人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数39名(単体)
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平均年齢37.9歳(単体)
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平均勤続年数2.2年(単体)
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平均年収8,325,000円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 提出会社の状況
(注) 1.従業員数は、就業人員数であります。なお、臨時雇用者数(派遣社員)は、年間平均雇用人員を〔 〕内に外数で記載しております。
2.平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。
3.当社は、セグメントごとの経営組織体系を有しておらず、同一の従業員が複数の事業に従事しております。
4.全社として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
5.前事業年度末に比較して従業員数が6名増加しております。主な理由は、体制強化に向けた人材採用によるものであります。
(2) 労働組合の状況
当社の労働組合は、結成されておりませんが、労使関係は円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) サステナビリティ全般
①ガバナンス及びリスク管理
当社は、「ICTの活用によって持続可能な医療(Sustainable Medicine)を社会に提供し続けること」をミッションに掲げており、当社の事業活動そのものを通じて社会の持続可能性の向上と当社の企業価値向上の両立に努めております。
当該ミッションを達成するためのガバナンス体制として、当社では、取締役会を中心に、ミッションや経営戦略との関連性を踏まえ、サステナビリティに関する重要課題や方針、具体的な対策等について議論を行っており、経営と一体となった、実効性のあるサステナビリティ活動を推進しております。なお、具体的な施策については、取締役会での議論をもとに、社内の関係部署において社内横断的に取り組んでおります。
また、サステナビリティに関する重要課題に関する各種リスクについては、リスク及び機会の識別及び評価を行い、その管理方法について検討の上、関係部署と連携し、対応することとしております。具体的には、原則として3ヶ月に1度の頻度でリスク管理委員会を開催し、リスク評価とモニタリング、リスクの見直しを実施し、その内容について取締役会へ報告を行なっております。取締役会は、サステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有していることから、リスク管理委員会から報告のあった内容を含め、当社のサステナビリティに関するリスク及び機会への対応方針及び実行計画等についての討議・監督を行なっております。なお、具体的なリスクの内容、管理体制は「3 事業等のリスク」をご参照ください。
また、具体的なガバナンス体制及びリスク管理体制については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。
②戦略、指標及び目標
当社ではサステナビリティに関する重要課題を選定するとともに、それぞれに対する戦略を策定し、サステナビリティ活動に取り組んでおります。社会の持続可能性の向上と当社の企業価値向上を一体と考える当社では、これらの重要課題に適切に対応する戦略を定め、取り組んでいくことが、ひいては当社の企業価値向上にも寄与するものと考えております。
当社のサステナビリティに関する重要課題については、上記のガバナンス及びリスク管理を通じて以下のプロセスにより検討を行っております。
(特定のプロセス)
ステップ1 SASBやGRIなどが公表している各種指標やSDGs、ESG評価機関などの評価手法を参考に、当社の事業内容、経営計画を勘案の上、当社と関係するサステナビリティの課題項目を抽出(課題の抽出)
ステップ2 取締役会において、ステークホルダーにとっての重要度と、当社のミッションや経営戦略との関連性など当社にとっての重要度の両観点から、その妥当性や網羅性を議論(抽出した課題の評価)
ステップ3 上記議論を踏まえ、重要課題及びその具体的な実施策を検討(重要課題の特定)
