2023年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

ファンビジネスプラットフォーム事業 デジタルマーケティング事業
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
ファンビジネスプラットフォーム事業 2,724 71.6 -337 61.9 -12.4
デジタルマーケティング事業 1,082 28.4 -207 38.1 -19.1

事業内容

3【事業の内容】

当社は、一般ユーザー向けのファンコミュニティプラットフォーム「Fanicon」の提供を行う「ファンビジネスプラットフォーム事業」及びクライアント企業向けにインフルエンサーを用いたマーケティング施策支援やデジタル広告コンサルティングを行う「デジタルマーケティング事業」を展開しております。

当社は、「“できっこない”に挑み続ける」ことを掲げ、インフルエンサーセールスやデジタル広告、ファンコミュニティビジネスに限定することなく、テクノロジーの力を最大限に活かして、公序良俗に反することなく“できっこない”に立ち向かい、挑戦し続ける企業・組織・人を目指します。

「Fanicon」は2017年12月の提供開始以降、インフルエンサーだけでなく、アーティストや著名人の方々に幅広く利用いただき、ファンコミュニティだけでなく、EC、チケットなどを統合して扱えるファンビジネスプラットフォーム事業へと拡大してまいりました。

また、当事業年度より、従来「Fanicon事業」としていたセグメント名称を「ファンビジネスプラットフォーム事業」に、「法人セールス事業」としていたセグメント名称を「デジタルマーケティング事業」に変更しております。当該セグメントの名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。

 

各事業の詳細は以下のとおりです。

(1)ファンビジネスプラットフォーム事業

当事業は、ファンコミュニティプラットフォーム「Fanicon」の提供及び運営管理を行っております。

「Fanicon」はアーティスト、インフルエンサー、タレント等(ファンコミュニティのオーナーであり、ファンの熱量の対象となるもので、以下「アイコン」という。)とそのファンが集い、アイコンとしての「価値」を提供したいアイコン側のニーズと、アイコンや共通の目的を持ったファンと「つながりたい」というファン側のニーズをマッチングさせるプラットフォームであります。「Fanicon」は従来のアイコン側(所属事務所も含む)からの一方通行のコミュニケーションがメインのファンクラブとは異なり、ファンコミュニティのオーナーであるアイコンと、そのファンコミュニティに属するファンが一緒になってコミュニティを盛り上げ、ファンコミュニティを通じて共感したファン同士も繋がり、アイコンとファン、ファンとファンが双方向でコミュニケーションを可能にしたアイコンとファンのためのサービスです。ファンビジネスプラットフォーム事業のSAM(ファンクラブ市場規模)は1.6兆、TAM(ファンクラブ市場規模を含むエンタメビジネス市場規模)は4.2兆とそれぞれ推定しており、今後も拡大余地のある広大なマーケットポテンシャルがあると当社は考えております。

「Fanicon」はセルフサインアップ型のサービスで、アイコンやアイコンの所属事務所がコミュニティの運営やコンテンツの提供などを独自に行っておりますが、当社はカスタマーサクセスチームを設置し、アイコンにファンの熱量を維持するために有効な機能の使用方法や、ファンに喜んでもらえるコミュニティ作りをコンサルティングサポートしております。現在、国内においてはインフルエンサーやタレントだけでなく、アーティストや俳優、スポーツ選手といった幅広いジャンルのファンコミュニティが存在しており、また韓国でもいくつかのアイコンがコミュニティを開設しております。

 

 

「Fanicon」の主な機能は、以下となります。

・「シーン投稿」や「ライブ配信」といった「Fanicon」限定の情報発信

「シーン投稿」は、オープンなSNSでは見ることのできない特別な画像・映像をコメント付きでアイコンが投稿する、タイムライン投稿です。アイコンが近況やつぶやき等を投稿することで、クローズドなコミュニティの中で普段他のSNSでは聞けないような本音や、アイコンのプライベートな素顔を見ることができます。

「ライブ配信」は、アイコンがスマートフォンやPC等を使用し、カメラを使用した映像LIVE配信と、音声のみを使用したRADIO配信の2つから配信方法を選択することができます。

・「1on1チャット」や「グループチャット」

アイコンとファンが1対1でチャットできる「1on1チャット」やアイコンと複数のファン又はファン同士がチャットできる「グループチャット」の機能を提供しております。当社はアイコンに有効な機能の使用方法を伝授することで、よりファンに喜んでもらえるコミュニティ作りをサポートしております。

