2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    45名(単体) 6,787名(連結)
  • 平均年齢
    50.3歳(単体)
  • 平均勤続年数
    19.2年(単体)
  • 平均年収
    16,210,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

メディア・コンテンツ事業

4,384

(484)

都市開発・観光事業

2,030

(946)

その他事業

328

(687)

全社(共通)

45

合計

6,787

(2,117)

 

(注) 1 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員であります。

2 従業員数の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

3 前連結会計年度末に比べ「都市開発・観光事業」の従業員数が282名増加しておりますが、主な理由は、㈱グランビスタホテル&リゾートで2024年度に開業を予定している「神戸須磨シーワールド・神戸須磨シーワールドホテル」等の人材採用等により増加したことによるものです。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

45

50.3

19.2

16,210

 

(注) 1 従業員数は、関係会社から当社への出向者を含む就業人員であります。

   2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3 持株会社である提出会社の従業員数はいずれのセグメントにも区分されないため、「(1)連結会社の状況」の「全社(共通)」に記載しております。

 

(3) 労働組合の状況

労使関係については、特に記載すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

 

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

㈱フジテレビジョン

22.8

63.6

(注2)

76.8

77.9

52.8

 

㈱グランビスタ
ホテル&リゾート

11.0

25.0

(注2)

59.4

68.1

50.2

 

㈱DINOS
CORPORATION

18.8

120.0

(注1)

55.8

63.8

43.9

 

㈱フジキャリア
デザイン

25.0

 

81.4

79.2

83.8

 

㈱ポニーキャニオン

21.7

33.3

(注1)

70.5

73.9

78.9

 

㈱フジ・メディア・テクノロジー

66.7

(注1)

88.8

81.9

98.8

 

㈱クオラス

20.9

 

82.5

78.8

98.8

 

㈱サンケイビル
ウェルケア

 

81.2

92.2

135.9

 

㈱フジミック

7.7

75.0

(注1)

 

㈱共同テレビジョン

17.3

 

 

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) ガバナンス

当社グループは、放送の公共的使命と社会的責任を常に認識し、メディア・コンテンツ、都市開発・観光など幅広い事業活動を通じて、国民の皆様の豊かな生活に貢献することを経営の基本方針としています。

この基本方針に基づき、2022年5月に持続可能な社会の実現に向けた取り組みをグループ全体で推進していく上での指針となる「サステナビリティ宣言」を策定、また、グループ横断的にサステナビリティの課題に対応するため、2022年6月より代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しました。サステナビリティ委員会は「グループのコンプライアンス及びリスクの管理に関する委員会」(以下「グループコンプライアンス等委員会」という)とも連携しながら、SDGsやCSRに関する活動内容を審議、承認するとともに、ESG活動の開示、TCFD提言への対応など、持続可能な社会の実現と、企業活動の永続的な成長を図るための重要課題について検討しています。

サステナビリティ委員会は、その活動状況等について、主に常勤の取締役及び常勤の監査等委員である取締役によって構成される経営会議、並びに取締役会へ随時報告し、取締役会ではその活動内容を監督しています。


 

(2) 戦略

①気候変動について

当社グループは、気候変動への対応を重要な経営課題の一つであると認識し、2023年5月に行ったTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示の中で、複数のシナリオを想定し、気候変動が当社グループの事業にもたらすリスクと機会について、放送事業、通販事業および都市開発・観光事業を軸に特定し、その対応策をまとめております。

 

(シナリオ分析の前提)

事業範囲:㈱フジ・メディア・ホールディングス、㈱フジテレビジョン、㈱DINOS CORPORATION、㈱サンケイビル

基準年:2030年

設定シナリオ

社会像

(a)ネットゼロ

シナリオ

・持続可能な社会を実現する2050年ネットゼロに向けて、厳しい政策がとられ技術革新が進む

・21世紀末の温度上昇は1.5℃未満にとどまる

(参考シナリオ:IPCC SSP1-1.9、IEA WEO2022 NZE)

(b)現行政策

シナリオ

・現在実施されている政策がそのまま継続され、追加的な措置は行われない

・21世紀末の温度は最大3.5℃上昇し、気候変動の影響を大きく受ける

(参考シナリオ:IPCC SSP2-4.5、IEA WEO2022 STEPS)

 

 

(シナリオ分析の結果)

(a) ネットゼロシナリオ(脱炭素政策のもと気温の上昇は1.5℃程度)

リスク

・カーボンプライシングの導入、GHG排出規制の強化に伴う対応コストの増加

・脱炭素への取り組みが遅れた場合のブランド力の低下や企業価値の棄損

機会

・環境課題への積極的な対応による広告収入の増加

・環境配慮型物件や環境配慮型商品の売上拡大

・気候変動への積極的な対応によるブランド力や企業価値の向上

対応策

 省エネルギー設備の積極的な導入や再エネ電力の活用によるGHG排出量の削減、番組制作工程の見直しや効率化、環境配慮型商品設計などを通じた脱炭素への取り組みなどを積極的に行います。

 気候変動、環境課題への社会の関心を捉えたコンテンツの制作強化や環境配慮型物件・商品の開発などを促進すること等により、リスクを最小化し、脱炭素社会における事業機会の拡大を目指してまいります。

 

 

