人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,645名(単体) 3,534名(連結)
-
平均年齢41.0歳(単体)
-
平均勤続年数12.8年(単体)
-
平均年収7,250,104円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2023年12月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
国内事業 |
2,173 |
(344) |
国際事業 |
973 |
(1) |
報告セグメント計 |
3,146 |
(345) |
その他 |
109 |
(110) |
全社 |
279 |
(17) |
合計 |
3,534 |
(472) |
(注)1.従業員数は就業人員です。
2.( )は、臨時雇用者(パートタイマーを含み、派遣社員を除く)の人員を外数で記載しております。
3.全社として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。
(2)提出会社の状況
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2023年12月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年令(才) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
|
1,645 |
(117) |
41.0 |
12.8 |
7,250,104 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
国内事業 |
1,328 |
(100) |
国際事業 |
38 |
(-) |
報告セグメント計 |
1,366 |
(100) |
その他 |
- |
(-) |
全社 |
279 |
(17) |
合計 |
1,645 |
(117) |
(注)1.平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含んでおります。
2.平均年間給与は、106期より「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。
3.従業員数は就業人員です(当社から社外への出向者を除く)。
4.( )は、臨時雇用者(パートタイマーを含み、派遣社員を除く)の人員を外数で記載しております。
5.全社として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。
(3)労働組合の状況
当社の労働組合は薬粧連合(医薬化粧品産業労働組合連合会)に属し、2023年12月31日現在の組合員数は、1,171名(出向社員含む)であります。なお、労使関係は円満に推移しており、特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
当事業年度 |
|||||
|
管理職に占める 女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者 の育児休業 取得率(%)(注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1 |
||
全労働者 |
うち正規雇用 労働者 |
うち非正規雇用労働者 |
|||
提出会社 小林製薬㈱ |
15.6 |
88.2 |
61.7 |
66.4 |
43.1 |
連結子会社 富山小林製薬㈱ |
12.5 |
66.7 |
59.1 |
76.8 |
71.2 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。
3.当社では能力発揮及び担う役割が同じであれば概ね同水準の賃金が支払われます。但し、管理職比率や正社員の割合が男女で異なり、その結果平均賃金にも差が生じております。
4.非正規雇用労働者は、パートタイマーを含み、派遣社員を除いております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)サステナビリティ基本方針
当社グループは、「人と社会に素晴らしい『快』を提供する」経営理念の実践が、人、社会、環境との調和を図り、持続可能な社会への貢献と企業としての持続可能な成長につながると考えています。このことは、まさに「社会のサステナビリティ」と「当社グループのサステナビリティ」を同期化させることであり、これまで世の中にない製品を生み出すことで新しい生活習慣を作り、新市場を創造してきた当社グループに新たな成長の可能性をもたらします。さまざまな社会課題に視野を広げ、一人ひとりの暮らしの中の見過ごされがちな「お困りごと」を発見し、製品・サービスを通じて、「誰ひとり取り残さない社会」の実現に貢献します。
