2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,042名(単体) 1,402名(連結)
  • 平均年齢
    37.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.3年(単体)
  • 平均年収
    6,575,542円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1)  連結会社の状況

 2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

吸水性樹脂

356

機能マテリアル

744

全社(共通)

302

合計

1,402

 

(注) 従業員数は、就業人員数であります。

 

(2)  提出会社の状況

 2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,042

37.74

15.28

6,575,542

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

吸水性樹脂

196

機能マテリアル

633

全社(共通)

213

合計

1,042

 

(注) 1  従業員数は、就業人員数であります。

2  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3)  労働組合の状況

当社グループには、住友精化労働組合が組織(組合員数798名)されており、日本労働組合総連合会、日本化学産業労働組合連盟、日本労働組合総連合会兵庫県連合会に属しております。

なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

(4)  管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

4.88

45.16

71.32

69.99

66.39

・「男女別の賃金」に関して、現状女性管理職の比率が低水準に留まっていることに加えて、近年女性活躍推進の観点から、女性の新卒採用を強化していることにより、相対的に賃金水準の低い女性労働者の割合が高くなっていることから格差が生じております。

・また管理職を除いた一般社員の本給(担う役割および生み出した成果に基づく固定的賃金の主たる部分)については性別による差は無く、95.72%となっております。

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

     なお、従来は当社職階制度における課長およびそれに類する呼称の者とその上位役職にある労働者の合計を対象としておりましたが、呼称に限らずそれらと同等の職務の内容及び責任の程度を有する者を対象として改めて算出いたしました。

 

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社は、1944年に肥料を製造・販売する会社として創業し、その後、主力事業を工業薬品へと転換し、現在は吸水性樹脂事業ならびに機能マテリアル事業を展開しております。これら事業の根底には常に、住友が大切にしてきた「自利利他 公私一如(住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない)」という事業精神があります。近年、地球環境や社会全体の持続可能性を脅かす様々な問題が深刻さを増しているなか、当社グループはこの事業精神に基づいて事業活動に取り組むことを通じて、地球環境の保全や社会的課題の解決に貢献することが責務であると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 

(1)共通

①ガバナンス

当社グループでは、サステナビリティ経営を推進するため、サステナビリティ委員会が、内部統制委員会およびレスポンシブル・ケア委員会と連携しながら、サステナビリティに関する諸課題の特定・評価・管理を行っております。また、サステナビリティ経営の推進状況は、取締役会に報告し、取締役会がサステナビリティ経営を監督しております。

サステナビリティに関する各組織の役割は次のとおりです。

1)サステナビリティ委員会

サステナビリティ経営を推進するため、サステナビリティに関する方針の策定およびサステナビリティ計画の立案、当社およびグループ各社のサステナビリティ推進状況の確認と改善、その他サステナビリティ経営の推進に必要な事項を行っております。

2)内部統制委員会

当社の内部統制を統括するため、内部統制システムの運用状況の報告を受け、各組織およびリスク・コンプライアンス委員会に必要な指示を行い、内部統制の維持・向上を図っております。

3)レスポンシブル・ケア委員会

レスポンシブル・ケア活動を推進するために、安全・環境・品質(リスクおよびコンプライアンスを含む)に関する全社年度計画の策定、業務システムの重大な変更、重大問題に対する措置などを審議、決定しております。

 

②戦略

<サステナビリティ基本方針>

当社グループは、世界共通の目標であるSDGsの課題に取り組み、持続可能な社会の発展に貢献し、全てのステークホルダーの期待に応えていくことを目指しており、社会課題解決への貢献のために取り組むべきことを「サステナビリティ基本方針」として定め、グループ全体が共通の認識と価値観を持って、この基本方針に基づいて行動しております。

 

 サステナビリティ基本方針

住友精化グループは、長期的な視点に立った地球規模の社会課題解決への貢献を自らの責務であると考えます。

この責務を果たすため、以下の基本方針に沿ってサステナビリティ経営を推進してまいります。

1.高品質な製品とサービスの提供により、産業の基盤と快適な暮らしを支えます。

2.化学メーカーとして、無事故無災害を最優先に考え、工場の安全・安定操業と製品の安全輸送に取り組みます。

3.品質管理を徹底し、お客様が満足・安心して使用できる製品とサービスを提供します。

4.製品と生産プロセスがヒトや環境に与える影響を適切に評価し、安全性の確保と環境への配慮に取り組みます。

5. サステナビリティ経営の推進状況を、ステークホルダーに開示するとともにコミュニケーションを行い、その結果を経営に適切に反映します。

6. 従業員が心身ともに健康的かつ安全に仕事に取り組むことができる職場環境を提供し、チャレンジする組織風土をつくります。

7. 社会の一員として、企業活動を通じて、地球と人の共存できる持続可能な社会の発展に貢献します。

 

