2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    373名(単体)
  • 平均年齢
    34.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    10.3年(単体)
  • 平均年収
    5,448,000円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

373

34.5

10.3

5,448

 

(注) 1 上記従業員数は就業人員であり、臨時社員11名及び嘱託社員1名は含んでおりません。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3 当社は、美容室向けの頭髪用化粧品及び医薬部外品の製造、販売事業の単一セグメントであるため、セグメントに関連付けた記載はしておりません。

 

(2) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(3) 労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

労働者の男女の賃金の差異(%)

全従業員

正社員

臨時社員・嘱託社員

68.6

69.0

83.6

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)(以下、「女性活躍推進法」という。)の規定に基づき算出したものであります。

2 当社では、男女で賃金の差は設けておらず、正社員における差異は、一般職において女性比率が高いことに加え、勤続年数の長い社員における男性比率が高いこと、男性の管理職比率が高いことによるものであります。

3 臨時社員・嘱託社員における差異は、臨時社員に比べ比較的給与水準の高い嘱託社員が男性であることによるものであります。臨時社員における短時間労働者については、正社員の所定労働時間(1日7.5時間)で換算した人員数を基に平均年間賃金を算出しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、社内で合理的な根拠に基づく適切な検討を経たものであります。

 

(1) 基本的な考え方

当社は創業以来、創業精神である「美容業界の近代化」を通じた企業の永続・発展を志し、着実な成長路線を歩みながら、人に社会に環境にとって「いい会社」であり続けることを目指しております。また、当社では創業理念である「美を愛する心 文化を愛する心 平和を愛する心」に基づき、事業を通じて業界の発展と近代化に貢献することで、美容文化の醸成を通じて豊かで持続可能な社会の実現にも取り組んでおります。したがいまして、サステナビリティをめぐる課題への対応が、中長期的な企業価値や収益機会の向上につながる重要な経営課題であることを踏まえ、全役員、全従業員、さらにはお客様、株主、お取引業者、地域社会等、当社を取り巻くすべてのステークホルダーの皆様とコタという会社を「共有」したいと考えております。

当社が目指す未来である「コタビジョン」を通じて、ステークホルダーの皆様とコタという会社を「共有」できればコタはもっと強く、もっと「いい会社」になれると考えており、「コタビジョン」に基づいたコーポレート・ガバナンスを充実させることで経営の健全性及び透明性を確保し、ステークホルダーの皆様からの期待と信頼に係る責任を十分に果たしながら、永続・発展できる企業を目指しております。

 

(2) サステナビリティ全般

① ガバナンス

当社におけるサステナビリティに関連するリスク及び機会の監視及び管理に責任を有するガバナンス組織は、取締役会であります。この取締役会の責任は、「コーポレート・ガバナンス ガイドライン」及び経営危機対策規程において定めております。

具体的には、識別されたリスク及び機会について各委員会等及び担当部門から社内取締役、常務取締役、代表取締役社長へ適時に報告・共有を図るプロセスを踏まえてリスク及び機会のモニタリングを行っております。また、経営上重要な事項は社内稟議手続きを経て定時取締役会に上程され、対応策の決定及び指示を行っております。

 

サステナビリティに関するガバナンス体制


 

 

② 戦略

全社的なサステナビリティ関連のリスク及び機会を統合する仕組み等、今後の方向性については下記「(2) サステナビリティ全般 ③ リスク管理」をご参照ください。

 

③ リスク管理

サステナビリティに関連するリスク及び機会の識別、評価は、各委員会等及び担当部門が行っております。識別、評価されたリスク及び機会は、上記「(2) サステナビリティ全般 ① ガバナンス」に記載のプロセスを通じてモニタリングを行っております。

なお、2025年3月期においては、全社的なサステナビリティ関連のリスク及び機会の識別、評価を行う仕組みとともに、各委員会等及び担当部門が識別、評価しているリスク及び機会についても全社的なサステナビリティ関連のリスク及び機会に統合する新たな仕組みを構築する考えであります。

 

④ 指標及び目標

全社的なサステナビリティ関連のリスク及び機会の識別、評価については、上記「(2) サステナビリティ全般 ③ リスク管理」に記載のとおり2025年3月期の検討課題であるため、指標及び目標については該当事項はありません。

 

(3) 気候変動への取り組み

① ガバナンス

気候変動に関するリスク及び機会の識別、評価、対応を含むガバナンスについては、上記「(2) サステナビリティ全般 ① ガバナンス」に記載のとおりであります。

 