ステップ4 取締役会での審議、承認を経て決定(重要課題の決定)
上記プロセスを経て、当社では、サステナビリティに係るマテリアリティ及び当該マテリアリティに対する戦略の概要を以下のとおり確定しております。特定・整理を行った重要課題については、当社のサステナビリティ活動の基本とし、当該重要課題の解決に向けた具体的な取り組みを推進しております。
サステナビリティに関する重要課題は当社の事業進捗や事業を取り巻く環境の変化に応じて、定期的に見直しを実施していきます。
(2)環境及び社会への貢献に関する考え方及び取組
①取り組みの説明
当社は、治療用アプリの研究開発、汎用臨床試験システムの普及を通じて、日本医療が抱える社会課題を解決し、持続的な医療の実現を目指しており、当社事業の推進そのものがサステナビリティに資すると考えております。
a 環境への貢献
治療用アプリは、その特性上、製造工場の稼働や流通過程における温室効果ガスの排出、水資源の利用・汚染、開発・検査機材等の産業廃棄物の発生、不要となった原材料・包装材の廃棄等の開発、製造の過程で一般的に発生が予想される環境負荷が発生せず、社会全体の環境負荷の低減に貢献します。
b 医療課題解決のための製品・サービスの提供
(a)医療費の増加
現在我が国では、医薬品や医療機器の開発コストが高騰し、それに伴い高額な薬価が設定されることで医療費が増加する傾向にあります。さらに、適切な治療法が十分に普及していない疾患については、治療の選択肢が限定されるため、結果的に治療期間の長期化等を招き、医療費の増加傾向を加速させる一因となっております。
一般的に有体物である医薬品や医療機器では、非臨床試験として、人体への投与・使用の可否判断を目的とした動物実験等の生物医学的試験の実施が必要となりますが、治療用アプリでは、それらが省略できるため、開発期間の短縮、開発コストの圧縮等が可能となり、また、医療機器製造販売承認後の製造過程においても、治療用アプリではソフトウェア自体が製品となるため、製造設備が不要となり、それに伴い工程管理や品質管理等が容易となるなど、通常の医薬品や医療機器に比べて、開発・製造の各プロセスにわたって発生し得る各種リスクを低減することで医療費の適正化を図ります。また、新たな治療選択肢を医療現場に提供することで、処方の適正化とそれによる治療期間の短縮により、増加する医療費の抑制に貢献します。
また、当社のブロックチェーン技術を実装した汎用臨床試験システム『SUSMED SourceDataSync®』は、モニタリング業務の工数と費用を削減することで、開発コストの圧縮を実現し、医療費の抑制に寄与します。
(b) アンメットメディカルニーズ
現在、我が国の医療現場におけるアンメットメディカルニーズについては、有効な医薬品・医療機器が存在せず、患者に対して必要な治療を十分に提供できていないばかりか、その対応を現場の医師に依存する状況が続いており、社会問題となっている医師の長時間労働を加速させる一因ともなっています。当社が開発を進める治療用アプリは、治療効果が実証されているにも関わらず患者に十分行き届いていない治療の提供を可能とするとともに、医師の長時間労働に依存する現状の見直しを図り、医師の働き方改革に貢献することで、医療現場におけるアンメットメディカルニーズの解消を図り、持続性のある医療提供体制の構築に寄与するものです。
なお、具体的な当社パイプラインの内容や進捗状況については「第1 企業の概況 3 事業の内容(3)具体的な製品またはサービスの特徴①「DTxプロダクト事業」セグメント」をご参照ください。
(c) ドラッグ・ラグ、ドラッグ・ロス
国内の未承認薬数は、年々増加傾向にあり、このようなドラッグ・ラグ、ドラッグ・ロスの問題は、現在深刻な社会問題とされ、その対応は喫緊の課題となっております。2023年12月には、内閣府において「創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議」が設置され、ドラッグ・ロスの発生や医薬品の安定供給等の課題について検討が進められているところです。このようなドラッグ・ラグ、ドラッグ・ロスの原因の一つとして医薬品や医療機器開発に要する膨大な時間と多額の開発コストが挙げられるところ、当社のブロックチェーン技術を実装した汎用臨床試験システム『SUSMED SourceDataSync®』は、臨床試験のモニタリング業務の工数と費用の大幅な削減を実現し、医薬品や医療機器の開発コストを圧縮することで、ドラッグ・ラグ、ドラッグ・ロスの改善に寄与します。
(d)医療データの利活用