・「スクラッチくじ」

ファニポイント(アプリ内課金にて購入することで様々な機能の対価として使用できる。)を使用することでスクラッチくじをすることができ、くじに当たればアイコンの限定グッズなどを入手することができます。当社の業務は、スクラッチくじの企画提案、スクラッチくじ実施までのサポート、景品発送の補助を行っています。

・「EC(Eコマース)機能」

当社はプラットフォーム型(SaaS)をアイコンに対して提供しており、その開発・運用を行っております。2023年6月にFaniconプラットフォーム上でデザインを制作・販売登録ができ、ユーザーが購入したタイミングで生産工場に制作・配送指示が行われるオンデマンド製造(無在庫)をリリースいたしました。

・「チケッティング」

アイコンが出演するライブや舞台などのチケットを購入できるサービスを提供しております。当社はアイコンがアプリ内でチケット販売を行うための販売機能の提供等を行っております。

・「音楽配信等のイベント」

当社はスタジオを所有しており、スタジオには照明、カメラ、映像などの設備を完備しているため、音楽配信やミュージックビデオ撮影など様々な用途に利用することが可能となっております。

アイコンになることでスタジオ及び最新の機材を無料で利用できます。ファンがアイコンとの距離をより身近に感じることのできるインフラを当社は整えております。

 

当事業の収益構造としては、サブスクリプション型の月額料金及び購入されたファニポイントの利用分の売上を収益として認識しております。なお、クレジットカード決済に対応しており、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月といった期間設定(期間に応じて割引率が異なる)で前払いによる月額料金の一括支払いにも対応しております。

その他収益が生じる機能として、以下の機能があります。

・EC(Eコマース)機能では、当社が販売したグッズ等の販売額に応じ、一定の販売手数料を受領しております。

・チケッティングでは、当社が販売したチケットの販売金額に応じた一定の管理手数料を受領しております。

 

(2)デジタルマーケティング事業

当事業は、クライアント企業に対し、インフルエンサーを用いたマーケティング施策の実施支援及びデジタルマーケティングに関する支援を行っております。

インフルエンサーとは「influence」(影響、感化、効果作用の意)を語源とする言葉で、YouTube、X(旧Twitter)、TikTok、InstagramといったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)において、他者の購買行動に強い影響力を及ぼす者を指します。インフルエンサーを用いたマーケティング施策とは、クライアント企業の製品やサービスをインフルエンサーが制作する動画等を通じてプロモーションする手法となり、インフルエンサーを用いたマーケティング施策は、インフルエンサーの持つ属性(コスメ系、ゲーム系など)によってフォロワー(インフルエンサーのファン)にターゲティングしやすく、クライアント企業の商品のブランディングや認知度向上、購買意欲の向上を効率的に行うことが期待できるため、その手法の活用に対するニーズが高まっております。

デジタルマーケティングとは、形式を問わず、ウェブ上で行われる広告活動やマーケティングを指し、自社のブランド、製品・サービス等に関するメッセージを潜在的な顧客に広めることを目的としております。

 

当事業では、クライアント企業や広告代理店からプロモーションの依頼を受けて、最適なインフルエンサーの提案・選定及び施策内容の企画立案を行い、インフルエンサーが作成するクリエイティブ(制作物)の進捗や内容確認を実施して、インフルエンサー自身のSNSへの投稿を支援しております。特に当社が強みとしているのがデータを活用した提案であり、特定のメディアを持たず、またあらゆる分野をカバーする膨大なインフルエンサーネットワークを用いることで、クライアントの課題に寄り添った最適なソリューションを提供しております。

当事業の収益は、主にクライアント企業並びに広告代理店より、契約に基づき収受する出稿料となります。

 

(事業系統図)

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当事業年度末におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限や海外渡航制限が解除されたことから個人の消費活動や企業による設備投資を中心に経済活動は持ち直しの方向にむかっております。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化、パレスチナ自治区ガザでの紛争、原材料価格の高騰及び円安の進行、海外景気の下振れなど、世界情勢は依然として不透明な状況が続いております。

