2024年6月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 12,953 100.0 379 100.0 2.9

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループは、『Good Communication, Good Partner』という企業スローガンの下、コミュニケーションというフィールドでお客様が抱えるソリューション解決に取り組んでおります。お客様からの信頼を第一に考え、お客様と共に生活者を見据えたマーケットインの思想と、『発想から発送までのワンストップソリューション』を基盤に、新たな価値創造に取り組んでおります。

企業集団の構成としては、当社及び子会社の株式会社サンライト、PT.SASATOKU INDONESIA、世徳印刷科技(無錫)有限公司の4社で構成しております。その役割としましては、当社は国内におけるパッケージ、販促物、広告、パンフレット等の製造・販売事業、株式会社サンライトはセールスプロモーションに関わる企画・制作及びマーケティングの企画事業、世徳印刷科技(無錫)有限公司は中国国内におけるパッケージの製造・販売事業、PT.SASATOKU INDONESIAはインドネシアにおけるパッケージの販売事業を行っております。

当社グループの生産拠点は、国内にはパッケージ工場(紙器・軟包装)として4工場、商業印刷工場(プリントメディア)として1工場、海外にはパッケージ工場(紙器)として1工場の計6工場を整備しております。特に長年・多岐にわたる顧客との取引の中で鍛え上げられた生産体制と製造技術により、製造工程が異なる紙器・軟包装・プリントメディアなどの製品を、各工場においてジャストインタイム、高品質、低コストの生産を実現しております。各工場はそれぞれが完成品までの生産体制を整えており、各工場をまたぐ生産はありません。当社では、環境対策、BCP対応など、顧客のあらゆるニーズに対応するための生産体制を「一環生産体制」と称し、さらなる強化に努めております。(図1)

 


(注)世徳印刷科技(無錫)有限公司は、当社の連結子会社であった世徳印刷(無錫)有限公司を、2023年12月14日付で吸収合併いたしました。

図1:当社の6工場一環体制

 

国内の製造拠点は、全国に繋がる高速道路網により、関西、中部、関東から東北までの広範囲なエリアをカバーしております。本社パッケージ工場、本社商業印刷工場、本社グラビア工場は伊勢湾岸自動車道の豊明インターチェンジに、関東工場は関越自動車道の本庄児玉インターチェンジに、軟包装工場は東海北陸自動車道の一宮西インターチェンジに、いずれも車で5分以内の好立地に製造拠点があり、物流面においても安全・快適で効率的な物流の実現に貢献するとともに、一環生産の製造拠点として優位性を持っております。(図2)


図2:国内の製造拠点

 

当社の事業内容は、パッケージング分野、コミュニケーション分野で構成されており、パッケージング分野につきましては、紙器及び軟包装など包装資材パッケージの企画設計、印刷、加工までを一貫生産し、顧客にタイムリーに供給しております。さらに商品の包装、キッティング作業から発送までを受託するフルフィルメントサービスで構成されております。コミュニケーション分野につきましては、販売促進関連、テクニカルドキュメンテーション、教育・出版関連の企画、印刷、加工及び広報・IRなどクロスメディアに関連する付帯サービス業務(フルフィルメントサービス)、さらにはイベントの企画・運営とソフト開発・デジタルアセットマネジメントサービスなどで構成されております。

 

当社グループは、印刷事業の単一セグメントであります。事業の種類別セグメント情報の開示は行っておりませんが、商品分野別の区分は下記のとおりとなっております。(2024年6月30日現在)

種類

主要品目及び商品分野の特徴

パッケージング分野

商品を包む・守る・魅せる

紙器・軟包装などのパッケージ、店頭什器・販促物、段ボールなどの輸送包装箱、各種パッケージの企画開発、構造設計、パッケージングに関わるフルフィルメントサービス等が主要品目です。

コミュニケーション分野

情報を表現する・伝える・届ける

折込広告、パンフレット、ポスター、カレンダー、マニュアル、CSRレポート、統合報告書、各種コーポレートツールなどのプリントメディア及びプリントメディアに関わるフルフィルメントサービス等が主要品目です。

顧客に伝える・繋がる・拡散する

Webサイト企画の構築・製作・運用、展示会やイベントで使用する動画コンテンツやサイン、その他ロゴ、キャラクターCG製作、コンテンツマネジメントサービスなどが主要品目です。

