2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1)海外事業に関するリスク

① 為替変動リスク

当社グループの海外子会社の財務諸表は外貨建てで作成され連結財務諸表作成時に円換算されるため、為替変動の影響を受ける状況にあります。リスクをヘッジするため必要に応じて為替予約等の施策を講じておりますが、完全にリスクが回避できるわけではありません。

当社グループの海外売上高比率は2022年3月期42.6%、2023年3月期48.7%、2024年3月期51.3%と高い比率であり、為替の動向によっては、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

② カントリーリスク

当社グループは北米、欧州、東南アジア等に拠点を構え事業展開を進めております。このようなグローバル化の進展は、世界経済全体の動向に加え、事業展開する各国固有の政治経済、法規制、自然環境等の要素が影響を事業に与える可能性があります。これらのリスクに対しては、現地での情報収集や外部コンサルタントの利用等を通じて早期に認識、対処することでその予防に努めていますが、法規制の大きな変更、テロ、戦争、自然災害といった政治的・社会的混乱等の想定を超える事態が発生した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)原材料動向に関するリスク

① 原材料の価格変動リスク

当社グループが生産及び販売している製品の多くは、その主原料として石油化学製品を使用しております。原油価格の大幅な変動がナフサ価格等に連動し原材料価格の動向に影響を及ぼす傾向にあるため、国際石油市場の著しい変動によっては、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに備え当社グループでは、集中購買や地域の選定による調達先の分散等により原材料価格変動を緩和する工夫を行い、安定した原材料の調達に努めております。

② 原材料の調達に関するリスク

当社グループの製品製造において用いるいくつかの原材料については、特定のメーカーに依存しているものがあります。原材料メーカーの生産活動・サプライチェーンが天災や事故等、コントロールできない要因により停止される場合、原材料の調達が困難となり顧客への供給責任を果たせず、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクに備え当社グループでは、複数購買やグローバル調達による購買ルートの検討、原材料の互換化等を進めることにより、安定した原材料調達に努めております。

 

(3)法規制に関するリスク

① 知的財産のリスク

当社グループでは、知的財産を重要な経営資源として認識し活用するとともに、他社の権利を尊重した製品・技術の開発を進めております。知的財産に該当する情報技術は情報資産に関する規定により管理し、その流出を防止する等の体制を整備しておりますが、技術革新のスピードが加速していること、また当社グループの事業活動がグローバルに展開していることから、不当に知的財産権が侵害され、第三者と知的財産に関する係争が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

② 環境、安全関連法規への対応リスク

当社グループの製品及び各事業所を規制する代表的な法令・規則・行政指導は以下の通りであります。それぞれについて法的適合、遵法を保証するようグループ各社の経営管理を最適状態におくべく、諸施策を講じております。しかしながら、新たな法規制、条例等の改正により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

・化学物質の審査及び製造の規制に関する法律

・水質汚濁防止法

・廃棄物の処理及び清掃に関する法律

・諸外国の化学物質の審査及び登録に関する法規制

 

(4)自然災害や感染症の蔓延等のリスク

当社グループは栃木県を主要な生産拠点としております。現在のところ生産拠点及び近隣地域には活断層は発見されておりませんが、建物・製造設備・製品等の資産が自然災害や火災等の事故等によって損失が発生しないよう、ISO45001の認証取得を行う等十分対策を講じております。製造設備等に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社グループの操業が中断し、生産及び出荷が遅延することにより売上高は低下し、さらに生産拠点の修復または代替のため多額の費用を要する可能性があります。

また、2020年2月頃から世界中に拡散した新型コロナウイルス感染症は、人々の健康や基本的な生活基盤を脅かし、多くの産業の経済活動に大きな影響を与えました。当社グループは、このような感染症の感染拡大を防止するために、衛生管理の徹底や在宅勤務等の措置を講じておりますが、従業員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞、顧客の事業活動の停止や縮小等による売上の減少により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)固定資産の減損に関するリスク

当社グループは、製造設備等の有形固定資産を保有しております。当該資産又は資産グループが属する事業の経営環境の著しい悪化や収益性の低下等によって、固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに備え当社グループでは、潜在的な減損リスクを定期的にモニタリングする等、事業の採算を的確に把握し対応することで、当該リスクの低減が図れるよう努めております。

 

 

配当政策

3【配当政策】

当社は、2023年2月に開示した「第11次中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)」において、以下の内容を株主還元の基本方針としております。

 

<総還元性向>

各事業年度の業績及び財務状況並びに経営基盤の強化と今後の事業展開等を勘案し、総還元性向70%以上を目指します。

 

<配当>

中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行います。これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会です。当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。

また、今中期経営計画の期間中は、1株当たり年16円以上の配当を維持することとしております。

 

<自己株式取得>

財務状況や株価の推移等を勘案し、利益還元策の一環として機動的に自己株式を取得します。

 

当期(2024年3月期)の配当につきましては、以下のとおり、1株当たり年16円(中間配当8円、期末配当8円)としております。

次期(2025年3月期)の配当につきましては、1株当たり年18円(中間配当9円、期末配当9円)を予定しております。

 

内部留保資金につきましては、経営環境の変化に対応すべく、生産体制及び技術開発の強化、財務体質強化に有効利用してまいります。

 

  当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。

決議年月日

配当金の総額

(千円)

1株当たり配当額

(円)

2023年11月10日

246,633

8

取締役会決議

2024年6月26日

246,633

8

定時株主総会決議