事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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Wi-Fi事業 | 1,791 | 86.2 | 320 | 95.4 | 17.9 |
ライフメディアテック事業 | 212 | 10.2 | 24 | 7.2 | 11.3 |
キャンピングカー事業 | 72 | 3.5 | -9 | -2.6 | -12.1 |
その他 | 2 | 0.1 | N/A | N/A | N/A |
事業内容
3 【事業の内容】
当社は、Wi-Fi事業、ライフメディアテック事業、キャンピングカー事業の3つの事業を展開しております。当社は、訪日・在留外国人数や国内における外国人消費額が中長期的に見て大きく伸びていくマクロトレンドの中で、「また来たい、日本」をビジョンに掲げ、当社のサービスを通じて外国人の日本滞在における不便を解消し、日本に来られる外国人、居住されている外国人の満足度及び来日リピート率の向上に貢献することを目指し、様々なサービス展開を行っております。当社の事業内容及び当該事業に係る位置付けは、以下のとおりです。
(1) Wi-Fi事業
当社は、訪日外国人及び国内法人向け日本国内用Wi-Fi端末レンタル、並びに海外用Wi-Fi端末の日本人顧客向けレンタルを行っております。
仕入面の特徴は、高機能なWi-Fi端末仕入れにおける調達力です。当社は、新型コロナウイルス感染症拡大前においては、英語圏をメインとした欧米圏の訪日外国人向け日本国内用Wi-Fi端末のレンタルに注力しており、安価かつ安定的な調達が可能となっております。訪日外国人向けレンタルで取り扱っている端末は、1日あたりの通信量によらず低速化しない通信データ無制限の端末となっており、長年の取引実績に裏打ちされた信頼関係を背景に、2023年9月現在においても、引き続き安定的な調達が可能となっております。
オペレーション面の特徴は、効率性と、英語、スペイン語、フランス語、中国語、韓国語及びベトナム語等の多言語でのカスタマーサポート体制です。長年のノウハウの蓄積により、少人数で大量のWi-Fi端末をスピーディーに充電・梱包のうえ顧客の自宅、滞在先ホテル、空港カウンター等に発送する体制が整っております。また、ライフメディアテック事業とコールセンターを共有化することにより、効率的に多言語でのカスタマーサポート体制を築いております。
販売面の特徴は、外国人向けのデジタルマーケティングノウハウと、高い顧客満足度に起因するブランド力です。当社はWebサイトのUI/UX改善(注1)に強みを持ち、かつ多国籍なwebマーケターを有しております。各国の人々の文化、商習慣、画面デザインの選好等もふまえながら対象国に応じて、事前デポジット不要との訴求を入れていたり、各国の通貨表示及び各国の物価や競合情勢を踏まえたプライシング戦略等を行っております。UI/UXの改善を行ってきたことにより、様々な国のお客様にとって使いやすいUI/UXを実現しております。
上記のように蓄積されたノウハウを活用して、将来的には、アジア圏各国のローカライゼーションも実施する予定です。
(注1)UI(ユーザーインターフェース)、UX(ユーザーエクスペリエンス)をより顧客が使いやすい表示にしたり、よりスムーズに購入体験ができるようにするために、Webサイトのデザイン改修や機能改修を行うこと。
(2) ライフメディアテック事業
日本在留外国人、及び訪日外国人が日本で生活・旅行する上で必要なサービスは、問合せ先や各種手続きがバラバラで、日本語の理解が難しい外国人にとって時間と手間がかかります。ライフメディアテック事業では、必要なサービスをWeb上で多言語で紹介し、当社に所属するコンシェルジュが導入までのご案内をサポートすることで、日本在留外国人の生活と、訪日外国人の滞在を幅広くサポートする、生活サポートサービスを提供しています。主には、不動産情報・賃貸仲介サービス(Living Japan)、空港送迎サービスの取次(Airport Taxi)、通信環境の取次(Japan Wireless eSIM)、情報発信Webメディア(Japan Web Magazine)、医療機関の取次(Clinic Nearme)、コンシェルジュアプリ(Tabiko)等のサービスを当社のWebサイト上で多言語で紹介し、お客様のご利用まで取り次ぐことで、提携企業より広告料(掲載型・成果報酬型)や取次手数料を収受しています。ライフメディアテック事業の特徴としましては、取次を行う商材に拠らず、当社が提供する価値が「言語の壁による“情報の非対称性”と“サービス利用へのハードル”の解消」であるため、外部環境の変化に応じて、適切なサービスにリソースを配分できる点にあります。
(3) キャンピングカー事業
当社は、日本国内で計18台のキャンピングカーを保有し(2023年9月時点)、訪日外国人・日本人顧客向けにレンタルを行っております。また、アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドでのキャンピングカーレンタルの日本人顧客向け取り次ぎを行っております。2023年9月時点においても海外レンタル取り次ぎにおける競合環境に変化はなく、コロナ前と同様の市場ポジションが維持されるものと考えております。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a 経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、昨年から続く物価高や円安により国内消費の回復に遅れも見られる中、世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束又は沈静化により、日本国内でもCOVID-19の感染症法上の位置付けが2023年5月より5類へ移行し、訪日外国人客数が急増するなどインバウンド需要の回復が顕著であります。