「人」、「社会」、「環境」と私たち
・人
社員一人ひとりが自分らしさを発揮して、“あったらいいな”をカタチにするために、多様なアイデアを生み出す自由闊達な企業風土を大切にしています。この企業風土を醸成する制度や仕組み、キャリア開発支援、成長実感をテーマとした人事制度、働き方の多様性を実現する環境整備等、社員一人ひとりから生み出される価値を最大化する取り組みに投資し、企業価値の創造につなげることを目指します。また、小林製薬グループ人権方針に従い、対話を通じてサプライチェーン全体の人権尊重に取り組みます。
・社会
一人ひとりのお困りごとを解決する“あったらいいな”の先にある社会課題にアプローチし、アイデアをカタチにすることで、健康と福祉の向上に貢献します。人々が暮らしの『快』を実感できる社会貢献活動の推進、さまざまなステークホルダーと連携し相互の強みを生かした取り組み、社員の専門的なスキルや知識を活かした活動等を行うことで、地域社会との共生と発展を目指します。
・環境
私たちは、豊かな自然や地球環境の支えがあるからこそ事業を営んでいることを忘れず、資源の有効な利用に努めます。また、カーボンニュートラルや循環型社会への移行、生物多様性の保全など、世界共通の環境課題に真剣に向き合い、ステークホルダーと力を合わせ、その解決のためのアイデアを製品・サービスとしてカタチにすることでこの課題に取り組みます。
①ガバナンス
2023年から取締役会直下にサステナビリティ委員会の設置を準備し、後述の「2+3のマテリアリティ」に紐づいた5つの推進会議を下部組織とした体制で運用しています。
②戦略
当社グループは、グループの事業を進めながら持続的な社会の実現に貢献していくことで、経済的価値の創造と社会的価値の創造をともに実現することを目指しています。2017年に「ステークホルダーからの期待・要請の高さ」と「当社ビジネスモデル・中期経営計画との関連性の高さ」の両観点から、当社グループが優先的に取り組むべきサステナビリティ課題について検討を重ね、25項目をマテリアリティとして特定しました。
2023年、これまでの当社の活動成果から、各項目について整理を行い、また当社のアイデンティティ、パーパス等を考慮した上で、「2+3のマテリアリティ」として更新しました。
今後はサステナビリティ委員会にてマテリアリティの達成進捗を管理していきます。
③リスク管理
リスクは、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会にて、影響度と頻度の観点で評価しています。
経営が関与しながら低減に取り組むべき中長期的なリスクについては、「全社重点リスク」として選定し、リスク低減プランの承認や進捗管理を行うとともに、取締役会へ報告しています。
④指標及び目標
当社では、上記の戦略において記載した内容について、サステナビリティ委員会において指標と目標を検討し策定してまいります。
(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組)
当社では、サステナビリティ課題の中でも気候変動対応を最重要課題と捉えています。2019年に賛同したTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言を踏まえ、シナリオ分析に着手し、以下の枠組みで取り組みを進めています。
①ガバナンス
2023年から取締役会直下にサステナビリティ委員会の設置を準備し、前述の「2+3のマテリアリティ」に紐づいた5つの推進会議を下部組織とした体制で運用しています。その下部組織の環境推進会議内にTCFDタスクフォースを設置し、GHGの削減目標の設定、削減施策の検討、進捗状況のモニタリングなどの方針・計画案の作成及び取り組みを議論しています。
②戦略
2022年のシナリオ分析においては、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに1.5℃に抑える努力を追求する 」というパリ協定の目標の達成と脱炭素社会の実現を見据え、1.5℃シナリオを検討しました。さらに世界的に気候変動対策が十分に進展しない場合も想定して、4℃シナリオも検討し、当社における気候変動リスク・機会を更新、財務影響度を算定しました。 その結果を2022年に経済産業省が公表した「TCFDガイダンス3.0」に沿って、以下の通り整理しました。
今後は各リスク・機会の対応策の更新や新たな機会の創出を検討いたします。
③リスク管理
気候関連リスクを含むすべてのリスクは、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会にて管理しています。詳細については「(1)サステナビリティ基本方針 3 リスク管理」をご参照ください。
④指標及び目標
当社は、2030年までにグループ全体のGHG排出量のうちScope1,2は51%、Scope3は15%削減する目標を設定しました。(基準年2018年)
