リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの経営成績、株価ならびに財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、下記記載のリスク項目は当社事業に関するすべてのリスクを網羅したものではありません。また、本項における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 海外売上高と為替相場の変動及び税金について 影響度:大、発生可能性:中、発生時期:特定時期なし
当社グループの最近2連結会計年度における海外売上比率は、前連結会計年度96.1%、当連結会計年度96.3%となっており、当社グループの業績は為替変動の影響を受けると共に、連結財務諸表作成において在外子会社の貸借対照表及び損益計算書は円換算されるため、為替相場の変動の影響を受けます。当社グループは、デリバティブを活用したヘッジ取引により為替相場の変動を軽減する対策を講じてはおりますが、為替レートが急激に変動した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、販売単価の見直しや受注の増減に伴って移転価格税制等の国際税務リスクがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定の仕入先からの仕入割合が高いことについて 影響度:中、発生可能性:中、発生時期:特定時期なし
当社グループは、原材料である基布や樹脂等を特定の仕入先に依存している場合があります。当社グループではこうした特定仕入先との関係を密接に保ちながら、安定的な調達に努めております。需要の急増による原材料不足や天災地変、品質問題、特定仕入先の政策変更や倒産・経営破綻・合併等により調達に重大な支障をきたした場合や仕入価格が高騰した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 製品開発について 影響度:中、発生可能性:低、発生時期:短期
当社グループは、研究開発による新製品の開発や顧客要求への対応等が常に求められております。そのため、当社グループの収益の変動にかかわらず、製品開発のための投資を常に継続する必要があります。その一方で、開発された高品質・高付加価値製品より、アジア圏の各メーカーが当社グループの製品と同様な品質で、より安い価格の製品を安定供給するようになった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 製品における欠陥の発生 影響度:中、発生可能性:中、発生時期:特定時期なし
当社グループの製品については、確立された品質管理体制により高機能・高品質を備えたポリウレタンレザーを市場に供給しております。しかしながら、製品に欠陥が発生したことにより顧客から賠償費用等の多額のコストが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、協力企業に生産を委託した場合も当社グループの製品と同程度の品質が要求されるため、技術指導や検査体制を増強し、上記リスクを回避する必要があります。
(5) 災害の発生について 影響度:大、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし
当社グループにおける事業を取り巻く環境として、地震、台風、火災、戦争、感染症等の災害が発生し、当社グループや取引先企業が被害を受けた場合、グループ拠点の事業活動に支障が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 生産設備について
① 法的規制 影響度:中、発生可能性:中、発生時期:特定時期なし
当社グループの製品についての法的規制はありませんが、設備及び生産活動において地盤沈下監視、VOC(揮発性有機化合物)排出規制、有機物排出規制、省エネルギー法による燃料消費量管理、危険物取扱関連等のさまざまな法的規制・行政指導を受けており、今後、これらの法規制が強化された場合、設備投資や関連費用の増加が見込まれ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 製造拠点の稼働 影響度:中、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし
当社グループでは、営業部門からの需要動向や原材料の調達状況を踏まえ、生産計画を策定のうえ、製造設備
の稼働を実施しております。さらに計画的な保全計画を策定実施し安定稼働に取り組んでおりますが、製造設備
のトラブル等により生産が停止した場合には、製品供給がされず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響
を及ぼす可能性があります。
③ 災害による停電等について 影響度:小、発生可能性:中、発生時期:特定時期なし
当社グループの製品は、埼玉県行田市及び群馬県邑楽町の国内2拠点で生産を行っております。このため、各拠点生産設備における災害の発生時に、停電又はその他の事象により製造機器の損傷又は材料調達先に壊滅的な被害が生じた場合、操業が停止し、生産・出荷活動が停止する可能性があります。また、今後発生する災害を要因として電気ガス等のエネルギー供給において総量規制など使用制限がなされた場合には、当社の生産活動において著しい影響を受ける可能性があります。
④ 人材の確保と技術伝承 影響度:中、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし
当社グループの製品は、高度な技術等専門知識及び経験を有する社員により製造・開発されております。しかしながら何らかの要因により雇用が流動化し人材が流出・流入した場合、技術・知識及び経験を伝承するためのある期間にわたり教育と訓練を行うことができず、結果として当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 固定資産の投資 影響度:中、発生可能性:中、発生時期:特定時期なし