一方で当社を取り巻く音楽・エンターテインメント業界は、ストリーミング配信などを発端とするデジタル化へのシフトが進み業界構造の変革が進みつつあります。また、サブスクリプションサービスやライブ配信サービスの発達を背景に、アーティストや著名人が配信プラットフォームサービスを活用し、グローバルに向けてのコンテンツ提供が可能となってきました。また、ライブ・イベント市場については、ぴあ総研が毎年行っているライブ・エンタテインメント市場の調査結果によると、アフターコロナの状況においてファンやユーザーの行動変容が見られ、コロナ禍で抑制された供給・需要の双方における反動増が、市場回復を促しました。

 

このような環境のもと、当社は「“できっこない”に挑み続ける」を掲げ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)全盛期の現在、1対Nの時代から大きく変化した、N対Nの潮流をとらえ、Fan(ファン)+Icon(アイコン)(注)を起源とした完全会員制、完全有料制のファンコミュニティプラットフォーム「Fanicon(ファニコン)」を提供するファンビジネスプラットフォーム事業と、祖業であるデジタルマーケティング事業の2つの事業を展開しております。

(注)アーティスト、インフルエンサー、タレント等、ファンコミュニティのオーナーであり、ファンの熱量の対象となるもの

 

ファンビジネスプラットフォーム事業の市場環境としては、株式会社矢野経済研究所の調査「ファンコミュニティビジネス2022」によると、月額課金型オンラインコミュニティプラットフォームサービス市場規模(会員費取扱高ベース)は、2020年度は24,800百万円(実績)、2021年度は41,500百万円(見込)(前期比167.3%)、2022年度は58,000百万円(前期比139.8%)と予測されております。

ここ数年、エンターテインメント業界は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、オフラインでの活動を制限されたアーティストやクリエイター等が、新たな活動の場としてオンラインによる活動を求める機会が増加しました。それに呼応するようにデジタル化した配信プラットフォームが多数出現し、アーティストやクリエイター等が、そのプラットフォームを活用し自らの情報発信を一元管理することが可能になりつつあります。加えて、当社が提供するプラットフォーム「Fanicon」が進化することで、アーティストやクリエイターとファンの間のコミュニケーションの促進・発展が進んでいます。その結果、マネタイズの機会が増えたことも影響し、市場成長が継続しております。

また、当社が想定するファンクラブの市場規模(SAM:Service Available Market)は約1兆6,000億円であり、これは、総務省の「人口推計」と、矢野経済研究所が実施したインターネットアンケート調査「ファンの消費行動」に基づく1人当たりの消費額と潜在層を含めたファン数を基に、当社が想定するファンクラブ市場規模を算定したものであります。

また、デジタルマーケティング事業の市場環境としては、株式会社電通が発表した「2023年日本の広告費」によると、2023年のインターネット広告市場は前年比107.8%の3兆3,330億円と堅調に増加を示し、その中で総広告費に占める媒体構成比は前年比2ポイント増の45.5%に達しています。当社としては今後も同市場は堅調に推移すると予想しております。また、サイバー・バズ/デジタルインファクト調べによる「国内インフルエンサーマーケティングの市場規模推計・予測 2020年-2027年」によると、2023年の国内インフルエンサーマーケティング市場は前年比120.5%の741億円が推計されており、2020年は332億円だったことから、ここ数年で大幅に市場規模が拡大しております。

 

両事業を合わせた市場規模(TAM:Total Addressable Market)は約6兆8,000億円と試算しており、その内訳は、当社想定のファンクラブ市場規模1兆6,000億円(上述)、ライブ・エンターテインメント市場6,295億円(ライブ・エンターテインメント白書より当社推計。ライブ・エンターテインメント市場規模=音楽コンサートとステージでのパフォーマンスイベントのチケット推計販売額合計と定義)、デジタルコンテンツ市場2兆384億円(経済産業省「コンテンツの世界市場・日本市場の外観」2019年度市場規模より推計。1$=100円で試算。音楽(音楽ダウンロード、音楽ストリーミング、広告)、広告)映像(動画配信(SVOD)、動画配信(TVOD) 、VRビデオ、広告(動画共有サイト等)、ゲーム(コンソールゲーム、/PCゲーム(ダウンロード)、モバイルゲーム、VRアプリ、VRゲーム、広告)のデジタルコンテンツ市場の合計と定義)、日本のインターネット広告媒体費2兆6,870億円(株式会社電通「2023年日本の広告費」のインターネット広告媒体費を参照)となっています。

a ファンビジネスプラットフォーム事業

ファンビジネスプラットフォーム事業は、ファンコミュニティプラットフォーム「Fanicon」の提供及び運営管理を行っております。

「Fanicon」はアイコンとそのファンが集い、アイコンとしての「価値」を提供したいアイコン側のニーズと、アイコンと「つながりたい」というファン側のニーズをマッチングさせるプラットフォームです。また、従来のファンクラブとは異なり、ファンコミュニティのオーナーであるアイコンと、そこに属するファンが共にコミュニティを盛り上げ、共感したファン同士も繋がることが可能なネットワーク効果のある、アイコンとファンのためのサービスです。