このような状況において、当社は2021年6月に事業領域を再整理し、ライフメディアテック事業を新設したことで、Wi-Fi事業の顧客基盤やノウハウを生かしつつ、訪日外国人及び日本在留外国人の生活シーンの利便性向上や更なる収益機会の拡大に努めてまいりました。一方で、上記COVID-19の5類移行により2023年5月以降のPCR検査需要が大幅に減少したことに伴い、ライフメディアテック事業におけるPCR検査取次サービスに関連するソフトウエアについて減損損失(特別損失)を計上いたしました。
これらの結果、当事業年度の業績は、売上高2,077,284千円(前年同期比82.4%増)、営業利益335,413千円(前年同期比156.2%増)、経常利益376,735千円(前年同期比188.5%増)、当期純利益252,021千円(前年同期比160.0%増)となり、増収増益となりました。
当社の事業セグメントは大きく分けて3つあります。主に欧米を中心とした訪日旅行客と日本人顧客にWi-Fiルーターのレンタルを行うWi-Fi事業、日本在留外国人の生活サポートを行うライフメディアテック事業、そして、訪日旅行客と日本人顧客に対してキャンピングカーのレンタルを行うキャンピングカー事業の3事業を主に展開しています。
セグメント別の経営業績を示すと、次のとおりです。
Wi-Fi事業
Wi-Fi事業では、国内法人向けのWi-Fiレンタルサービス、訪日旅行客、及び日本人海外旅行者をメインターゲットにしたWi-Fiレンタルサービスを展開しています。当事業においては、コロナ禍におけるテレワークの環境整備を背景とした通信需要が継続する中、インバウンド、アウトバウンドの需要が回復してきております。
以上の結果、当事業年度における売上高は1,791,331千円(前年同期比153.1%増)、セグメント利益は320,030千円(前年同期比568.2%増)となりました。
ライフメディアテック事業
日本在留外国人及び訪日外国人が日本で生活・旅行する上で必要なサービスは、問い合わせ先や各種手続きがバラバラで、日本語が難しい外国人にとって時間と手間がかかります。ライフメディアテック事業では、必要なサービスをWeb上で多言語で紹介し、当社に所属するコンシェルジュが導入までのご案内をサポートすることで、訪日外国人の滞在と、日本在留外国人の生活をワンストップでサポートする、生活サポートサービスを提供しています。
当事業においては、日本在留外国人への海外渡航に関連する情報等の提供サービスや手続サポートサービス等に続き、前事業年度に空港送迎の取次サービスを開始し、好調に推移いたしました。一方で、上記のとおりCOVID-19の5類移行により2023年5月以降のPCR検査取次サービスの売上が大幅に減少しました。
以上の結果、当事業年度における売上高は212,024千円(前年同期比45.1%減)、セグメント利益は24,062千円(前年同期比79.2%減)となりました。
キャンピングカー事業
キャンピングカー事業では、アウトバウンド取次(アメリカでキャンピングカーを借りる方への予約手配サービス)と国内レンタカー(日本国内でキャンピングカーを自社保有し訪日旅行者及び日本人顧客への貸出サービス)を展開しております。
当事業年度に入り、インバウンドとアウトバウンドの需要が徐々に回復しております。
以上の結果、当事業年度における売上高は72,005千円(前年同期比75.8%増)、セグメント損失は8,678千円(前年は32,384千円の損失)となりました。
b 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ902,126千円増加し、1,821,479千円となりました。
流動資産は、前事業年度末に比べ710,623千円増加し、1,280,753千円となりました。これは主に、現金及び預金が682,581千円、売掛金が17,445千円増加したこと等によります。
固定資産は、前事業年度末に比べ191,502千円増加し、540,725千円となりました。これは主にレンタル資産が92,708千円、ソフトウエア仮勘定が46,002千円、ソフトウエアが15,162千円、差入保証金が17,449千円増加したこと等によります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ218,102千円増加し、772,613千円となりました。
流動負債は、前事業年度末に比べ275,200千円増加し、558,063千円となりました。これは主に、未払法人税等が107,617千円、契約負債が96,638千円、未払金が18,871千円、買掛金が18,757千円、未払費用が17,160千円増加したこと等によります。
固定負債は、前事業年度末に比べ57,098千円減少し、214,550千円となりました。これは主に長期借入金が60,852千円減少したこと等によります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ684,024千円増加し、1,048,866千円となりました。これは、株式の発行により資本金及び資本準備金がそれぞれ216,001千円、当期純利益の計上に伴い繰越利益剰余金が252,021千円増加したことによります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の当事業年度末残高は、前事業年度末に比べ682,580千円増加の1,204,026千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は643,123千円(前期は121,478千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益356,060千円、減価償却費123,262千円、契約負債の増加額93,763千円、未払金の増加額19,647千円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は324,091千円(前期は132,109千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出187,301千円や、無形固定資産の取得による支出114,451千円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果得られた資金は363,548千円(前期は64,096千円の使用)となりました。これは、株式の発行による収入424,819千円、長期借入金の返済54,624千円などによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社の行う事業は提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b 受注実績
