事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
HRM事業 | 3,730 | 92.4 | 484 | 84.5 | 13.0 |
不動産賃貸事業 | 306 | 7.6 | 89 | 15.5 | 29.0 |
事業内容
3 【事業の内容】
(1)事業の概要
当社グループは、当社と勤次郎ベトナム有限会社(連結子会社)の2社で構成されており、「想像から創造へ」のもと「CSR&イノベーション」を企業理念として、コアコンピタンス(競争優位の源泉)を強化しております。徹底して他社との差別化を図り、Human Resource Management事業(以下、「HRM事業」という。)においてステークホルダーの期待を重視し、顧客企業の人的資本投資による労働生産性向上をサポートすること、さらに国民のヘルスアップを目指し、社会の持続的発展に貢献することを経営方針としております。
当社グループの事業セグメントは、「HRM事業」「不動産賃貸事業」により構成されております。
HRM事業は、多業種の事業者向けの「就業・人事・給与管理システム」と「健康管理システム」のソフトウエア製品及びハードウエア製品(就業情報端末)の開発及び販売、並びにこれらの製品を活用するクラウドサービス及びコンサルサポート(注)1、プレミアムサポート(注)2、等の提供を主に行っております。また、HRM事業は、当社グループの事業戦略上、クラウド事業(注)3、オンプレミス事業(注)4、の2つの事業に区分して推進しておりますので、以下に記載いたします。
(注)1.コンサルサポートは、顧客企業への当社グループ製品・サービスの導入に際し、顧客企業のシステム環境の設定、ソフトウエアのインストール、就業情報端末の設置及び利用のための講習等を行います。
2.プレミアムサポートは、オンプレミス事業において顧客企業で利用されているソフトウエア及び就業情報端末に障害が生じた場合の修理並びに法令の改正変更に対応した最新プログラムの提供を行います。
3.「クラウド」とは、クラウドコンピューティングの略称であり、提供者が情報システムの設備(ハードウエア)を保有又は利用し、その設備において運用することをいいます。
「クラウド事業」では、従来は手元のコンピューターにインストールして利用していたようなソフトウエアやデータ、あるいはそれらを提供するための技術基盤(サーバーなど)を、インターネットなどのネットワークを通じて提供して(クラウドサービス)、当該ソフトウエアの利用権を販売する(クラウドライセンス売上)ほか、それに付随するサービスを提供しております。
4.「オンプレミス」とは、利用者が情報システムの設備(ハードウエア)を保有し、利用者の設備において運用することをいいます。
「オンプレミス事業」では、利用者の設備にインストールするソフトウエアを販売するほか、それに付随するサービスを提供しております。
当社グループは、重要な経営資源である人材面に関し、「働き方改革&健康経営®」による企業経営と従業員の最適な関係構築を提案し、顧客企業の労働関係法の遵守とともに従業員が健康で働きがいを感じながら活き活きと働くことのできる職場づくりやワーク・ライフ・バランスへの対応、女性活躍の推進などが、ワーク・エンゲイジメントと労働生産性を高め、豊かで活力ある企業・社会を実現するものと考えております。
(注)健康経営®は特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。
①HRM事業
当社グループのHRM事業の基本方針は、顧客企業の「働き方改革&健康経営」の実現のため、従業員の適正な労働時間管理、健康維持・増進により労働生産性を向上させることを通じて、業績向上、企業価値向上に貢献することです。その事業領域は、主に中核である就業マネジメント領域とヘルスケア領域によって構成され、製品・サービスとしては、「Universal 勤次郎〈就業・勤怠管理〉」と「Universal 勤次郎〈健康経営〉」をクラウドとオンプレミスで提供しております。
当社グループの販売チャネルには、当社が製品及びサービスを企業に直接販売する「直販」と、当社からシステムやIT機器を取り扱う販売パートナーに卸し、販売パートナー経由で企業が当社グループの製品及びサービスを利用する「パートナー販売」があります。
なお、勤次郎シリーズの就業マネジメントシステムは5,000を超す企業・団体への導入実績があります。これは当該ソフトウエアが使いやすく満足度が高いことによるものであると自負しており、実際に多くの企業・団体で広く利用されております。
(クラウド事業)
当社グループは、自社のクラウド設備を利用したサービス提供を行っており、クラウド基盤の刷新により、高速・高性能で柔軟なシステム構成を実現しています。また、「勤次郎バーチャルプライベートクラウド」と「勤次郎AuthLink」の提供により、当社サービスと他社サービス間における、安全で快適な「シングルサインオン」と「多要素認証」を容易に構築することができるようになりました。今後さらに、働き方に応じた従業員情報をベースにした、様々な情報システムに対するアクセス制御の容易性を追求してまいります。