※上記目標については、SBTイニシアティブの認定を取得済みです。
※Scope1,2,3とは
Scope1:事業者自らによる直接排出
Scope2:他社から供給された電気などの使用に伴う間接排出
Scope3:Scope2以外のすべての間接排出
当社グループは、国内を中心に工場、オフィス、研究所などの拠点が存在します。特にScope1,2は国内工場による排出が多い状況です。そのため、削減施策として空調機の更新、冷熱設備の断熱強化、照明のLED化など、工場の電力使用量を抑える活動を進める一方、今後生産拡大によるエネルギー使用量の増加が予想されることから、国内主要工場の使用電力をCO2排出ゼロ電力へ切り替えています。仙台小林製薬㈱では2020年に切り替えを開始し、2021年に全量をCO2排出ゼロ電力に切り替えました。小林製薬プラックス㈱、愛媛小林製薬㈱、アロエ製薬㈱では太陽光発電を導入しています。これにより、2022年におけるScope1,2のGHG排出量は2018年比17%の削減となりました。2023年には、富山小林製薬㈱、小林製薬プラックス㈱の一部電力をCO2排出ゼロ電力に切り替えています。今後も段階的に国内の主要工場をCO2排出ゼロ電力に切り替えることや省エネ、創エネ活動により、2030年の長期排出削減目標の達成を目指していきます。
※数値については四捨五入しているため、合計が合わない場合があります。
(3)人的資本
当社のビジネスモデルであるニッチ戦略において最も大切なことは、「社会と生活者の様々な声から多様な“あったらいいな”を見つけ、カタチにする創造力」です。これらを実現できるのは、まさに「人」であることから、一人でも多くの社員が、自らの視点と創造力を活かしきり、持てる力を存分に発揮して多様なアイデアを生み出し、チャレンジできる、そんな会社であり続けたいと考えております。このような想いから、会社は社員が成長できる環境を整え、人材への投資を惜しまないという姿勢を「社員への約束事」として2022年11月に明文化しました。
この考えのもと、当社は「2030年のありたい姿」の実現に向けて、2023年からの3年間は、国内事業の安定成長を基盤とし、国際事業での成長加速とデジタル技術の習得に注力してまいります。これらの実現には、全社員で枠を超えたチャレンジを行うことが不可欠です。そのためにも、会社は多様な価値観を尊重し、チャレンジの場を提供することを通して、社員一人ひとりの成長を支援し、一人ひとりの個性により生み出される価値を最大化する取り組みに注力してまいります。
なお、当社の人的資本に関する考え方や取り組みの詳細については、2023年10月発行の「人的資本レポート」をご参照ください。https://www.kobayashi.co.jp/ir/humancapital/
①戦略
(1)“あったらいいな”開発を支える人材戦略
a.ダイバーシティ&インクルージョン
当社が考える多様性は、性別や国籍などの属性だけではなく、価値観や考え方、そこから生み出されるアイデアなどを広く指しております。私たちは、様々な生活者のお困りごとに耳を傾ける当社のビジネスモデルそのものが、社会や人々の多様性を尊重するものであると考えており、このビジネスモデルにおいては、多様な価値観を受け入れ、多様な視点でアイデアを生み出せる人材が不可欠と考えております。当社は「アイデアの会社」であり、アイデアの前に性別や年齢、役割や経験などは関係ありません。このような考えのもと、1980年代から全社員参加経営を掲げ、時代に先駆けてダイバーシティ経営の考え方を取り入れた様々な取り組みを実施してきました。今も続くこれらの取り組みによって培った自由闊達な風土の中で、2023-25年の新中期経営計画では、テーマを「私が“あったらいいな”をカタチにする」とし、枠を超えたチャレンジが起こる風土の醸成をさらに強化してまいります。
▼全社員参加経営に関する取り組み
2023年度件数
アイデア提案制度 |
誰もが自由にアイデアを提案できる仕組み。今では年間3万件を超えるアイデアが寄せられる。 |
31,320件 |
さん付け呼称 |
仕事の前では誰もが平等であることを前提に、役職名の呼称を廃止。 |
- |
ホメホメメール |
良い取り組みを讃えるための制度。社長自らや、事業部長から社員に直接メールを送付。 |
86件 |
青い鳥カード |
素晴らしい取り組みや改善例を自薦で社内表彰対象に立候補する制度。 |
1,275件 |
LA&LA (Looking Around & Listening Around) |
会長が現場を訪問し、経営方針の理解や現場の諸問題について現場従業員と議論する取り組み。事業部長クラスも同様の目的でワークショップを開催している。 |
83回 |
これらの取り組みの効果として、ダイバーシティ経営の理解・実践度合いを可視化するため、2018年より毎年ダイバーシティインデックスを実施しております。結果については役員会議で協議し、改善に向けて必要な取り組みを検討・実施していきます。
b.採用
