リスク
3 【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主なリスクは、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 景気変動と雇用情勢について
当社グループの業績は、景気変動等の経済情勢、社会情勢及び地政学的状況に影響を受けます。特に、当社グループが主力とするHR Techセグメントの事業は、景気変動や雇用情勢等の動向に影響を受けやすい特性があります。雇用情勢は、企業業績及び政府の雇用政策等の影響を受けます。また、Incubationセグメントの事業についても、経済情勢の悪化により、想定しているとおりの成長を達成できない可能性があります。さらに、経済情勢等によって、当社グループの提供するサービスの価格に対する値下げ圧力が増す可能性があります。当社グループは、幅広い採用領域においてサービスを提供することによって環境変化に影響を受けにくい収益構造を目指しておりますが、何らかの要因により、企業の人材採用需要が減退した場合や経済情勢の変化等が当社グループのサービスの需要低下や収益性の低下等を招いた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2) 競合について
当社グループが事業を展開する市場では、各分野において既に多数の競合他社が存在しており、一定の競争環境があるものと認識しております。
当社グループの中核事業であるビズリーチ事業では、ビジネスプロフェッショナル向けの人材採用市場において、「ダイレクトリクルーティング」という新しい仕組みを普及させ、これを実践するプラットフォームをいち早く市場へ投入し、また効果的な広告宣伝活動によるプラットフォーム利用者の増加により、すでに一定の市場における競争優位性を確立しているものと認識しております。今後も当社グループのサービスの競争優位性の強化に尽力してまいりますが、伝統的な人材紹介業者等との競争に加えて、国内の人材紹介業者や求人情報サービス業者等がオンラインサービスや人材採用プラットフォームのサービスを拡充したり、オンラインの人材採用プラットフォームをグローバルに展開する海外の競合他社が日本市場でのサービスをより強化する等の場合には、それらの他の人材採用プラットフォームとの競争が激化する可能性があります。
人材採用プラットフォームに関して優れたビジネスモデルを有する競合他社が現れた場合等には、競争の激化により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループでは効果的な広告宣伝活動を継続する方針ではありますが、今後においても広告宣伝活動により、プラットフォーム利用者が増加する保証はなく、プラットフォーム利用者が増加しないこと等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
HRMOS事業についても、日本におけるクラウドベースでのHCM向けの市場は比較的新しく、新たな競合他社が日本の当該市場に参入した場合や、当社がHRMOS事業のサービスを更に拡大し、または既存の競合他社が自社の事業を拡大した場合等には、競争の激化により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
さらに、Incubationセグメントでは、デジタル・トランスフォーメーションを進めることができる市場ポテンシャルを有すると当社グループが戦略的に考える領域において新規の事業を行っており、今後も行う方針でありますが、当該領域における競合他社との競争や類似の戦略を採用する他社との競争に直面する可能性があります。
さらに、当社グループが事業を展開する市場は技術の変化が激しいため、技術革新に対応できず、当社グループのサービスの競争力が低下した場合等には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) 特定事業への依存リスク
当社グループはビズリーチ事業を中核事業と位置付けております。2023年7月期における売上高(56,273百万円)に占める同事業の売上高(49,161百万円)の比率は87.4%であり、その依存度は高い状況にあります。ビジネス・プロフェッショナル向けの人材採用市場は今後も継続して拡大すると想定しておりますが、転職・中途採用を受け入れる社会意識やビジネス慣習の変化は、当社グループが期待するほどには進まない可能性があります。また、日本におけるオンライン採用ソリューション市場は、従来型の採用サービス市場ほどは成熟していないため、当社グループの見込み通りにオンライン採用ソリューションの利用が増加するとは限らず、事業環境の変化や当社サービスの競争力低下が生じた場合等は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、ビズリーチ事業は、直接採用企業、ヘッドハンター及び求職者から対価を受領して収益を上げており、同事業の継続的な成長にはこれらの顧客の獲得及び維持が重要です。当社サービスの顧客誘引力が低下した場合や、これらの顧客に対する販売・マーケティング活動が奏功しない場合等には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4) 新規事業について