医療データは社会保障政策、創薬、医療機器開発、その他の健康・医療ビジネス等、幅広い分野での利活用が期待される一方で、品質が担保された医療データであることの重要性も指摘されており、医療分野での使用に耐えられる品質水準の確保が課題となっております。汎用臨床試験システム『SUSMED SourceDataSync®』に実装されている当社のブロックチェーン技術は、高度な耐改竄性を有していることから、臨床試験への導入によりデータの改竄を防止することに加え、販売後においてもデータクオリティが担保されたレジストリの構築を可能とすることで、幅広い分野で利活用できる高い品質が担保されたデータを提供します。
(3) 人的資本に関する考え方及び取組
①戦略
当社は、医療現場におけるニーズとIT技術を有機的に組み合わせ、新しい医療をつくり、持続可能な医療(Sustainable Medicine)を実現することをミッションとしております。そのためには、医療を中心とした社会課題の解決に強い関心を持つ様々な分野のプロフェッショナルが協力し、一人ひとりが本来有している専門性を更に高めながら研究開発・事業化を推進していける環境の整備及び高い専門性を有した社員の貢献に報いるための制度の構築が重要だと考えております。
当社は、以下に示す5つの「行動指針」を定め、採用基準の1つとするとともに、これらの価値観に基づく環境整備、制度構築に取り組んでおります。
②指標及び目標
当社では、以下の3点を上記の戦略への取組における重点項目として、その状況を定量・定性両面の複数の指標で測定、評価しております。
a 社員の成長と活躍推進
b 多様な人材の活躍(多様な働き方)
c 社員の健康と安全
a 社員の成長と活躍推進
当社は、研究開発型の企業として、学会等での講演や論文発表、知的財産権の創出などを積極的に行っており、「本質的な成果にこだわる」「成長を楽しむ」という行動指針に示されているように、社員に対しても、職務発明規程を定め、研究開発の実施、研究成果の公表、知的財産権の出願等を推奨しております。
また、社員自身のスキルを高めることができる機会として副業を許可しており、当事業年度は、短期のものも含めて延べ7件の副業が行われました。副業に関する定量的な目標は設定しておりませんが、今後も社員のスキル獲得のための副業が可能となるような環境の整備を進めてまいります。
b 多様な人材の活躍(多様な働き方)
当社は、より良い医療の実現のため、様々な分野のプロフェッショナルが協力し、研究開発・事業化を推進しています。医師、薬剤師、看護師、弁護士などの国家資格保有者、医学、薬学、物理学などの博士号保有者といったプロフェッショナル人材がサスメドのビジネスを支えています。
また、「プロフェッショナルとして尊重する」という行動指針を定め、上記の資格や学位の有無にかかわらず、異なる経験や専門性を持つメンバーがお互いにその多様性を認め、尊重し合う企業文化の醸成に取り組んでおります。
その一環として、働き方の多様性を確保するために、リモートワークと出社のハイブリット勤務、コアタイムのないフルフレックスタイム制度等を導入しております。働き方に関する指標は以下のとおりです。
休暇取得がネガティブに働くことがないカルチャーや、社員同士が互いを尊重し、良好な関係を築くことができる環境を醸成してきていることから、全社員の年休の取得率は81.8%に向上しました。また上記指標以外で、男性社員の育児休暇取得が3件ありました。
引き続き、社員のライフステージの変化や組織体制の変更を視野に入れ、更に多様な働き方を可能とする環境を目指した制度づくりを推進します。
c 社員の健康と安全
医療分野で事業を行う企業として、まず働く社員が健康であることが重要と考えており、健康診断や健康増進イベントの参加率向上など、身近な取組から社員の健康対策を推進しています。また、現時点で導入義務はありませんが、ストレスチェックもすでに開始しており、社員のメンタル面での健康や安全のサポートを行っております。健康診断受診率、ストレスチェック受検率はともに前年同様100%です。
少数精鋭の組織体制のため社員数は多くありませんが、採用による体制強化を継続的に進めており、社員1人あたりの平均所定外労働時間は9時間28分/月と、効率良く安定した勤務環境の整備に留意しております。
以上の重点項目への取り組みの結果、今期実施したエンゲージメントサーベイでは、エンゲージメント率を示すeNPS®※(employee Net Promoter Score®)は-8.82でした。定着率は80%程度を目標とする中、前回の79.2%から、83.3%に向上しました。