社員の多様性を維持・拡大するために、新卒/キャリア採用を継続的に実施しております。採用プロセスにおいては「応募者と企業の相互理解」を重視しており、入社前から高いエンゲージメントを醸成することを目指しています。そのために、新卒採用においては、学生に当社のことをしっかり理解し、共感した上でエントリーしてもらえるよう、当社の採用フローに仕事体験を多く取り入れております。また、よりリアルに小林製薬を理解してもらうために、人事部だけでなく現場の最前線で働く研究開発職や営業職などの社員も多く携わっています。選考においては、学術的な専門性や保有スキルよりも、求める人材像との親和性や当社の理念やパーパスへの共感度を重視しております。
今後は、中長期的な事業戦略の実行において重要となる人材の獲得に向けて、必要となる人材像をさらに具体化し、そのような人材を社外から引き寄せる採用力の強化に取り組んでまいります。
c.変化を促す人材配置
当社は、以下の3つの観点で積極的な人事ローテーションを実施しており、毎年25%前後の人材が異動しております。新しいポジションでの仕事は、社員にとって大きなチャレンジとなり、成長を促します。特に、海外での経験は成長を強力に促し、駐在を経験した社員は、その後も重要なポジションを担うことができる人材となり、会社の成長を支える存在となります。
常に組織に変化をもたらす |
多様な人材の多様な価値観によって新しいものを生み出し続けるため、積極的に人材の入れ替えを行っています。一つのチームに様々なバックグラウンドを持つ人を混在させ、常に新しい考えを取り入れることで、創造性の維持に努めています。 |
知識・経験の幅を広げる |
様々な部署で経験を積むことで、視野が広がり視座が高くなり、価値観や考え方が多様になっていくと考えています。また、知識と経験の幅を広げることがキャリアの選択肢を広げることにもつながります。 |
一人ひとりのなりたい姿を支援する |
他部署への異動を希望する人、専門性を特定の部署で極めたい人など、社員一人ひとりのキャリアプランを尊重した人材配置を検討しています。また、異動を希望する所属先に直接応募できる社内FA制度も整えています。 |
d.キャリア支援
当社は、全社員参加経営に代表されるように、社員一人ひとりを主役とする考えを大切にしてまいりました。この考えは社員のキャリア形成においても同様で、社員一人ひとりが「自分のなりたい姿」に向けて主体的に成長することが大切だと考え、2022年より、社員のキャリア開発支援に注力しております。キャリアにおいても多様性を尊重し、一人ひとりのなりたい姿を引き出し、主体的な成長を支援する環境を整えることが必要だと考え、この環境を「自ら育つ環境」と名付けてキャリア開発支援を推進してまいります。「自ら育つ環境」は、一人ひとりがキャリアのことを考え、行動するための「4つの機会」と、最も身近な支援者となる上司との 1 on 1 形式で行われる「成長対話」によって構成されております。
e.経営人材の育成
今後も「“あったらいいな”をカタチにする」ことを継続していくためには、当社の理念を体現し、組織を牽引する経営人材が継続的に必要です。そのため、選抜研修とタフアサインメントにより、課長層から計画的に育成を行うことで、次期経営人材が継続的に輩出される仕組みづくりに取り組んでおります。
また、多様性に富む次世代の経営のためには、多様な経験・視点をもった経営人材が必要です。そのため、中期経営計画の中で重要指標と設定した女性管理職比率についても、早い段階で女性社員比率と同等まで引き上げるべく、まずは管理職候補人材を増やすための課題設定及び施策の実行に積極的に取り組んでまいります。
f.働き方の多様性
多様な社員が、制約を感じることなく最大限に能力を発揮するために、働きやすい環境づくりに取り組んでおります。近年では、フレックス制度や最大週2日の在宅勤務制度など、働く場所や時間にとらわれない柔軟な勤務制度の導入をしてきました。また、育児・介護との両立支援施策の拡充にも力を入れ、育児休業中でも在宅勤務で仕事ができる制度などを導入し、誰もがその時の自分に合った働き方でイキイキと働けるよう、環境整備を進めております。
g.健康経営の推進
当社は、少子高齢化による労働人口の減少が社会全体に与える影響を考慮し、従業員の健康と働きがいを重視した健康経営®を推進しております。従業員一人ひとりが健康でいきいきと働けることが、持続的な業績向上と企業価値向上につながると考えており、2022年には「小林製薬グループ健康経営宣言」を社内外に公表し、健康経営をさらに推進していくことを宣言しました。
※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
小林製薬グループ健康経営宣言 |
小林製薬グループは「あったらいいなをカタチにする」をコーポレートブランドスローガンとして掲げています。この「あったらいいなをカタチに」した製品やサービスは、社員一人ひとりのアイデアから生まれています。 その社員一人ひとりの健康を重要な経営資源ととらえ、健康経営に取り組んでまいります。 |