 

<人権方針>

当社グループは、「人権尊重」を事業継続のための基盤の一つとして位置付けております。人権尊重の責任を果たすことを明確にし、取り組みを推進するため、「人権方針」を定めております。

 

人権方針

住友精化グループは、自らの企業活動の影響を受けるすべてのステークホルダーの人権を尊重する責任を果たすため、国際連合「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠して、住友精化グループの人権方針(以下、「本方針」といいます。)を定めます。

1.基本的な考え方

住友精化グループは、「世界人権宣言」や、国際労働機関(ILO)「労働における基本的原則及び権利に関する宣言』において国際的に宣言されている人権の保護を支持し、尊重します。また、住友精化株式会社は、国連グローバル・コンパクトに署名し、住友精化グループ各社は、人権および労働を含む、その10原則を支持し、尊重します。

2.適用範囲

住友精化グループは、本方針をグループ各社のすべての役員および非正規社員を含むすべての従業員に適用します。また、住友精化グループのサプライチェーンを含むビジネスパートナーにも、人権尊重に協働していただくよう、本方針に従った取り組みを継続的に働きかけます。

3.人権デュー・ディリジェンス

住友精化グループは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた人権デュー・ディリジェンスの実施を通じて、自らの事業活動において生じる人権への負の影響を特定し、防止、または軽減に努めます。

4.是正および救済

住友精化グループは、人権への負の影響の懸念に関する通報・相談体制を整備します。住友精化グループの事業活動が、人権への負の影響を引き起こした、あるいはこれを助長したことが明らかになった場合は、適切な手続きを通じてその是正および救済に取り組みます。

5.情報開示

住友精化グループの人権尊重の取り組みは、住友精化株式会社ホームページや統合報告書等にて報告します。

 

 

1)人権デュー・ディリジェンスの実施

当社では、「人権方針」に基づき、事業活動における負の影響の特定・評価を行い、評価結果に基づく適切な対応に取り組んでまいります。

 


(注)経済産業省『責任あるサプライチェーン等における 人権尊重のための実務参照資料』を参照し作成

 

工程

実施内容

①負の影響の特定・評価

・ リスクが重大な事業領域を特定する。

・ 負の影響の発生過程を特定する。

・ 負の影響と当社との関わり合いを評価する。

・ 主に深刻度により優先的に取り組む事項を特定する。

②負の影響の防止・軽減

・ ①の評価の結論を、社内の関連する部署およびプロセスに組み入れる。

・ 顕在化した負の影響(例:苦情相談窓口から入手した情報)、あるいは潜在的な負の影響(例:事業やサービス関連)を停止・防止・軽減するための措置を実施する。

③取り組みの実効性の評価

・ 上記①と②に効果的に対応してきたかどうかを評価し、当該結果に基づいて継続的な改善を進める。

④説明・情報開示

・ 当社が講じた③までの措置について、社外に説明・開示する(1年に1回以上、統合報告書、ホームページなどを通じて)。

 

 

2)社内の啓発・教育

すべての従業員が人権尊重について正しく理解するよう、啓発・教育を行っております。2023年度は以下のとおり教育を実施いたしました。 

 

テーマ

実施回数

受講人数(延べ)

ハラスメント防止

3回

1,498名

ビジネスと人権

4回

1,300名

 

 

 

3)通報

当社グループおよび取引先の役員・従業員を対象とした通報窓口を設置しております。匿名性、通報者への不利益な取り扱いをしないことを明示し、社外法律事務所へも通報できる窓口とすることで、安心して通報できる環境づくりに努めております。

 

③リスク管理

当社グループは会社の重要リスクを一覧化し、その対策について検討と見直しを行い、内部統制委員会に報告しております。サステナビリティ課題に関わる事業へのリスクについては、サステナビリティ委員会で検討・モニタリングを実施しております。

当社グループにおけるリスク管理の詳細については、「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 (ロ)リスク管理体制の整備状況」をご参照ください。

 

④指標と目標

当社グループは、地球環境や社会のサステナビリティが重要性を増すなかで、当社グループがSDGsの課題解決にどのように貢献していくのかを明確にするため、マテリアリティを検討してまいりました。

その結果、当社グループのマテリアリティとして、「衛生・健康・QOL向上へのアクセス」、「エネルギーへのアクセス」、「インフラ改良と技術革新」、「持続可能な消費と生産」、「ジェンダー平等」、「カーボンニュートラル実現」の6項目を当社グループのマテリアリティとすることと致しました。各項目の取組状況を定量的に把握するためのKPIは以下のとおりです。