さらなる人員の拡充を見据えて、新入社員の受け入れ体制の整備にも取り組んでまいりました。特に、オンボーディングに力を入れ、社内業務を知るための各リーダーによる部署間キャッチアップ勉強会の開催、部署を跨いだ交流会など、定期的に全社でフォローアップするプログラムを導入しました。また、新入社員1名に対し1名以上のメンターをアサインし、試用期間中の目標設定とフィードバックを行うことで、コミュニケーションの機会が増加しています。このような配属先と新入社員の相互理解のための取り組みは、定着率の向上につながった理由の一つと考えております。
また、社員の貢献に報いるための制度として、評価制度に準じたストック・オプション制度を設けています。ミッションの実現および、中長期的な業績や企業価値の向上を社員一丸となって目指していきたいというメッセージを元に設計し、半期毎の評価に基づいたストック・オプションを定期的に発行しております。
今後も、優秀な人材の定着や活躍を目的とした組織運営を行ってまいります。
※NPS及びNet Promoter Scoreは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標です。
(4)コーポレート・ガバナンスに関する考え方及び取組
当社では、以下の4点を上記の戦略への取組における重点項目として、その状況を定量・定性両面の複数の指標で測定、評価しております。
a コーポレート・ガバナンス
b コンプライアンス(企業倫理・腐敗防止)
c リスクマネジメント(BCP管理・情報セキュリティ)
d 知的財産の活用及び創出環境の強化
a コーポレート・ガバナンス
当社は、実効性のあるコーポレート・ガバナンスがサステナビリティの実現に不可欠と考え、適正なコーポレート・ガバナンス体制を整備することで、経営の健全性及び透明性、効率性の確保と充実に努めております。具体的には、取締役会(毎月)、監査役会(毎月)、ガバナンス委員会(年2回以上)を定期的に開催するとともに、内部監査によりガバナンス・プロセスの評価を行っております。各会議及び内部監査の状況については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。
b コンプライアンス(企業倫理・腐敗防止)
サステナビリティの実現には公正で透明性の高い事業運営と各従業員の高い倫理観を維持・強化していくことが不可欠と考えます。当社におけるコンプライアンスを徹底させるため、定期的なコンプライアンス推進委員会の開催のほか、役職員向けの情報発信・全社勉強会の実施・理解度の測定と評価といった取り組みを通じて、当社の役職員におけるコンプライアンス意識の向上に努めております。このようなコンプライアンスに対する考え方を踏まえ、当社では、重大なコンプライアンス違反0件の達成を本取り組みの指標として掲げております。
c リスクマネジメント(BCP管理・情報セキュリティ)
当社は、大規模地震、風水害、感染症の流行など将来の不確実性に対し、事業継続に向けた対策を継続的に実施する観点から、「事業継続計画(BCP)」の作成・定期的な見直しを行い、事業に関わる様々なリスクの顕在化の防止、影響の最小化を図っております。また、実効的な「事業継続計画(BCP)」とするため、全社での定期的なBCP訓練を実施しております。
また、当社の事業においては、情報の喪失、改ざん、外部への漏洩等を未然に防ぐことが不可欠であると考え、ISMS(ISO27001)認証を取得・維持し、継続的な情報セキュリティマネジメント体制の構築、定期的なリスク分析・評価及びモニタリングによるリスク低減を図っております。またISMS認証の規格に基づく研修及びテストを年に一度、全社員を対象に実施し、社員の情報セキュリティへの意識と知識の向上に取り組んでいます。このようなリスクマネジメントに対する考え方を踏まえ、当社では、年1回以上のBCP更新と社内訓練の実施及びISMS認証の維持を本取り組みの指標として掲げています。
d 知的財産の活用及び創出環境の強化
研究開発を通じて創出する知的財産は当社の競争力の源泉であり、重要な経営資産です。そのため当社では創出した知的財産を適切に保護・管理するとともに、知的財産の創出環境を強化するため、従業員が業務の中で知的財産の創出及び活用を意識できる環境作りを目指しております。このような環境作りの一環として、当社では、知的財産に関する従業員教育を継続的に実施しております。
さらに、当社では、学術研究機関・製薬企業とも連携を強化の上、当社が培ってきたノウハウを有効活用し、継続的な研究開発に取り組むことで、知的財産の創出環境の強化と当社が保有する知的財産の活用を推進しております。