Faniconの会員(ファン)はすべて有料会員となっており、ファンビジネスプラットフォーム事業の売上高は、会員より受領するサブスクリプションフィーを売上高として計上するストック型のビジネスモデルとなっています。また、昨今はポイント課金型の売上高も伸びており、安定的、継続的な収入を見込んでおります。

会員数を安定的に成長させるためには、新規アイコンの獲得が不可欠です。新規アイコンを獲得するための営業活動は専属チームが継続的に実施しておりますが、一部大型アイコンの獲得に関しては、パートナー企業等の協力を得ており、その結果、コミュニティ開設数は堅調に成長を続けております。

また、アイコンの解約率は、アイコンに対する季節や個人イベントに応じた施策の提案やファン体験の価値を高めるカスタマーサクセスの実施により、前事業年度に引き続き低水準で推移しております。

以上の結果、当事業の売上高は2,724,485千円(前年対比11.6%増加)、セグメント損失は337,099千円(前年同期はセグメント損失345,012千円)となりました。

 

b デジタルマーケティング事業

デジタルマーケティング事業においては、従業員の不祥事により業績と信用力が落ちたものの、下期に入り着実な回復が見られています。マーケティングやインサイドセールスの取組みを強化し、従業員の倫理と透明性に焦点を当てることで、既存案件の継続的な受注に留まらず、国内外の顧客との新規案件も増加しました。

この結果、当事業の売上高は1,082,110千円であり、前年対比で41.1%減少しました。また、セグメント損失は207,084千円となり、前年対比で損失に転じる結果となりました。不祥事の影響を受けながらも、従業員の改善策やマネジメントの強化により、信頼回復と業績の向上が着実に進んでいます。今後も組織全体での努力と改善を続け、再び安定的な発展を目指してまいります。

 

以上の結果、当事業年度末の売上高は3,806,595千円(前年対比11.1%減少)、営業損失は544,183千円(前事業年度末は営業損失212,572千円)、経常損失は553,866千円(前事業年度末は経常損失210,452千円)、当期純損失は764,260千円(前事業年度末は当期純損失488,468千円)となりました。

 

② 財政状態の状況

(流動資産)

当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べ614,833千円減少し、2,009,048千円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少324,631千円、売上高の減少に伴う売掛金の減少269,186千円であります。

(固定資産)

当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べ22,333千円減少し、358,180千円となりました。主な要因は、建物の減価償却費17,020千円であります。

(流動負債)

当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べ149,921千円増加し、1,859,766千円となりました。主な要因は、買掛金の増加127,650千円、賞与引当金の増加1,335千円であります。

(固定負債)

当事業年度末における固定負債は、前事業年度末に比べ21,585千円減少し、83,970千円となりました。主な要因は、リース債務の流動への振替及びリース債務の返済4,548千円、1年内返済予定の長期借入金への振替及び長期借入金の返済16,800千円であります。

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ765,503千円減少し、423,492千円となりました。主な要因は、当期純損失を764,260千円計上したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は1,508,130千円(前事業年度比324,631千円減少)となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は267,438千円(前事業年度は188,655千円の収入)となりました。これは主にファンビジネスプラットフォーム事業におけるファン数の増加等に伴う前受金の増加額179,554千円、売上債権の減少額279,014千円、仕入債務の増加額127,650千円、未払金の減少額90,294千円、税引前当期純損失の計上757,533千円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は28,089千円(前事業年度は344,906千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出22,698千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は29,103千円(前事業年度は55,922千円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出24,960千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b 受注実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

ファンビジネスプラットフォーム事業

2,724,485

11.6

デジタルマーケティング事業

1,082,110

△41.1

合計

3,806,595

△11.1

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に不確実性がある場合、作成時に入手可能な情報に基づいて、その合理的な金額を算出するために見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

