2023年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 54,638 100.0 5,035 100.0 9.2

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社の企業集団は、当社及び親会社で構成され、主な事業内容と当該事業に係る位置付けは次のとおりです。

 


 

1.当社の主たる事業は医薬品の製造販売であり、主要な製商品は次のとおりです。

領域

製商品名

薬効

腎・透析領域

リオナ錠

高リン血症治療剤、鉄欠乏性貧血治療剤

レミッチ

経口そう痒症改善剤

ケイキサレート※

高カリウム血症改善剤

皮膚疾患領域

アンテベート※

外用副腎皮質ホルモン剤

コレクチム軟膏

外用ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤

ロコイド※

外用副腎皮質ホルモン剤

ゼフナート

抗真菌薬

アレルゲン領域

シダキュア
スギ花粉舌下錠※

スギ花粉症のアレルゲン免疫療法薬

ミティキュア

ダニ舌下錠※

ダニアレルギーのアレルゲン免疫療法薬

その他

ビオスリー

活性生菌製剤(整腸剤)

オラデオカプセル

血漿カリクレイン阻害剤

 

(注) 自社品には、製商品名に※を付しております。

 

2.親会社であるJTは国内グループ会社を対象としたキャッシュ・マネージメント・システムを統括しており、当社は資金決済等の手段として資金の預託を行っております。

 

業績

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、本項目における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年3月27日)現在において、当社が判断したものです。

 

(1) 経営成績

当事業年度の医薬品業界を取り巻く事業環境は、研究開発の高度化・難化による投資リスクが増大する中で、ウクライナ・中東情勢等の地政学リスクの高まりに伴う資源・原材料価格の高騰、急激な円安進行に伴う物価上昇に加え、医療費抑制策としての薬価制度の改革(毎年薬価改定等)、後発品の使用促進の影響等により大変厳しいものとなりました。

このような状況の下、当社では、「中期経営計画2023-2025」※を策定し、中長期事業ビジョン「VISION2030」の実現に向けて、成長戦略の各施策とステークホルダーからの信頼維持策に取り組んでまいりました。

※「中期経営計画2023-2025」2023年度の進捗状況につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

当事業年度の経営成績につきましては、以下のとおりです。

 

前事業年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

(百万円)

当事業年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

(百万円)

増減額
(百万円)

増減率
(%)

売上高

48,896

54,638

5,742

11.7

営業利益

5,540

5,035

△504

△9.1

 

研究開発費控除前営業利益

7,201

8,526

1,324

18.4

経常利益

5,537

5,307

△229

△4.1

当期純利益

3,944

4,119

175

4.4

 

(注)中期経営計画の利益面の計数指標としては、将来の導入品獲得に向けて、当面は研究開発投資を積極的に実施することから、
研究開発費控除前営業利益を設定しております。

 

 

 

(売上高)

売上高は、薬価改定による減少があったものの、アレルゲン領域、皮膚疾患領域における販売数量の伸長等により、54,638百万円と前事業年度に比べ5,742百万円(11.7%)増加しました。

各フランチャイズ領域における主要な製品・商品の販売状況につきましては、以下のとおりです。

・腎・透析領域におきましては、「リオナ錠(高リン血症治療剤、鉄欠乏性貧血治療剤)」が7,515百万円と前事業年度に比べ575百万円(8.3%)増加しましたが、「レミッチ(透析患者における経口そう痒症改善剤)」は後発品の影響に加えて薬価改定もあり2,725百万円と前事業年度に比べ811百万円(22.9%)減少しました。

・皮膚疾患領域におきましては、「コレクチム軟膏(外用JAK阻害剤)」は小児向け処方を含む販売数量の伸長により7,450百万円と前事業年度に比べ1,981百万円(36.2%)増加し、「アンテベート(外用副腎皮質ホルモン剤)」は4,533百万円と前事業年度に比べ538百万円(13.5%)増加しました。

・アレルゲン領域におきましては、アレルゲン免疫療法のさらなる普及により「シダキュア スギ花粉舌下錠(アレルゲン免疫療法薬)」は11,356百万円と前事業年度に比べ1,748百万円(18.2%)増加し、「ミティキュア ダニ舌下錠(アレルゲン免疫療法薬)」は10,148百万円と前事業年度に比べ1,454百万円(16.7%)増加しました。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

