上ひいては当社の将来を見据え年齢や経験にとらわれない人事配置を行うことがある。
2.社内環境整備方針
<基本的な社内環境整備方針>
当社グループでは、育成し成長した従業員が、モチベーションを維持し長期的に活躍するため、以下のとおり、働き方の改革・支援、健康促進や人権等の基盤の整備を図ることが重要であると考えている。
①基盤の整備(働き方の改革・支援、健康促進)
<働き方の改革・支援>
働き方の改革については、個々のライフスタイルを重視しつつ、多様な働き方による生産性向上や安心して働くことができる環境を重視した人事制度の見直し並びに人材投資を実施している。当社では、柔軟な働き方を可能とするフレックスタイム制度やモバイルPCの導入による在宅勤務並びにリモートワークの恒久化、有給休暇取得率向上によるワークライフバランスの充実のため年次有給休暇の計画的付与日数を5日から7日に増加するなど、すべての従業員が安心して働くことができる環境整備を進めている。
働き方の支援については、育児や介護・疾病と仕事の両立が重要と考えている。育児と仕事の両立として、当社の育児休業制度は、最長3歳までの育児休業が可能であり、2022年度からは、育児休業の開始日から5日間を有給化、産前休暇を出産予定日の8週間前から取得を可能とするなど、性別にかかわることなく安心して育児に係ることができる環境を整備している。介護・疾病と仕事の両立に向けた支援として、失効する有給休暇を積み立て、家族を介護する時や従業員が指定難病にり患した時に利用できる介護・指定難病等休暇制度を制定している。
社会参画による人的成長や企業市民としての積極的な社会貢献等を目的として、地域貢献活動、社会貢献活動や災害復興支援活動等を対象にボランティア休暇を導入し取得を推進している。
<健康促進>
従業員の健康促進に向けては、従業員が健康で仕事に取り組むことが企業成長の基盤であると認識している。長時間労働による過労を防ぐため、時間外労働の目標時間を設定し、仕事の進め方の見直しや業務のシステム化によるDXの推進など生産性向上を図っている。
また、健康診断の再検査受診率100%を目標に掲げ、継続的に社内周知をするなど実施率向上に取り組んでいる他、大型拠点での健康相談の実施、すべての従業員へのストレスチェックの受検勧奨により、体調変化のシグナルの見落としや、疾病のリスクを未然に防ぐ取り組みを推進している。
②基盤の整備(人権、労働安全衛生)
<人権方針の制定>
当社グループでは人権について、これまでもCSR憲章「働く仲間と共に」で人権に関する行動指針を掲げ、人権の尊重に取り組んできている。昨今、国際社会における人権リスクの高まりや、課題の変化に対応し、サプライチェーンを含めた人権マネジメントの高度化を図るため、2022年度、国際規範に基づいた「文化シヤッターグループ人権方針」を新たに策定した。
人権方針では、「文化シヤッターグループのすべての役員及びすべての従業員」だけでなく、「自社商品、サービスに関係するステークホルダー」に対しても、方針の理解と遵守を求めている。
<人権デュー・ディリジェンスの実施>
当社グループ及び当社グループの商品・サービスに関連するステークホルダーの人権に対する負の影響を特定し、負の影響を防止・軽減するとともに防止・軽減の対応状況や結果を追跡、最終的にどのように負の影響に対処したのかを説明・情報開示する人権デュー・ディリジェンス実施ガイドラインを策定した。2024年2月には当社グループ全従業員を対象に人権に関するアンケートを実施し、回答率は73.1%となった。
当社グループにとって、「快適環境のソリューショングループ」として事業活動を行う上で、社内だけでなくサプライチェーン全体で人権を尊重し、多様性を認め合うことは必要不可欠な要素であり、今後も持続可能な社会を実現するために、人権尊重の取り組みが必要と考えている。
<労働安全衛生>
労働安全衛生においては、安心・安全な職場環境と健康を確保することが、人的基盤を支える根本であると認識している。当社は、安全衛生管理規定に従い、全社に安全衛生管理体制を確立し、災害を防止するために必要な措置を積極的に行っており、事業場における労働災害防止のため、各事業場での安全衛生委員会を中心に、機械、作業、環境等による危険に対する措置の実施や法令で定められた安全衛生教育、作業環境測定等に取り組んでいる。
(3)リスク管理
当社では人的資本の問題を経営上の重要な影響を及ぼす事項ととらえ、日常的には各事業本部・支店や本社で発生する諸問題等について各部門が対応することとしており、適宜、それらの情報を人事総務部が取りまとめ、諸問題の解決策や目標を達成するための施策を検討している。今後は、人的資本開示ワーキンググループが、人的資本に関する重要な影響を及ぼすリスクと機会を識別し、それに対応する指標及び目標を設定することとし、必要に応じて、サステナビリティ委員会で検討を行い、常務会、取締役会に進言する役割を担う。なお、人的資本開示ワーキンググループは、サステナビリティ委員会の下に人事総務部を中心に、CSR統括部、経営企画部、経理部、営業企画部、製造企画部のメンバーによって構成されている。
(4)指標と目標
なお、当社グループは、「文化シヤッターグループ人権方針」及び「ダイバーシティ&インクルージョンに関する方針」を策定し、当社WEBサイトで開示を行っている。
<文化シヤッターグループ人権方針>
https://www.bunka-s.co.jp/csrinfo/wp-content/uploads/2022/11/humanrights_jp.pdf
<ダイバーシティ&インクルージョンに関する方針>
https://www.bunka-s.co.jp/db/wp-content/uploads/2023/06/diversity_inclusion.pdf