これらのクラウドサービスは企業の様々なニーズに応えるべく、ソフトウエアの売り切り型ではなく、利用しやすい月額料金方式で提供するため、企業はサーバーの初期コストや保有コスト、システム運用担当者の人件費、そしてパッケージの維持コストが不要となり、中堅中小企業でも「Universal 勤次郎〈就業・勤怠管理〉」「Universal 勤次郎〈健康経営〉」「人事郎」「Q太郎」などの機能を利用することができます。
当社グループでは、このクラウドサービスを通じ、顧客企業の満足度向上を図ることで、将来にわたるリカーリングレベニュー(継続的な収益)を得ることが可能であると考えております。
当社グループのクラウドサービスにおける利用者数及び契約社数の推移は次のとおりです。
(注)「利用者数」は契約ライセンス数を集計しております。なお、契約ライセンス数は、顧客企業の1従業員に複数サービス(就業、人事、給与、健康管理ソリューション等)の利用がある場合でも1人として集計しています。また、「契約社数」は複数サービスを契約している顧客企業も1社として集計しております。
また、顧客企業の満足度向上に取り組んだ結果、解約に至るケースも少なく、クラウドサービスの解約率は0.13%程度の水準で推移しております。
(注)クラウドサービスの解約率は、「対象月を含む過去12か月のクラウドライセンス解約金額合計÷同期間のクラウドライセンス前月売上金額合計」にて算出しております。クラウドライセンス解約金額とは、ライセンス契約の解除により減少するクラウドライセンス売上(月額)をいいます。
(オンプレミス事業)
オンプレミス事業においても、クラウド事業と同じく、顧客企業の「働き方改革&健康経営」に資する勤次郎シリーズとして「Universal 勤次郎〈就業・勤怠管理〉」「Universal 勤次郎〈健康経営〉」「人事郎」「Q太郎」などを広く提供しております。
これらのソフトウエアのパッケージを購入した顧客企業・団体においては、当社グループが継続的なプレミアムサポートを提供することで、安心して利用することができ、当社グループにとっては、プレミアムサポートの年額料金又は月額料金によりリカーリングレベニュー(継続的な収益)を得ることが可能であり、安定した収益確保につながっております。
当社グループでは、クラウドサービス及びプレミアムサポートの2つのリカーリングレベニュー(継続的な収益)並びにこれらのソフトウエアのオンプレミスでの拡販により、高い成長力と安定した収益計上を確保しております。
②不動産賃貸事業
当社グループの不動産賃貸事業の基本方針は、スペースの有効活用としております。当社所有のビルのうち、空きフロアをオフィス用賃貸物件として賃貸しております。
(2)当社グループの主要製品及びサービスについて
<勤次郎シリーズの各ソリューション>
■ 働き方改革ソリューション
a Universal 勤次郎〈就業・勤怠管理〉(就業ソリューション)
多様化する雇用・勤務・賃金形態に幅広くスピーディーに対応し、複雑で細かな就業情報の自動集計と計算を瞬時に行うことができます。Web環境を活用することにより、必要な時に、必要な情報データだけを職務権限に応じて提供できるのみならず、コンプライアンスにも対応した以下のソリューションを提供しております。
(a)直観的な操作と柔軟なカスタマイズに対応
UI/UXの進化により、ストレスなく直観的な操作が可能です。カスタマイズも柔軟に行うことができ、使い勝手に合わせてトップ画面やメニューを自由に構成することが可能です。職務権限ごとに設定できるため、権限ごとにトップ画面に表示させたいメニューや項目を自由に設定・変更することもできます。
(b)多様な働き方(業種・職種)への対応
就業時間帯(シフト)の設定は、46,000種類の登録が簡単に設定でき、パートタイマー・アルバイトはもちろん、複雑な雇用形態にも柔軟に対応できます。締め日は雇用形態などに合わせ、1社あたり5回まで設定できます。また1日2回までの複数回勤務や勤務間インターバル制、フレックス勤務、変形労働時間制、交代勤務、テレワークにも対応しています。
(c)法改正への対応
2019年4月より施行された「働き方改革関連法」に対応し、顧客企業の必要とする「働き方改革」を次のように支援いたします。
・年次有給休暇の年5日以上取得の義務化に伴う取得状況チェックを、法定要件に合わせて適切に行い、年次有給休暇の管理業務にかかる負荷を軽減することができます。
・フレックスタイム制の総労働時間に対する過不足時間の清算期間上限の3か月延長に対応し、新しい労働環境に合った就業管理を実現できます。
・36協定の罰則付き上限の設定に対応した新たな管理方法として、また、意図せぬ過重労働を防ぎ、企業の労務リスクを軽減するため、アラーム機能によるメール通知を従業員本人や管理者及び人事部門へ配信し、効率的な時間外労働時間の管理に貢献することができます。