 

  ・マテリアリティ(重要課題)

マテリアリティ名称

目指す姿

評価の基準(KPI)

目標

2030年度

衛生・健康・QOL向上への

アクセス

吸水性樹脂(紙おむつ、その他衛生用品向け材料)および水溶性樹脂(生活、医療向け材料)を提供することで、衛生・健康・QOL向上に貢献

・QOL関連製品の売上高

1,400億円

・吸水性樹脂生産量伸長率

30%

(2022年度比)

エネルギーへのアクセス

エレクトロニクスガスおよびエネルギー関連製品(リチウムイオン二次電池用材料等)を提供することで省エネルギーに貢献

・省エネルギー関連製品の売上高

300億円

インフラ改良と技術革新

・新製品上市

・研究開発力強化

・デジタル技術の活用等による生産性向上、生産技術力強化

・循環型社会への貢献

・研究開発費

 (売上高比率)

2.0-2.5%

・新製品売上高

400億円

持続可能な消費と生産

・より安全・安心な製品の実現を推進

・より安全・安心な製品を提供するための投資額

(化学品の安全性評価・申請・登録・製造にかかる 投資額)

4億円

ジェンダー平等

・女性活躍推進

・女性管理職社員比率

17%

15%(単体)

・男性育児休業取得率

100%(単体)

カーボンニュートラル実現

・当社グループから排出される温室効果ガス(GHG)の削減

・バリューチェーンにおけるステークホルダーとの協力

・当社技術による実現への寄与

・GHG削減率(Scope 1,2)

42%以上

(2021年度比)

 

 

(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組)

①ガバナンス

当社は、「カーボンニュートラル実現」をマテリアリティの1項目として定め、気候変動の緩和に努めるとともに、事業の継続性を確保するため、気候変動リスクの回避と軽減に取り組んでおります。サステナビリティ委員会は、気候変動に関する方針の策定、計画の立案ならびにその推進状況の確認および改善を実施しております。レスポンシブル・ケア委員会は、環境保全の視点から、地球温暖化防止・エネルギー消費量削減などの気候変動課題への具体的対策を検討・実施しております。これらの結果は取締役会へ報告し、監督を受けております。また、気候変動リスクにかかわる事項は内部統制委員会にも報告しております。

 

②戦略

気候変動が当社に及ぼす影響を把握するため、国際エネルギー機関(IEA)および気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した長期シナリオ(IEA NZE2050、IPCC AR6、AR5、SR1.5等)を参考に、シナリオ分析を行いました。温暖化の進行が「+4℃」と「+1.5℃」の社会における主要なリスクと機会、対応は以下のとおりです。

 

物理リスク(+4℃の世界):中長期~長期

社会の変化

主要なリスク

影響

主な対応

気象現象の激甚化

(大雨、熱帯低気圧など)

・浸水リスク(洪水、高潮・高波など)による事業活動の停滞

✓生産拠点の長期停止

✓サプライチェーンの寸断

・BCP対策の継続的強化

✓重要拠点の浸水対策強化

✓サプライチェーン強靭化

気温上昇

渇水、水質悪化

・作業環境の悪化による生産性の低下

・渇水、水質悪化による操業度の低下

・作業環境の継続的改善

・水ストレスの把握と対策

移行リスク(+1.5℃の世界):短中期~中長期

社会の変化

主要なリスク

影響

主な対応

政策・規制強化

・NDC目標の引き上げによる関連設備投  資、技術開発投資の大幅な増加

・炭素価格の引き上げなど新たな政策・規制の導入に伴う、コスト負担の増加

・GHG排出削減の推進

✓省エネルギー、プロセス効率化、  CO₂分離回収、エネルギー転換など

機会(+1.5℃への抑制):中期~中長期

社会の変化

主要な機会

影響

主な対応

エネルギー効率の向上

・エネルギー関連材料の需要増加

 

・電池材料、半導体材料の開発

資源循環型社会への移行

・ガス分離回収ニーズの拡大

・リサイクル製品など環境負荷低減に貢献する製品の需要拡大

 大

・PSAの高性能化と事業拡大

・リサイクル技術の開発

 

 

③リスク管理

気候変動に関するリスクおよび機会は、サステナビリティ委員会において確認し、更新しております。また、気候変動に関する主なリスクは、内部統制委員会の経営リスク管理に含めて全体管理しております。

当社グループにおけるリスク管理の詳細については、「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 (ロ)リスク管理体制の整備状況」をご参照ください。

 

 

