リスク
3 【事業等のリスク】
当社グループは、「大伸化学グループリスク管理方針」を定め、経営的な観点からリスクの見直し対応ができる仕組みを整備するとともに、内部監査機能として内部統制担当部門である経営企画室が計画的にリスク内容の検証も合わせて行っております。当連結会計年度におきましては、経営企画室が現時点において発生する可能性のあるリスク項目を再度見直し、各部門のモニタリング結果を踏まえて、経営会議において審議し、リスク項目の見直し及びリスクに対する対応を決定しております。
個々のリスクにつきましては、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 原材料市況等の影響について
当社グループの化学品事業は、主原料が石油化学製品であるため、中東地域等の地政学リスクや海外経済の動向により、原材料の調達価格が影響を受けることになります。
また、石油化学メーカーが原料にバイオマスナフサを使用する傾向にあり、調達に影響を受けることも予想されます。
原油価格や為替に異常な変動が生じた場合に、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
当該リスクの対応として、主要な原材料はリスク管理の観点からもできる限り複数の取引先から購入を行っており、安定調達に取り組んでおります。
(2) 法的規制等について
当社グループの化学品事業は、有機溶剤等の各種化学物質を取り扱っております。消防法、毒劇法、その他の環境関連の法令改正にともなう規制強化等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応として、法令順守の徹底を図るとともに、工業会や行政機関のセミナー等に積極的に参加し、日頃から注力して法改正に対応しております。
また、当社グループの運送業務においては、貨物自動車運送事業法、消防法、毒劇法等の各種法令の規制の適用を受けており、法令違反等が発生し許認可の停止又は取り消し等が生じた場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応として、常に最新の情報取得を行っており、変更事項に対して早急に対応できる体制の確立に尽力しております。
(3)疫病(新型コロナウイルス感染症等)・自然災害等について
当社グループは、大規模な地震、大型台風等の自然災害により製造設備が被災し生産活動が停止した場合や、疫病等の発生により従業員が出勤停止となり工場の操業停止や運送業務が滞った場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応として、生産拠点を東日本に越谷工場、西日本に兵庫工場と二ヵ所に分散配置し補完機能をもたせております。また、基幹システムに関しても、越谷工場にメインサーバー、兵庫工場にバックアップサーバーを配置し、災害・事故等のリスク分散を行っております。
(4) 気候変動対応について
当社グループは、大気汚染防止法やPRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)に鑑み、環境汚染影響のより少ない環境にやさしい製品を開発するなど、事業活動を通じてCO2排出量の削減等に取り組み、環境改善や気候変動リスクの低減に努めておりますが、環境に関する規制が予測以上に強化された場合は、企業活動の制限や対策費用の増加等により、当社グループの事業活動、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応については、2 「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
(5) 事故等について
当社グループは、火災、爆発、漏洩等の事故が発生した場合や、製造ラインの停止を伴う労災事故が発生した場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応として、製造設備に対する保守点検・計画的な検査修繕を行うとともに、自衛消防隊による防災訓練を定期的に行い、防火管理体制を整えております。また、重大事故の再発防止の観点から、安全環境に関する機能を統括する部門である安全環境室を新設するとともに、工場内の事故発生の危険度の高い不適合箇所の改善を行い、構内パトロール、安全教育を定期的に実施し、保安事故発生のリスクの低減を図っております。
更に当社グループの運送業務において、当社グループの過失に起因する重大事故が発生した場合には、得意先の信頼及び社会的信用の低下、事業許認可の取り消し等の行政処分、被害者からの損害賠償請求等を受けた場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応として、事故防止活動の一環として、安全管理、運行管理の徹底を図るための研修や、全車両にデジタルタコグラフ、ドライブレコーダーを装着し、基本的な速度・時間・距離の情報の他、急加速や急減速、アイドリングストップ情報なども取得することで運転の評価、ヒヤリハット情報の共有を行い、交通事故ゼロを目指した教育に努めています。
(6) 品質問題
当社グループは、製品について品質の向上に努め安定供給の責を果たし、品質の確保と納期を遵守しておりますが、予期せぬ事情により製造物責任につながるような大きな品質問題が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応として、お客様の満足を得るために、信頼性の高い生産管理、高度な品質管理体制の確立に総力を挙げて行います。
(7) 与信管理について
当社グループは、不良債権の発生防止に努めておりますが、取引先の倒産により貸倒損失が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応として、当社グループは取引先の信用度合による与信限度枠を設定し、与信管理支援システムを導入しております。また、日頃の営業活動においても、与信情報の収集に努力しております。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要施策のひとつとして位置付けており、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。
配当水準といたしましては、業績に対応した配当を行うことを基本としつつ、配当性向25%程度を目安とし、今後の事業展開に備えるための内部留保の充実や企業体質の一層の強化などを勘案して決定しております。
また、2018年6月28日開催の定時株主総会決議により、会社法第459条第1項の規定に基づき、期末配当は3月31日、中間配当は9月30日を基準日とし、それ以外にも基準日を定めて剰余金の配当を取締役会の決議によりすることができる旨を定款に定めております。
当事業年度の利益配分につきましては、上記基本方針に基づき業績等を勘案し、1株当たり40円の普通配当を実施することといたしました。この結果、配当性向は29.2%、純資産配当率は1.2%となりました。
内部留保資金の資金使途につきましては、今後予想される業界内の競争激化に対応し、将来の事業展開に向けた財務体質及び経営基盤の強化に活用して事業の拡大に努めてまいる所存であります。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。