(d)打刻方法
オフィスワークや外勤などシーンに合わせて選べる、多彩な打刻方法があります。
就業情報端末(タイムレコーダー)によるICカード打刻・指静脈認証打刻、パソコンによるWeb打刻・ICカード打刻・指静脈認証打刻、スマートフォン、タブレットによる打刻が可能です。
(e)申請・承認の電子化
残業、休暇等の各種申請は全てWeb上で実施することができます。承認ルートも会社・部門・個人ごとに申請の種類に応じて設定することができるため、昨今のテレワーク環境下においても、適切な申請・承認業務を行うことができます。
(f)データ分析支援
担当部門が戦略的ミッションに取り組むための時間を作り出すと同時に、「生産性分析・人員の適正配置などに活用可能なデータ」の作成を支援します。
これら以外にも、スケジュール機能を有しており、顧客企業が登録した「就業時間実績」、「公休残日数」、「人件費の目安」を確認しながら、従業員の勤務スケジュールを作成し、データに基づく適正な人員配置を支援します。
b 人事郎(人事ソリューション)
従業員の個人情報管理業務に対しては、アクセス権限の設定などの個人情報セキュリティ環境を構築し、顧客企業が独自に管理したい人事項目を追加することができます。また、多様な条件で情報を検索することができ、的確な人材の選択や意思決定への必要データの抽出が可能となっております。
・情報セキュリティ
従業員の個人情報管理業務に対して、職務に応じた9段階の権限設定で、適切な情報セキュリティを構築します。
・履歴管理
従業員の役職や所属部門の履歴を「過去・現在・未来」の各時点で区切って分析・照会することが可能です。
・個人情報管理
定型項目(25項目)に加え、顧客企業が独自に管理したい項目を無制限に追加することが可能です。
また、独自に追加した項目に関しても履歴管理が可能です。
・任意情報検索
多様な条件で情報を検索することが可能で、検索した結果はCSV形式(テキストデータ)のファイルに出力することもできます。また、的確な人材の選択や意思決定への必要データの抽出が可能です。
・帳票出力
「辞令」「通知書」「届出」など各種帳票は、顧客企業が利用しているフォーマットに合わせてフォントサイズ・レイアウトなどを自由に変更可能です。
・各種届出/承認業務の効率化
定型の届出情報の他、顧客企業独自の届出情報を自由に追加登録することが可能です。承認ルートも複数設定できるため届出情報別の承認ルート設定や、代理承認設定のほか、申請者が任意に権限者の中から承認者を設定することも可能です。
c Q太郎(給与ソリューション)
雇用形態に合わせ1か月につき5回までの複数の給与締めができるよう対応しており、顧客企業が登録した賃金テーブル情報に更新があった場合、明細データの自動更新が可能であるという汎用性を有しております。勤務データを「勤次郎」から自動連携することで、転記・給与計算の手間を省き、また、給与明細書・源泉徴収票(PDF形式)の自動配信・メール配信を可能とすることで給与業務の生産性向上につながっております。
・汎用性
給与・賞与の支給・控除については9,999項目の登録ができ、雇用形態に合わせ1か月につき5回までの複数の給与締め日に対応することが可能です。
1年につき給与12回、賞与5回、予備3回の処理が可能です。振込み先銀行は5行まで設定することができ、振込み先が複数になる場合は定額指定・定率指定双方での配分が可能です。
会計システムとの連携を考慮し、支給控除項目ごとに仕訳区分・集計区分として99種類の項目設定が可能です。
・複雑な給与計算にも対応
顧客企業が登録した賃金テーブル情報に更新があった場合、当該テーブル情報と連携し、明細データを自動更新することが可能です。
・給与計算業務のスピード化
勤務データを「勤次郎」から自動連携させ、転記・給与計算の手間を省きます。給与規程見直しや期間限定の手当支給などに伴う設定変更も事前登録が可能なため、繁忙期を避けた計画的な運用を行うことができます。
・Web環境の利用
給与明細書・源泉徴収票(PDF形式)の自動配信・メール配信が可能です。分散処理により、毎月の勤務データや、年末調整データをWeb上で入力するなどの処理を、複数担当者が同時に行うことができます。
d 労務コストマネジメントシステム
顧客企業の労務コストを正確に捉え「見える化」することで、労務コスト計画の作成、人員計画の作成に必要なデータを集計し、時系列・前期比較、予算実績比較、売上比較を時間・日・月・四半期・年の単位で検討することができ、適正な労務コストへの改善に取り組むことができます。
なお、労務コストは、給与・各種手当・賞与・退職金などの全ての人件費を対象にすることが可能です。
e オフィスヘルパー(統合ポータルシステム)
統合ポータルシステムとして次のWebワークフローシステムを提供し、オフィスワークの効率化を支援しております。
・工数管理、日報管理、出張申請管理、立替金精算、稟議申請管理、設備予約管理、食券発行管理