 

 

 

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 


 

(注)→は、製品、商品及びサービスの流れになります。

 

業績

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化に伴う個人消費の持ち直しや、インバウンド需要の回復などから、景気は緩やかな回復基調で推移する一方、不安定な世界情勢や円安の長期化による原材料価格やエネルギー価格の高騰などの影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

印刷業界におきましては、デジタルシフトによる紙媒体の需要縮小や、競争の激化、価格の低迷という構図が長期化し、厳しい経営環境が続いておりますが、パッケージング分野においては、人流の拡大等が寄与し堅調な需要が続いております。また、広報活動や販売促進活動が回復傾向にあることから、イベント関連の需要も徐々に回復基調となっております。

このような環境下において当社グループでは、2026年中期経営計画として『「コミュニケーション」と「包む」技術で、お客さまと新しい感動を創り、未来へつなげる』を掲げ、最適な環境未来パッケージの開発やデジタルを活用した新たなコンテンツにより事業構造改革を進めるとともに、「発想から発送までのワンストップソリューション」を推進して、企業価値を高める取り組みを進めてまいりました。

 

商品分野別の業績を示すと、以下の通りであります。

(パッケージング分野)

パッケージング分野は、インバウンド需要の回復による食品関係の堅調な需要をとらえたことや、テーマパーク向けのフルフィルメントサービスの好調などにより、売上高は85億33百万円(前期比4.8%増)となりました。

(コミュニケーション分野)

コミュニケーション分野は、カタログや出版・生活用品関係の需要が伸び悩み、売上高は44億19百万円(前期比9.8%減)となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は129億53百万円(前期比0.7%減)、営業利益は3億78百万円(前期比4.2%増)、経常利益は5億35百万円(前期比8.6%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は3億96百万円(前期比65.2%減)となりました。

 

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産額は、154億14百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億2百万円増加しました。その内訳と増減要因については、次のとおりであります。

 

(資産)

流動資産は61億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億39百万円減少しました。これは主に、現金及び預金の減少1億67百万円、売掛金の減少2億80百万円、電子記録債権の増加3億79百万円によるものであります。

固定資産は92億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億42百万円増加しました。これは主に、保有株式の時価評価等による投資有価証券の増加8億68百万円、保険積立金の減少98百万円によるものであります。

 

(負債)

流動負債は44億47百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億82百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少1億43百万円、短期借入金の減少80百万円、電子記録債務の減少69百万円、未払法人税等の減少1億42百万円によるものであります。

固定負債は15億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億76百万円減少しました。これは主に、長期借入金の減少2億97百万円、繰延税金負債の増加1億25百万円によるものであります。

 

(純資産)

純資産は94億65百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億61百万円増加しました。これは主に、自己株式の処分による資本剰余金の増加1億90百万円及び、自己株式の減少(純資産は増加)2億30百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加3億96百万円、その他有価証券評価差金の増加3億89百万円によるものであります。

 

③ 当期のキャッシュ・フローの概況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億67百万円減少し、17億42百万円となりました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は2億29百万円(前連結会計年度は10億50百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益5億32百万円、減価償却費2億91百万円、仕入債務の減少2億12百万円、法人税等の支払額3億30百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は3億71百万円(前連結会計年度は1億71百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2億66百万円、投資有価証券の取得による支出3億6百万円、保険積立金の払戻による収入2億6百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は86百万円(前連結会計年度は5億6百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出3億円、自己株式の売却による収入4億17百万円によるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績を商品分野ごとに示すと、次のとおりであります。

 

商品分野の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

パッケージング分野

7,214,845

104.6

コミュニケーション分野

3,676,954

89.5

合計

10,891,799

99.0

 

(注)生産金額は販売価格により表示しております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績を商品分野ごとに示すと、次のとおりであります。

 

商品分野の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

パッケージング分野

8,593,569

104.4

514,063

113.1

コミュニケーション分野

4,330,141

91.5

182,298

67.1

合計

12,923,710

99.7

696,362

95.9

 

(注)金額は販売価格により表示しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績を商品分野ごとに示すと、次のとおりであります。

 