現在、当社グループの収益の大部分は、ビズリーチ事業から生み出されています。当社グループは、中長期的な事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するために、ビズリーチ事業で生み出した収益の範囲内で、当社グループの経営ノウハウを活かした新規事業の創出に積極的に取り組む方針であります。新規事業の展開にあたってはリスクを軽減するために必要な情報収集及び検討を実施しておりますが、現時点で新規事業の多くは黒字化を達成しておらず、新規事業の拡大・成長が当初の予測通りに進まない場合、投資資金を回収できず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、本「3 事業等のリスク」に記載の様々な要因により、ビズリーチ事業から十分な収益を生み出すことができない場合には、新規事業に投資する能力が制限される可能性があります。さらに、新規事業の立ち上げに関して想定以上のコストがかかる場合や、新規事業の収益実現が遅れた場合等には、計画していた投資や事業拡大からの撤退を決定する可能性があり、そのような戦略的な撤退により多額の費用が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
特にHRMOS事業については、「労務」「給与」等のサービスの開発を推し進める等、事業の拡大を目指しておりますが、これらのサービスの開発が予定通りに進まなかった場合や収益化が実現できず投資資金を回収できなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) システム障害等について
当社グループの事業は、インターネットを利用しているため、自然災害、事故、不正アクセスなどによって通信ネットワークの切断、サーバー等ネットワーク機器に作動不能などのシステム障害が発生する可能性があります。当社グループでは、稼働状況の定期的なモニタリング、異常発生時の対応方法等の明確化などシステム障害の発生防止のための対策を講じておりますが、このような対応にもかかわらず大規模なシステム障害が発生した場合等には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、その事業の重要な分野で外部のサービスプロバイダーに依存しています。特に、クラウドベースのサービスのほとんどは、外部クラウドサーバー(Amazon Web Services社が提供するサービス(以下、「AWS」という。))を利用して提供されています。そのため、顧客へのサービス提供が妨げられるようなシステム障害の発生やサイバー攻撃によるシステムダウン等を回避すべく、複数の地理的リージョン(注1)とアベイラビリティゾーン(注2)の利用による冗長性の確保や定期的な脆弱性診断及び各種不正アクセス対策等によるセキュリティの対応、また、システム稼働状況の監視等を実施しております。しかしながら、このような対応にもかかわらず自然災害、事故、不正アクセスなどによってAWS等のシステム障害が発生した場合、又は外部のサービスプロバイダーとの契約が解除される等によりAWS等の利用が継続できなくなった場合等には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(注)1.地理的に独立したサーバーの設置エリアのことを意味します。
2.リージョンの中の個々の独立したデータセンターの名称のことを意味します。
(6) サービス等の不具合
高度なソフトウェアは不具合の発生を完全に解消することは不可能であると言われており、当社グループのアプリケーション、ソフトウェアやシステムにおいても、各種不具合が発生する可能性があります。
今後も信頼度の高い開発体制を維持・構築してまいりますが、当社グループ事業の運用に支障をきたす致命的な不具合が発見され、その不具合を適切に解決できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 情報セキュリティについて
当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあり、また、営業上の機密情報を保有しています。当社グループでは、当社グループ共通の「情報セキュリティ基本規程」に基づき、当社グループ全体の情報管理を統括するグループ最高情報セキュリティ責任者に付与し、グループ最高情報セキュリティ責任者のもとでグループ基準に適合した情報の管理体制を構築するとともに、情報の取扱い等に関する規程類の整備・充実や従業員等への周知・徹底を図るなど、情報セキュリティを強化しております。しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入、情報セキュリティの欠陥等により、万一これらの情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用を低下させ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 特定人物への依存について