■ 健康管理ソリューション
f Universal 勤次郎〈健康経営〉
企業におけるストレスチェックの義務化、経済産業省が東京証券取引所と共同で上場企業の中から選定する『健康経営銘柄』の公表、『健康経営優良法人認定制度』などの社会的要請が拡大しています。「健康経営」は、従業員の健康増進及び活力向上や生産性向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上につながる新しい企業価値向上策の一つに取り上げられております。当社グループは、このような社会的ニーズに対応する健康管理ソリューションとして「Universal 勤次郎〈健康経営〉」を提供しております。なお、本ソリューションの名称は、当社HRMソリューション製品としての位置づけを明確化するために、その名称を「ヘルス×ライフ」から、「Universal 勤次郎〈健康経営〉」へ変更いたしました。
Universal 勤次郎〈健康経営〉
・健診結果計画、管理(特殊検診はオプション対応)
・ストレスチェック受検、分析、管理
・労基署報告資料自動作成
・産業医判定
・歩数、血圧等の生活データ管理
・アルコールチェック管理・健診結果AI分析
・健康ポイント管理
・ワクチン接種管理
・体調・体温管理
・健診状況管理
・オンライン面談ツール
これらの機能により、従業員の健康診断とストレスチェックの結果、日常の活動情報・バイタル情報(心拍数や血圧などの生体情報)をリアルタイムに顧客企業に提供することが可能です。人事・総務の担当者によるスピーディーな組織の労務環境分析や、産業医・保健師等専門家による従業員への早期のカウンセリング・アドバイス及び診断を可能にする機能です。
また、「Universal 勤次郎〈健康経営〉」を利用しやすくするため、スマートフォンアプリケーションも提供しており、顧客企業の従業員が自分のスマートフォンにより、自身の現在の健康状態をリアルタイムに確認でき、日々の生活改善を行うことにより生活習慣病の予防を図ることができます。
Universal 勤次郎〈健康経営〉オンラインサポート&サービス
・健診レポート作成、報告
・ストレスチェック実施者代行
・健康経営 支援サポート
「Universal 勤次郎〈健康経営〉オンラインサポート&サービス」は、従業員の勤務・健康データ(健康診断結果とストレスチェック結果)を見える化し、労働生産性損失コスト(残業コスト、アブセンティーイズム(注)1、プレゼンティーイズム(注)2)を自動集計した分析結果を提供し、顧客企業が行う従業員の健康改善への取組みのサポートを行います。
産業医によるオンライン面談及び産業医と保健師による労務環境改善サポート、従業員の健康改善サポート及び健康ポイント管理を行うことで、顧客企業の労働生産性向上や健康経営優良法人認定などの健康経営に向けた取組みを支援するサービスサポートです。
(注)1.アブセンティーイズム:体調不良等での年間不就労日数
2.プレゼンティーイズム:体調不良等による生産性低下
企業の「健康経営」に資する「Universal 勤次郎〈健康経営〉」は、コンプライアンス面からも必要とされ、ニーズ性のある製品・サービスであり、働く人、企業、社会への貢献につながっていくものと考えております。
g ママケリー
妊活支援・母子健康手帳・育児手帳の機能を有するアプリケーションとして、お子様の誕生前から、母子の身長・体重、病院での受診内容、保健指導内容を写真や動画とともに記録できます。専門家の育児情報も掲載されており、出産・育児でのママの悩みや不安を少しでも和らげ、安心して楽しく子育てができるよう支援しております。ママケリーを通して、パパ・ママそしておじいちゃん・おばあちゃんがお子さん・お孫さんの成長をともに感じて、ご家族の思い出をいつまでも大切にできます。
h ヘルス×ライフカルテ(電子カルテシステム)
クラウドサービスによる電子カルテシステムで、「Universal 勤次郎〈健康経営〉」とオンライン診療システムとの連携で、患者のデータを一括管理します。患者の受付から会計までの業務フローへの対応に加え、入院に必要な移動情報、看護支援機能等を有し、200床未満の医療機関に対応しています。
■クラウドフロントサービス
2010年以来の当社のクラウド技術ノウハウを活かし、システム構築に必要なサーバーやネットワーク、ストレージなどのインフラを安全・スピーディーにインターネット経由で提供しています。お客様に、安心・安全・低予算にてクラウドサービスのメリットをご提供することが可能です。
i 「勤次郎バーチャルプライベートクラウド」は、ネットワーク構築・システムの冗長化に関して、ホスティング型IaaSを、専門部門を持たない企業・部門におけるサーバー選定・購入手続きやシステム維持といった煩雑で日々の負担の大きな課題を解決いたします。また企業がWebアプリケーションを「勤次郎バーチャルプライベートクラウド」内で動作させることで、安全に当社の「HRMプラットフォーム」データを活用することができます。