当社では、2022年「健康経営優良法人」を初申請、初認定され、今後「健康経営優良法人ホワイト500」の取得を目指し、取り組みを強化しております。
(2)グローバルを意識したキャリアの形成・能力開発
2030年ビジョンに向けた国際事業の推進・拡大に伴い、海外に関わる社員が増え続けています。すでに、日本国内に勤務する社員の約6分の1が外国語を必要とするレベルで海外事業に関わっており(2023年5月時点、単体)、今後もその人数は増えていく見込みです。これまでは、業務上のニーズが高い社員を中心に、語学学習支援を実施してきましたが、語学以外にもグローバルビジネスで必要となるスキルやマインドも多くあることから、2023年8月より「グローバル・キャリア・プログラム(以下、G-Cap)」を開始しました。G-Capは、社員一人ひとりが「グローバル視点で仕事・キャリアを考える」ことをコンセプトとしており、対象者ごとに3つのScopeで構成されております。一人ひとりのキャリア志向・業務ニーズに合わせて活用できるプログラムを充実させていくことでキャリア形成・能力開発を支援し、海外事業を推進できる人材の成長を促します。まずはScope1の領域に注力し、2023年10月には異文化交流の楽しさや難しさを体験するWorldCafeを実施し、11月からは語学力・異文化交流スキルの習得機会として新しい語学学習プラットフォーム「goFLUENT」を導入しました。
a.WorldCafe
グローバルをより身近に感じてもらうとともに、グローバルキャリアを考えるきっかけとしてWorldcafeを開催しました。Worldcafeには、公募で自ら手を挙げた社員が参加し、海外事業を担う役員や駐在員経験者との対話を通じて、当社におけるグローバルキャリアを知り、自身が歩みたいグローバルキャリアを考えることに取り組みました。更に、異文化において仕事をすることを体験し、その難しさと楽しさを知ることを目的とし、実際に社外の留学生とともに「世界のあったらいいなを考える」グループワークにも取り組みました。
b.新しい語学学習プラットフォーム「goFLUENT」
全社員が、いつでも自ら語学を学び・実践できる環境を提供し、グローバル化を加速するため、goFLUENT㈱が提供するオンライン語学学習プラットフォーム「ランゲージ・アカデミー」を導入しました。「goFLUENT ランゲージ・アカデミー」は一人ひとりのキャリア志向・業務ニーズに合わせて職種・語学レベルに応じて適切な教材を選択することができ、インプットした知識を実際に世界中の学習者との会話経験を通じてアウトプットすることができる総合学習プラットフォームです。この学習環境を全社員に提供し、異文化交流の心理的ハードルを下げていくことで、グローバルな視点でのキャリア形成・能力開発を支援し、海外事業を推進できる人材の成長を力強く促します。
(3)デジタル人材の育成と採用
当社は、各時代の生活における“あったらいいな”をカタチにし続けることで成長してきました。その過程は、新市場創造に必要な技術を習得し続ける、変革の繰り返しでした。現代においては、デジタルスキルを習得し活用することが当社の価値創造に大きな変革をもたらすと考えております。
そのため、2023年1月には代表取締役社長直下にCDOユニットを新設し、同年6月からは、当社の想いや取り組みに共感してくれるデジタル人材へダイレクトにアプローチするため、リファラル採用を新たに導入すると共に、デジタル系10職種の募集を開始しました。加えて、「当社のありのままの姿や働く場所としての魅力を発信するために、公式「note」を開設しました。noteを通じ、当社がDXで描く未来や、様々な取り組みをわかりやすく発信していくことで、デジタル領域を始めとしたキャリア採用を強化しております。更に、デジタル人材採用のみならず、オンボーディングまで一連の人事領域の支援を目的として、㈱Sun AsteriskをDX推進パートナーとして協業を開始しました。また、既存従業員に対しては学ぶ機会を提供し、デジタル技術の習得をサポートしていきます。これらの活動を通して、デジタル人材戦略を強化し、中長期成長基盤をより強固なものにしてまいります。
②リスク管理
各項目には「価値向上」と「リスク」双方の観点が含まれますが、ここではリスクの側面から当社が取り組んでいる対応策を記載しております。
項目 |
リスクの概要 |
主な対応策の実施状況 |
コンプライアンス |
・コンプライアンス違反による社会的信頼の喪失 ・職場環境の悪化 |
・毎月、コンプライアンス15分研修を実施 ・人権方針の策定と、教育・啓発の実施 ・人権デュー・ディリジェンスへの取り組み |
労働慣行 |
・時間外労働による心身の不調、生産性の低下 |
・過剰・不当な労働時間の削減 ・長時間労働者の面接 |
健康・安全 |
・心身の不調による業務の生産性の低下 |
・健康経営宣言の制定 ・法定基準を上回る健康診断の実施 ・全員メンタルヘルス面談の実施 |