当社の代表取締役社長である南壮一郎は、創業以来当社グループの事業に深く関与しており、また、インターネット関連事業に関する豊富な経験と知識を有していることから、経営戦略の構築やその実行に際して極めて重要な役割を担っております。当社グループは、特定の人物に依存しない経営体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の当社グループにおける業務執行が困難になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 人材の確保・育成について
当社グループは、事業運営にあたり、各事業領域や職能において専門性を有する人材が必要であり、今後とも事業拡大に応じて継続的な人材採用・育成を行うことが欠かせません。当社グループは、「ダイレクトリクルーティング」のコンセプトを自ら体現し、人材の採用のため多様な採用手法を用いて優秀な人材の獲得に努めていく予定ではありますが、将来的に、優秀な人材の獲得が困難となる、人材の育成が計画通りに進まなくなる、在職する人材が社外流出する等の事態が生じる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 内部管理体制の構築について
当社グループの継続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが必要不可欠であると認識しております。執行役員CFOのもとで業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、各社内規程及び法令遵守を徹底してまいりますが、事業が急速に拡大・多角化することにより、コーポレート・ガバナンスが有効に機能しなかった場合には、適切な業務運営を行うことができず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) コンプライアンスについて
当社グループでは、企業価値の持続的な拡大を図るにはコンプライアンスが重要であると認識しています。そのため、当社グループでは、当社代表取締役社長を議長とするグループリスク・コンプライアンス会議を原則として四半期に1回開催し各子会社からコンプライアンスに関する事項について報告を求めています。また、「コンプライアンス規程」やビジョナルグループ行動規範を設け、イントラネット上に明示するとともに、定期的な社内研修を実施しております。しかしながら、これらの取り組みにもかかわらず、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループのブランドイメージ及び業績に影響を与える可能性があります。
(12) レピュテーションリスクについて
当社グループの事業においては、当社グループ及び当社グループが提供するサービスの顧客認知度、ブランドイメージや社会的信用の維持及び向上が重要ですが、当社グループによるプロモーション活動が奏功する保証はありません。
また、マスコミ報道やインターネット・ソーシャルメディアの書き込み等において、当社グループに対する否定的な風評が発生し流布した場合又は不適切な事象の発覚等に端を発して、社名が報道・公表された場合、関係各所が連携し適切に対応できる体制となっておりますが、当社サービスの欠陥や個人情報及び機密情報の流出等並びに当社グループや当社グループに関する風評の発生等により、当社グループや当社グループが提供するサービスのブランドイメージや社会的信用が低下し、その結果として、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(13) 法規制・動向について
①一般的な法的規制について
当社グループが提供するサービスを規制する主な法律として「電気通信事業法」、「消費者契約法」、「特定商取引に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)」、及び「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等があります。
当社グループは、これらの規制に準拠したサービス運営を実施しており、今後も法令順守体制の強化や社内教育の実施等を行ってまいりますが、新たな法規制の制定や改正が行われ、当社グループが運営するサービスが新たな法規制の対象となる場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
②個人情報の保護
当社グループは、求職者の職務経歴書や応募情報等の個人情報を取得し、利用しているため「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務が課されております。
当社グループは、個人情報の外部漏洩、改ざん等を防止するため個人情報の管理をサービス運営上の重要事項として捉え、個人情報保護方針を定め、個人情報の取得の際には利用目的を明示し、その範囲内でのみ利用するとともに、個人情報の管理につきましても、役員及び従業員を対象とした個人情報の取扱いに関する社内研修や、社内でのアクセス権限の設定、アクセスログの保存、個人情報管理に関する規程の整備を行っております。
しかしながら、外部からの不正なアクセスや当社グループ関係者の故意又は過失により個人情報が流出するなどの問題が発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や信用の低下等により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、新たな法規制の制定や改正が行われ、又は既存法令等の解釈変更等がなされ新たな規制が生じた場合等には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