商品分野の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

パッケージング分野

8,533,958

104.8

コミュニケーション分野

4,419,225

90.2

合計

12,953,184

99.3

 

(注)1.金額は販売価格により表示しております。

2.主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

王子ネピア株式会社

1,406,172

10.8

1,565,261

12.1

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、エネルギーコストおよび物流コストの高騰の影響、ペーパーレス化への移行による印刷物の需要の減少等で、引続き厳しい経営環境となりました。

しかしながら、当社グループが属する印刷産業は、受注産業から需要を創造する産業に変化しており、お客様が抱える課題やニーズを発掘し、環境に配慮したサステナブルな紙素材などと人にやさしい製品設計・開発により、「未来にやさしく環境を循環させるパッケージ」として「ササエコ・パック」シリーズの開発と提供を進めました。

さらには、Webマガジンの制作、SNSを活用した販促企画提案、CGなどのデジタルコンテンツ制作など、印刷関連分野で長年培ってきた経験を生かした「デジタル加工技術」、「ネットワーク構築技術」を更に進化させながら、デジタルメディアの強化に取り組みました。

フルフィルメントサービスにつきましては、お客様の「労働力不足」、物流の「2024年問題」を背景に、その需要は着実に伸びております。

また、海外への展開につきましては、現在、現地日本法人を中心とした取引量の拡大、国内取引先の海外展開に対する情報収集に取り組んでおり、東南アジアに新たな活動拠点の展開を目指した活動をいたしました。

その結果、売上高は国内の需要が回復し、129億53百万円(前期比0.7%減)となりました。パッケージング分野は、インバウンド需要の回復による食品関係の堅調な需要をとらえたことや、テーマパーク向けのフルフィルメントサービスの好調などにより85億33百万円(前期比4.8%増)となりました。コミュニケーション分野は、カタログや出版・生活用品関係の需要が伸び悩み、44億19百万円(前期比9.8%減)となりました。営業利益は、エネルギーコストおよび物流コストは高騰したものの、製品価格への転嫁が順調に進んだことにより3億78百万円(前期比4.2%増)となりました。

営業外収益は、239百万円(前期は244百万円)となりました。これは投資有価証券売却益21百万円や、受取配当金88百万円等の計上によります。また、営業外費用は、82百万円(前期は22百万円)となりました。これは主に上場関連費用26百万円、中国子会社の為替差損32百万円等の計上によります。

この結果、経常利益は、前期に比べ50百万円減少5億35百万円(前期比8.6%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ7億42百万円減少3億96百万円(前期比65.2%減)となりました。

なお、当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、景気や消費動向、原材料や燃料価格の変動、価格競争による製品価格の動向などがあります。

これらに対して、当社の強みである「発想から発送までのワンストップソリューション」により、販売においては顧客の売り上げを最大化するための企画提案を継続し、新規分野・新規顧客先の開拓に積極的に取り組みます。モノづくりにおいては、生産効率の向上をテーマに、一層の自動化・機械化・省人化・省エネルギー化を推進してまいります。

 
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要③ 当期のキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資金需要の主なものは、原材料の購入費用のほか、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用などの運転資金及び生産設備の更新を中心とした設備投資であります。

運転資金については、自己資金及び金融機関からの短期借入による調達、設備投資資金については、金融機関からの長期借入による調達を基本方針としております。

 

(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1  連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

当社グループは、印刷事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

1.製品及びサービスごとの情報

  製品及びサービスごとの情報は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載のとおりであります。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2) 有形固定資産

 

 

 

(単位:千円)

日本

中国

インドネシア

合計

4,497,024

670,741

4,362

5,172,128

 

 

3.主要な顧客ごとの情報

 

(単位:千円)

顧客の名称又は氏名

売上高

王子ネピア株式会社

1,406,172

 

 

当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

1.製品及びサービスごとの情報

  製品及びサービスごとの情報は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載のとおりであります。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2) 有形固定資産

 

 

 

(単位:千円)

日本

中国

インドネシア

合計

4,491,057

659,148

2,006

5,152,211

 

 

3.主要な顧客ごとの情報

 

(単位:千円)

顧客の名称又は氏名

売上高

王子ネピア株式会社

1,565,261

 

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。