当社の財務諸表作成のための会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。

また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a 財政状態

財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。

 

b 経営成績

(売上高)

当事業年度における売上高は、3,806,595千円(前年同期比11.1%減少)となりました。

セグメントごとの状況及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(ファンビジネスプラットフォーム事業)

ファンビジネスプラットフォーム事業においては、サービス開始以来の地道なマーケティング及び営業活動の結果、順調にアイコンの獲得が進み、2023年12月末時点において、アイコン数は2,866(前事業年度末は2,474)、ファン数(有料課金ユーザー数)は275,844(前事業年度末は211,821)となりました。新規開設コミュニティにおいて、月額500円前後の通常サービス機能を利用できるプランに加え、プレミアムサービスがついた高価格料金プランの2種類の価格プランを設定し、サブスク料金の月額単価向上を図りつつ、サブスク外売上においてもポイント購入だけでなく季節的なイベント等の施策が牽引し、当事業の売上増加に繋がっております。

この結果、売上高は2,724,485千円(前年同期比11.6%増加)と伸長いたしました。

 

(デジタルマーケティング事業)

デジタルマーケティング事業においては、従業員の不祥事により業績と信用力が落ちたものの、下期に入り着実な回復が見られています。マーケティングやインサイドセールスの取組みを強化し、従業員の倫理と透明性に焦点を当てることで、既存案件の継続的な受注に留まらず、国内外の顧客との新規案件も増加しました。

この結果、当事業の売上高は1,082,110千円であり、前年対比で41.1%減少しました。

 

(売上原価、売上総利益)

デジタルマーケティング事業での売上高減少に伴う原価の減少により、売上原価は2,298,883千円(前事業年度比11.9%減)となりました。この結果、売上総利益は1,507,712千円(前事業年度比9.8%減)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業損失)

販売費及び一般管理費は2,051,896千円(前事業年度比8.9%増)となりました。主な要因としては、人員拡大に伴い人件費が増加したこと、オフィス移転に伴い賃料が増加したことにより、この結果、営業損失は544,183千円(前事業年度は営業損失212,572千円)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常損失)

営業外収益は役員報酬返納額により3,058千円(前事業年度比6.5%減)、営業外費用は貸倒引当金繰入額により12,741千円(前事業年度比1,007.1%増)となり、この結果、経常損失は553,866千円(前事業年度は経常損失210,452千円)となりました。

(特別利益、特別損失、当期純損失)

特別利益は新株予約権戻入益により1,573千円、特別損失は不正発注に関する調査費用により205,240千円(前事業年度21.1%減)となり、その結果、税引前当期純損失は757,533千円(前事業年度は税引前当期純損失470,574千円)となりました。

法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額を加減した、当期純損失は764,260千円(前事業年度は当期純損失488,468千円)となりました。

 

c キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。

 

d 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について

経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標(以下KPIと呼ぶ。KPIは、Key Performance Indicatorの略称であり、重要業績指標を意味する)については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。注力事業であるファンビジネスプラットフォーム事業のKPIの推移は以下のとおりとなっており、当事業の成長が当社全体の成長ドライバーとなっていることから、当該KPIの進捗を週次ベースで注視し、経営上の目標達成状況を判断しております。

KPIのひとつであるアイコン数はローンチ以来の地道な営業活動を通じ、下記のとおり順調に増加しており、その結果ファン数も順調に増加しております。

 

アイコン数

ファン数

(有料課金ユーザー数)

2023年12月期第1四半期

2,472

225,427

2023年12月期第2四半期

2,608

233,910

2023年12月期第3四半期

2,748

256,508

2023年12月期第4四半期

2,866

275,844

 

デジタルマーケティング事業においては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、インフルエンサーセールス事業の取扱件数及び案件単価を重要な経営指標としております。当該指標の推移は以下のとおりであります。

 

インフルエンサーセールス事業

取扱件数

インフルエンサーセールス事業

案件単価

(千円)

2023年12月期第1四半期

115

2,677

2023年12月期第2四半期

122

1,717

2023年12月期第3四半期

147

1,466

2023年12月期第4四半期

152

1,657

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社は、当社の資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資金及び必要に応じて銀行からの借入金を基本としており、借入実績もあることから、過去借入実行した金額の範囲は可能と考えております。運転資金需要のうち主なものは、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの必要な資金については、必要に応じて多様な資金調達を実施してまいります。