② 戦略

当社は、気候変動に関して外部環境の変化や様々な状況下におけるリスク及び機会を考慮するため、1.5℃シナリオと4℃シナリオを用いて、政策や市場動向の移行(移行リスク・機会)に関する分析と、気温上昇などによる物理的変化(物理リスク・機会)に関する分析を実施しております。

 

・1.5℃シナリオ

気候変動の影響を抑制するためにカーボンニュートラル実現を目指した取り組みが活発化し、世界の平均気温を産業革命期以前と比較して1.5℃の上昇に抑えることを目指したシナリオ。1.5℃目標達成に向けた気候変動対策の推進により、各種規制が強化、市場・消費者の環境意識も高まり、移行リスクが顕在化する。

 

・4℃シナリオ

気候変動対策が現状から進展せず、世界の平均気温が産業革命期以前と比較して今世紀末頃に約4℃上昇するとされるシナリオ。物理リスクにおける異常気象の激甚化や海面上昇リスクによる影響が大きくなると想定されている。

 

 

気候変動におけるリスク及び機会

リスク・
機会の別

シナリオ

社会の変化

リスク・機会の内容

顕在化
時期

事業への
影響度

対応策

 

 

 

 

 

 

 

リスク

1.5℃

森林保護活動の高まり

パーム油及びパーム油を由来とする原料の価格高騰、製造コスト及び原価率の上昇

中期

・代替品の調達ルートの確保

・製品の処方変更の検討

炭素税等のカーボンプライシングの導入

サプライヤーに対する炭素税の賦課による調達コスト及び原価率の上昇

中期

・炭素税導入に関する動向把握

・代替品の調達ルートの調査及び情報収集

環境負荷が低い商品の需要増加

バイオマスプラスチックの採用による調達コスト及び原価率の上昇

中期

・樹脂量を削減する方策の検討

環境配慮型ではない製品の売上低下

中期

・環境配慮型の原料及び包装資材の調達と採用、原料点数を減らす等、製品の処方変更の検討

再生可能エネルギーの普及

原材料の調達コストの上昇、電気や熱等の利用コスト及び原価率の上昇

中期

・省エネ設備の導入

石化由来製品の規制

石化由来プラスチックの使用規制による調達コスト及び原価率の上昇

中期

・プラスチックリサイクル業との連携による低コスト化及び新規素材、新規技術の探索

・環境配慮型の原料及び包装資材への変更

4℃

災害の激甚化

サプライチェーン機能の停止による原材料の調達難、生産活動及び製品供給の遅延・停止

短期

・新規調達ルートの情報収集及び確保

・BCPの作成

・在庫水準の引き上げ

・協力会社との製造協定締結

・在庫拠点の分散化

 

 

 

 

 

 

 

機会

1.5℃

再生可能エネルギーの普及

環境に配慮した原材料の使用(集約)が進み、それに伴う調達コストの低下

長期

・当該原材料を活用した製品の開発及び販売促進

4℃

平均気温の上昇

冷感製品の需要増加、美容室のメニューの多様化及び洗髪習慣の変化(シャンプー回数の増加)

中期

・冷感製品の開発及び販売促進

・美容室へのコンサルティングの強化

 

(注) 1 顕在化時期の「短期」は1~2年、「中期」は3~9年、「長期」は10年超を示しております。

2 事業への影響度の「大」は大きな影響がある、「中」は一定程度の影響がある、「小」は軽微な影響があるを示しております。

 

 

③ リスク管理

当社では、気候変動に伴うリスク及び機会について、1.5℃シナリオ及び4℃シナリオごとに洗い出し作業を行い特定いたしました。その特定したリスク及び機会のうち、①製造及び供給といったメーカーとしての観点、②時間軸の観点、③財務的観点を総合的に勘案して優先順位(重要度)の高いものを識別、評価しております。

当該リスク及び機会については、気候変動に関するコンサルティング会社と契約を締結し、2024年1月より各部門の管理職等及び同コンサルティング会社の担当者が出席するTCFDミーティング(仮称)で識別、評価を進めております。

識別、評価した結果については、2024年6月において内部統制委員会及び取締役会へ報告・共有しております。なお、気候変動に伴うリスク及び機会を管理するプロセスについては、上記「(2) サステナビリティ全般 ② リスク管理」に記載のとおり、全社的なリスク管理プロセスに統合されるよう、上記のTCFDミーティング(仮称)を発展させる形で2025年3月期において検討、整理し、運用開始を目指す考えであります。

(ミーティングでの検討事項等)