j 「勤次郎AuthLink」は、クラウド上の様々なアプリケーションの効率的な管理と運用を「シングルサインオン」によって可能にします。また、生体認証と組み合わせられる「多要素認証」によるセキュリティ強化と、ユーザーごとのアクセス制御などにより、管理業務の工数削減を実現します。
事業の系統図は、次のとおりであります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当社のマーケットについては、いよいよ2024年4月には「働き方改革関連法」の適用猶予事業に対しても時間外上限規制が適用されるほか、労災認定基準に勤務間インターバルが追加されるなどの過重労働に対する指導強化への対応、長時間労働者への健康指導など、お客様企業にとっては、より一層きめ細かな労務管理が求められる環境となっております。さらには、「人的資本」の考え方として、非財務情報の一つである「労働安全衛生」情報の開示が求められ、就業情報の有効活用、就業管理に付随する様々なHRM(ヒューマン・リソース・マネジメント)サービスへのニーズが増加しています。
少子高齢化と人生100年時代の到来、働く人のキャリア観の変化などにより、企業にとっては、事業環境の変化への対応と、企業価値の向上のために人的資本投資を行い、経営戦略に沿ったHRMによる人材の確保・育成、組織の再編などがますます重要となっております。
このような状況にあって、当社が標榜する「働き方改革&健康経営」の推進は、従業員の健康増進及び「ワーク・エンゲイジメント」向上による労働生産性の向上と人的資本の拡充で組織の活性化をもたらし、結果的に企業の持続的発展に繋がる取組みとして一層注目されております。
以上のような状況の中、当連結会計年度においては、当社グループの主力製品「Universal 勤次郎〈就業・勤怠管理〉」が、「勤次郎Enterprise」の次世代製品として本格的に売上に寄与してまいりました。「Universal 勤次郎〈健康経営〉」と併せて、働きやすい組織・環境づくりと、従業員の心身の健康づくりに貢献し、企業の「人的資本」への投資をサポートする「HRMソリューション」として、お客様から高い評価を受けております。
セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。
クラウド事業の販売は、市場ニーズが一段と高まっていることから、リカーリングレベニューであるクラウドライセンス売上は1,929,033千円(前年同期比14.9%増)を計上しており、引き続き安定した収益確保に貢献した結果、事業全体としては2,474,141千円(前年同期比12.9%増)となりました。
また、オンプレミス事業の販売については、クラウド契約に変更となった契約があったこと等により、事業全体としては1,255,386千円(前年同期比6.5%減)となりました。リカーリングレベニューであるプレミアムサポート売上についても、引き続き安定した収益確保に貢献しておりますが、566,648千円(前年同期比1.3%減)となりました。
これらの結果、HRM事業の売上高は3,729,527千円(前年同期比5.5%増)、セグメント利益は483,607千円(前年同期比4.8%増)となりました。
また、不動産賃貸事業については、テナントからの賃料収入等により、売上高は305,581千円(前年同期比1,759.0%増)、セグメント利益は88,557千円(前年同期はセグメント損失2,011千円)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は3,923,340千円(前年同期比10.5%増)、営業利益は572,165千円(前年同期比28.8%増)、経常利益は563,644千円(前年同期比28.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は370,067千円(前年同期比21.5%増)となりました。
b.財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ134,122千円増加し、12,787,232千円となりました。
そのうち、流動資産は前連結会計年度末に比べ335,633千円減少し、5,333,663千円となりました。これは主に、現金及び預金105,462千円の減少、その他の流動資産231,581千円の減少等によるものであります。
また、固定資産は前連結会計年度末に比べ469,755千円増加し、7,453,568千円となりました。これは主に、工具、器具及び備品244,028千円の増加、ソフトウエア579,245千円の増加があったほか、建物及び構築物122,532千円の減少、ソフトウエア仮勘定236,364千円の減少等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ106,523千円減少し、3,791,400千円となりました。