ダイバーシティ |
・多様性の欠如による新価値創造力の低下 ・性別・国籍等を問わない多様な人材の活躍推進の停滞 |
・積極的なローテーション ・キャリア採用の強化 ・フラットな企業風土により多様な人材の活躍を推進 ・多様なライフスタイルの人が活躍できる環境を整備 するために、在宅勤務制度、フレックス制度、副業制度、服装自由化を導入 |
項目 |
リスクの概要 |
主な対応策の実施状況 |
流動性 |
・退職者の増加 ・労働市場の競争激化への対応の遅れ(結果として採用が計画通りできない) |
・採用広報の強化 ・ダイレクトリクルーティングの強化 ・意欲醸成機会の増加 ・採用担当者の増員 |
エンゲージメント |
・職場環境の悪化 ・製品・サービスの質の低下 ・従業員の企業貢献意識向上施策の不足 |
・従業員意識調査により課題を抽出し、対応策を検討・実施 ・チャレンジの場の提供 ・キャリア開発支援 |
育成 |
・エンゲージメントの低下 ・社員と会社の成長鈍化 |
・キャリア開発支援 ・グローバルを意識したキャリア形成・能力開発の支援 ・選抜研修による後継者育成 ・上司と部下の成長対話による成長実感の醸成 |
③指標及び目標
a.戦略指標
※国内グループ連結
対応戦略・測定するもの |
重要指標 |
2022年 |
2023年 |
2025年 目標 |
|
従業員体験価値 |
「社員への約束事」の 体現度合い |
仕事を通じた成長実感 |
66.6% |
67.4% |
- |
職場の多様性重視 |
60.8% |
61.6% |
- |
||
職場での並外れた顧客志向の意識 |
55.7% |
57.6% |
- |
||
チャレンジを受け入れ、推進する風土の存在 |
52.2% |
54.3% |
- |
||
テーマへの納得度 |
従業員のキャリア開発支援の積極性 |
36.5% |
41.5% |
- |
|
中期経営計画テーマ「私が“あったらいいな”をカタチにする」 |
テーマへの納得度 |
“あったらいいな”をカタチにしたいと思っている |
84.2% |
78.9% |
80%以上 |
テーマの実践「体現」 |
“あったらいいな”をカタチにすることを実践できている |
53.2% |
41.1% |
60%以上 |
|
既存の枠を超えた新しいチャレンジの実践 |
47.4% |
46.0% |
60%以上 |
b.管理指標
※国内単体、当該年度12月31日時点
対応戦略・測定するもの |
重要指標 |
2022年 |
2023年 |
||
(1)“あったらいいな”開発を支える人材戦略 |
ダイバーシティ&インクルージョン |
社員数(注)1 |
男 |
1,061人 |
1,039人 |
女 |
721人 |
723人 |
|||
計 |
1,782人 |
1,762人 |
|||
役員総数 (執行役員含む) |
男 |
13人 |
18人 |
||
女 |
3人 |
4人 |
|||
計 |
16人 |
22人 |
|||
現地法人従業員数 |
860人 |
887人 |
|||
障がい者雇用率 |
3.05% |
3.04% |
|||
採用 |
新卒採用への投資(注)2 |
29百万円 |
22百万円 |
||
キャリア採用への投資 |
44百万円 |
108百万円 |
|||
新卒採用人数(注)3 |
男 |
35人 |
31人 |
||
女 |
23人 |
27人 |
|||
キャリア採用人数 |
男 |
19人 |
32人 |
||
女 |
9人 |
22人 |
|||
変化を促す人材配置 |
異動率(注)4 |
27.7% |
26.1% |
||
駐在員数 |
56人 |
58人 |
|||
新規赴任 |
14人 |
12人 |
|||
キャリア支援 |
副業人数 |
社内 |
11人 |
7人 |
|
社外(注)5 |
32人 |
32人 |
|||
FA |
利用人数 |
51人 |
60人 |
||
異動率(注)4 |
47% |
55% |
|||
経営人材の育成 |
女性管理職比率(注)6 |
13.4% |
15.6% |
||
働き方の多様性 |
女性育休取得率 |
100% |
100% |
||
男性育休取得率 |
89.4% |
88.2% |
|||
健康経営の推進 |
心身の不調により生産性が低下している社員(プレゼンティーイズム:東大1項目で測定) |
- |
13.5% |
||
(2)グローバルを意識したキャリアの形成・能力開発 |
戦略推進を可視化する項目を検討中 |
- |
- |
||
(3)デジタル人材の育成と採用 |
キャリア採用人数 |
1名 |
10名 |
(注)1.臨時雇用者(パートタイマーを含み、派遣社員を除く)の人員を含む
2.翌年度入社の新卒採用活動で採用活動に投資した費用(携わった社員の人件費除く)
3.翌年度入社の新卒採用人数
4.翌年の1月1日に所属を異動した正社員の人数
5.当該事業年度の申請人数
6.翌年の1月1日時点