③HR Tech事業に関する法的規制について
当社グループが運営する『ビズリーチ』等の採用に関するプラットフォームは、「職業安定法」が定める募集情報等提供事業として個人情報の適切な管理等の義務が課されております。
また、当社グループが運営する『BINAR』は「職業安定法」が定める有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受け事業を行っております。有料職業紹介事業の許可について、取得後の初回については3年、それ以後は5年ごとの更新が義務付けられており、本書提出日現在の許可の有効期限は2025年10月31日であります。
当社グループは、規制に準拠したサービス運営を実施しており、今後も法令順守体制の強化や社内教育の実施等を行ってまいりますが、新たな法規制の制定や改正が行われ、又は既存法令等の解釈変更等がなされ当社グループが運営するサービスが新たな法規制の対象となる場合、許可の追加取得が必要となる場合、又は、許可の取消し、業務停止命令若しくは業務改善命令の対象となる場合等には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
④運送事業に関する法規制について
当社グループが運営する『トラボックス』は、プラットフォーム上において荷主と運送会社を直接マッチングさせるため「貨物利用運送事業法」等の各種運送事業に関する義務は課されておりません。
当社グループは、今後も法令順守体制の強化や社内教育の実施等を行ってまいりますが、新たな法規制の制定や改正が行われ、又は既存法令等の解釈変更等がなされ当社が運営するサービスが新たな法規制の対象となる場合等には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤知的財産権について
当社グループが運営する各サービスに関連する商標、ソフトウェア、システム等の知的財産権は当社グループにとって重要であり、当社グループはそれらの獲得に努めておりますが、それらが不正使用されない保証はありません。
また、当社グループが運営する各サービスにおいて使用する商標、ソフトウェア、システム等については、現時点において第三者の知的財産権を侵害するものではないと認識しております。今後においても、侵害を防ぐため著作権等を含めた管理を顧問弁護士、顧問弁理士と協力して行っていく方針でありますが、当社グループの事業分野で当社の認識していない知的財産権が既に成立している、又は新たに当社グループの事業分野で第三者の知的財産権が成立する可能性もあります。
そのような場合には、当社が知的財産権を侵害したことによる損害賠償請求や使用の差し止め、権利に関する使用料等の支払い請求等がなされることが想定されます。そのような事態が発生する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 第三者との係争について
当社グループは、コンプライアンス研修の推進等、役員及び従業員の法令違反等の低減努力を実施しております。しかしながら、当社グループ並びに役員及び従業員の法令違反等の有無にかかわらず、取引先、従業員その他第三者との予期せぬトラブル、訴訟等が発生する可能性があります。
個々の係争が発生する可能性を予測することはできず、また個々の係争に係る発生時期も予測することは困難ですが、訴訟等の結果にかかわらず、多大な訴訟対応費用の発生や信用及びブランドイメージ低下等により当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、訴訟等の結果、当社グループのサービスの停止等の事態が生じた場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) M&A等を含む投融資について
当社グループは、事業規模の拡大を目指すため、既存事業の強化・経営ノウハウを活かせる事業など新規事業領域への参入とその強化を通じた企業価値の最大化を経営上重要視しており、そのための手法の一つとして、M&A 等を含む投融資活動を実施しており、今後、これを強化していきます。対象企業について事前に可能な限り詳細な審査を行い、十分にリスクを検討した上で、M&Aを進めてまいりますが、買収後に未認識債務の判明や偶発債務の発生等事前の調査で把握できなかった問題が生じること、買収後の事業の展開等が計画通りに進まないこと、買収後の事業維持につき想定以上のコストが生じることや事業提携先の企業が後に競合相手となり当社グループとの提携中に獲得したノウハウ等を利用されること等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、M&A等により、当社グループが行っていなかった新たな事業が加わる際には、その事業固有のリスク要因が加わることとなります。
(16) M&Aにおけるのれん等の減損リスク
当社グループでは、2023年7月末時点で、企業結合により生じたのれんを2,799百万円、顧客関連資産を1,356百万円計上しております。これらの資産については、今後の事業計画との乖離等によって期待されるキャッシュ・フローが生み出されない場合、減損損失が計上されること等により当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 持分法適用関連会社(株式会社スタンバイ)について
