2024年5月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 1,289 100.0 320 100.0 24.8

事業内容

3【事業の内容】

 当社は、「個人の可能性を最大化する」という企業理念のもと、「学習量×効率を最大化する」ことをミッションとしてAI学習プラットフォームの企画・開発・運営を行っております。

 なお、当社の事業は教育サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

■ 英語学習におけるAI学習プラットフォーム

 当社は主に、スマートフォン向けアプリ及びウェブ上で利用できるAI英語教材「abceed(エービーシード)」の企画・開発・運営を行っております。当社の提供するサービスは、教育主要4分野と呼ばれる「学習ツール」、「教材」、「テスト」、「スクール」をデジタル化し、融合させた英語学習におけるAI学習プラットフォームを構築しております。単語学習、問題演習、シャドーイング(英語を聞きながら発音する練習法)、ディクテーション(英語を聞きながら書き取りする練習法)、辞書など様々な学習機能、蓄積された学習データに基づくAIレコメンド、学習管理者向けの管理機能など学習者及び利用者にとって最適なユーザビリティを追求した「学習ツール」に、1,000タイトル以上(注1)の幅広いジャンルの学習教材を豊富に取り揃えた「教材」のプラットフォームを形成し、オンライン模試といった「テスト」の機能も搭載しております。加えて、厳選されたプロのコーチ(注2)による解説動画など、「スクール」の要素を「abceed」に融合したコンテンツも利用することができ、さらに「abceed」を活用して、AIが個人の具体的な弱点を可視化するとともに、「いま必要な、本当に有効な学習」を抽出し、問題を作成することができるような、個別最適化されたカリキュラムで行うTOEIC®対策のコーチングサービスである「ABCEED ENGLISH」も提供しております。

 

■ サービスライン・顧客・収益形態

 「abceed」は有料プラン(サブスクリプション)である「Proプラン」が中心(売上高全体に占めるサブスクリプション売上比率は2024年5月期各四半期90%以上で推移)(注3)となっており、音声再生、自動採点マークシート、学習時間計測機能などの基本的な機能に加え、問題レコメンド、予測スコア機能など多種多様な学習機能を利用することができます。「Proプラン」では、人気教材、ニュース(英字新聞)、解説・講義動画などが使い放題(一部対象外の教材有)で、TOEIC®・英検®のオンライン模試も利用することができます。

 一部コンテンツの単品での販売も行っております。また、法人向けには、学習管理者に月額制の管理画面の機能も提供しており、学習状況の管理や課題の配信などに対応しております。さらに、プロのコーチのサポートが付いた英語スクールである「ABCEED ENGLISH」も提供しており、さらなるサポートを得て学習したいユーザーにご利用いただいております。

 対象となる顧客については、「abceed」の有料プランと管理画面「abceed for school」を中心に、一般ユーザー(個人)と法人(企業・大学等及び学校)に提供しております。学校向けには「Proプラン」に加え、検定教科書に対応したプランを展開しております。売上高に占める一般ユーザー(個人)と法人の内訳につきましては、2024年5月期は毎四半期で一般ユーザー(個人)が約90%弱(注4)の水準で推移しております。

 

サービス概要及び主な料金プラン

 

 

(注1)2024年5月末時点

(注2)採用率は0.78%(2021年3月12日~2022年9月21日の間で英語コーチポジションに応募のあった候補者のうち採用に至った比率を算出しております。)

(注3)サブスクリプション売上比率は、2024年5月期各四半期における販売促進費控除前の売上高のうち、一般ユーザー(個人)及び法人(企業、大学、高校、中学校等)のサブスクリプション会員の売上の比率

(注4)toC売上は一般ユーザー(個人)からの売上高、toB売上は法人(企業、大学、高校、中学校等)からの売上高を集計し、比率を算出

 

 

■ 当社の競合優位性

 当社は次の3つの要素により、「英語学習に特化したAI学習プラットフォーム」という競合優位性を堅持し、独自のポジショニングを確立していると考えております。

 ①教材コンテンツプラットフォーム

 ②英語特化によるユーザビリティの追求

 ③AIの活用

 

