リスク
3 【事業等のリスク】
当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、次のとおりであります。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また、以下の記述のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年3月31日)現在における当社グループの判断に基づくものであります。
(1) 景気や主要需要業界の動向
当社グループが製造する特殊鋼製品の多くは、直接的あるいは間接的に自動車・産業機械・建設機械業界に納入されております。世界経済の動向等により、これら主要需要業界の生産水準が低下した場合、当社グループの受注量が減少することなどにより、経営成績等に影響が生じる可能性があります。
(2) 事業拠点およびその周辺地域における災害・事故・紛争・テロ・感染症などの発生
当社グループの事業拠点ならびにその周辺地域において、地震・火災などの大規模な災害や設備事故、紛争、テロ行為、感染症の流行などに伴う社会・経済的混乱などにより、当該拠点の事業活動を制限もしくは停止せざるを得ない事態が起きた場合、その復旧費用も含め、当社グループの経営成績等に影響が生じる可能性があります。
(3) 原燃料・諸資材などの仕入価格上昇
当社グループでは、鉄スクラップ、ニッケル・クロム・モリブデン等の合金鉄、電力・LNGのエネルギー、電極・レンガ等の諸資材を購入しております。鉄スクラップ、合金鉄および電力等につきましては、多くの需要家との間で、仕入価格の変動にあわせて製品の販売価格を算出するサーチャージ制を導入しておりますが、それ以外の原燃料・諸資材につきましては、それらの仕入価格が上昇した場合、当社グループの経営成績等に影響が生じる可能性があります。
(4) 特定供給業者等への依存
当社グループは、電力、LNGなどを特定の供給業者から調達しておりますが、災害・事故または感染症の流行などにより、当該供給業者からの供給が部分的あるいは全面的に停止した場合、当社グループの生産活動に影響が生じる可能性があります。
また、合金鉄につきましては、調達先が一部の地域に偏在しており、災害・事故・テロまたは感染症の流行などに伴う社会・経済的混乱などにより、当該調達先からの供給が部分的あるいは全面的に停止した場合、当社グループの生産活動に影響が生じる可能性があります。
(5) 外注加工受託業者の生産活動の停止
当社グループは、一部の生産工程を外注加工受託業者に委託しておりますが、災害・事故または感染症の流行などにより、当該外注加工受託業者の生産活動が部分的あるいは全面的に停止した場合、当社グループの生産活動に影響が生じる可能性があります。
(6) 為替相場の変動
当社グループは、製品の輸出や原料の輸入等において外貨建取引を行っており、また、外貨建の資産・負債を保有していることから、為替相場の変動により、経営成績等に影響が生じる可能性があります。
また、自動車業界など当社グループの主要需要業界が、為替相場の変動により、国際競争力や事業展開力に影響を受けた場合には、当社グループの経営成績等に影響が生じる可能性があります。
(7) 保有株式等の時価の下落
当社グループが保有する株式の時価が下落した場合、当該株式の減損処理が必要となる可能性があります。
また、従業員の退職給付に関して拠出している株式の時価が下落した場合、退職給付費用が増加する可能性があります。
(8) 有形固定資産、無形固定資産の減損損失のリスク
当連結会計年度末における当社グループの連結貸借対照表には、有形固定資産(123,487百万円)、無形固定資産(36,984百万円)が計上されております。当該固定資産について、減損処理が必要となった場合、当社グループの経営成績等に影響が生じる可能性があります。
(9) 気候変動に関するリスク
当社は、2021年10月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、気候変動に関するリスクと機会を分析・開示するとともに、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、気候変動への対応を図っておりますが、気温の上昇や異常気象、自然災害等による原材料の調達不全やコスト増、生産停止など事業活動に影響が生じる可能性があります。また、脱炭素への対応が不足または遅延することにより、生産コストの上昇や新たな税負担、事業活動の制限等の影響が生じる可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、経営基盤の強化に努めるとともに配当可能利益を拡大することにより、株主の皆様への利益還元を行うことを基本方針としております。配当につきましては、期間業績に応じた利益配分を基本としつつ、配当性向、1株当たり配当額水準および「企業価値向上」のための成長投資等への所要資金などを総合的に勘案して、株主の皆様のご期待に応えたいと考えております。具体的な指標としては、連結配当性向35%程度(のれん償却費を除く連結配当性向30%程度)を目安として、第2四半期末および期末の剰余金の配当を実施することといたします。
当社は、会社法第459条第1項および第460条第1項の規定に基づき、取締役会決議によって剰余金の配当を行う旨を定款に定めております。
また、配当の回数につきましては、定款に中間配当および期末配当の基準日を定めており、年2回を基本としております。決定機関はいずれも取締役会であります。
当事業年度の年間配当につきましては、基本方針に則り1株当たり65円(中間35円、期末30円)とさせていただきました。
内部留保資金につきましては、経営環境の変化に対応するための経営基盤の強化に活用する方針であります。
(注) 基準日が当事業年度に属する取締役会決議による剰余金の配当は、以下のとおりであります。