そのうち、流動負債は前連結会計年度末に比べ178,188千円増加し、1,254,810千円となりました。これは主に、その他の流動負債217,378千円の増加があったほか、資産除去債務49,000千円の減少等によるものであります。
また、固定負債は前連結会計年度末に比べ284,711千円減少し、2,536,589千円となりました。これは主に、長期借入金314,862千円の減少があったほか、資産除去債務34,753千円の増加等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ240,645千円増加し、8,995,832千円となりました。これは主に、当期純利益の計上370,067千円、自己株式の処分44,203千円があったほか、剰余金の配当168,486千円等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ14,647千円増加し、4,469,211千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、前連結会計年度末に比べ1,056,316千円増加し、1,466,694千円となりました。これは主な資金獲得要因として、前連結会計年度と比較して減価償却費286,652千円の増加、売上債権の増減額105,025千円の減少、未収消費税等の増減額458,685千円の減少、未払消費税等の増減額245,509千円の増加等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は、前連結会計年度末に比べ4,717,300千円減少し、1,009,170千円となりました。これは主な資金支出要因として、前連結会計年度と比較して敷金及び保証金の差入による支出115,572千円の増加、資産除去債務の履行による支出38,700千円の増加等があったほか、資金獲得要因として、有形固定資産の取得による支出4,875,799千円の減少等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は、441,588千円(前連結会計年度は2,250,479千円の収入)となりました。これは主な資金支出要因として、前連結会計年度と比較して長期借入れによる収入2,750,000千円の減少等があったほか、資金獲得要因として、自己株式の売却による収入40,134千円の増加等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供する製品・サービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については相殺消去しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.HRM事業における事業区分・売上区分別の販売実績は、次のとおりであります。
3.HRM事業におけるリカーリングレベニューの内訳及びHRM事業の総販売実績に対するリカーリングレベニューの割合は、次のとおりであります。
4.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ合理的と考えられる見積りが行われている部分があり、資産・負債、収益・費用の金額に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当連結会計年度の財政状態の状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.財政状態の状況」をご参照ください。
b. 経営成績
(売上高、売上原価及び売上総利益)
当連結会計年度の売上高は3,923,340千円(前年同期比10.5%増)となりました。前連結会計年度から引き続き好調であるクラウド事業を中心に営業活動を行った結果として、クラウドサービスの利用者数(契約ライセンス数)が前連結会計年度末から64,815人増加し507,331人となり、クラウドライセンス売上が1,929,033千円(前年同期比14.9%増)と大きく増加し、クラウド事業売上は2,474,141千円(前年同期比12.9%増)となりました。また、オンプレミス事業においては、クラウド契約に変更となった契約があったこと等を要因として、オンプレミス事業売上が1,255,386千円(前年同期比6.5%減)となりました。さらには、前連結会計年度より開始した不動産賃貸事業が安定した収益を獲得しており、不動産賃貸事業売上は193,812千円(前年同期比1,079.0%増)となりました。売上原価はクラウドサーバーの増強を行ってきた一方で、開発人件費等をUniversal 勤次郎の性能強化に振り向けたこと、不動産賃貸事業を本格的に稼働させたことに伴い減価償却費等の事業運営費用が増加したこと等を要因として1,431,552千円(前年同期比26.0%増)となり、その結果、売上総利益は2,491,787千円(前年同期比3.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,919,622千円(前年同期比2.6%減)となりました。これは主に名古屋本部の移転に伴う地代家賃の削減によるものであります。結果として、営業利益は572,165千円(前年同期比28.8%増)と大きく増加いたしました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は主に受取保証料が増加したため13,555千円(前年同期比206.1%増)となり、また営業外費用は支払利息の増加を主な要因として22,076千円(前年同期比88.9%増)となりました。経常利益は営業利益の増加を主な要因として563,644千円(前年同期比28.9%増)となりました。