当社グループでは、各製造拠点から提出され、予算編成の過程での検討手続きを経た上で作成された設備投資
計画に基づき、工場の建物や製造設備、工具器具備品に至るまで生産活動の維持・向上に必要な固定資産の投資
を計画的かつ継続的に行っておりますが、何らかの要因により当該固定資産の投資がスケジュールどおりに完了
しなかった場合、生産計画に影響を及ぼすため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性が
あります。
(7) のれん等の減損について 影響度:中、発生可能性:中、発生時期:特定時期なし
当社グループは、企業買収に伴い発生した相当額ののれん及び商標権を連結財政状態計算書に計上しております。当該のれん及び商標権については将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、事業環境の変化等によりのれん及び商標権の評価額が帳簿価額より下落した場合に、当該のれん及び商標権について減損損失を計上し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 在庫リスクについて 影響度:中、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし
当社グループは、販売計画に基づく原材料の発注及び計画生産を行っております。また、顧客のニーズに合わせて出荷できるよう寄託倉庫に商品を保管しており、欠品が生じないよう努力しております。しかしながら、販売計画と実績との乖離が生じ、余剰在庫や滞留在庫が残った場合には、結果として評価損等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 特定の顧客への依存度について 影響度:中、発生可能性:中、発生時期:特定時期なし
当社グループは、特定の顧客から一定規模の売上が計上され、一定の顧客への依存度が高まることが想定できます。この場合、当該顧客からの受注動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 原材料・燃料・輸送等の価格変動の影響について 影響度:中、発生可能性:大、発生時期:短期
当社グループの生産活動にあたっては、種々の原材料、部品、燃料、包装資材等を国内外から調達し、商品を生産しております。これら原材料・燃料・輸送等の価格変動に対しましては、生産効率化等で吸収を図っております。しかしながら、昨今の地域紛争の緊迫化や予期できない自然災害や事故等を始めとする地政学リスクの高まりによるサプライチェーンへの大きな影響、仕入先の経営状態悪化による部品の供給制限や製造中止、市場での需要増加による供給制限等が生じて、原材料・燃料・輸送等のコストがさらに上昇した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。その対応策として、当社グループでは、市場動向については日常から調達先の情報収集に努め、前倒しで確保する等、安定調達に努めるとともに、一部販売商品の値上げや、輸送費の一部を顧客に負担していただくなどの対策を講じております。
(11) 金利変動について 影響度:小、発生可能性:中、発生時期:特定時期なし
当社は、運転資金及び設備資金について主に金融機関からの借入れにより資金調達をおこなっております。金利が上昇局面となった場合、支払利息等の金利負担が増加することで金融収支が悪化し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。その対応策として、長期の資金調達においては、金利変動リスクをヘッジするために金利スワップ取引を行って、金利変動リスクを最小限にとどめております。また、当社グループが借入契約の財務制限条項に抵触した場合は、金利の上昇を請求されたり期限の利益を喪失したりする可能性があり、当社グループの借入コストや資金調達能力に影響を与える可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様に対して安定した配当を継続することを基本とし、企業体質の強化を図りつつ、将来の事業展開に備えるための内部留保の充実などを勘案し、配当を行うこととしております。2023年度~2025年度の中期経営計画(2023年2月14日公表)においては、設備投資需要が継続することから、創出する利益を投資・内部留保・株主還元にバランスよく配分することを念頭におき、配当性向は概ね30%を目処とすることを掲げました。
また、当社は期末配当として年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、定款に「会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる。」旨、及び「取締役会の決議により、毎年6月30日を基準日として中間配当を行うことができる。」旨を定めております。
当事業年度(2023年12月期)の利益配当につきましては、今後の業績の推移、財政状態、事業展開等を総合的に勘案し、普通株式1株当たり年39円、A種優先株式1株当たり年85円といたします。
内部留保資金につきましては、設備投資及び健全な経営体質の維持に充当していく計画であります。
決議年月日 |
株式の種類 |
配当金の総額 |
1株当たり配当額 |
2024年2月14日 取締役会決議 |
普通株式 |
608 |
39 |
A種優先株式 |
108 |
85 |
(注)当社は、2023年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っておりますが、A種優先株式は株式分割によって株式数は変更されず、A種優先株主が普通株式を対価とする取得請求権を行使した場合の転換比率が分割の比率に比例して増加します。また、A種優先株式1株当たりの配当は、普通株式1株当たりの配当×2(分割の比率)×1.1(円未満切り捨て)となっております。