④指標と目標

当社グループは、2022年にカーボンニュートラルに向け以下の対応方針および目標を定めました。

 

カーボンニュートラル対応方針

当社グループの持続的成長において、カーボンニュートラルへの対応は、避けることのできない重要課題の一つです。当社グループは、GHG排出削減に向けた取り組みを積極的に推進し、2050年カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。

1.自社からのGHG排出を削減

当社グループの生産活動に伴うGHG排出量の最小化を実現するとともに、これらの技術をグループ各社に提供していきます。

2.低GHG製品、環境貢献製品の提供

当社グループが提供する製品・サービスについて、GHG排出削減のための革新を図り、ライフサイクルアセスメント(LCA)の観点からカーボンニュートラルに貢献する製品やソリューションを提供していきます。

3.炭素循環社会実現への貢献

地域・社会と共生し循環経済を実現するために、GHGを回収・活用・固定化する技術革新を継続的に行っていきます。更には、多様な構成メンバーと連携して、社会実装の具現化に貢献することを目標に掲げ、それを推進します。

 

 

目標

1.Scope1,2 GHG排出削減

2030年までにグループ全体で2021年度比42%以上、単体で2013年度比46%以上の排出削減を目指す。

2050年カーボンニュートラルの実現を目指す。

2.Scope3 GHG排出削減

・製品ごとのライフサイクルアセスメント(LCA)の実施と計画的な削減努力の継続

・製品ごとのカーボンフットプリント(CFP)の算定(2025年までに提供可能とする)

3.技術革新への取り組み

  住友精化の製品、技術を革新しカーボンニュートラル社会の実現に貢献する。

・CO₂分離回収技術の開発

・CO₂資源化技術の開発

・環境貢献製品の拡充

 

 

現時点で集計が完了している最新の当社グループのCO₂排出量は以下のとおりです。

   単位(kt- CO₂)

 

2020年度

2021年度

2022年度

国内

207

187

185

海外

89

95

101

合計

296

282

286

 

 

2023年度排出量については、2024年内に発行予定の「統合報告書 住友精化レポート2024(当社ホームページにて開示予定)」において記載予定です。

 

(3)人的資本・多様性

①ガバナンス

取締役会は、当社グループの人的資本経営を監督するため、人財戦略や人的資本経営の実現に向けた考え方や取り組みについての報告を受けることとしております。また、当社グループの取締役、執行役員、従業員の各階層に必要な人財像や、人財の確保・育成を図るための人財戦略について議論を行っております。

経営会議は、業務を統括する執行役員が、経営戦略と連携を図りながら人財戦略や人的資本経営の実現に向けた考え方や取り組みについて議論しております。この議論に基づきHR委員会は、当社グループにおける経営幹部候補者の選抜や育成、重要ポジションへの登用等について議論を行い決定しております。

 

②人財戦略

2023-2025年度の中期経営計画において、当社グループは重点施策として事業構造の強靭化、研究開発の結実、徹底した合理化、サステナビリティへの取り組み深化を掲げております。これらの重点施策を確実に遂行するため、当社は2023年に人財戦略を定めました。この人財戦略に基づき、経営戦略と一体化した人的資本経営を進めていきます。なお、当社グループでは、「人」を財産と考え、人材を「人財」と書きます。「人は財(タカラ)なり」、「人を育てて活かす」、これが当社グループの人的資本経営の原点と考えております。

 

人財戦略

高い専門性を有した多様な人たちが、強いリーダーシップのもと協働し、課題解決に挑戦している。

そういう集団であるために、次の項目に積極的に投資する。

1.高い専門性を有する人財の確保と育成

2.リーダーの選抜と育成

3.DE&Iの推進

4.働く環境の整備

 

 

1)高い専門性を有する人財の確保と育成に関する取り組み

グローバルに事業を展開していく上で必要な専門性を有する多様な人財を確保するため、積極的な経験者採用を行っております。また、計画的な人財育成を目的として、毎年各職場と総務人事室(人事)で部下の育成状況の確認およびローテーションの検討をする育成会議を実施し、ローテーションにより多角的な視点を養う等、業務経験値の向上を促しております。さらに、各種技術教育等の専門教育や自己啓発による能力開発の支援を実施しております

 

 


2)リーダーの選抜と育成に関する取り組み

将来の経営を担う経営人財(幹部候補)の選抜については、各部門から成果を上げている人財の推薦を受け、HR委員会において経営層が議論の上決定ならびに育成計画の策定・確認を行っております。また、リーダーの選抜と育成についても、同委員会で議論を重ねております。

 