(特別利益、特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度に特別利益及び特別損益の計上はなく、経常利益の増加を要因として税金等調整前当期純利益は563,644千円(前年同期比28.9%増)となりました。また、法人税等は193,577千円(前年同期比46.1%増)となり、その結果、親会社株主に帰属する当期純利益370,067千円(前年同期比21.5%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループは、事業上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。営業活動によるキャッシュ・フローにより、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,469,211千円となっており、これを主としてクラウドサービス用サーバー設備等の設備資金や当社製品であるソフトウエアの開発資金及び人件費等の運転資金に充当する予定であります。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は売上高営業利益率、クラウドサービスの利用者数(契約ライセンス数)及び当該クラウドサービスの解約率を重要な経営指標として位置付けております。最近2連結会計年度の推移は以下のとおりであります。
今後も引き続き販売力の強化や製品・サービスの品質向上に取り組むことによって、売上高営業利益率の上昇、クラウドサービスの利用者数(契約ライセンス数)の増加、及びクラウドサービスの解約率の低下を目指してまいります。
(注)1.各連結会計年度末の利用者数及び解約率を記載しております。
2.クラウドサービスの解約率は、「対象月を含む過去12か月のクラウドライセンス解約金額合計÷同期間のクラウドライセンス前月売上金額合計」にて算出しております。クラウドライセンス解約金額とは、ライセンス契約の解除により減少するクラウドライセンス売上(月額)をいいます。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、取り扱う製品・サービスについて主体的に包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。従って、当社グループは、製品・サービス別のセグメントから構成されており、「HRM事業」、「不動産賃貸事業」の2つを報告セグメントとしております。
各セグメントの主な事業内容は以下のとおりであります。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、当連結会計年度にかかる連結財務諸表作成において採用している当社グループの会計方針と同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は、市場実勢価格に基づいております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(注)1.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、貸会議室事業を含んでおります。
2.セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注)1.前連結会計年度において「その他」に区分していた貸会議室事業は、前連結会計年度中に事業を休止しております。
2.セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
(単位:千円)
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
(単位:千円)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
(単位:千円)
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
(単位:千円)
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。