2023年9月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)インバウンド市場の動向について(顕在化可能性:中、時期:特定時期なし、影響度:大)

当社が展開する事業が属するインバウンド市場は、近年の傾向としましては、訪日旅行客の増加により安定的に収益を確保しやすい環境が継続していると考えております。しかしながら、自然災害等の天変地異、新型コロナウイルス等の感染症の流行、国際紛争等の不測の事態により、訪日旅行客が減少し市場が縮小した場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。一方で、新型コロナウイルス感染(COVID-19)症の拡大に伴い、事業対象を日本在留外国人並びに国内企業に拡大することによって、仮にリスクが顕在化した場合においても、当社業績への影響を限定的なものに抑えられるよう努めております。引き続き、日本在留外国人並びに国内企業を事業対象とするサービスの拡充に努めます。

 

(2)仕入条件の影響について(顕在化可能性:中、時期:特定時期なし、影響度:中)

当社のWi-Fi事業では、通信キャリア等から通信サービス及びWi-Fi端末を仕入れておりますが、当社が、従前と同様の仕入条件で更新できるという保証はありません。さらに、各通信キャリア等の事業方針の変更により、当社が従前より不利な仕入条件への変更を余儀なくされる可能性もあります。当社の通信キャリア等からの仕入条件が悪化した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これに対応するため、既存の取引先とは、契約の基本的事項を厳守し、定期的な情報交換をすることで、緊密な関係構築に努めております。加えて、特定の仕入先への依存度が高くならないよう、仕入先の拡充に努めます。

 

(3)競合他社の影響について(顕在化可能性:中、時期:特定時期なし、影響度:中)

当社が事業を展開する市場では、各分野において、競合企業が存在しております。当社では、引き続き、顧客のニーズに応える商品・サービスの提供及び販売価格等において差別化を図り、競争力を維持してまいりますが、異業種からの新規参入者等を含め競合他社との競争激化による収益力の低下や、広告宣伝費の増加等により当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

一方で、以下のとおり、一定程度の参入障壁が存在し、新規参入による当社業績への影響は限定的であると考えております。

① Wi-Fi事業

法人向けのWi-Fiルーターレンタル事業者は多数存在しますが、訪日外国人をお客様として想定して多言語でWebサイトとカスタマーサポート体制を構築し、ブランドが認知されている事業者は多くありません。各言語でのWebサイト構築やカスタマーサポート体制の整備、ブランドの認知確立には一定の費用と工数が見込まれるため、一定程度の参入障壁が存在すると考えております。

② ライフメディアテック事業

ライフメディアテック事業では、オウンドメディアで集客を行い、外国人向けのEコマースノウハウを活かした販促を行い、かつ自社の多言語コンシェルジュによるカスタマーサポートを実施することで、取次手数料を収受するビジネスモデルです。そのため、単なるインターネット広告業ではなく、集客から販売、アフターフォローまで一貫して行える点で、他の外国人向けのWebメディアや、外国人向けのEコマースサイト、外国人向けのコールセンターとは異なり、稀有なポジションを有していると考えられます。参入には、外国人向けオウンドメディアの構築、Eコマースノウハウの積上げ、多言語コンシェルジュの運用を行う必要があり、参入障壁は高いものと考えております。

③ キャンピングカー事業

日本人向けのキャンピングカーレンタルのみで参入する事業者は多数存在しますが、訪日外国人をお客様として想定して多言語でWebサイトとカスタマーサポート体制を構築し、ブランドが認知されている事業者は多くありません。各言語でのWebサイト構築やカスタマーサポート体制の整備、ブランドの認知確立には一定の費用と工数が見込まれるため、一定程度の参入障壁が存在すると考えております。

 