(b) 現行政策シナリオ(最大3.5℃気温上昇。気象災害が激甚化し猛暑日が増加)

リスク

・気象災害の激甚化による放送トラブルの発生

・気象災害に伴うサプライチェーンの寸断

・広告主の罹災に伴う広告収入の減少

機会

・気象災害や猛暑日の増加による高安全性・高気密性物件への需要拡大

・ネットゼロシナリオほどではないが、環境配慮型物件・商品の売上拡大、気候変動への積極的な対応によるブランド価値向上が期待される。

対応策

 放送トラブル防止のためのBCPの徹底や定期的な訓練の実施によりレジリエンスを確保していくとともに、災害発生時には迅速かつ正確な災害報道を通じ早期の災害復旧に貢献してまいります。

 気象災害に伴うサプライチェーンの寸断時には、被災時の拠点確保や複線化による早期復旧を目指します。

 

各シナリオにおいて特定されたリスク・機会は、サステナビリティ委員会やグループコンプライアンス等委員会に報告、適切な対応を行い、当社グループにおける気候変動リスクに対するレジリエンスを確保するとともに事業機会の拡大を目指してまいります。引き続き、シナリオ分析や財務への影響の精緻化、リスク・機会及び対応策の経営計画への具体的な反映を通じて、気候変動対応を積極的に進めてまいります。

TCFD提言に基づく情報開示につきましては当社ホームページに掲載しております。

[掲載ページ] https://www.fujimediahd.co.jp/ir/pdf/tcfd230516.pdf

 

②人的資本について

当社グループにおいて多様な「価値」を生み出す要となるのは「人」です。ジェンダーや国籍、年齢に関係なく、全ての従業員・スタッフが個性を発揮し活き活きと働くことができること、安心して働き続けられる環境があることは、事業活動を円滑に循環させ、永続させていくために不可欠と考えています。

当社グループでは、子育てや介護等のために休業・休職をせざるを得ない従業員等の多様な働き方に対応した環境の整備を進めるとともに、多様性確保に向けた人材育成方針として、各階層で必要な研修を実施することとし、ハラスメント・コンプライアンス・LGBTQ等の研修を行っています。㈱フジテレビジョンでは、2023年4月から、パートナーシップ宣誓や事実婚など多様性を認める取り組みを制度化し、慶弔や休暇などが分け隔てなく取得・活用できる環境を整えました

また、㈱フジテレビジョンでは、更なるワークライフバランスの充実を図るべく2023年3月に民間団体が主催する「男性育休100%宣言」に賛同、2023年10月には社員の心身の健康保持・増進が企業の成長につながるという健康経営の考えに基づき「健康経営宣言」を発表し、病休者の復職支援や不妊治療サポートなどの体制を整備したほか、育児と就労の両立支援のため病児保育補助の制度も新設しました。また、厚生労働省の「がん対策推進優良企業表彰制度」において、「令和5年度 がん対策推進優良企業」として2回目の表彰を受けました。グループ会社においても、健康施策の一層の充実を進めており、経済産業省及び日本健康会議が共同で実施する健康経営優良法人認定制度で、㈱DINOS CORPORATION、㈱ポニーキャニオン、㈱フジテレビジョンの3社が「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に認定されました。㈱DINOS CORPORATIONは5年連続、㈱ポニーキャニオンは2年連続、㈱フジテレビジョンは初めての認定です。

当社グループの事業を取り巻く環境が劇的に変化している中で、持続的な成長を図り企業価値を向上させていくためには、多様な視点や価値観を尊重し、事業運営に取り込んでいくことが必要であると考えています。そのため、グローバルな視点や価値観を有する外国人の採用や、高い専門性を有する人材のキャリア採用を進めています。また、経営の中核を担う管理職においても、多様性の確保が重要であると考えています。当社グループでは2023年5月に公表した中期グループビジョンの中で、従業員301名以上のグループ会社の女性管理職比率を、2022年度の19%から2030年度までに30%以上とすることを目標としております。

 

(3) リスク管理

当社グループでは、グループ経営に重要な影響を与えるコンプライアンス上の問題及びリスクへの対応を図るため、グループ各社の代表取締役社長を構成メンバーとするグループコンプライアンス等委員会を組織し、「グループのコンプライアンス及びリスクの管理等に関する規程」(以下「グループコンプライアンス等規程」という)に基づき、各事業を統括しております。当社グループに重大な影響を与えるサステナビリティリスクに関しても、サステナビリティ委員会等において特定・評価したうえで、グループコンプライアンス等委員会と連携しながら対応策の検討を行います。


(4) 指標及び目標

当社グループは、温室効果ガスの削減目標として2030年度までに㈱フジテレビジョン、㈱サンケイビル、㈱DINOS CORPORATIONの3社で排出量50%削減(2013年度比)、2050年度までにカーボンニュートラルの達成を目指すことを掲げております。非化石証書の購入により、フジテレビ本社ビル・湾岸スタジオの2023年度電気由来の温室効果ガス排出量(スコープ2)はゼロとなりました。

また、人材育成方針として、従業員301名以上のグループ会社の女性管理職比率を、2022年度の19%から2030年度までに30%以上とすることを目標としております。

グループ各社の女性管理職比率、男性育児休業等取得率、男女間賃金格差については、第1 企業の概況 5 従業員の状況 に記載しております。