・気候変動に関するリスク及び機会の識別、評価

・GHG(温室効果ガス)排出量の算定と進捗状況の確認

・ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)をはじめとする気候変動に関する枠組みの情報収集

・有価証券報告書等における開示内容の検討

 

(ミーティング参加者の所属部門)

広報・IR部、経営企画部、経理部、総務部、研究部、生産部

 

④ 指標及び目標

当社では、気候変動に関するリスク及び機会が当社に及ぼす影響を評価する指標として、Scope1及びScope2のGHG排出量を設定しております。

Scope1及びScope2のGHG排出量の算定については、気候変動に関するコンサルティング会社と契約を締結し、2024年1月より同コンサルティング会社が提供するクラウドシステムの利用を開始しております。2025年3月期においては、同システムを活用して2024年3月期及び2025年3月期のGHG排出量の算定を進めております。

 

 

(4) 人的資本経営の取り組み

① ガバナンス

人的資本に関するリスク及び機会の識別、評価、対応を含むガバナンスについては、上記「(2) サステナビリティ全般 ① ガバナンス」に記載のとおりであります。

 

② 戦略

当社では全役員、全従業員が共有し、目指している会社のあり方として、「『いい会社』を目指し続ける」という基本理念を定めております。

当社がイメージする「いい会社」とは、「売上高の規模が大きかったり、立派な建物であったりする会社ではなく、また、決して短期間でつくり上げられるものでもなく、役員・従業員全員の日々の言動や思考の長期的な積み上げによってつくられていくものである」と考えております。このような考え方が役員・従業員の高い道徳観や倫理観の醸成につながり、ひいては当社と出会えて良かったと思えるような「いい会社」であり続けられる基礎になると考えております。

当社では、さらに「いい会社」へステップアップするために、目先の損得ではなく善悪による判断基準により、常に全員が考え行動するように努めており、従業員の生産性向上に向けた人材育成方針と、将来的な企業の成長を担う人材の獲得と維持のための社内環境整備方針を次のとおり定めております。当社が持続的に成長を続けていくためには、これら方針に基づいて共有を深めていくことが重要と考えております。

 

イ 人材育成方針

当社では、人材育成を重要課題の一つとして捉え、経営における基本的な考え方と事業活動の方向性・行動指針を示した「コタビジョン」を基に、長期的な視点で人材育成に取り組んでおります。教育専門部署を設置しており、従業員一人一人の能力を高め最大限引き出していくために、「コタビジョン」を深く理解するための研修をはじめ、役職別研修、コンプライアンス研修、ダイバーシティ研修及び社内IR説明会(注)等を実施し、意欲と能力を十分に伸ばす機会を提供しております。

 

 

(2024年3月期における社内研修の実施状況)

研修名

延べ参加人数

主な研修内容

 

 

 

 

1

新入社員研修

36名

コタビジョンの理解等

2

新入社員半年研修 (注) 2

43名

役員講演、営業方針等

3

Ⅰ等級研修 (注) 3

239名

代表取締役社長が発信する「共有すれば強くなる」の考察等

4

入社2年目研修

28名

成功体験等の棚卸と今後の課題設定

5

入社3年目研修

25名

自身の役割や期待の理解等

6

入社4年目研修

28名

組織内での役割や将来ビジョンの構築等

7

新主任・係長研修

21名

主任、係長の役割及びマネジメントの基本等

8

リーダー研修

29名

リーダーが果たす役割等

9

役職者研修 (注) 4

102名

代表取締役社長が発信する「共有すれば強くなる」の考察、ハラスメント、インサイダー取引規制

10

部課長研修

34名

代表取締役社長が講師となり、事例に基づいた考え方や部課長の役割等の共有

11

営業部門 役職者研修

58名

コンサルティング・セールス力の向上等

12

営業第一部研修

27名

新規旬報店開拓等

13

営業第二部 Ⅰ等級研修

78名

コンサルティング・セールス力の向上等

14

営業第二部 課別研修

98名

創業精神、ビジネスモデル等

15

営業第二部 課長・係長研修

20名

ハラスメント等

16

営業第一部、営業第二部、
教育研修部 Ⅰ等級研修

121名

コンプライアンス、不正と内部統制

17

女性営業パーソン研修

31名

キャリアの考え方等

 

(注) 1 その他、各部門において関連する業務等のウェブセミナーを受講しております。

2 中途採用者も参加しているため、「1 新入社員研修」の参加人数とは一致しません。

3 Ⅰ等級とは役職位(主任以上)のある従業員以外の従業員であります。

4 対象者は、部長、課長、係長、主任であります。

 