費用面におきましては、売上原価は販売数量が伸長したほか、仕入単価の上昇及び為替影響等により29,847百万円と前事業年度に比べ4,330百万円17.0%)増加し、販売費及び一般管理費は主にライセンス契約一時金の支払により研究開発費が大幅に増加したことから19,755百万円と前事業年度に比べ1,916百万円(10.7%)増加しました。

 

(営業利益、経常利益、当期純利益)

以上の結果、営業利益は5,035百万円と前事業年度に比べ504百万円(9.1%)減少、経常利益は営業外収益の有価証券利息が増加したほか、前事業年度において営業外費用に製造委託契約の解約違約金を計上していたこと等により5,307百万円と前事業年度に比べ229百万円(4.1%)減少しました。当期純利益は政策保有株式の縮減に伴い特別利益の投資有価証券売却益が増加したほか、「研究開発税制」の適用に基づく法人税等の低減等により4,119百万円と前事業年度に比べ175百万円(4.4%)増加しました。

なお、研究開発費控除前営業利益は8,526百万円と前事業年度に比べ1,324百万円(18.4%)増加しました。

 

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

生産実績は次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

医薬品事業

29,418

106.4

合計

29,418

106.4

 

(注) 金額は正味販売価格換算によっております。

 

② 商品の仕入実績

商品の仕入実績は次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

医薬品事業

14,333

117.4

合計

14,333

117.4

 

(注) 金額は実際仕入価格によっております。

 

③ 受注実績

該当事項はありません。

 

④ 販売実績

販売実績は次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

医薬品事業

54,638

111.7

合計

54,638

111.7

 

(注) 1.医薬品事業の販売実績には不動産賃貸収入203百万円が含まれております。

2.主な相手先別販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

前事業年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

当事業年度
(自 2023年1月1日
 至 2023年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱メディセオ

10,884

22.3

12,425

22.7

アルフレッサ㈱

11,088

22.7

12,138

22.2

㈱スズケン

10,238

20.9

11,615

21.3

東邦薬品㈱

5,787

11.8

6,626

12.1

 

 

 

(3) 財政状態

当事業年度末の総資産は、133,432百万円と前事業年度末に比べ256百万円(0.2%)減少しました。流動資産につきましては、売掛金が5,623百万円、原材料及び貯蔵品が1,111百万円、商品及び製品が661百万円増加しましたが、その他に含まれるキャッシュ・マネージメント・システム預託金が7,539百万円、現金及び預金が4,198百万円減少したこと等により88,148百万円と前事業年度末に比べ3,454百万円(3.8%)減少しました。固定資産につきましては、投資有価証券が3,687百万円増加したこと等により45,284百万円と前事業年度末に比べ3,198百万円(7.6%)増加しました。

負債につきましては、13,298百万円と前事業年度末に比べ1,165百万円(8.1%)減少しました。これは、未払金が1,243百万円減少したこと等によるものです。

純資産につきましては、120,134百万円と前事業年度末に比べ909百万円(0.8%)増加しました。これは、剰余金の配当が3,540百万円、当期純利益が4,119百万円となったこと等によるものです。

 

(4) キャッシュ・フロー

当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、34,681百万円と前事業年度末に比べ10,738百万円(23.6%)減少しました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益が5,593百万円、減価償却費が459百万円、売上債権の増加額が5,638百万円、棚卸資産の増加額が1,772百万円、法人税等の支払額が1,803百万円となったこと等により3,123百万円の支出となりました。(前事業年度は2,420百万円の収入)

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却及び償還による収入が16,500百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入が6,527百万円となりましたが、投資有価証券の取得による支出が17,588百万円、有価証券の取得による支出が9,001百万円となったこと等により3,779百万円の支出となりました。(前事業年度は13,676百万円の支出)

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に配当金の支払額が3,540百万円となったことにより3,835百万円の支出となりました。(前事業年度は1,698百万円の支出)

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性

当社の主な資金需要につきましては、製品製造に使用される原材料の調達、商品の仕入れ、営業活動で使用される財・サービス等の運転資金のほか、設備投資、持続的成長の実現に向けた新規導入品の獲得、JTとの共同開発等の戦略的投資、配当金の支払いであり、これらの必要資金は自己資金で賄っております。また、資金の流動性につきましては、運転資金、一定の戦略的投資に備えられる現預金等の流動性資産を確保しております。

なお、有価証券報告書提出日(2024年3月27日)現在における重要な資本的支出の予定はありません。

 

(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因を考慮して見積りを行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。詳細については、「第5 経理の状況 1財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)、(重要な会計上の見積り)」に記載しております。