3)DE&Iダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進に関する取り組み

当社グループには、性別や国籍の違いだけでなく、さまざまなライフスタイル、多様な価値観を持つ社員が在籍しております。ビジネスが多様化・高度化する中、多様な人財の「知と経験」を融合させて、常に新たな価値を生み出すことが世界で勝ち抜いていくためには不可欠です。それぞれのバックグラウンドに応じた雇用環境の提供のほか、社員一人一人の「強み」に焦点を当て、人財の多様性を活かし、その力を融合させることにより、グローバルな競争力の向上につなげていきます。

 

4)働く環境の整備に関する取り組み

社員の働き甲斐(=会社と個人の共感)は生産性向上の必要条件であり、当社グループの成長の源泉であると考えております。この会社と個人の共感を深めるために、働く環境の整備を中心に各種施策を進めております。

 

ア エンゲージメントサーベイ

当社では、職場の衛生環境を測定する目的のストレスチェックに加え、社員がどれだけ会社に共感しているかを測るため、第三者(株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント)によるエンゲージメントサーベイを実施しております。現在のサーベイの結果(④目標と指標に掲載)は、業界平均を下回っておりますが、まずは業界平均値を達成するよう努めております。具体的には、サーベイ結果を基に社員のエンゲージメント向上への課題を把握し対策を実施するため、人事部門が各部門長を対象とした意見交換の場を設けております。 

 

イ 健康経営

健康経営基本方針

1.当社は、従業員とその家族が安心して生活できるよう、「健康経営」に向けた取り組みを推進します。

2.当社は、従業員自身が自律的に健康の維持・増進に取り組むことを積極的に支援します。

3.当社は、住友精化健康保険組合および住友精化労働組合と一体となり、従業員とその家族の心身の健康づくりを推進します。

 

 

当社は、2024年3月に経済産業省と日本健康会議が共同で認定する「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に認定されました。健康経営優良法人認定制度とは、地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度で、当社は2020年以来5年連続での認定となります。

 

ウ WLB(ワーク・ライフ・バランス)

当社では、WLB推進委員会を設置し、従業員が生き生きと働ける就業環境等の充実に取り組んでおります。休暇の取得促進や業務の効率化をはじめとした実労働時間の削減や、育児・介護との両立をはじめとした柔軟な働き方を促進する制度の整備を進めております。

また、社員の福利厚生の充実と生活の安定に寄与することを目的とした共済会を運営しております。

 

働き方の多様化に関する環境整備の状況(直近3カ年)>

導入年度

取り組み内容

2021

時間単位有給制度の導入(フレックスタイム制度は2006年に導入)

オフィスカジュアル宣言

2022

保存休暇の使用対象範囲を拡大

子の看護休暇・介護休暇の取得時の就業取り扱いを無給から有給に変更

配偶者出産休暇の取得可能日数を2日から3日に拡大

育児休業開始時支援金制度の導入

テレワーク勤務制度の導入

リカレント教育休職制度の導入

2023

ジョブリターン制度の導入(リワーク制度の改定)

エフ休暇の創設(生理休暇・妊婦通院休暇を「エフ休暇」として統合したうえで用途の拡大)

 

 

③リスク管理

当社グループにおけるリスク管理の詳細については、「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 (ロ)リスク管理体制の整備状況」をご参照ください。

 

 

④目標と指標

当社が人的資本経営に関する指標と定めている目標は次のとおりです。

 

<女性活躍推進に関する指標>

項目

2022年度

2023年度

目標(2025年度

新卒採用の女性比率(%)

30.0

43.8

30.0以上

女性管理職比率(%)※

6.4

7.9

12.0

女性比率(全従業員)(%)

16.8

17.8

検討中

女性比率(製造部門を除く)(%)

24.2

25.5

検討中

 

※当社グループ全体の数値です。

 

<WLBに関する指標>

項目

2022年度

2023年度

目標(2025年度)

男性育児休業取得率(%)

44.0

45.2

50.0

平均時間外労働時間(時間)

15.4

15.4

12.0

年次有給休暇取得率(%)

81.2

81.0

80.0

離職率(%)

4.2

3.1

4.0未満

ワークエンゲージメント ※

(業界平均)

47.5

(49.4)

47.7

(49.5)

業界平均値

エンプロイーエンゲージメント ※

(業界平均)

44.5

(47.1)

44.9

(46.7)

業界平均値

 

※第三者(株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント)によるエンゲージメントサーベイを実施しており、その結果を同社の顧客全体における偏差値で示しております。ワークエンゲージメントは「仕事に対する熱意や姿勢」をあらわす指標で、エンプロイーエンゲージメントは、「組織に対する一体感、愛着感」をあらわす指標です。業界は、製造・化学・素材等業界を指します。