(2024年3月期における社内IR説明会の実施部署)

内部監査室、広報・IR部、教育研修部、経営企画部、経理部、総務部、生産部、営業第一部、営業第二部(千葉、名古屋、金沢、大阪の各支店)

 

(注) 当社では、代表取締役社長自らが全部署を定期的に訪れ、会社の業績や考え方、今後の方向性等、会社について幅広く共有することに加え、社長が各部署へのメッセージや当社の従業員としてのあり方、判断基準等を従業員に直接伝える機会を設けております。このような取り組みを当社では「社内IR説明会」と称しております。

 

 

ロ 社内環境整備方針

当社は、多様な視点や価値観の存在が企業価値の向上に資するものであると考え、性別、年齢、国籍等にとらわれることなく、社内における女性の活躍促進を含む多様性の確保を推進し、雇用環境の整備と教育研修を受ける機会を確保することにより多様な人材を育成し、活躍できる環境を整備しております。

(2024年3月期の取り組み事例)

・全従業員を対象としたインフルエンザ予防接種を実施(毎年)

・管理職を対象とした人間ドック受診の支援(毎年)

・メンタルヘルスに関する取り組みとして、全従業員を対象にストレス診断、組織診断及び適宜ヒアリングと

 フォローを実施(毎年)

・障がいのある方でも働きやすい環境の整備

・安全運転管理に関する施策として、安全運転月間の設定と取り組みの推進

・職場の安全に対する意識向上及び共有を図る施策として、安全強化月間の設定と取り組みの推進

・産前産後休暇制度及び育児休業制度を利用する従業員に対する復職前面談

・就業規則、コンプライアンス・マニュアル等、社内規程の読み合わせ

 

③ リスク管理

従業員の労働災害の防止、安全と健康の確保、快適な職場環境の形成を図るため、毎月1回開催している安全衛生委員会において検討及びレビューを実施し、議事録を社内のイントラネットを通じて全従業員に公開し啓蒙しております。

(2024年3月期における検討事項等)

・産業医による講義(感染症、熱中症、疾病等)及び職場巡視

・危険作業、危険箇所の情報共有

・時間外勤務状況の共有

・法令改正動向の把握と対応

・災害対策マニュアルの見直し

・避難訓練、地震訓練の実施

・リスクアセスメントの実施及び報告 など

その他の人的資本に関するリスク管理は、上記「(2) サステナビリティ全般 ② リスク管理」をご参照ください。

 

④ 指標及び目標

当社では、「共有すれば強くなる」という考え方のもと、全従業員を対象とする社内IR説明会を定期的に実施し、役員と従業員との間で「会社を共有」することにより、従業員一人一人がコタという会社を知る重要な機会を設けており、従業員一人一人の成長を積み重ねることで、着実に業績を伸ばしております。引き続き、会社の持続的な成長のために「共有」することを大切にしながら、次の指標を参考にしつつ人材育成に努めております。

なお、平均勤続年数は男女ともに安定した推移を示し、離職率は期によって増減はあるものの、従業員数は増加傾向にあります。

 

 

 

 

イ 平均勤続年数

 

第41期

第42期

第43期

第44期

第45期

男性(年)

11.2

11.4

11.8

11.9

11.9

女性(年)

7.0

6.8

6.8

7.4

7.4

合計(年)

9.8

9.8

9.9

10.3

10.3

 

※臨時社員・嘱託社員は除く

 

ロ 従業員数の推移と離職率

 

第41期

第42期

第43期

第44期

第45期

従業員数(人)

316

342

355

355

373

離職率(%)

6.5

4.6

7.5

7.5

6.8

 

※臨時社員・嘱託社員は除く

 

ハ 数値目標を設定していない理由

当社では、数値指標や目標にとらわれず、当社の考え方である「コタビジョン」を理解・共有できる人材を育成し、その人材は特に区別することなく公平かつ積極的に登用する考えであるため、上記「(4) 人的資本経営の取り組み ② 戦略」における「イ 人材育成方針」、「ロ 社内環境整備方針」及びその他の数値指標に関する目標は設定しておりません。

 

ニ 当社ウェブサイトに掲載している「年次有給休暇取得率について、75%以上の継続を目指す」について

当該数値目標は、女性活躍推進法の定めに則って設定、開示しているものであり、当社ではサステナビリティ情報として目標設定し開示する数値であると捉えておりません。

 

(ご参考)当社ウェブサイト 「女性活躍推進法に基づく『行動計画』」

https://www.cota.co.jp/company-ir/action-plan-woman