①教材コンテンツプラットフォーム

 人気の教材コンテンツを豊富に揃えているため、幅広い学習者から認知されやすく、自然流入でのユーザー獲得が実現できていると考えております。

 創業初期から地道に出版社との関係を構築した結果として、当社は多くの教材のライセンス(注1)提供を受けることにより、それらの教材コンテンツを「abceed」に対応できており、豊富な人気教材を使って学習することができます。また、教科書にも対応しており、学校現場への展開も可能となっております。

 語学学習の教材市場においては、学習者に従前から長年利用されてきたベストセラーとなっている馴染みのある教材が利用され続けやすい傾向にあります。学習者にとって、今まで全く知らなかった教材やサービスによるオリジナルなコンテンツは取り掛かりにくく、長年信頼されていた人気の教材、慣れ親しんだ教材の方が始めやすいため、それらを豊富に取り揃えた教材プラットフォームとなっている「abceed」は、幅広い学習者からの認知を得ることができていると考えております。

 その結果、競合他社がマーケティング及び営業コストをかける必要があると考えられる一方で、広告宣伝や営業に関するコストをあまりかけずとも、オーガニックでユーザーを獲得することができており、オーガニックユーザー獲得率は約96%(注2)となっております。

 

②英語特化によるユーザビリティの追求

 「abceed」は、英語学習者に最適なユーザビリティを担保しております。これは多科目ではなく英語に特化することにより実現できたと考えております。

 単語対策、4技能対策(リスニング、スピーキング、リーディング、ライティング)、辞書、MY単語帳など30以上(2024年5月末時点)の豊富な学習機能を搭載しておりますが、英語という1つの科目だけでも、学習者にとって最適なユーザビリティを担保するには、様々な要素を深掘りする必要があるため、これらのユーザビリティの担保は多数の科目ではなく英語に特化したことに起因しております。従来型の学習教材をオンライン化した学習ツールや既存のデジタル教材とは一線を画す、AIを活用しつつ英語に特化したユーザビリティを追求しているサービスが「abceed」であります。学習者にとって最適なユーザビリティを追求したことが、法人向けではなく一般ユーザーから先行して口コミで広がり、高い評価を受け続けていることの主な要因となったと考えております。

 学習管理者向けの管理画面についても、英語学習に最適な管理ツールとして予測スコア、学習時間、課題進捗率など学習成果を一括管理することが可能であり、目標に沿った課題を配信、自主学習の習慣化を支援することができます。

 

③AIの活用

 「abceed」は、20億件超の解答データ(注3)の蓄積をもとに、AIレコメンドによる個別最適化で高い学習効率を実現しており、リアルタイムスコア予測によりユーザーの成長を可視化します。当社では大量の教材コンテンツ、問題に対する大量の学習データやユーザーのTOEIC®公開テストなどの実績データを保有しているのが強みでありますが、それらに加えて英語学習及びTOEIC®等の対策に精通したスタッフによるノウハウも反映しており、以下の2つの特徴によるユーザーの学習成果の向上の強化を図っております。

・AIレコメンド

それぞれのユーザーにとって、「ギリギリ解けそうな問題」、「忘却曲線に沿って復習すべき問題」などを最適なタイミングで学習できるように、問題データベース(2万超)の中からAIによるレコメンドにより個別最適化して出題し、ひとりひとりに最適な「パーソナライズ教材」を作成します。「abceed」では、膨大な学習データを解析し、問題のレベル別、カテゴリ別に最適な問題を出題しますが、例えば、似ている問題に正答できていれば出題せず、間違いやすいカテゴリの問題を優先して出題する、などの工夫を施しており、学習効率の向上に繋がります。また、ユーザーにとって難易度が高すぎず、低すぎない問題を優先的に解くことができることにより、ユーザーのモチベーションの向上及び学習量の確保に繋がります。その結果として、ユーザーの学習成果やTOEIC®や英検®のスコア向上に貢献していると考えております。

・リアルタイムスコア予測

「ユーザーが各カテゴリ、各難易度の問題を何%正解できそうか」という予測に基づき、本番のTOEIC®公開テストにおけるカテゴリ別、難易度別の出題分布と組み合わせて、「abceed」での学習データから本番のTOEIC®公開テストでのスコア予測を行っております。予測スコアにより学習状況が可視化され、成長の実感やモチベーションの向上にも繋がると考えております。また、「abceed」のオンライン模試は累計受験者数が210万人(注4)を突破しており、本番同様の難易度での出題及び予測スコアにより本番に近い体験が可能です。

 

 