当社の行う事業は提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。いたします。
c 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 当事業年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、主に世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束又は沈静化により、日本国内でもCOVID-19の感染症法上の位置付けが2023年5月より5類へ移行し、訪日外国人客数が急増するなどインバウンド需要の回復が顕著になり、Wi-Fi事業及びキャンピングカー事業において需要が回復したためであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の財政状態及び経営成績は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及び キャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載したとおりです。
経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べて938,481千円増加し、2,077,284千円(前事業年度比82.4%増)となりました。これは主に、訪日外国人向け、海外渡航向けのWi-Fiレンタルサービスの売上高が伸長したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べて429,972千円増加し、841,092千円(同104.6%増)となりました。これは主に、海外渡航向けのWi-Fiの通信仕入れが増加したことによるものであります。
その結果、売上総利益は前事業年度に比べて508,508千円増加し、1,236,191千円(同69.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べて304,026千円増加し、900,778千円(同50.9%増)となりました。これは主に、広告宣伝費が増加したことによるものであります。
その結果、営業利益は前事業年度と比べて204,482千円増加し、335,413千円(同156.2%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べて53,143千円増加し、56,679千円(同1,502.7%増)となりました。これは主に、事業再構築補助金52,781千円によるものであります。
営業外費用は、11,184千円増加し、15,357千円(同296.5%増)となりました。これは主に、上場関連費用13,830千円によるものであります。
その結果、経常利益は前事業年度に比べて246,140千円増加し、376,735千円(同188.5%増)となりました。
(特別利益、特別損失、税引前当期純利益)
特別利益は、当事業年度、前事業年度共に計上していません。
特別損失は、当事業年度は20,674千円となりました。これは主に、減損損失20,427千円によるものであります。前事業年度は計上していません。
その結果、税引前当期純利益は前事業年度に比べて225,465千円増加し、356,060千円(同172.6%増)となりました。
(法人税等、当期純利益)
税効果会計適用後の法人税等は、70,359千円増加し、104,039千円となりました。これは主に税引前当期純利益の増加に伴い、法人税、住民税及び事業税の増加によるものとなります。その結果、当期純利益は155,106千円増加し、252,021千円(同160.0%増)となりました。
なお、当社の経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載したとおりです。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、Wi-Fiの通信仕入やデバイスの購入費、キャンピングカーの購入費、販売費及び一般管理費等の営業費用に加え、新規事業の開発コストによるものであります。これらの資金需要につきましては、自己資金により賄うことを基本方針としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表を作成するにあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
④ 目標とする客観的な指標等の推移
当社は、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおり、適正な売上高を確保し、適正かつ効率的な経費の下に利益を確保していくことを実現するために、Wi-Fi事業においては「稼働端末台数」、ライフメディアテック事業においては「取次件数」、キャンピングカー事業においては「総レンタル日数」を重要指標としております。
当事業年度は新型コロナウイルス感染症収束を受けて、Wi-Fi事業における稼働端末台数は訪日需要、海外渡航需要の増加に伴い、前事業年度の124千台から当事業年度は193千台(前期比155%)となりました。
ライフメディアテック事業における取次件数は、海外渡航の回復に伴い、空港送迎に関わる取次が増加し、前事業年度の31,349件から当事業年度は27,663件(前期比88%)となりました。
キャンピングカー事業における総レンタル日数は、訪日需要と海外需要における回復により、前事業年度の1,714日から当事業年度は2,524日(前期比147%)となりました。
現在、新型コロナウイルス感染症による訪日者数、海外渡航者数への影響は回復傾向であるため、各重要指標の向上を今後も継続するものと見込んでおります。