(4)許認可等について(顕在化可能性:低、時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は、主要事業であるWi-Fi事業の運営に関し、電気通信事業法に基づき届出をしております。また、ライフメディアテック事業に関して宅地建物取引業の免許と第三種旅行業の登録、キャンピングカー事業に関して自家用自動車有償貸渡業の許可と第三種旅行業の登録、全社としてプライバシーマークの付与及び古物商の営業許可を受けております。今後、関連法規の改正などによっては、各種許認可等の保持が前提となる一部のサービスを継続できなくなる可能性があります。

これに対応するため、各事業部、管理部において関連法規の改廃等の情報収集を行うとともに、関連法規を遵守すべく顧問弁護士の指導のもと作成したマニュアル、ガイドラインを用いて、法令遵守を徹底した事業運営を行い、関連法規の改廃等に伴う許認可の取得・更新等に適時対応して参ります。

なお、主だった許認可とその取消事由は以下のようになっております。

 

 

<許認可>

取得・

登録者名

取得年月・許認可等の名称及び所管官庁等

許認可等の内容

及び有効期限

法令違反の要件及び

主な許認可取消事由

 

株式会社インバウンドプラットフォーム

2021年6月18日

プライバシーマーク

一般財団法人日本情報経済社会推進協会

第10862828(02)号

日本産業規格「JISQ15001個人情報保護マネジメントシステム―要求事項」に適合し、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備していることの認証

2025年6月17日まで(2年間)以後2年ごとに更新

プライバシーマーク制度における欠格事項及び判断基準に欠格事由が定められている

2018年11月6日

古物商

東京都公安委員会

第303311806638号

古物営業法に規定される古物を、業として売買又は交換することに対する許可

有効期限なし

偽りその他不正の手段により許可を受けた場合、古物営業法第4条に規定される欠格事由に該当する場合等に、許可取消処分が行われることがある

2017年2月26日

自家用自動車有償貸渡業(許可)

国土交通省 関東運輸局

レンタカー事業者

有効期限なし

許可書記載の条件や道路運送法、貨物自動車運送事業法、道路運送車両法に違反した場合は許可取消となることがある

2020年5月14日

東京都知事登録旅行業

第3-7989号

国土交通省 観光庁

第三種旅行業

2025年5月13日まで

旅行業法第19条(登録の取消し等)

観光庁長官は、旅行業者等が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は登録を取り消すことができる。

1 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。

2 第六条(登録の拒否)に掲げる者に該当することとなったとき、又は登録当時同項各号のいずれかに掲げる者に該当していたことが判明したとき。

3 不正の手段により旅行業の登録、第六条(登録の拒否)の有効期間の更新の登録又は変更登録を受けたとき。

2021年6月11日

宅地建物取引業免許

国土交通省 

東京都知事

東京都知事(1)第106443号

2021年6月12日から

2026年6月11日まで(5年ごとに更新)

法人の役員又は政令で定める使用人が免許欠格事由に該当することとなったとき、免許を受けてから1年以内に事業を開始せず、又は引き続いて1年以上事業を休止したとき等に、免許取消処分が行われることがある

 

 

<届出>

取得・

登録者名

取得年月・許認可等の名称及び所管官庁等

許認可等の内容

及び有効期限

法令違反の要件及び

主な許認可取消事由

株式会社インバウンドプラットフォーム

 

2017年10月23日

電気通信事業者(届出)

総務省

届出番号A-29-16030

電気通信事業者(電気通信回線設備を設置せずに営む場合)

有効期限なし

主な法令違反の要件

1 検閲の禁止

2 通信の秘密の保護

3 利用の公平

4 重要通信の確保

5 業務の停止等の報告

 

配当政策

3 【配当政策】

当社は、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元も重要な経営課題として認識しております。現在当社は成長過程にあると認識しており、内部留保の充実を図り、収益力強化や事業基盤整備のための投資に充当することにより、なお一層の事業拡大を目指すことが、将来において安定的かつ継続的な利益還元に繋がるものと考えております。将来的には各期の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案した上で株主に対して利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその時期等については未定であります。

なお、剰余金の配当を行う場合は、年1回の期末配当を基本方針としており、配当の決定機関は株主総会となっております。