(注1)教材のライセンスとは、コンテンツを保有する出版社との契約により得た利用許諾を指します。

(注2)オーガニックユーザー獲得率は、全ユーザー数のうち、広告などで獲得(広告媒体の閲覧を経由して有料で会員登録に至ること)したユーザー数を除いた割合(2024年5月期末までの累計)

(注3)2024年5月末時点、当社集計

(注4)2024年5月末時点の累計受験者数を集計(同一ユーザーによる複数受験を含む件数であり、当社にて集計)

(注5)注2及びその他で記載されているユーザーとは、アプリをダウンロードまたは会員登録した者(無料会員含む)を指し、ユーザー数はその累計数を指します。

 

[事業系統図]

 

(注)一般ユーザー(個人)による「abceed」の有料プラン及び単品課金の利用料は、プラットフォーム事業者及び決済代行業者を通じて回収され、決済手数料等を差し引いた金額が当社へ支払われます。なお、法人顧客への「abceed」のサービス提供、法人顧客及び一般ユーザー(個人)へのAIスクール「ABCEED ENGLISH」の提供に対する料金は、プラットフォーム事業者及び決済代行業者によらず、ユーザーから当社へ支払われることがあります。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当事業年度につきましては、「abceed」のサービス改善、コンテンツの拡充と販売拡大に注力し、一般ユーザー、法人等の有料会員数の獲得を図ってまいりました。当事業年度末において、有料会員数は10.1万人となっており、前事業年度末時点の7.6万人から大きく伸長しております。当事業年度中には、その中心となる一般ユーザー向けのProプランの半額キャンペーンの実施等により多くの新規有料会員数を獲得したことが寄与したほか、新規コンテンツの追加やユーザビリティの向上に資する機能改善や品質の向上に取り組み、特に株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、パラマウント・グローバル・コンテント・ディストリビューションとの提携により展開している「映画・ドラマ機能」の開発及びコンテンツ制作に注力し、学習機能の追加や改善を行いつつ、100作品以上に対応が完了し、ユーザー数および有料会員数の拡大に寄与しております。また、ライブ講義のアーカイブ動画をProプランの機能としてリリースし、スクールに通うのと同等の体験を提供することにより好評いただいております。2024年4月には日本英語検定協会より英検®過去問題集のライセンスを獲得し、「abceed」オリジナル解説が付いた英検®過去問題集、単語帳の配信を開始しております。今後もさらに多種多様なコンテンツに対応し、ターゲット層の拡大を図るべく、コンテンツホルダーとの協議を進めるなどの取組みを実施しております。

 当社の売上高の増加に寄与する取組みとして、2024年3月より「abceed」Proプランを約2割の値上げを実施しております。ユーザビリティの向上、コンテンツの拡大による「abceed」の価値向上に伴い、料金プランについては今度も定期的に見直しを検討し、平均単価の上昇を図ってまいります。

 法人向けについては、営業体制及び出版社等との提携関係を強化したことが奏功し、前事業年度末時点から導入法人数を大きく伸ばし、当事業年度末時点で累計430件まで伸長しております。中学校・高校では現場での活用が進み、学校現場からの要望、フィードバック等を踏まえてサービス改善を図りつつ、2024年4月の新年度からの新規導入及び既存利用校の更新を目指して、提携先の教科書出版社と協働して、販売の拡大とフォローアップを図りました。当事業年度中においては、光村図書出版株式会社の中学校英語教科書 Here We Go! のライセンスを獲得し、更なる学校市場への展開の強化に資する取組みとなりました。

 このような状況のなか、当事業年度の経営成績は、売上高は1,288,764千円(前期比36.0%の増加)、営業利益は319,983千円(前期比29.9%の増加)、経常利益は320,164千円(前期比32.4%の増加)、当期純利益は226,826千円(前期比31.5%の増加)となりました。

 当社は教育サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。

 

②財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における総資産につきましては、前事業年度末に比べ689,894千円増加し、1,726,197千円となりました。これは主に、販売の拡大等のため現金及び預金が478,250千円増加したことにより流動資産が569,302千円増加し、機能開発及びコンテンツ開発の推進によりソフトウエアが114,793千円増加したことにより固定資産が120,592千円増加したためであります。

 

(負債)

