リスク
3 【事業等のリスク】
(1) 少子化と当社の今後の方針について
当社グループの属する学習塾業界は、児童・生徒の絶対数の減少という少子化の問題に直面しております。少子化の影響は、学習塾における在籍生徒数の減少という直接的なもののみにとどまらず、難関ブランド校、有名校を除いて入学試験の平易化が起こり、入塾動機の希薄化・通塾率の低下につながる可能性があります。
一方、保護者の学習塾に対する選別の意識は高まっております。当社は、従来からの正社員による質の高い授業や、塾専用の独自設計による良質な学習環境の提供に加えて、保護者や生徒の求める高いレベルのニーズに応えることを心がけております。
(2)人材の確保に関するリスク
当社グループは、高品質な教育サービスを安定・継続的に提供していくためには人材の確保が極めて重要であると考えております。そのため、計画どおりに人材を確保・育成できない場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 地域別の校舎展開について
2024年3月31日現在、当社グループの直営校舎は静岡県に79校舎、愛知県に35校舎、山梨県に3校舎、神奈川県に3校舎、岐阜県に4校舎、北海道に29校舎、三重県に16校舎、宮城県に6校舎、福岡県に15校舎、福島県に16校舎、FC校27校舎、合計233校舎を展開しております。
全国10道県に及ぶ直営校舎展開を支える組織体制の再構築、具体的には優秀な人材の採用・研修体制のより一層の充実、また管理職層の育成が不可欠であります。
(4) 校舎の開設方針について
当社グループの校舎は、従来独立校舎による新設を中心に進めてまいりましたが、より機動的な開設や統廃合を実現するため、近年は独立校舎ではない賃貸物件への新設を中心に進めております。これにより、同一地域内に従来よりも多数の校舎展開が可能となり、統廃合も早期の判断が可能になると考えております。但し、現状の展開地域の多くは本部校舎を含めて独立校舎であり、機動的な校舎の開設・統廃合の妨げとなる可能性があります。また、貸借物件については、貸主の状況によっては、敷金及び保証金が返還されない可能性があります。
(5) 固定資産の減損に関するリスク
当社グループでは、校舎の移転・新設に伴い設備投資を行っており、教室設備等の有形固定資産を有しております。そのため、当該資産への投資が将来的に回収できるかどうかを定期的に検討しております。これら校舎につき、生徒数の確保が当初の計画を下回り収益性が低下した場合、土地の市場価格が著しく下落した場合には減損損失が発生し、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
その対策として、減損の兆候ありと判断した校舎については毎月の入退学者数、在籍者数推移を把握するとともにその活動状況を確認しております。また、営業損益がマイナスとなった校舎についてもその原因分析と今後の運営方針の検討を行っております。特に、固定資産簿価が大きく影響度の高い校舎については、内部監査室による監査、ヒアリングを実施することにより状況確認を行っております。
(6) 災害等によるリスクについて
当社グループが事業活動を行うに際し、地震や台風等の大規模な自然災害、火災、疫病の発生・蔓延、コンピュータウイルス等による障害が起こった場合、校舎、事業所、設備等に損害を受け、校舎運営・事業活動に支障が生じる可能性があります。このような事態が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
(7) 業績の四半期毎の変動について
当社グループの生徒数は小中学部・高校部ともに、第1四半期に比べ第2四半期以降において増加いたします。こうした状況は、7月末~8月の夏期講習、12月末~1月の冬期講習に参加した一般生がそれぞれ9月、1月に本科生として入学するからであります。したがって、第1四半期に比べ第2四半期以降の売上高の割合が大きくなる傾向があります。
一方、営業費用につきましては、主要な費用である人件費、賃借料等が毎月固定的に発生いたします。また、広告宣伝費につきましては、夏期講習の募集時期である6月及び7月、冬期講習の募集時期である11月、次年度の新入学の募集時期である1月、2月に集中的に発生いたします。
このため、第1四半期は第2四半期以降に比べ収益性が低くなる傾向があります。
(8) 情報管理について
当社グループは多数の生徒に関わる個人情報を有しております。これらの情報については、社内規程の制定、従業員への教育等、対策を徹底しておりますが、情報漏洩が全く起きない保証はありません。万が一、情報漏洩が起きた場合、社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担が発生する恐れがあります。
なお、本項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして認識しております。安定的な経営基盤の確保と株主資本利益率の向上に努めるとともに、配当につきましても安定的な配当の継続を業績に応じて行うことを基本方針としております。
また、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めておりますが、毎事業年度における配当の回数についての基本的な方針は年1回とし、これらの配当の決定機関は株主総会としております。
当事業年度の剰余金の配当につきましては、通期業績を鑑み、誠に遺憾ではございますが、無配とさせていただきます。営業強化による売上高の向上、業務効率化等によって利益率向上を図り、早期の復配を行うべく努めてまいりますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。