当社ではZホールディングス株式会社(現、LINEヤフー株式会社)との合弁会社である株式会社スタンバイ(本項目において、以下「同社」という。)を共同経営しています。同社では、求人検索エンジン「スタンバイ」を運営しております。同社への出資比率は、当社が40.0%(Zホールディングス株式会社は60.0%)であり、当社にとって同社は持分法適用関連会社であります。
同社の事業の立ち上げにあたっては、HR Techビジネスにノウハウをもつ当社グループが重要な役割を担う必要があることから、同社の代表取締役社長には当社代表取締役社長である南壮一郎が就任しております。今後、同社に予期せぬ事象が発生し、当社代表取締役社長南壮一郎が同社代表者としての責任を問われる場合、当該兼務先における経営責任者としての職務の負荷が想定を超えて過大になる場合及び出資比率の変更等があった場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(18) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし新株予約権(以下「ストック・オプション」という。)を付与しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用する可能性があり、現在付与しているストック・オプションに加え、今後も付与されるストック・オプションについて権利行使された場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。本書提出日の前月末現在でストック・オプションによる潜在株式数は2,707,600株であり、発行済株式総数及び潜在株式の合計41,833,100株の6.47%(小数点以下第3位を四捨五入)に相当しております。なお、第2回新株予約権から第30回新株予約権について、提出日の前月末現在における行使可能日が到来する期別の新株予約権の目的となる株式の数は以下のとおりです。
(注)1.上場日翌日から1年後の2022年4月23日より行使可能となっております。
2.上場日翌日から2年後の2023年4月23日より行使可能となっております。
3.上場日翌日から3年後の2024年4月23日より行使可能となります。
4.上場日翌日から4年後の2025年4月23日より行使可能となります。
5.上場日翌日から5年後の2026年4月23日より行使可能となります。
6.上場日翌日から6年後の2027年4月23日より行使可能となります。
7.上場日翌日から7年後の2028年4月23日より行使可能となります。
8.上場日翌日から8年後の2029年4月23日より行使可能となります。
9.上場日翌日から9年後の2030年4月23日より行使可能となります。
10.上場日翌日から10年後の2031年4月23日より行使可能となります。
(19) 大規模自然災害、感染症の伝染及び有事について
地震、台風及び津波等の自然災害、火災、停電、感染症の伝染並びに戦争及びテロ攻撃等が発生した場合、当社グループのサービスや業務に従事する従業員、業務委託先の従業員、派遣社員が大量に罹災・罹患することや、政府における非常事態宣言や外出禁止等の措置に伴う業務の制限、地震等による当社設備の損壊等により、当社グループのサービス提供、その他事業運営に影響が生じ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、大規模な自然災害等が発生した場合、当社グループのお客様の事業の中断や休止等並びに求職者の転職活動の休止等の二次的影響が生じ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元を経営上の重要課題の一つと位置付けておりますが、中長期的かつ持続的な企業価値の向上を目指しており、そのためには、将来の成長を見据えたサービスへの先行投資や設備投資、資本業務提携を積極的に行うことが重要であると認識しております。現時点では内部留保の充実を図り、事業の拡大と効率化のために投資し、企業価値の増大を優先すべきだと考えております。
当事業年度においては、上記の理由から配当を実施せず、内部留保の確保を優先いたしました。内部留保資金については、既存事業におけるマーケティング等の実施、新規事業等におけるプロダクト開発の促進と人員の拡充・育成をはじめとした収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に活用する方針であります。
将来的には、各期の経営成績及び財政状態を勘案しながら株主に対する利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及び実施時期等については未定であります。
なお、剰余金の配当を行う場合、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本としており、中間配当を行うことができる旨を定款で定めております。なお、当社は会社法第459条第1項の規定に基づき、法令に別段の定めがある場合を除き、剰余金の配当にかかる決定機関を取締役会とする旨を定款に定めております。