 当事業年度末における負債につきましては、前事業年度末と比べ345,655千円増加し、1,109,304千円となりました。これは主に、短期借入金が30,000千円増加、1年内返済予定の長期借入金が19,950千円増加、販売の拡大により契約負債が182,728千円増加したことにより流動負債が267,848千円増加し、長期借入金が77,807千円増加したことにより固定負債が77,807千円増加したためであります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産につきましては、前事業年度末と比べ344,239千円増加し、616,892千円となりました。これは主に、資本金が58,706千円増加、資本準備金が58,706千円増加、当期純利益226,826千円の計上により繰越利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

 

③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べて

478,250千円増加し、1,027,264千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は387,448千円(前事業年度は270,025千円の獲得)となりました。これは主に、契約負債などのその他の流動負債の増加額211,479千円、税引前当期純利益320,361千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は154,367千円(前事業年度は124,743千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出153,550千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は245,169千円(前事業年度は46,656千円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入150,000千円、新株発行による収入117,412千円、長期借入金の返済による支出52,243千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2023年6月1日

  至  2024年5月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

教育サービス事業

1,288,764

136.0

合計

1,288,764

136.0

(注)1.当社は報告セグメントが単一のセグメントであります。

2.販売実績が前年同期比で大きく増加しているのは、主力の一般ユーザー(個人)及び法人向けの「abceed」の販売が拡大しているためであります。

3.最近2事業年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前事業年度

(自 2022年6月1日

  至  2023年5月31日)

当事業年度

(自 2023年6月1日

  至  2024年5月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

 Apple Inc.

512,503

54.1

628,981

56.7

 SBペイメントサービス株式会社

225,396

23.8

364,538

32.8

 Google LLC

100,544

10.6

116,561

10.5

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りにつきましては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内でかつ合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 当社の財務諸表を作成するにあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

 当社は、繰延税金資産について、将来の課税所得見込額が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに基づき算出しているため、その見積りの前提条件に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産の減額により経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高、売上原価及び売上総利益)

 当事業年度の売上高は1,288,764千円(前期比36.0%増)となりました。売上高の主な増加要因は、有料会員数の大幅な増加であります。「abceed」のサービス改善、コンテンツの拡充と販売拡大に注力し、一般ユーザー、法人等の有料会員数の増加を図ったことが、売上高の増加に寄与いたしました。

 売上原価は主に、変動費であるプラットフォーム決済手数料、コンテンツのライセンス料等の増加であります。また、コンテンツの開発やAI英語スクール「ABCEED ENGLISH」の運営に要した人件費等も計上しており、売上原価は690,353千円(前期比42.9%増)となりました。その結果、売上総利益は598,411千円(前期比28.8%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は278,428千円(前期比27.6%増)となりました。営業活動に係る人件費、組織運営上の一般管理費の増加に加え、広告宣伝費が増加いたしました。一方で、売上総利益が増加したことにより、営業利益は319,983千円(前期比29.9%増)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

 営業外収益は主に雑収入が増加したことにより1,132千円(前期比2,876.2%増)となり、また営業外費用は主に上場関連費用が減少したことにより951千円(前期比79.5%減)となりました。結果として、経常利益は320,164千円(前期比32.4%増)となりました。

 

(特別利益、特別損失、当期純利益)

 特別利益は主に有形固定資産の売却により197千円(前事業年度はなし)となり、また特別損失は主に有形固定資産の売却により0千円(前事業年度はなし)となりました。その結果、税引前当期純利益は320,361千円(前期比32.5%増)となりました。また、法人税等は93,535千円(前期比35.0%増)となり、その結果、当期純利益は226,826千円(前期比31.5%増)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性

 キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社は、事業運営上必要な資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社の資金需要は、プロダクト、コンテンツの開発にかかる人件費や外注費、出版社のコンテンツ提供に対するライセンス料、広告宣伝費、営業及びカスタマーサポートに関する人件費などであります。必要な資金の調達について、自己資金又は金融機関からの借入を基本としており、都度最適な方法を選択しております。

 当事業年度末における長期借入金の残高は77,807千円、1年内返済予定の長期借入金の残高は49,980千円、短期借入金の残高は30,000千円であります。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,027,264千円となります。

 なお、当社は、教育サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。これらのリスクに対して継続的にモニタリングを行い現状把握に努めるとともに、平時から対応策を検討し、リスクの最小化・分散化を図っていきます。

 

⑤経営者の問題意識と今後の方針について

 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

⑥経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。